ウルク産地のアルトリア顔の女神様   作:へっぽこ女神

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第2話 ねえマシュ、エミヤの顔が曇ってる!?

 

 

 

 私のはじめての召喚が殺伐としてないカルデアで本当に良かったかもしれない。

 いや、今だけが束の間の平穏かもしれないけれど。

 

 戦いってなると私はあまり手加減できないからね。主にサポート面特化してるから。ギルガメッシュに対してバフ盛り盛りにして、神として守りぬいてきたから。

 

 まあイシュタルとの争いでうっかりやらかして、いろいろ権能削ってきたこともあったからね。

 

 私が意外とポンコツ女神ってことは周りにバレたくなかった。だから歴史的にそういうポンコツなところは書かないようにってウルクの民に命じておいたからまだ知られてないはず。ギルガメッシュには鼻で笑われた記憶しかないけど。

 

 

「プリテンダー、美味しいご飯が食べたいって言ってたから食堂まで案内するね!」

 

「はい、お願いしますマスター」

 

 

 にこやかに案内してくれたマスター。

 食堂に着いた途端にカルデアの放送で呼び出されて慌てて出ていったけど、ハロウィンか何かでもやるのかな。なんかチェイテピラミッドがハロウィーンでどうたら言ってたけれど。

 

 

「君がプリテンダーか」

 

「はい。そういう貴方はマスターの言う赤いエミヤで合ってますか?」

 

「ああ。赤いというのはいらないがね……さて、食堂にきたということはお腹が空いたということだろう。何かリクエストはあるかな?」

 

「美味しい料理でしたら何でも」

 

「好物はないのか?」

 

「好物といっても……生前はあまり満足に食べたことはなくて……」

 

 

 主にドゥムジのやらかしのせいで。

 あとイシュタルの嫌がらせのせいで。

 

 

「……では、オムライスはどうかな?」

 

「はい、お願いします」

 

 

 エミヤは何を思ったのかは分からないが、少し表情を柔らかくしてフライパンを使い綺麗な黄色を作り上げていく。

 

 ふわふわで、柔らかそうで。

 ナイフを使って切ると出てくるトロトロなオムライス。

 

──なんだシャマシュ。語彙力が幼子のそれではないかフハハハハ!!

 

 

 そんな笑い声が遠くから聞こえてきた気がするが、気にせず美味しそうなオムライスを口に入れる。

 

 

「……ん?」

 

「ん、どうかしたかね?」

 

「いえ。……権能について思い出して」

 

「権能?」

 

「私はどうやら味が分からないようです」

 

 

 主にドゥムジのせいで。

 

 

「味が……」

 

「これでは美味しいご飯を食べたいという夢は叶いませんね……」

 

 

 あの羊を殴って権能を奪い返すしかないか。

 

 主に私のうっかりのせいで味が分からなくなっただけだけど、ドゥムジがエレシュキガルをそそのかして権能を奪ったせいだし。

 

 

 真顔となってあの金ぴか羊に対する五感奪還作戦を考えてるうちに気づかなかった。エミヤが微妙な顔をしてることに。

 

 

 






幼くもセイバーに似た姿のプリテンダー。
美味しいご飯が食べたいと言ったその姿はまるで冬木にいた頃の姿を思い出す。

束の間の平穏な冬木。
ご飯をよく食べていたセイバー。

ちょっとしたトラブルでとあるお店でシェフをしていたアーチャーにオムライスを頼んで、美味しそうに食べていたセイバー。

そんなセイバーと似た顔で。
とても悲しそうに、諦めたように味が分からないという。


それはエミヤにとっては────。





・・・


今日の更新はここまでにします。
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