ウルク産地のアルトリア顔の女神様   作:へっぽこ女神

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数多くの感想や高評価ありがとうございます!
続き見たいという気持ちが伝わりましたので、なんとか1話書けました!





第17話 シャマシュが脱いでも誰も得しない……はず?

 

 

 

 

 目が覚めたら何故か、サンタになった幼い私が増えていた件について。

 

 ──いや、記憶はあるんだ。

 サンタになって冥界の底へ向かい、エレシュキガルを救った記憶が。

 

 実際、そのおかげかエレシュキガルが召喚されたのだ。

 

 そう、カルデアから退去しなくてはならない3日前に。

 

 建物の中に響く「すぐ帰らなくちゃいけないのだわ!?」というような悲痛な叫び声を誰もが無視する程度にはカルデアは慌ただしい。

 

 人類史が戻ったことによる数多くのレポート作成。

 サーヴァントの霊基記録を悪用されないための強制ロック。

 その間にも発生する微小特異点の攻略。

 

 ──そう、もう残り3日しかないのだ。

 写真集を抹消しなくてはならない後始末が残ってるというのに、たった3日でどうしたらいいのか……。

 

 サンタの私がサポート特化で、本来の私よりサンタの方がマスターに頼りにされている現状。ドゥムジが逃げたせいでどうしようもならないため、ひとまず作戦を考える。

 私が増えたのなら、もう一人の私にも協力してもらおう。そう思ってサンタの私と話をするため動こうとしたけど、マスターに引っ張りだこであまりにも話す機会が無さすぎて時間を無駄に消化した。

 

 どうしたらいいのかと考えていた私に、何故かイシュタルから「やーいポンコツ! 戦力外!」と煽られてしまった。

 

 まあたぶん、八つ当たりしてるんだろう。

 

 そう、カルデアでもサンタとして皆にいろんな祝福を配っていた私。

 全盛期のギルガメッシュに彼を模した黄金の像を見せて高笑いされつつも頬を引っ張られ虐められていたみたいだ。

 まあ、サンタの私はあまりにも素直過ぎて、ギルガメッシュからの接触なら虐められても構わないと幸せそうだったけれど……。

 

 そんな時に、宝石や黄金の強奪に動いたイシュタルによりサンタの私が泣かされ、その手に持っていた大きな袋が奪われる騒ぎが起きた。

 子供好きなサーヴァント達により反撃されて袋は奪い返され、通りすがりのエルキドゥによりイシュタルが吹き飛ばされ、英雄王と賢王の二人のギルガメッシュに指差され爆笑されてたけれど。

 

 ひとまず煽られたことがムカついたのでエルキドゥに頼んでイシュタルを軽く焼くのに協力してもらった。

 とにかく、イシュタルはどうでもいいんだ。

 

 私がやらなきゃいけないことはアルトリアへの謝罪である。

 でも謝るだけじゃ駄目。言葉で埋めて終わらせるのは怠惰に過ぎない行為だ。

 

 

「──というわけで、サンタの私も協力してください」

 

 

 

 私室にて、椅子に座りお互い顔を向き合って話をする。

 幼いとはいえ自分自身。こうして増えるのはなんとも変な感覚だ。

 

 

 サンタの私は目を瞬いてるだけだった。

 何の話をしてるのか分かっていないようだ。

 

 

「しゃしんしゅー、ですか?」

 

「覚えてるはずですよ。サンタの私」

 

 

 きょとんとした顔の幼い私が、前にやらかした時のことを思い出したのか、ハッとその小さな口を両手でおさえた。

 

 その顔は何故かしょぼくれて、アホ毛が萎びている。

 

 

「黒いサンタな先輩のアルトリアに謝るの忘れてました……ギルの望みを叶えたくて」

 

「ああ、それならエルキドゥから聞いている。サンタな私がアルトリアからギルヘ向けたプレゼントを渡してもらおうと動いたことは」

 

「……はい」

 

「気にするな、サンタな私。ギルガメッシュが望んでいるならばそれはウルクの望み。シャマシュとして最優先でやるべきことだ。……私も同じことをするだろうからな」

 

「っ!」

 

「それでも──その……分かりますね、私?」

 

「はい、カルデアから退去しなくてはならない短い間では、もう写真集を回収することは出来ないです」

 

 

 サンタな私がうんうんと頷いて、床に置いていた袋から箱入りの立派なお菓子を複数取り出してきた。

 ドカドカドカと、数多く山積みになるそれら。

 

 なんかたくさん入ってるけど、それ四次元ポケットか何かか?

 

 ──えっ、ドゥムジから取り返した?

 もともとの私の権能を改造してサンタになるために返して貰ったと。……なるほど、あまり考えないようにしますね。

 

 

「とにかく、菓子折りで済ませるのは駄目です」

 

「アルトリアは食べ物が大好きなのでは……?」

 

「目には目を歯には歯を……私たちがやらかしたことは菓子で終わってよいことか?」

 

 

 サンタな私が悲しそうな顔をして天井を見上げた。

 

 

「写真……いっぱい撮りました……」

 

「ドレス、ヒラヒラメイド服、バニー、水着……なんでも撮りましたね」

 

「しかもアルトリアたくさんいます……!」

 

「そうだ、サンタな私。アルトリアは増殖する……つまり、私が謝らなくてはならないサーヴァントがたくさんいるということだ!」

 

「はわわっ」

 

 

 どうしようと慌てているサンタの私に、小さく頷いて見せた。

 

 

「写真集を取り返す件については……最悪、聖杯があるので軽く特異点を作ってでもと思いましたけどそれを考えた時点で賢王のギルガメッシュに怒られてしまいましたので……」

 

「カルデアの仕事を増やしちゃいますもんね。私も金塊をやたらとばらまくなとギルに怒られてしまい……ギルガメッシュに説教されるとすごい悲しくなります……」

 

「はい。なので正義と法の神として……ハンムラビに従い私がやるべきことは何か、分かりますね?」

 

「脱ぎますか? お写真撮ります?」

 

「それも視野に入れましたが私が脱いでも得する人は誰もいませんよ」

 

 

 アルトリアの身体に入ってた頃ではない。顔は似てるけど全くの別物。

 シャマシュとして見てくれる価値なんて権能くらいなものだ。

 

 

「アルトリアに会いに行きましょう、サンタな私。写真集についても素直に話さなくては!」

 

「は、はい! ルーラーの私!」

 

 

 覚悟を決めた顔で私たちは椅子から立ち上がり、部屋から出ることに決める。

 向かう先はアルトリア────もちろん騎士王だけではなく、アルトリア・ペンドラゴンの全員に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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