聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~ 作:XX(旧山川海のすけ)
『こいつはイザべリアだ。あの触手のような薔薇の花。アレの眼球に気を付けろ』
タケルさん曰く、イザベリアの眼球は……視線を合わせると精神攻撃を仕掛けられてしまうらしい。
ちょっとしたことではあるけど、妙な思い込みをさせられるそうだ。
その場から動いてはいけないとか。喋ってはいけないとか。
……心を変えるような行為……所謂洗脳はできないらしいが。
その他には、視線の先に火炎を召喚する能力があるとか。
……また火かよ!
「ゲッゲッゲ。美味そうなニンゲンどもダ……覚悟するんだナ」
ナラッカ・イザベリアは、イソギンチャクの口の部分……触手の生え際のど真ん中……そこから喋ってる。
よく見ると、歯が生えているな。
キモ。
「ひいいいい! お化けッ!」
「三波さん落ち着いて!」
女性陣2名が取り乱している。
市子ははじめてじゃないから比較的落ち着いているけど……
三波さんは恐慌状態だ。
酔いもすっかり醒めてるみたいだ。
……まぁ、無理も無いよな。
いきなり、本物の化け物に遭遇したんだし。
俺は
「2人とも。このクソバケモンの目は絶対に見るな。妙な暗示を掛けられる」
これは一応言っておかないと。
危ないからね。
そして
「あと、三波さん」
これも言っておかないとな。
「な、何ですか瀬名さん!」
取り乱しつつも、なんとか落ち着きつつある三波さん。
ちょっとだけ感心した。
……回復が早いから。
まあ、とりあえず。
言っておくこと。
それは……
「これから見ることは、絶対に他言しないで下さいよ。秘密中の秘密ですから」
俺はカメラを取り出して、高く掲げながらそれを言う。
「ど、どういうことですか!?」
俺は戸惑う三波さんを申し訳ないが置いてけぼりにし。
高く宣言した。
「
その瞬間、光が沸き起こった。
その光の中……
俺の声に応え、掲げたカメラを依り代に聖戦士の鎧が召喚され。
瞬く間に分解し、俺の全身を覆い尽くして。
俺の聖戦士への変身を完了させる……!
聖戦士が、聖戦士の鎧を召喚し、着装する現象を指す言葉……。
三波さんの声が止まった。
俺の変身見て絶句したのか。
ちょっとだけ気分が良かった。
反応として、少し嬉しい。
「ナ、ナニーッ!? お前、聖戦士だったのカ!」
そしてイザベリアの方からも驚愕の声。
自分が狩る側だと思い込んでいたのに、残念だったな。
……真の獲物は俺たちじゃなく、お前の方なんだ!
覚悟しろ!
「お前は必ずここで倒す!」
人を守るために。
あと、それ以上に自分のために。
……変身を見られてしまった以上、俺はコイツを生かしておくわけにはいかないからね。