ウルク産地のアルトリア顔の女神様 作:へっぽこ女神
その感情は、告白のそれに似ていた。
──ギルガメッシュが、あなたのことがお気に入りだからです……!
カルデア裁判所にて響く少女の声。
聞く者によってはアルトリアが言ったのではないかと錯覚するほど似た声が、羞恥と悲痛な叫びによって聞こえてくる。
その数秒の沈黙の後。
部屋の反応は二つに分かれていた。
なんとも複雑な様子の騎士王。呆れるオルタ勢。モゴモゴ動いてる謎のヒロインX。そんな静まり返るアルトリア勢。
そしてもしや愛の告白かと目を輝かせて静かに話を聞く立香とマシュ。
木製の柵で分けられている弁護人や被告人席側よりかは、見物するためにきたサーヴァントたちの方が盛り上がっていたのだ。
あるサーヴァント達は酒の肴として。
締切抱えた作家達は目を輝かせたり舌打ちしたりしつつも創作のネタにペンを走らせ。
またあるウルクの関係者は深くため息を吐いたのだった。
「あの姉ちゃんすげえこと言ってんなぁ。まっ、男の趣味は悪いがな──お前もそう思うだろ。告白された当人さんよぉ」
酒が入ったコップを片手に旨そうに飲む青の英雄。
その隣に座る小さな金色は、苦笑を隠さない。
「ボクはとっくに知ってましたよ、ランサーさん。驚きもしませんし、別に気にしてないです」
「へぇ。知ってて放置してんのか」
「そんな顔しないでくれません? クー・フーリンの逸話的に言えば息子を息子と知らずに殺したのと似たようなものですよ」
「てめえ喧嘩売ってんのか」
「やだなぁ、ボクは大人のボクと違ってそこまで慢心してないんですよ」
にこりと微笑んだ子ギルは、クー・フーリンから目をそらし真っ直ぐにシャマシュを見た。
こんな告白。
神話や英雄譚ならば何処にでもある。
それに別に英雄などでなくても日常的に溢れている話だろう。好きな人の好みに近づきたくて服や髪型を変えるみたいなのは。
──神が依代を選ぶとは、そういうようなもの。
アンデルセンもつまらんと叫ぶ程度には嗤える話だ。
ただ、シャマシュの相手がギルガメッシュであるため。
どうやらあの英雄王もあの小娘には関心があるようだぞと楽しんでる性格の悪い奴らが多いだけ。
それに、子ギルは腹立たない。きっと大人の方のギルガメッシュも周りの不敬な反応は無視するだろう。
シャマシュのポンコツっぷりはウルクではよくあったこと。こんなやらかしは想定内だ。
子ギルは知っている。
このカルデアで行われているアルトリア裁判という名の茶番を、私室にて遠くから千里眼で見ている大人のギルガメッシュが2人いることを。
シャマシュの告白を聞きつつ、酒を飲んで上機嫌に笑っていることを。
──いや、お爺ちゃんな方のボクは呆れてるかな。
そう、子ギルが考える程度には、本当にこの場は茶番劇にも劣る喜劇。
子ギルより精神年齢が下のはずの、ウルクの守護神になろうとしたシャマシュ。
彼女にとってのほんの小さな祈り。
ギルガメッシュのために、ウルクのために。
そうして神として生きて、消滅することに決めたシャマシュは、無自覚に望んでいただけ。
ウルクでのいろんなことを思い出しては、今のポンコツなシャマシュに至ってしまったことに苦笑する。
そんな子ギルに、クー・フーリンが眉をひそめた。
「好きな女に似た女神様には無関心じゃねえの。贋作嫌いなてめえだからどうでもいいってか?」
「いくら似ていても全く違いますよ。それに贋作でもない。セイバーさんはセイバーさんで、シャマシュはシャマシュです」
「ふーん?」
「シャマシュはボクの──ギルガメッシュとしての嗜好には合いません。子が親を望むように。純粋な好意の塊なだけですからね、シャマシュは」
だからポンコツなんだと、子ギルは笑う。
こんな好意を伝えるシャマシュの頑固な考えは、カルデアで変えることは出来なかった。
セイバーの身体に入っていた時になら時間はあったが、今となっては手遅れ。
だから本当にポンコツ。
自分でセイバーの身体を依代に選んだくせに、人であればギルガメッシュの傍にいられるかもと愚かにも考えた阿呆のくせに。
「もうボクはシャマシュに会うつもりはありません」
「気まずいからか?」
「何言ってるんですかランサーさん。ボクがそんな優しい性格してないの知ってるくせに」
きっと大人の方のギルガメッシュも同じ考えだろう。
カルデアからの退去となれば、座へ戻るも同じ。
ギルガメッシュの傍に充分いられたと思われて、もう未練はないと消滅されるのはとても面倒くさい。
ただそれだけだ。
傲慢にも、強欲にもシャマシュを手に入れるには惜しい。あれはポンコツだからこそ自由に動き、ポンコツ故に純粋な心を持っている。
