愛するNPCが現実化したら勝手にギスギスし始めた挙句バカ重い責任が生えてきた話   作:フォン・デ・ペギラパギラ

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40話:クソ野郎

 ぷらり、と。

 会議室の壊れた扉が頼りなく揺れた。

 

 二人が、連れ立って戻ってきた風圧だけで。

 

「――お待たせしました!」

 

 セラが元気よく言った。

 

 白い羽が、ぱっと広がる。

 さっきまで泣いていた顔が嘘のように晴れている。

 目元の赤みだけが、かすかに残っていた。

 

 幹部たちの視線が一斉にセラへ集まり――半眼で、あからさまに白けていた。

 

 クルルが無表情のまま一度だけ瞬きをする。

 何かを言いかけて、やめた顔だった。

 

 ラズが、頭の後ろで腕を組み、椅子の上で踏ん反りかえりながら、ぼそりと呟く。

 

「……立ち直り、はや」

 

 それだけだった。

 

 クーもまた凍るような無表情のまま、何も言わない。

 蒼い瞳が、セラをじっと見た。

 

 しかしセラは、その空気を一切読んでいないようだった。

 

「みなさん、続けてましたか?」

 

 明るく、無邪気に。

 楽しそうな声が会議室全体に届く。

 

 誰も答えなかった。

 

 一拍の沈黙。

 

 ――そこへ、要が後から入ってきた。

 

「ごめん、待たせた」

 

 軽く、しかし少しだけ申し訳なさを滲ませた声。

 

 その一言で、場の視線が今度は要へと移る。

 幹部たちの温度が見るからに変わった。

 セラに向けていた白けた目が、すっと引いていく。

 

 クーが立ち上がった。

 隣の要の席へと向かい、椅子を静かに引いて、へにゃ、と眉尻を落し柔らかく笑う。

 

 要はその気遣いをそのまま受け取り、軽く礼をしながら腰を下ろした。

 

 セラもまた自分の椅子にぺたんと元気よく座る。

 

 出ていくときに思い切り膝裏で突き飛ばした椅子が、元通りの位置に戻っている。

 それを本人は、全く気づいていないようだった。

 

 要は、部屋をゆっくりと見回した。

 一人ひとりの顔を確かめるように。

 

 そして、誰にも分からない程度に小さく息をついた。

 

 緩やかに、覚悟を決めるように。

 

 もう一度顔を上げる。

 

「――ツァン、グラ」

 

 名前を呼んだ。

 

 立っている二人が、ぴくり、と肩を揺らした。

 

 ツァンは腕を組んだまま、静かに、それでもどこか優雅に立っていた。

 しかし視線は机に落ちている。

 翡翠色の爪が、腕の上でかすかに動いた。

 

 グラは腰に両手を当て、仁王立ちのままだった。

 天井を見上げるように顔を上げ、口はへの字に結ばれている。

 眉尻をこれでもかと落として、それ以上崩れないよう堪えているような顔だった。

 

「議論で熱くなっちゃうのは、分かる」

 

 静かな声だった。

 怒鳴っていない。

 責めてもいない。

 

 しかし、室温が一度だけ下がったような間があった。

 

「俺も、やったことあるから」

 

 ツァンが、一瞬だけ目を細めた。

 

 要は二人を見ながら、静かに続ける。

 

「喧嘩は仕方ない、と思う……一緒にいたら食い違いもあるし、お互いの正しさがある」

 

 一拍。

 

 要が息を吸う音だけが、室内に響いた。

 

「でも――会議で喧嘩したら、話が止まる。……みんなに迷惑かけることになるからさ」

 

 怒りもなければ、失望もない。

 フラットな声。

 

「それは、止めようね」

 

 短い言葉。

 しかしそこには――頑張って作った厳しさと、隠し切れない優しさが、両方滲んでいた。

 

「不満は残ると思うけど、まず俺に話をして欲しい。どこまでできるか分からないけど、みんなのために努力はしたいから」

 

