ウルク産地のアルトリア顔の女神様   作:へっぽこ女神

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第21話 イシュタルカップ開幕

 

 

 

 

 カルデアで響く警報音。

 引っ越しのためにと荷物をまとめてたはずのスタッフが仕方ないなとゆるりと観測を開始する。

 

 そんなカルデアの奥の廊下にて、スタッフ達の元へ向かう二人の姿があった。

 

 

「先輩? 特異点観測されたのに何故満面の笑みなのでしょうか?」

 

「だってマシュ、イシュタルカップだよ!」

 

 

 ニコニコと笑う立香の手にはチケットが握られている。それはイシュタルから渡されたもの。

 ライダーのイシュタルがこの寒い中水着で意味深に立香に手伝いしに来いと命じてきたのだ。

 

 イシュタルが何を暗躍してるかは分からないが、それでも血の惨劇は起こらなそうな特異点。

 立香はのんびり楽しめると心から嬉しそうだった。

 

 そんな立香に隣で歩くマシュが笑顔で頷く。

 

 

「以前にも行われた夏イベントのレースですよね! 第二回目ということで、各チームが優勝のためにとやる気を出していることは聞いています!」

 

「そうだよマシュ。皆が退去する前に一度は思い出作りでもしようって感じでイシュタルカップが開幕されたんじゃないかな? 屋台もあるみたいでちょっとウキウキしてるんだ!」

 

 

 

 エミヤのオニギリ和食屋台を中心に、お菓子や玩具などいろいろ売り出されていることを立香は事前に知っていた。

 

 カルデアが終わる前に。

 これから先の不安が襲う前に──。

 

 目の前の特異点をたくさん楽しむぞと立香はマシュを見た。

 

 

「はい! 私も楽しみです! それに、先輩と共にお手伝いが出来ることを光栄に思います! 頑張りましょうね、先輩!」

 

「そうだね、マシュ! そういえば、前にやったレースの時のイシュタルは財産全部駄目にしちゃったって聞いたけど……」

 

雑種(マスター)! 何を呑気なことを言っている!」

 

「ギルガメッシ──えっ、誰!?」

 

「先輩! 声からして騎士王にも見えますし、雰囲気や口調的にギルガメッシュ王にも見えますが全然違うようです!」

 

 

 聞こえてきた声はアルトリアのそれ。

 振り返った先にいたのは、獅子王ぐらいの年齢な見目をした、見知らぬサーヴァント。

 

 全体的に黒色で、白の線が特徴的なライダースジャケットを肩に羽織った女性サーヴァントは水着であった。

 胸のボリュームは獅子王よりは控えめ。しかし隣にいるマシュよりは大きい。

 

 谷間やら股やら、際どい部分が見せそうな攻めた眼帯ビキニを着た彼女は自分の身体に自信があるというかのように堂々としていた。

 

 それでいて、カリスマ性抜群の王にも見える気風漂うその姿。

 見た目はアルトリアなのに、何故かギルガメッシュではないかと立香は錯覚した。

 

 驚いてる立香とマシュに、彼女は目を細め──上機嫌にニヤリと笑った。

 

 

「……まったく、うつけ共がイシュタルめに対し素直にレースをやるなど笑止千万! この私があの駄女神に天誅を下してやるわぁ!! ふっ、はははははははっ!!」

 

「えっ、あの……」

 

 

 何かを言うよりも早く、彼女はズンズンと進む。

 黒と金色の可愛らしいビーチサンダルをはいている足は二人より早く──その姿は見えなくなってしまった。

 

 

「いやマジで誰!?」

 

「まるで獅子王の身体に入ったギルガメッシュ王のような……」

 

 

 首を傾けたマシュに、またも後ろで誰が微笑む。

 

 

 

「シャマシュだよ」

 

「エルキドゥさん!?」

 

「へっ!? ちょっとまってエルキドゥ!? なんでバイクになってんのさ!?」

 

 

 そう、その姿は何故か黒いバイク。

 いつものエルキドゥの姿ではないことに立香とマシュは目を見開いた。

 

 しかしすぐさまバイクなエルキドゥはいつもの姿に──戻ったと思ったら何故かライダークラスで、白いTシャツと太ももまでの短パン。三つ編みされた頭にはギルガメッシュが使ってそうなサングラスがあった。

 

 

「エルキドゥも水着なの!? いや待ってさっきのバイクは何!? 水着でバイク……?」

 

「落ち着いてください、先輩!!」

 

「イシュタルカップを潰しに行くことになってね。ボクがパートナーとしてシャマシュのサポートにつくことになったんだ」

 

「パートナーというよりは、乗り物では……?」

 

「大丈夫だよマスター。ちゃんと乗り物は用意してるから。さっきの姿はイシュタルカップが終わったあとにウルク式忘年会でやるつもりの芸だよ」

 

「ウルクに忘年会なんてありましたっけ?」

 

 

 困惑するマシュとは違い、立香は目を輝かせた。

 

 

「忘年会やるのオレもいくー!」

 

「もちろんマスターも大歓迎だよ。シャマシュも連れていきたいからその時は協力してほしいな」

 

「もちろん!」

 

 

 そうして、サングラスをきちんと着けたエルキドゥ。

 その雰囲気は何故か、敵を前にするサーヴァントのそれ。

 

 

 

「さぁ、イシュタルのどこを切り落とそうか……」

 

「あの、カルデア的には最後の特異点になるので、少しは手加減してくれると嬉しいんだけど……」

 

「マスター、それはあのシャマシュに言った方がいいよ。ボクよりもシャマシュの方がやる気満々だからね」

 

「いや……あのシャマシュは、なんというか……ギルガメッシュ王と会う時のようにあまり不敬なことは出来ないような気がする。たぶん」

 

 

 立香はカルデアでたくさんのサーヴァントとコミュニケーションをとってきたからこそ、直感的に悟っていた。

 

 あのシャマシュはいつものノリで言ってはいけない。ポンコツとも言えないと。

 

 

 

「今の彼女は太陽の側面とギルに対する想いが強くなったシャマシュ神だからね。攻撃やスキルも含めてギルの真似事をしてるだけだよ」

 

「それはそれで問題ありでは?」

 

「先輩……なんだか嫌な予感がしてきました……」

 

「そうだねマシュ。イシュタル大丈夫かな……」

 

 

 

 

 







ちなみにシャマシュが肩に羽織ってるライダースジャケットは、冬木の物語に出てたカーニバルファンタズムのギルガメッシュが着てるアレです。
髪型は獅子王ぐらいの長さで、ポニーテールな感じ。
水着は源頼光の水着よりもっと際どい感じになってます。どれだけヤバいかは各々でご想像で。

まあ一言でいうなら、彼シャツにほぼ全裸になった風なシャマシュ。


イメージイラストあったらよかったけど、眼帯ビキニは流石にAIでは無理でした。




追記
金曜日か土曜日に書きます!


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