ウルク産地のアルトリア顔の女神様   作:へっぽこ女神

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第3話 子イヌぅ~! ファンにならない子を連れてこないでよ!

 

 

 

 エミヤが複雑な顔で「すまない。少し考えさせてくれ……」となぜか謝られた。

 何か粗相を……やっぱり味が分からないと言ったのが良くなかったか。おのれドゥムジめ。

 

 とにかくこのまま食堂にいては意味がないと、与えられた私室へ戻った。

 そこでのんびりしてたら不意に召喚の光が輝いてマスターの元へ。

 

 おそらく敵に対峙したから私を呼んだと思うけど。

 

 あの、まあ。

 うわぁ……。

 

 

「お願いプリテンダー! エリちゃん倒して!」

 

「は、はい。分かりましたマスター……」

 

 

 何といえばいいのだろうか。

 城の上にピラミッド、そのまた上に城。そしてロボットの像。

 

 私の王様より色気のないド派手な音楽が流れているみたいで、マスターが耳が痛そうにしつつも、私に向かって「やっちゃえプリテンダー!」と目の前のロボットっぽいエリちゃんを倒してと言うのだ。

 ちなみにそのマスターの隣にはエリちゃんがいる。なんだこれ。

 

 

「子イヌ! 本当にやれるのよね! あいつポンコツっぽい顔してるわよ! 大丈夫なの!?」

 

「大丈夫だよエリちゃん! だってプリテンダーだもん!」

 

 

 背後で聞こえる会話にギクリとなり、とにかく攻撃しなくてはと私は手に力を込めた。

 肩から炎が出たことにびっくりしてるようだが、太陽神としての権能である。

 

 

「とりあえずバフします」

 

「おー」

 

「相手の性能を下げます」

 

「おおー!」

 

「攻撃します」

 

「おおー!!」

 

 

 マスターが喜んでるようだけど私まだレベル1だよ……。

 微妙に力が足りず、マシュからの指摘を受けてマスターが「しまったぁ! 種火わすれた!」と慌てたようにいい、エリちゃんが「子イヌぅ!」と叫ぶ。ギルガメッシュいたら絶対笑う状況。

 

 

「ああ! メカエリチャンからの攻撃が!? 避けてプリテンダー!」

 

「無理です先輩! 種火による強化が足りません!」

 

「うわぁぁぁごめんよプリテンダーぁぁ!!」

 

 

 騒がしい背後に比べてだが、何故か私はメカエリチャンからの攻撃に耐えることが出来た。

 というか、常時ガッツが効いてるような……?

 

 

 ハッ、そうか!

 死者の世界にも関与してる権能持ちだし、ガッツみたいなことできたわ!

 

 それに五感についてはいろいろあって羊の野郎に奪われた状況。

 視力や聴力は魔術もどきで補い、女神の他の権能でなんとか機能してるが、ダメージを食らわせられても痛覚は効かないようにしてるんだった!

 

 

「やれますマスター。私はまだやれる……」

 

「待ってプリテンダー! 血だらけで無理しなくていいから!」

 

「首を跳ねられない限り私は倒されません。倒れぬ死兵です。ゾンビのごとく扱ってくださいマスター」

 

「そんなことできるわけないでしょ! 痛みはないの!?」

 

「痛みは感じません。大丈夫です」

 

「血だらけなのに!?」

 

「気にしないで下さいマスター。私の手はまだ動きます」

 

 

 あれ……。

 何で泣いてるのマスター!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 





俺のせいだと、藤丸立香は理解していた。

種火を忘れ、フォウ君を忘れ。
サーヴァントの本来の力を出してもらうためにすべきことを忘れて。

ただ言い訳をするならば──
トンチキな特異点であるからと。
いつものイベントハロウィンで、なんかエリちゃんが増える特異点ならばと。

そう安易に考えて新しく出会ったプリテンダーと絆を深めたかった。
あとトンチキな特異点を見てプリテンダーの反応が見たかった。

まあそんな悪戯めいた考えで連れてきた特異点で、彼女は血まみれに濡れながらも痛みはないと言うのだ。四肢を損壊させて、メカエリチャンが困惑して思わず攻撃が止む程度にはいろいろヤバイと察した。


そりゃあ藤丸立香にとってそういうサーヴァントはよく見てきたさ。

宝具によっては自爆必須なのも見てきたし、自分が痛い思いもたくさんしてきた。
サーヴァントとのお別れも、涙もたくさん流した。

それでもだ。
──あの顔は、違うと分かった。


藤丸立香は察してしまったのだ。


まるで戦いの中で痛覚が無いことに気づいたような無垢な顔。
ずっと聞こえている派手な音が、聞こえてないように振る舞うその仕草。

時折飛んでくるでっかいメカエリチャンの攻撃にすら自らの身体を盾として戦うその姿は、サーヴァントとしてのものではない。

それは、自分を物扱いするもの。
ただの道具として扱う、自滅行為。



「れいじゅをもっで命じりゅ……プリテンダーかえっでぇ!!」

「なぜ!?」


焦ったような顔になるプリテンダーだけど、このまま戦うと言っていたけれど。
本来の力を出せないままでは戦わせられない。


「うぅ……グスッ……」

「先輩……」

「あどでダヴィンチちゃんにみでもらう゛!!」


もしかしたら自分のせいでプリテンダーの様子がおかしいのではないかと、藤丸立香は思ってしまったのだった。



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