 そう言って、座る幹部を、立ち並ぶ副幹部たちを、ゆっくりと見渡した。

 

 じん、と。

 感動するように、噛み締めるように。

 あまたの熱い視線が要に注がれる。

 

 そのなかで。

 

 ツァンは深々と頭を下げた。

 作った顔はない。

 反省と情けなさが混ざったその表情を、そのまま伏せる。

 

「宝主よ、申し訳ありませぬ」

 

 ぱさり、と翡翠の髪が落ち、机に触れる。

 

「すまぬ……」

 

 グラも頭を下げた。

 ぐしゃりと歪んだままの表情が、その角度では誰にも見えなかった。

 

 沈痛なほどの静寂が、室内を満たした。

 

 二人の態度から、言葉にならない切迫感が滲み出ていた。

 

 ――どうか、失望はしないでくれ。

 

 そう叫んでいるような態度だった。

 

 要は、わざとらしく、からっと告げた。

 

「うん、俺も咄嗟に怒っちゃってごめんな。二人とも座って」

「はっ」

「うむ……」

 

 静かに二人は座った。

 

 先ほどまでの室内の空気を焼き切るような獰猛さは、もうどこにもなかった。

 ツァンは肘を抱くように腕を組んで、背筋だけを保ったまま視線を机に落としている。

 グラも両手を膝に揃え、まだ少し顔がぐしゃりとしたまま黙りこむ。

 

「じゃあ、続き……だけど、どこまで進んでた?」

 

 要が、隣のクーへ視線を向ける。

 

「――すみません、ほとんどご主人さまのお戻りをお待ちしておりました」

 

 クーは申し訳なさそうに言った。

 しかしその表情の奥には――ほっとしたような色が、押し殺されたまま残っていた。

 

「議論として上がったのは、デゴールを直接対策すべき、ということです」

 

 要は、中断していた議論の輪郭を思い出しながら、クーの言葉を聞いた。

 

「結局のところ、デゴールを対処すれば――商会も動き、取引も再開し、諸々の問題は解決に向かいます」

「そうか……。そうだね」

 

 腑に落ちた。

 単純だが、確かにそうだ。

 

 ……しかし、そこが難しい。

 

 その考えが要の顔色に透けたのか、クーがすかさず付け足した。

 

「はい。そして――クーに考えがございます」

 

 クーの声が、わずかに引き締まった。

 

「奴の動向は事件後すぐさま探らせており……えと、説明より、まずは見ていただきたいものが」

「……何を?」

 

 クーが、視線をミリエルへと向けた。

 

「はい……ミリが潜入調査してまいりました」

 

 ミリエルが、静かに応じる。

 

 ラメのように七色に光る銀の髪。

 天使の輪っか。

 フリルが幾重にも重なるオフホワイトのゴシックロリータ。

 ダラリと垂れるほど長い袖の中に、指先が完全に隠れている。

 

 いつもの震えた声。

 いつもの、たどたどしい口調。

 

 しかし――今日は少し違った。

 

 何かを抱えているような。

 何かを、意識して抑えているような。

 震えの奥に、いつもとは異質な静けさがあった。

 

 ミリエルが、袖に包まれた両手をそっと広げた。

 

 空中に、光が集まり始める。

 粒子が滲むように浮かび上がり、ゆっくりと形を結んでいく。

 

「再生します……」

 

 その声だけが、静かに室内へ落ちた。

 

 

 ***

 

 

 地下へ続く階段を降りると、空気が変わった。

 

 石の壁。

 金細工の燭台が等間隔に並び、炎が揺れるたびに影が伸びては縮む。

 天井は高く、美麗なシャンデリアが連なっている。

 

 外の音が、何も聞こえない。

 

 部屋の中央――円形に切り取られた、一段低いステージ。

 小さな楽団がすっぽり入れそうなほど広い。

 

 しかし、その石畳の床に、黒ずんだ染みがあった。

 古いものと、新しいものが幾重にも重なっている。

 

