聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第58話 メギド様のご依頼は

 メギド様の依頼は、ケツモチをメギド様のお抱え組織がやるらしく。

 ナラッカ討伐を最優先にしていいらしい。

 

 何なら、白昼堂々公衆の面前でターゲットを襲ってもなんとかするらしい。

 

 ……揉み消せるってことか。

 方法は分からないけど……怖いな。

 

 とはいえ……

 

 だからといって、標的のことを自分で全く調べないでヒットマンみたく、突撃する気は無かった。

 

 ……仮にも本職の探偵やってるのに、それは怠慢な気がする。

 

 で、一応調べてみたんだが……

 

 標的の元お笑い芸人のブルル宮道。

 

 数年前まではそこそこ売れてそうな芸人だったみたいなんだけど。

 何か運よく深夜に冠番組を貰ったんだそうだ。

 

 で、それで頭に乗って。

 スタッフに嫌われた。

 

 番組自体も大失敗だったのか、僅か半年で打ち切り。

 

 その後転落の一途で。

 芸人を辞める羽目になった。

 

 ……だいぶ荒れていたみたいだ。

 

「俺の才能に嫉妬しやがって!」

 

 って喚き散らしながら酒ばかり飲んでいたらしい。

 

 で、あるとき突然出家。

 マーシアハ教会に。

 

 前触れもなくだ。

 

 ……おそらくこのときに成り代わられたのかな。

 いきなり人が変わっても、出家したせいだ、で言い訳立つもんな。

 

 それまでの人間関係もリセットできるし。

 良い手だと思う。

 

 ……つーか。

 やっぱ、信者だったんじゃないか。

 形式上のことだけど。

 

 動画では「信者じゃないですよ」なんて言ってたくせに。

 

 

 

 ……許可は出てるけどさ。

 

 さすがに俺は白昼堂々天下の往来でナラッカを襲う気にはならなかった。

 それはやってはいけない気がする。

 いくら「やっても大丈夫だよ」って言われていたとしても。

 

 標的のブルル宮道は、教団名義で借りている小さなスタジオで、木曜夜9時から生放送をしているという。

 どうもその仕事は1人でしているそうで……

 

 生放送は1時間で終わるので、放送終了は夜10時。

 

 やるなら、そのときか。

 生放送中は襲えないしな。

 

 俺は問題のスタジオの前で待機し……

 

 時計の針が夜10時を指したとき。

 

「玲瓏」

 

 ……俺は聖戦士の鎧を召喚・着装し。

 その貸しスタジオのドアのドアノブを握り……

 

 鍵が掛かったそれを、力任せにこじ開けたんだ。

 

 中に入ると純白のフローリングの、清潔な部屋。

 広さは10畳くらい。

 

 奥にホワイトボードがあって、撮影機材がその前にセットされてて。

 ブルル宮道は、ホワイトボードの字を消していた。

 

 こっちに睨みつけるような視線を向けつつ。

 

 彼は……

 

「……嗅ぎ付けられたか」

 

 隠す気は無いらしい。

 こっちは少しだけホッとする。

 いくら「全責任はメギド様が取る」と言われてはいても。

 こういう強引な手段で攻める場合は、人違いが怖いしね。

 

 俺は

 

「そういうことだから、観念してくれるか?」

 

 そう軽い感じで言うと

 

「ぬかせっ!」

 

 バリッと。

 ブルル宮道は、ナラッカとしての正体を現した。

 

 それは、緑色のゴリラだった。

 ただし……

 

 胴体にもう1つ、顔がある。

 人間の顔だ。

 

 乳首の部分に血走った眼玉。

 腹にとても巨大な口。

 

 ……こいつは……!

 

 すかさずタケルさんの解説が入る。

 

『こいつはネビリス。腹に気をつけろ。腹の口から火炎を吐き、胸の目玉から電撃を放ってくる』

 

 ……分かった!

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