聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

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第70話 他言無用!

『こいつはイザべリアだ。あの触手のような薔薇の花。アレの眼球に気を付けろ』

 

 タケルさん曰く、イザベリアの眼球は……視線を合わせると精神攻撃を仕掛けられてしまうらしい。

 ちょっとしたことではあるけど、妙な思い込みをさせられるそうだ。

 その場から動いてはいけないとか。喋ってはいけないとか。

 ……心を変えるような行為……所謂洗脳はできないらしいが。

 

 その他には、視線の先に火炎を召喚する能力があるとか。

 

 ……また火かよ!

 

「ゲッゲッゲ。美味そうなニンゲンどもダ……覚悟するんだナ」

 

 ナラッカ・イザベリアは、イソギンチャクの口の部分……触手の生え際のど真ん中……そこから喋ってる。

 

 よく見ると、歯が生えているな。

 キモ。

 

「ひいいいい! お化けッ!」

 

「三波さん落ち着いて!」

 

 女性陣2名が取り乱している。

 市子ははじめてじゃないから比較的落ち着いているけど……

 三波さんは恐慌状態だ。

 

 酔いもすっかり醒めてるみたいだ。

 

 ……まぁ、無理も無いよな。

 いきなり、本物の化け物に遭遇したんだし。

 

 俺は

 

「2人とも。このクソバケモンの目は絶対に見るな。妙な暗示を掛けられる」

 

 これは一応言っておかないと。

 危ないからね。

 

 そして

 

「あと、三波さん」

 

 これも言っておかないとな。

 

「な、何ですか瀬名さん!」

 

 取り乱しつつも、なんとか落ち着きつつある三波さん。

 ちょっとだけ感心した。

 

 ……回復が早いから。

 

 まあ、とりあえず。

 言っておくこと。

 

 それは……

 

「これから見ることは、絶対に他言しないで下さいよ。秘密中の秘密ですから」

 

 俺はカメラを取り出して、高く掲げながらそれを言う。

 

「ど、どういうことですか!?」

 

 俺は戸惑う三波さんを申し訳ないが置いてけぼりにし。

 高く宣言した。

 

玲瓏(れいろう)ーッ!」

 

 その瞬間、光が沸き起こった。

 

 その光の中……

 

 俺の声に応え、掲げたカメラを依り代に聖戦士の鎧が召喚され。

 瞬く間に分解し、俺の全身を覆い尽くして。

 俺の聖戦士への変身を完了させる……!

 

 玲瓏(れいろう)とは。

 

 聖戦士が、聖戦士の鎧を召喚し、着装する現象を指す言葉……。

 

 三波さんの声が止まった。

 俺の変身見て絶句したのか。

 

 ちょっとだけ気分が良かった。

 反応として、少し嬉しい。

 

「ナ、ナニーッ!? お前、聖戦士だったのカ!」

 

 そしてイザベリアの方からも驚愕の声。

 自分が狩る側だと思い込んでいたのに、残念だったな。

 

 ……真の獲物は俺たちじゃなく、お前の方なんだ!

 覚悟しろ!

 

「お前は必ずここで倒す!」

 

 人を守るために。

 あと、それ以上に自分のために。

 

 ……変身を見られてしまった以上、俺はコイツを生かしておくわけにはいかないからね。

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