 それを取り囲む客席には、重厚な丸机が弧を描いて並んでいた。

 

 深紅のクロス。

 銀の食器。

 磨かれたグラスに、琥珀色の酒。

 料理の香りがする――肉の焼ける、甘く香ばしい匂い。

 

 ステージの周囲だけ明かりが落とされている。

 客席の方は柔らかく照らされていて、まるで高級な夜会のようだった。

 

 席には人がいる。

 

 壮年の男が、妻らしき女の肩に腕を回しながらステージを眺めていた。

 退屈そうに、しかし目だけは離さない。

 女はグラスを傾けながら、愉しそうに笑っている。

 

 別の席では、太った男が骨付き肉を手で掴んで齧りながら、身を乗り出していた。

 

 また別の席では、礼服を着た男が大股開きで酒を飲む。

 整った身なりの一方で、下品にその股間に娼婦を侍らせていた。

 

 誰も、声を荒げない。

 誰も、立ち上がらない。

 誰も――ステージを、見るのをやめない。

 

 ただ、眺めている。

 ステージの上で何かが起きても――それは余興。

 この場所ではそういうことになっていた。

 

 ――そのステージの中央、ひと際明るい場所に、知らない女が倒れていた。

 

 顔が腫れ、血が滲んでいた。

 それでも――元は美しかっただろうことが分かる顔立ちだった。

 服が無残に引き裂かれている。

 

 そして、デゴールがその女の上で――腰を振っていた。一心不乱に。

 

 女は絶望すら通り越したのか、空虚に視線を空中に投げ出している。

 ただ無言でされるがままに、前後に機械的に揺れている。

 

「クソッ……クソッ……! あの女、次はあいつだ……へへ……」

 

 贅肉が揺れる。息が荒い。

 額に汗が浮いている。

 

 激怒と、勝利の妄想の笑みが、その顔を交互に塗り替えていた。

 

 視線が、ステージの端――少し暗い場所で横たわる、こちらも知らない細身の男へと向けられる。

 

「見ていろ! お前の女に、高貴な種を植え付けてやる……!」

「やめてくれぇ……っ!!」

 

 細い男の掠れた声。

 喉が潰れているのか、叫びにもならない。

 

 その声を聞いて一層興奮したように――デゴールの腰の動きが更に激しくなった。

 

 女は答えなかった。

 胡乱に濁った目を空中のどこかへ投げ出したまま、ただ揺れていた。

 

 客席では誰かがグラスを鳴らした。

 笑い声が、どこかで上がった。

 

 やがて――デゴールが、大きく震えた。

 腰が一層強く打ち付けられ、ビクリビクリ、と痙攣する。

 

「っ……! ふう……」

 

 ぐったりと、息を吐く。

 

「もういいか」

 

 何事もなかったかのように、そう言った。

 

 ステージの端から、か細い声が聞こえた。

 

 石畳の上に倒れ込む若い男。

 筋骨隆々の男に腕を掴まれ、引きずられている。

 

「おかしいだろ……! 離せ……! 騎士団を――騎士団を呼べぇ……!!」

 

 涙と血でぐちゃぐちゃになった顔が歪んでいた。

 口を開くたびに、折れた前歯の隙間から声が漏れる。

 

 取り巻きの一人が、明るい声で答えた。

 

「ここは()()特使館の敷地内だ。この国の法が届くわけねえだろ」

「な……なんで……なんでそんなことが……」

 

 男は呆然と客席を見回した。

 

 ステージの光が届かない、薄暗闇の中。

 貴族たちが、ニヤニヤとステージを眺めている。

 グラスを傾けながら。

 料理を口に運びながら。

 

 男の顔が、また歪んだ。

 

「ふざけるなぁ……! エレーナ、エレーナッ……!!」

 

 その声が轟き渡ると――乾いた貴族たちの笑いが、どっと空間に満ちた。

 

