聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第126話 ナラッカの恥

 俺たち──俺、シャイタン、ゼイモンはメイコ食堂の本社ビルにたどり着いた。

 ガラス張りの高層ビルが、夕日を反射して不気味に輝いてる。

 

 ……ここがメギドの城だ。

 

「ここにメギドがおるのだな。……待っておれ。責任を取らせてやる」

 

 シャイタンは吐き捨てるようにそう口にして。

 本社ビルに入っていく。

 

 そしてビルに入ると同時に

 

 ……シャイタンは正体を現した!

 

 白いセーラー服の背中から、6枚の純白の翼を生やして、それを誇示するように

 

「……道を開けよ人間ども。我はこの会社の社長に用がある」

 

 そう、王の声で言い放つ。

 

 ……すごい迫力だ。

 

 それでもガードマンが数人、シャイタンの前に駆け付けて来て。

 首に提げているペンダントを握った。

 

 ……こいつら、聖戦士なのか……?

 俺が対応に迷い、固まった。

 

 この先にもまだ聖戦士が居るなら、相手が人間だと俺は手を出しづらいぞ。

 マズいな……!

 

 そのとき

 

『お待ちなさい』

 

 突如、建物内に声が響いた。

 館内放送だ……。

 

 声は続ける。

 

『……彼女らを社長の間にお連れなさい。私が対応します』

 

 ……それはメイコ食堂社長・城戸芽衣子……メギドの声だった。

 

 

 

 ……せっかく念写でビルの内部構造は把握してから臨んだのに。

 

 予定では、シャイタンにいきなり玄関で暴れて貰い。

 その隙に俺とゼイモンがメギドの居る社長の間に乗り込む。

 それが全部パーになった。

 

 まぁ俺たちはエレベーターに案内されて

 最上階に駆け上る。

 

 エレベーターで最上階を目指しつつ。

 ……市子は逃げたんだろうか?

 それを思った。

 

 しかし妨害が一切無いなんて。

 俺は少し怖かった。

 ……俺は変装をしていたのに、見抜かれていたし。

 

 この状況が語っていること。

 それは

 

 メギドは俺たち3人を相手にしても勝つ自信があるってことだろ……?

 

 エレベーターが最上階に到着する。

 ここにあるのは社長の間のみ。

 

 エレベーターを出ると目の前に黒い金属の扉があり。

 

 そこまで赤い絨毯の廊下が続いている。

 

 俺たちはそこを進み……

 

 扉を開いた。

 

 そこに、メギドがいた。

 

 漆黒の髪、黒いセーラー服の大人びた美少女。

 

 そこは窓の無い部屋。

 天井に明るい照明。

 

 畳敷き。

 

 広さは何畳あるのか分からない。

 時代劇の将軍の部屋を感じる……

 

 メギドは奥で座布団に座り、肘掛けに身を預けていた。

 

 その顔には、気だるげな笑みが浮かんでる。

 そして面倒そうに

 

「全く、ガルザムもゼルノスも使えないウスノロ野郎ですね。千年近い付き合いでしたが、これで主従関係も御破算。こうなったら、私自身が出張るしかありませんね……なーんてところですか?」

 

 その軽い口調に、俺の怒りが爆発した。

 仮にも自分の命令で死んだ家臣に、その言い草は……!

 

「お前、最低だな! 自分の手下が死んだのにお前は平気なのか!?」

 

 メギドはクスクス笑っている。

 

「だって、役に立たなかったんですもの。仕方ないでしょう?」

 

「メギドよ……お前は我の……いやナラッカの恥だ」

 

 そこで。

 シャイタンが口を開いた。

 

 ……怒りに震えていた。

 

「キサマは自分に仕えた家臣を労う気持ちを持っていない……!」

 

 その言葉をメギドは笑い飛ばす。

 

「あの2名は私に空腹を取って貰い、お金も湯水のように恵んで貰い、そして思う存分この世界で永遠に遊びまわる喜びを得る。そのために貴女を捨てて私に忠誠を誓った者たちなんですよ」

 

 そして心底馬鹿にした笑みを浮かべつつ

 

「……だから見返りに、たまに命じる私の与えた仕事くらい、100%完遂するのが最低条件。それを失敗したのだから、そんな使えないクズ、労う必要無いでしょう?」

 

 お陰でこのように、今後のために私自身があなたたちと戦わないといけなくなったんですから……

 あまり逃げ回っていると、私への信仰心が失われるかもしれませんしねぇ。

 ああ、面倒くさい。

 

 そう言って、溜息を吐く。

 

 こいつ……!

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