ウルク産地のアルトリア顔の女神様   作:へっぽこ女神

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第9話 そろそろ第七特異点に行かないとですよ、先輩!

 

 

 

 

「はぁ……はぁ……っ!」

 

 

 カルデア内を駆け巡るマシュが一人。

 

 彼女は藤丸立香を探していた。

 少し前に行われた会議にて、ダヴィンチからのアドバイスに従いギルガメッシュ王の元へ向かった先輩に。

 

 会議のすぐ後に騎士王のアルトリアに話をされ、プリテンダーとしての彼女の危険性を理解したダヴィンチとロマニが今はまだ触らぬ方が良いと藤丸立香を呼び戻すために。

 

 

 

「失礼します! こちらに先輩がっ」

 

 

 

 マシュが見た先にあったのは、衝撃的な光景だった。

 

 

 

「せ、先輩!? なぜ土下座を────!?」

 

 

 

 王座たる椅子に腰掛けるギルガメッシュ。

 その片膝に座るのはプリテンダー。いつもの青ドレスではなく、どことなく古代を感じる肌の露出多めな白を基調としたローブと、腰に巻かれたベルトより下は青と金色を交えたドレススカートを身に付けている。

 

 プリテンダーは気まずい様子でマスターを見ており、ギルガメッシュは冷めた目で藤丸立香を見下ろしていた。

 

 そして何故か、藤丸立香は深く頭を下げて土下座をしていた。

 

 

 

「お、恐れながらによろしいでしょうかギルガメッシュ王」

 

「よいぞマシュ。許そう」

 

「何故先輩は土下座を? 先輩が何か……ギルガメッシュ王に失望されるようなことをしてしまったのでしょうか?」

 

「ふんっ、気にするでない。これはあまりの衝撃に耐えきれず自爆した阿呆の末路よ。フハハハ!!」

 

「自爆? 先輩、一体何を……先輩! 頭をゴンゴンやるのは止めてください血が出ます!」

 

 

 ハンカチを手に立香の額を軽く拭いたマシュ。

 何が起きたのかとオロオロしていると、不意にプリテンダーが口を開いた。

 

 

「ギルガメッシュが私の血濡れの服を破いてこれに着せかえさせたのです」

 

「えっ」

 

「一瞬でも私の身体を見たことに罪悪感が出てしまい自主的に土下座をしているようで……」

 

 

 ギルガメッシュがやったことなので別に私は気にしませんよと、少しだけ申し訳なさそうな顔をしたプリテンダー。

 

 そんな彼女は本気で羞恥など感じていないかのようだ。ギルガメッシュが手を出したからか、それとも自分の身体に自信を持っているのか。

 

 

「せんぱい?」

 

「ごめんマシュ。いやでも俺悪くないからね! 一瞬みちゃっただけだからね! つまり王さまのせい!」

 

 

「────ほう?」

 

 

 プリテンダーの頬を引っ張ってきたギルガメッシュ。

 ムニムニと柔らかな頬を堪能するかのように伸ばしては離して、また掴む。

 

 

「これは我のモノだ。どのように扱おうが構わぬが……何か言いたいことでもあるのか」

 

 

 

 その威圧たるや王のそれ。

 発言を間違えれば簡単に切り捨ててしまうと分かる。

 

 

 冷や汗をかくマシュが立香の腕をつかんだ。

 しかし立香は、なにやら覚悟を決めた顔でギルガメッシュ王を見る。

 

 

 そんな二人とは異なり、プリテンダーは自らの頬を引っ張るギルガメッシュ王の手を軽く触ってきた。

 

 

 

「はらひへくらはい」

 

 

「フハハハハハハ」

 

 

 

 プリテンダーの声を聞いたギルガメッシュが愉快そうな顔をする。

 

 動いていた手を離したことで、赤くなった頬を見せるプリテンダー。彼女は痛みを感じず、ただ純粋にマスターを心配しているようだった。

 

 

「では、恐れながらにギルガメッシュ王──女の子の服をひんむいちゃ駄目です!」

 

 

「女の子だと? これが? ふふ、フハハハハハハッッ!! 雑種貴様ぁこれを女の子と言うか!」

 