 男はごきり、と殴られた。

 それでも這いながら、動かない女へ向かって手足を動かし続けた。

 指先が、石畳を引っ掻く。

 

「おい――もういいぞ」

 

 デゴールが言った。

 欠伸でもするような、気怠い声だった。

 

「鬱陶しい、殺せ。女もだ」

「へい」

 

 筋骨隆々の男が、無感情に答えた。

 

 男は蹴り飛ばされた。

 背を踏みつけられた。

 

 巨大な剣が、ゆっくりと振り上げられる。

 

 ――その瞬間。

 

 細い男が、顔を上げた。

 

 ぐちゃぐちゃのまま。

 血が滲んだまま。

 

 まるで、何かを見つけたように、虚空の一点を真っ直ぐに見た。

 

 その視線は映像のこちら側へ一直線に投げられる。

 

 偶然なのか。

 それとも――。

 

 一瞬、呆然とした後、ゆっくりと。

 口の端が持ち上がった。

 

「……お前ら」

 

 か細い声だった。

 しかし、揺れていなかった。

 

 にたり、と口が弧を描く。

 

「必ず報いを受けるぞ。はは……惨たらしく、死んでいけ」

 

 会場が、どっと湧いた。

 道化が冗談を飛ばしたかのように。

 誰かが手を叩いた。笑い声が重なった。

 

 剣が、落ちた。

 

 空気を押しのける音がして。

 

 映像は、そこで終わった。

 

 

 ***

 

 

 空中に残った光の粒子が、ゆっくりと散っていった。

 

 ミリエルが、こてん、と首を傾けた。

 

 虹色の瞳が要を見る。

 慮るような顔色。

 

 しかしその瞳の奥は――感情を、静かに測っていた。

 

「……主さま。これを見て、どう思われましたか?」

 

 誰も、答えなかった。

 誰も、喋らなかった。

 室内に薄い沈黙が満ちた。

 

 要の手が――机の上で、静かに、ゆっくりと握られた。

 

「……なんだ、これ」

 

 呟きだった。

 怒鳴っていない。

 叫んでもいない。

 

 ただ目の前で起きたことが信じられない、という顔だった。

 

「これが“晩餐会”とやらの実態です。……申し訳ありません。言葉で説明するより早いかと思い、お見せする形を取りました」

 

 クーが、静かに言った。

 ぺたりと犬耳を倒れ込ませ、目を伏せる。

 

「お許しください」

 

 要は答えなかった。

 

 机の上の拳が、じわじわと白くなっていく。

 

 こんなことが許されるのか。

 どれほどの禁忌を踏み越えれば、気が済むのか。

 

「映像はデゴールの個人的趣味をそのままショーとしているようですが、……他にも色々な題目で、殺人や性的暴力をそのまま見世物にしているようです」

 

 クーの淡々とした声。

 

「例えば、一般人を殺し合わせたりもしているようですね」

 

 要の耳に、きいん、と。クーの声がどこか遠く響く。

 

 要は唖然とした。

 在り得なさすぎて、上手くかみ砕けない。あまりにも常識と、そして倫理観を乖離した話の内容に頭がついていけなかった。

 まるで網戸越しに風が通ってくるかのように、自身を守るための膜が一枚張られているようだった。

 

「貴族や、一部の富裕層に向けて。――これが“晩餐会”の実態です」

 

 クーの蒼い瞳はしかし冷淡であった。

 さながら計器の表示灯のように、ただただ情報と、色と光を返すのみ。

 

 要の動揺を幹部たちが見計らい、会議室は静寂に包まれた。その映像自体はどうでも良さそうな者でさえ、要の半ば呆然としてえも言われぬ様子を、唇を引き結んで見守った。

 

 要はぽつりと、誰に言うでもなく洩らす。

 

「こんなことが、あっていいのか……?」

 

 あまりにも現代と隔絶したモラルを前に、まだ映像が投影されていた虚空をぽかんと見ている。

 

 その疑問に誰も答えない。

 

