ウルク産地のアルトリア顔の女神様   作:へっぽこ女神

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カルデア内での話が本編だからね。こっちはぱぱっと片付けよう






第11話 召還されたシャマシュは分からない

 

 

 

 

 藤丸立香はいつものごとく特異点のウルクにて襲われていた。

 

 ライオンみたいな魔獣、ドラゴンっぽい魔獣、なんか変なワニ魔獣。

 ────そして、エルキドゥと名乗って助けてくれたと思ったら敵性サーヴァントとして襲ってきたこと。

 

 

「どういうことなの!? 何がどうなってるのか分からないんだけど!!」

 

「先輩! 言ってる場合ではないかと!」

 

 

「そうだよ。その通りだ。油断したら痛い目みるよ」

 

 

 目を細め襲いかかってくるエルキドゥに、マシュが盾を振りかざし立香を守る。

 このままではいけないと考えた立香も応戦し、誰かサーヴァントをと──。

 

 

「マーリンはまた遅刻ですか」

 

 

 聞こえてきた声に手が止まる。

 立香とマシュの目前へ飛んできた鎖を、剣を全て巨大な炎で燃やし尽くしたそれに、だれもが目を見開いた。

 

 

「お前っ──また、邪魔をするのか!!」

 

「……私はウルクの守護神ですよ。人を助けるためにこの場にいるのですから」

 

 

 ふわりと浮かんできたその姿を立香は知っている。

 その声は、その姿は──まあ、アルトリア顔だし声も同じだしたくさんいるけれど。

 

 それでも立香は、彼女が誰なのかわかった。

 なんせこのウルクに来る前に会っていた人物なのだから。

 

 

「プリテンダー?」

 

 

 いつもの青い服ではない。

 カルデアにて、全盛期のアーチャーたるギルガメッシュ王がプリテンダーを裸にひんむいてから着せたあの服装。

 

 どことなく古代を感じる肌の露出多めな白を基調としたローブと、腰に巻かれたベルトより下は青と金色を交えたドレススカートを身に付けているその姿に既視感があった。

 

 

 エルキドゥが険しい表情で何処かへ行くのを見届けたプリテンダーが、ふわふわと空に浮かびつつ立香を見た。

 

 その瞳に、立香は魅入られる。

 

 先ほどエルキドゥを炎で攻撃してきた時は太陽のように赤く、燃え盛るような輝けるものだったのに今はまるで違う。

 

 まるで澄みきった空のように綺麗な青の色。

 雲一つない空を描くような、そんな感覚だろうか。

 

 彼女の瞳に、空を見上げるような心地よさを感じたのだ。

 

 

「初めまして、人類最後のマスター」

 

「……えっと、あの。プリテンダー?」

 

「せ、先輩。おそらくプリテンダーさんとはまた違うサーヴァントでは──」

 

「あっ、そうか! そうだよね飛ばないもんねプリテンダーは!」

 

「飛ぶ飛ばないの問題ではないかと!」

 

 

 目の前にいる彼女は、微笑みを絶やさず立香を見た。

 

 

「飛んでるけどプリテンダーだと思うんだよね! カルデアのプリテンダー呼んでみよう!」

 

「先輩それは魔力の無駄遣いかと!」

 

「いでよプリテンダー!! ……あれ、出てこない!?」

 

「先輩!?」

 

「なんで来ないの!? 待って、魔力は回ってる。カルデアからの通信無いのはいつものことだし。よし! ウルクにちなんでギルガメッシュ王……は怖いからギル君に来てもらおう!」

 

「止めましょう先輩!! 本末転倒ですよ!?」

 

「だって──」

 

「混乱してますね。少し落ち着きましょう先輩。すってーはいてー……そうです。まずは目の前のプリテンダーさんに似た方にお話を聞きましょう!」

 

「プリテンダー本人だと思うんだけどなぁ……」

 

 

 クスクス笑った青空のような少女は、二人に向かって口を開く。

 

 

「カルデアに私はいないはずですよ。この戦いが終わったら私は消滅すると決めているので」

 

「えっ」

 

「私はシャマシュ。……ウルクの守護のため、私の持つ全てをギルガメッシュ王に預け、共に最後を終えるだけのただの女神です」

 

 

 そう言ったシャマシュに、悲嘆は無かった。

 

 イシュタルやエレシュキガルといった女神たちは依代をもってサーヴァントとして呼び出されていたが、シャマシュだけは違った。

 

 ウルクにてギルガメッシュ王と共に生きた彼女の全てを藤丸立香は見た。

 ギルガメッシュ王の守り抜いたウルクの全てを見た。

 

 女神と戦い、ラフムと戦い──ティアマトとの最後の決戦まで見届けてきた。

 

 泥に犯されそうになるウルクの土地を、ティアマトの攻撃の進行を食い止めるために彼女は全てを投げ出したのだ。

 

 シャマシュの四肢は欠損していなくとも、内臓も全てあったとしても。

 ウルクに散らばった彼女の女神としての守護神たる権能。その魂の全てをもって人を守りぬいた。

 

 たとえ数少ない人間であろうとも。

 ギルガメッシュ王の、ウルクの守護すべき民であるからと。

 

 ティアマトに一部取り込まれかけた時には、その部位を切り捨てた。

 消滅することも厭わず、血肉が飛び散ろうとも構わず、最後まで。

 

 

 

・・・・・

 

 

 カルデアのスタッフに見つかることなくこっそり召喚システムを弄って再召喚してみせた。

 青セイバーたる肉体についてちょっとお礼込みでお返しして、ちゃんと自分の身体に。

 

 ふわふわと浮かべるし、服もちゃんと私のもの。召喚システム弄ってる途中でドゥムジ見つけたのであの羊からぶんどった権能も使えるし、五感もちゃんと残ってる。

 いやまあ、さすがにサーヴァントとして召喚されるために切り捨てたのはあるけれど。

 

 私室に入りくつろいでいるとやってきた子ギルに膝枕をしてあげた。

 

 

「なんとかなりましたね……これで完璧です!」

 

「いや、手遅れですよシャマシュ」

 

「えっ」

 

 

 子ギルが苦笑してきたと思ったら、部屋に飛び込んできた一人の人間。

 マスターが目を見開いて私を見て、何故か顔をくしゃくしゃにしてきた。

 

 

 

「シャマシュぅぅぅ!!!」

 

 

 

 あれ、何で私の真名を知ってるの!?

 

 

 

 

 

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