聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~ 作:XX(旧山川海のすけ)
「心霊現象を舐めないで下さい」
巫女さん……
「素人が素人知識で手を出すと怪我をしますよ」
彼女は顔だけはニコニコしながらそう返して来た。
「私たちは心霊現象のプロ集団です」
……プロ集団。
どうせ、信じていないくせに。
動画サイトで、ブルル宮道だったナラッカがやってた配信番組を思い出す。
アイツは番組内で「憑依現象は全て精神病です」って言い切った。
事実は違うのに。
いや……「言い切った」は言い過ぎか。
でも、そういう印象操作をしていた。
精神病で苦しんでいるなら、マーシアハ教会を頼れと。
多分アイツはここで聞いたことをそのまま言ってるはず。
誘導してたんだし。
だとすると、おそらく彼女らに任せてもろくなことにはならないな。
だってホントは霊は居るんだし。
実在を本気で信じてない奴らに何が出来ると言うんだ。
「だったら俺たち2人、心霊現象の原因特定をどちらが先に出来るのかで勝負しようじゃないか」
で。
……ほとんど場の流れだけど。
あまり勝算もなく、俺はそう提案した。
ほぼ勢いだ……。
「私が霊視したところによりますと」
巫女さんは神妙な顔で語り出す。
この部屋を一度隅々まで見回して。
「この部屋で、人が殺されておりますね」
「……自殺ではなくてですか?」
「はい」
……自殺があった、って言い方をしていないのがなんとも。
こいつら知ってたのか?
この部屋に現れる幽霊が子供だってことを。
一応、整合性はあるな……。
ひょっとして、こいつら本当に霊能者なのか?
動揺する俺。
まずいな……
俺はやだぞ?
市子の家族が全財産教団に寄付して出家するとかさぁ。
俺のテリトリー内でそんなことは絶対に認められない。
……でも、どうしようか……?
この場で玲瓏して変身は出来んし……
焦りのあまり、俺は頭を掻きむしった。
まずい。
目論見から外れてる……!
どうすれば良いんだ……?
だけど
(御幸君)
そこに。
そっと市子が寄って来て俺に
(別室で変身して、霊視してよ)
……耳打ち。
市子も自分の両親が新興宗教に取り込まれるかもしれないのが嫌というか……怖いのかもしれない。
いや、怖いだろうな。普通。
俺が市子の立場だったら絶対嫌だ。
しかしな……
確かに、それならこの状況でも変身できるか。
ようはこの集団とは別の部屋には人が居ないわけだから、変身しても問題無いだろって話よな。
悪くない手だと思う。
それだとかなり堂々と霊視できるし。
そう思うけど……
やってること、浮気現場に旦那に帰宅された間男みたいだな……!
夫が帰って来た! ベランダに隠れて!
みたいな。