聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~ 作:XX(旧山川海のすけ)
犯人の名前は「
北海道在住の会社員。
そして被害者は沖縄の小学生女子。
……犯人が北の端で、犯行が行われたのが南の端なんだな。
そのせいもあるのかね。
犯人が今まで捕まらなかったのは。
こいつを警察に突き出すには……
俺はこいつが犯行のトロフィーのようなものを持ってないかというイメージで念写をした。
するとだ……
こいつ、女の子のバラバラ死体の写真をさ、撮影してたんだ。
デジカメで撮影し、自分で紙に印刷して。
その後、デジカメのSDカードのデータを消して、ハンマーで殴って壊して処分した。
電子データで残しておくと、ハッカーにデータを盗まれるかもしれない。
そんな不安があったのかね。
俺の念写では心の中までは覗けないから、推測だけどさ。
で、たまに週末。
その写真を納めた1冊のアルバムを眺めながら、酒を飲んでるらしい。
……酷い話だ。
絶対に警察に突き出してやる。
「実はこの前、北海道の飲み屋で飲んだときに葛山という男性が酔ってですね……」
『はい。その男性が、俺が犯人だ、と言ったんですね?』
……警察の情報提供窓口にタレ込んだ。
未解決事件で情報募ってたんだわ。その事件。
一応、犯人の行動を念写して書き出して、説得力のある話を作ってさ。
自分がいかにして犯人の証拠を得たのかをタレ込んだ。
……まあ、それでも作り話だからな。
警察が俺を徹底して疑ってきたら、無駄に終わるけどさ。
このときばかりは手を抜いて欲しいわ。
そう、内心祈りながらタレ込む。
で。
『未解決だった、沖縄県小学生女児バラバラ事件の犯人が逮捕されました』
数日後。
テレビのニュースでその一報が報道されたとき。
俺は胸を撫で下ろした。
……上手く行ったわ。
これでだめならどうやって犯人を追い詰めようかと思ったからさ。
そう、事務所の俺のデスクの椅子の背もたれに身を預け、息を吐く。
「ありがとう。おじちゃん」
……お礼の言葉が聞こえた気がした。
今度はあまり怖くなかった。
……ただ。
俺はまだおじちゃん呼ばわりされる年齢じゃ無い。
それだけは思ったが。
「カルト宗教を追い出したぞー!」
その後。
心霊現象も収まり。
市子の家の問題が完全解決したので。
市子が「お礼をしたい」と、駅前の飲み屋で打ち上げを誘って来た。
こういうのは受けるのが礼儀だわ。
市子はサワー類。
俺はウイスキーの水割りを。
「まぁ、上手く行って良かったよ」
俺は一口やり、一言。
宗教は怖いものな。
一家崩壊なんて余裕で起きるし。
関わりたくないもんだ。
しかしなぁ……
「どこから入ったんだろうな? お前の両親も知らないんだろ?」
あの呪われた砂。
……元、な。
今は霊が成仏したから無害だけどさ。
「うん……何か最初からあったって」
で、捨てるのが面倒だから放置してたそうだ。
そのせいで、ああなった。
……ひょっとしたら、自殺したっていう引きこもりの男の持ち物だったのかな?
そのせいで死んだとか……
でも、その当人の霊が見当たらなかったんだよな。
そんな死に方、不本意で死に際でプシュケーが燻りまくりだろ。
絶対、地縛霊が発生すると思うんだけど……
そのとき
「あら、瀬名さんに藍沢さん」
声が掛かった。
視線を向ける。
それは……
「あ、三波さん」
……そう。
俺たちに声を掛けて来たのは、スーパー弁護士の黒岡さんのところで秘書をしている女性、三波さんだったのだ。