 クーを見た。

 固く口を結んでいるが、へにょん、と眉尻を落している。その愛嬌のある表情はどこかいつもと同じで、彼女自身は目の前の異様な事実には、さして興味も関心も無いようだった。

 そのことに、ほんのわずかに肌寒い孤立を要は感じた。

 

 ツァンがぽそりと呟く。

 さきほどの叱責を引きずるように、少しぎこちなく、しかし粛然と。

 

「他国にまで権益が絡んでおって、それを放置しとる。……この国の怠慢じゃのう」

 

 はあ、と冷たいため息を吐く。

 

「わらわ達が慮る道理もないわ」

 

 要はそのツァンの一言を、聞いているようで、しかし聞いていなかった。

 

 ほどなくして、ぼんやりと滲んだままはっきりしていなかった感情が、徐々に研ぎ澄まされていくのを、要自身がまざまざと感じた。

 

 家族を轢き殺して、なお罪を認めなかった老人。

 自分勝手な理由で、無関係な通行人を殺害した男。

 明らかな過失があるのに、抜け穴を使って躱した逃亡者。

 ……そいつらの、ふてぶてしい顔。

 

 それらを見たときの感情に似ている気がした。

 

 ――いや、ちがう。

 それが今回は、自分に、そして親愛する彼女たちに降りかかった。

 あの感情がアンプで何十倍にも増幅されたように、要の小さな心臓から、今とめどなく滂沱する。

 

 怒り。

 憎悪。

 そして、胸をつんざくような正義感。

 

 ちりちりと、灼けるような義憤に脳が火照る。

 

 ――この下らない男のせいで。

 

 エイシムが揺れた。

 意見が割れた。

 ……セラが泣いた。

 

 その事実が、胸の奥で静かに燃えた。

 

 そして次の瞬間――何かが、要の中で繋がった。

 

 クーがこの映像を見せた理由。

 わざわざ言葉でなく、映像で。

 今この場で、この幹部たちの前で。

 

 クーを見る。

 そして、要の唇の端が少し持ち上がった。

 

「……ああ、なるほど」

 

 声は、穏やかだった。

 いつもの要の声だった。

 

 しかし――見開かれた目が、一切笑っていなかった。

 

()()()()()()()()がある、ってことね」

 

 クーは静かに首肯した。

 

 一拍の沈黙。

 

 要は前に向き直り、笑みを消して呟いた。

 

「クソ野郎……」

 

 要らしくない、低い悪態だった。

 その短い一言に全てが詰まっていた。音に、歪んだ頬に、ありありと険が混じる。

 

 それから。

 

 要が、目を細めた。

 

 幹部たちを、一度だけ見渡す。

 静かに。

 しかし、その目の奥に――冷えた、明確な意志があった。

 

「デゴールを――駆除対象に指定する」

 

 その言葉が落ちた瞬間。

 

 幹部たちの目の色が、一斉に変わった。

 

 命令が下りた。

 それだけで、この場の全員の目から光が消えた。

 

「クー、ツァン」

 

 名前を呼ぶ。

 

「協力して事に当たって。……完遂までの間にまた喧嘩してたら」

 

 ぎろり、と。

 要の尖った瞳が二人を静かに射た。

 

「――分かってるよね?」

 

 静かに、机に落とすような声。

 

 普段の要ではない目だった。

 怒りでも、脅しでもない。

 

 ただ――当然のことを確認している、総帥の目だった。

 

 その眼を受けて。

 二人の背筋に何かが、ぞくり、と走った。

 

 逆らうことの出来ない――冷たい、甘い刺激。

 

「……はっ。承りました。ご指摘、肝に銘じます」

 

 クーが、即座に、忠実に頭を下げた。

 

「任された。……宝主よ」

 

 ツァンもまた、静かに言った。

 その声には、先ほどまでの反省と――新しい熱が混じっている。

 

「もう、失望はさせん」




デゴールぶっ殺しゾーン。
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