「えっと、まず……俺的にモノ扱いする程度には仲良しだなとは思います。それでも、その……見た目は女の子なので、急に服をひんむくのは……」

 

「何を初なことを言っておるのだ貴様。毎夜のように夜這いされてるくせによく言うわ!」

 

「夜這いは全部拒否ってます! 俺はまだ童貞です!」

 

「先輩なんか話題が可笑しくなってます!」

 

 

「フハハハハハハっっっ!!!!」

 

 

 

 なんか変な空気となった周りに、マシュが先輩を引っ張りつつ「すみませんダヴィンチちゃんに呼び出されてますので──!」と部屋から退出。

 

 上機嫌なギルガメッシュ王の笑い声が部屋に響くのみとなった。

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 慌ただしく出ていったマスターとマシュに申し訳なくなる。

 

 それもこれも、ギルガメッシュときちんと話す前に急に私のボロボロな服を破り裂いて「ええい! このような貧相な見目をするでないわ、たわけぇ!」とちょっと怒った様子で王の財宝から出した服を渡してきたからだが。

 

 裸を見られることは別に気にしてない。なんせ古代の神々は寛容すぎて──外での湯浴みなんて日常茶飯事なのだから。

 

 

「それで、私に何か────」

 

「貴様まだ分からぬのか? このポンコツめ」

 

「何がでしょうか」

 

 

 膝に乗せられたために顔が近く、少し楽しそうに目を細めるギルガメッシュは意地悪をする手前の笑みを浮かべた。

 

 

「貴様の身体が愉快な状態であることに気づかぬか、シャマシュ」

 

「……はい?」

 

「プリテンダーのクラスとは難儀なものよ。貴様は召喚のために権能を削り、偽りの身となりこのカルデアへ顕現されたのだ」

 

「確かにいろいろ落とした記憶はありますが、偽りとは────」

 

 

 

 不意に思い返すはカルデアでの出来事ばかり。

 

 

 あれ、そういえばカルデアで身体を浮かすことしてなかったような。

 女神としての権能はいろいろ使えるけれど、剣は使ってなかったような……。

 

 

「今の貴様はセイバーの身を依代に召喚に応じたようなものだ」

 

「その……貴方のいうセイバーとは……あの騎士王ですか?」

 

「ようやく理解したかポンコツ女神め。よほどその身体と波長が合うのであろうな。金髪碧眼と元々はセイバーに近い顔をしていたのも要因であろうよ」

 

「つまりこの身は他人のもの……つまり、この身体は借りてきたもの……それを他所に見せてしまったと!?」

 

 

 それにしてはなんかすっごく身体がピッタリだし合うんだけど!?

 

 あっ、いや待って。

 だからマーリンも会うのがなんとなく嫌だったのか!?

 

 あと普通に騎士王に『異なる私』とか言われたのか!!?

 

 というか普通にいろいろやらかしてたんですけど!

 主に腕切り落としたり、裸になったり!

 

 

「騎士王になんと申したら……!」

 

「気になるのであれば素直に自らの身体のまま召喚に応じることだなぁフハハハハハハ!!」

 

「それです!!」

 

「ハハ────おい待てどこへ行くシャマシュ!」

 

「何を言うのですかギルガメッシュ! この身体はギルガメッシュのものではないと分かったのですから、再度召喚に応じるのですよ! 今度はちゃんとした身体で!!」

 

「阿呆! そのようなことをすればカルデアのシステムをバグらせるも同じ──シャマシュ!」

 

「また後で会いましょうギルガメッシュ! 私にはやるべきことがありますので!」

 

 

 今度はきちんと召喚に応じてみよう。

 

 シャマシュとして消滅したいのは当然だけど、このままではいられない。他所のサーヴァントに迷惑はかけられない。

 

 

 

「これだから貴様はポンコツなのだ!!」

 

 

 

 

 






ちなみに全話を謎丸のBGMでそれぞれお楽しみ頂けると嬉しいです。



ちょっとやることあるので今日の更新はここまでにします。
時間あるなら今日の夜にあと1話書きます。やる気と体力次第です。

面白いと思ってくれたら、高評価やお気に入り登録、感想などしてくれると嬉しいです!



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