ギルガメッシュが死ぬなと言えばきっと素直に応じてくれるだろうが、それは神としてのシャマシュを歪める行為。彼の心がそれを決して口にすることはない。
「きっとまたポンコツなことをするので、ボクは離れるだけです」
神が人を追いかけるとはなんたる喜劇。
だけど、シャマシュだからこそ楽しめる。
────それに、聞こえてきたセイバーの声は、いろいろ思うことはありますが許しますという、許容のそれ。
つまらぬ裁判はオチもなく早めに幕を閉じた。
まあそれでも、カルデア退去まで残り3日。
シャマシュが『王と神の恋物語』という名の、様々なサーヴァントたちのターゲットにされるのは目に見えている。
シャマシュに向ける感情は決して恋ではないのに。
騒ぎを聞いてシャマシュはまたやらかすかもしれない。でもイシュタルよりは圧倒的にマシ。
そう子ギルは苦笑しつつも、いまだに騒ぐカルデア裁判所から出ていった。
アンケート作ります。
カルデア退去後のシャマシュのポンコツさにより召喚された場所について書いて欲しいのは以下のどれかアンケートに答えていただけると嬉しいです。
どれか一つを書きます。
冬木、(聖杯のバグによりセイバークラスでアルトリアと誤解されたまま衛宮切嗣といく聖杯戦争。ただしギルガメッシュに会うとあらゆる意味で終わる)
冬木2、(衛宮さんちのご飯時空にて、アホなことをやらかしてカルデアから退去のつもりがどこかに転送され、その先が士郎の目前)
カルデア、(イシュタル開催による夏イベで、水着シャマシュがライダークラスで水着エルキドゥとバイクを爆走イベント)
カルデア2、(ポンコツによりオルタ化したシャマシュがギルガメッシュと殺し合いしてる特異点攻略)
・・・
ちょっと解説。
今までやってきたことと言えばカルデアでセイバーの身体に入る
→自分の意思でやるという今まであり得なかったシャマシュの欲。それが出たならちょっとは考えが変わるかなと子ギル画策。全盛期のギルガメッシュもシャマシュが自らカルデアと強引に、強欲にも無理やり縁を結んでセイバーの依代に入ってきた。しかもそれが自分が理由というのでいろいろ思うことはあれどシャマシュの成長が少し感じられて上機嫌だった。しかしポンコツにも変な方向に考えてシャマシュ暴走、自らの欲を隠しの召喚し直しでカルデア退去から一週間前に戻ってくる手遅れっぷり。
サンタシャマシュが出てきたが、幼い方はギルガメッシュの大好きっぷりはあれど、消滅する意思は変わらず。
カルデアでマスターと関わるも、脳死周回多くてシャマシュの本質を真正面からみる機会得られず。
ギルガメッシュと長くいることで自分のやりたいことの未練が無くなり、退去と同時に完全消滅へ至る可能性が高いのでそれを許さぬとギルガメッシュから会うことは少なくなり退去。
ギルガメッシュが言えば何か変わるわけもない頑固なポンコツ。
フェイトでのウルクの神と言えばで前の知識が若干でもあるのが致命的。いつかは決別しなきゃいけないを前提にギルガメッシュの傍で生きてきたので。
シャマシュがちゃんと考えて動くならハッピーエンドになります。そのルート選択をお願いします。
26日の18時までを締切としますね。
では改めて選択をお願いします。
冬木、(聖杯のバグによりセイバークラスでアルトリアと誤解されたまま衛宮切嗣といく聖杯戦争。ただしギルガメッシュに会うとあらゆる意味で終わる。シリアル時空。誤字ではない。シリアスではなくシリアル)
冬木2、(衛宮さんちのご飯時空にて、アホなことをやらかしてカルデアから退去のつもりがどこかに転送され、その先が士郎の目前。ギャグ時空)
カルデア、(イシュタル開催による夏イベで、水着シャマシュがライダークラスで水着エルキドゥとバイクを爆走イベント。ギャグ的時空)
カルデア2、(ポンコツによりオルタ化したシャマシュがギルガメッシュと殺し合いしてる特異点攻略。シリアス時空)
カルデア退去後のシャマシュの行く先は?
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冬木
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冬木2
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カルデア
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カルデア2