聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

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最終章:聖戦士の最期
第123話 真の敵


 国会議事堂の敷地に、俺は立っていた。

 上空には、ナラッカの帝王シャイタン。

 6枚の純白の翼で宙を舞い、空中に佇んでいる。

 

 その赤い瞳は、さっきの戦いの余波と衝撃の言葉、そして事実でまだ揺れてる。

 

 ゼイモンから(もたら)された重大な情報──人間に神として扱われると、ナラッカの飢えは消える。

 そして俺の仲間だった2人の聖戦士ガルザムとゼルノスが実はナラッカで。

 彼女らはこの情報を隠したがっていた――

 

 このことは、俺たちとナラッカの関係性を一変させるには十分だった。

 それは……

 

 俺はシャイタンを見上げ、深く息を吸った。

 そして、腹の底から叫んだんだ。

 

「シャイタン! これが本当なら、俺たちは戦わなくていい! 一緒にメギドを倒そう!」

 

 シャイタンの瞳が一瞬、鋭く光る。

 その視線に圧を感じたが、俺は言葉を続けた。

 意を決して

 

「ナラッカは人間の天敵で、俺たち聖戦士はアンタらと殺し合いをずっと続けて来た」

 

『ミユキ……』

 

 俺の脳裏でタケルさんがそう呟く。

 俺の提案、タケルさんが感情で反発したいんだろうことは理解はしてる。

 

 だけど、タケルさんは口を挟まなかった。

 それに俺は感謝して

 

「……だけども! あの聖戦士に化けていたナラッカ2体の口ぶりを考えるとさ……この1万年のナラッカと聖戦士の戦いの絵図を描いていたのはメギドだろ!?」

 

 俺の声が議事堂の敷地に響く。

 

 シャイタンは答えない。

 

 変わらず空に佇んでいる。

 俺は

 

「メギドはおそらく、自分たちだけ飢餓から解放されて生を謳歌するシステムを作ったんだ!」

 

 シャイタンの赤い瞳が、俺をじっと見つめている。

 

「……シャイタン、教えてくれ。ナラッカを最初にこの世界に召喚するワザ、誰が作ったんだ? ナラッカか? 人間か? それとも……メギドか?」

 

 思えばこれも変だと思っていた。

 別次元からナラッカをこの世界に呼び込むワザ。

 誰が作ったんだよと変に思っていたんだ。

 

 人間にできるわけがないし、したがる奴もほぼ居ないはず。

 そこが分からなかったけど、分からなくても支障なしだから無視してた。

 

 でも、今は違う。

 ハッキリさせないと……!

 

 そこで。

 シャイタンが低い声で答えた。

 

「何故、我が魔界を作ったと思う……? 人間の個体数が回復するまで、プシュケーを断つためよ。そして我が臣民に、我の意志を無視する者はおらぬ」

 

 ……そっか。

 だったらもう、決まりだな。

 

 その言葉で、俺の頭の中でパズルのピースがカチリとハマった。

 じゃあ消去法でもう……

 

「じゃあ、人間かメギドが開発したとしか考えられないが……人間が魔界の存在に気づく可能性はほぼゼロだ。となると……消去法でメギドしかいないな」

 

 シャイタンの瞳に、怒りと……苦しみが浮かんだ。

 

 メギドが全ての黒幕だった。

 

 聖戦士を作り、ナラッカを呼び込み、自分の同胞を悪役に仕立てて、自分を神として祭り上げさせた。

 

 自分だけが飢餓から解放されたい。

 その自己中心的な目的のためだけに。

 

 俺は拳を握り、シャイタンに言った。

 もう一度。

 

「メギドを倒そう、シャイタン……! 俺たちなら、アイツを倒せる!」

 

 それを受けてのシャイタンの答えは……

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