聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~   作:XX(旧山川海のすけ)

74 / 135
第74話 天魔王とはナラッカの神の如き支配者

「シャーロイルだなお前は」

 

 イザベリアを殺した後。

 ゼイモンは俺に目を向ける。

 

 聖戦士は他にもいるらしいからな。

 だから一応訊ねたのかね。

 

 俺は

 

「ああ……そうだよ。また会ったな」

 

 頷き、一応警戒を向ける。

 こいつがナラッカなのは違いは無いし。

 

 ゼイモンは

 

「……助太刀するよ。価値ある人間は守るのが僕の基本方針だからね」

 

 油断はしないが、これは嘘では無いだろ。

 それは分かる。

 

 だから俺は

 

「……礼は言わないぞ。ゼイモン」

 

 そして残ったもう1体……法王バイルに向き直る。

 

 バイルは

 

「ゼイモン! 何を考えているんですか!? 同胞を殺すなんて!」

 

 動揺し。

 ……怒りに震えていた。

 

 そんなバイルに

 

「アスタルはこれで納得したぞ。……僕のテリトリーに居る価値ある人間には一切手を出すな。出したら殺すと言ったらね」

 

「でも! 同じナラッカ! 天魔王陛下に仕え、ご恩を受けた同胞……!」

 

 バイルは早口でゼイモンを非難する。

 それには初めて聞く内容が混じってて。

 

 それはこんな話だった。

 

 ……天魔王という存在は。

 どうも「他のナラッカの空腹を引き受ける」という特殊能力を持つらしい。

 それで、空腹に耐えかねた臣下のナラッカたちに恩を与え。

 

 その結果、強固な主従関係を構築してるようだ。

 

 それがバイルのゼイモンを詰る言葉で理解できた。

 

 ……なるほどな。

 天魔王を悪く言うナラッカが1体も居ないのが理解できた。

 

 ……単に強いからだけじゃないのか。

 おそらく、ナラッカにとっては天魔王は文字通り神のような存在なんだな。

 

「あなたはメギド同様の唾棄すべき裏切り者……」

 

「ハ? いい加減にしろよバイル? 僕があのクズと一緒だって?」

 

 ……そして。

 メギドはナラッカでは憎悪の対象なんだな。

 

 当たり前だけど

 

「……いい加減にしろよ? 僕の陛下への忠誠心に曇りなど一切ない。ふざけたことを言ったらただじゃおかないぞ?」

 

 ゼイモンの言葉には有無を言わさぬものがあり

 

「価値ある人間を守ることは必ず陛下のためになる」

 

 自分は間違っていない。

 そういう意味の宣言をし

 

 彼は

 

「……以上だ。去れ。……ノーブルクラスで一番弱いお前が、僕に意見するな」

 

 そう、言い放ったんだ。

 言われたバイルは悔しそうに唸る。

 

 そして

 

「……この屈辱……忘れませんよ。アナタ、必ず陛下に処罰されますからね!」

 

 法王バイルは。

 やや幼稚な捨て台詞を残して

 

 ずんぐりした体型とは不釣り合いな、メチャクチャ素早い動きで

 

 跳躍を繰り返して去って行く……

 

 ……助かった。

 

 胸を撫で下ろす俺。

 

「シャーロイル、また会おう。……次は戦えると良いな!」

 

 法王バイルが去った後。

 ゼイモンはそう俺にやけに明るい言葉を掛け

 

 こいつはこいつで、姿を消した。

 

 ……加速でどっかに走って行ったか。

 

 あっという間に消えたよ。

 魔針盤が伝える、ナラッカの反応……。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。