走狗   作:カストロ

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ゴミ

 突然現れたメスに加えて、メスの傍に影のように控えるお付きっぽい2匹のメスの存在を現場の後処理を仕切るババアが遠目に感知したのだろう、凄まじい勢いで俺のいる現場の只中へ。

 とりあえずメスには先に仕事の後処理をすると伝え、ババアにはこのメスらは身内のようなものなので危害を加えないでくれと手短に伝えると、無言のままメスに視線を、俺に視線を、お付きに視線を向けることを繰り返すババアに仕事の話を振る。

 かなり困ったような物言いたげな表情を作るババアを連れ、ルート取りの都合上、放置したままの死体をモグモグしつつ、暗殺対象の首を回収したりを終わらせると──。

 

 ハッとした表情でババアが彫刻(シルバ)に連絡を取ろうとしたので、待ったを掛ける。

 

 まず俺に話をさせろと主張すると、妙に渋るババアからなんとかDRフォンを借り受け、彫刻とのホットラインを繋ぐ。

 無駄にクリアに聞こえてくる彫刻の「首尾は?」に、ちょい、ほんのちょいだけど、健在な脚が震える。

 口を閉ざしていても何も進まないし、腹をくくって最優先であった暗殺対象の頭部ごと吹き飛ばしたことを【念話】にて嘘偽りなく報告し──ごめんなさいしてやった。

 

 今回も報酬は無く、なんなら再び違約金の支払いが発生するそうで借金が増える見込み。闇バイトかな? 闇バイトだったわ。しゃーねえ、雇用契約その他諸々した覚えはねえけど……ここで反論したり不平を漏らすことは──まあ、する。積もりに積もった劣悪な労働(お手伝い)環境についての不満を伝えている途中でぶつ切りされた。

 

 ぶつ切りされる前、イルミの盾をしてやった件について訴えたら、イルミに確認次第考慮しようとの返答は頂戴出来たので、帰ったらイルミのご機嫌を──待って? あいつに機嫌ってあるの? 俺の渾身の畜生変顔をしつつの玉乗りを披露してもまったく笑わないあいつに?

 いや、あるにはある……のか? 機嫌が良い時は皆無でも不機嫌な時ってのはなんとなくわかるし。不機嫌の起点といえば己の強さや仕事にまつわる失敗や不甲斐なさについてだ、たぶん。

【念話】だと嘘を混ぜられないし、ここは彫刻を倣ってお手紙にこのひと夏のイルミくんの成長具合や、ついでに共に過ごしたことで出来た思い出、ついでのついでに感謝なんかも込めてしたためよう。おまけで夏っぽいポエムなんかも添えて。

 

 さーて、ほんじゃまあ帰ってクソ──怖ッ! シワシワな顔に青筋を立てる変顔中のババア、怖ァ。

 ああ、はい。DRを返せばいいのね。うん? お迎えが来るまで待機ね。オケ。じゃあそれまでオーラを【絶】って転がって──ハッ!

 

 メスの存在を完全に忘れていた。

 

 おそらく俺は一目惚れってやつに堕ちているはず。

 だってのにもう存在を忘れていた?

 メスの存在を思い出したことにより、目を閉じていても優秀が過ぎる耳鼻が自動的にメスの状況を把握しちゃっていて、今はこの畜生チートボディが恨めしい。

 

「お疲れのようですね」

 

 ああ、思い出した。俺ってゴミだったわ。

 

 長いこと付き合っていた彼女や結婚を前提にお付き合いをさせていただいていた上司の娘さん、それにセフレ。誰が相手であってもいつだって俺は自分の欲求を優先していた。

 実際、ヒトであった時の家族に婚約者、友人に女王様、セフレに自称グラドルなんかの顔を思い浮かべるに、未練ってものが……いや、母ちゃんにはあるか。でも偽らざる己の心境としては、その他はわりとどうでもだ。

 

 生来の(さが)ってのを畜生になったことで少し忘れていたのかもしれない。

 

『ネル』

「はい。お話はまた後ほどいたしましょう」

『ハイ』

 

 それでも俺は言い訳をしない、というか出来ない。

【念話】の制約と誓約を作ったバカを今は殺したい。

 

 ᴥ

 

 メスよりも自分のお疲れボディーの回復を優先してそのまま眠りに落ちた。

 しばらくしてからババアに起こされ、クソデカあくびをぶちかましつつ、マーキング欲求を抑え込んで飛行船に大人しく乗り込む。

 指定座席となっている貨物室でごろんとすれば、メスが単身何食わぬ顔をして入室してきた。

 

 さすがに忘れていたわけではない。

 

『ナマエ ナンテーノ?』

「アトと申します。あなたのお名前をお聞かせていただけますか?」

『ミケ』

「ではミケ様と」

 

 つーか、ババアはよく乗船の許可を出したな。

 気が回らなかった俺の落ち度なんだけど、まいっか。

 

 んなことより、このメス──改めアトと何して遊ぼう。

 初手野球でもしたいところだけど、【シュリンクフレーション(カントリーマアム)】して動き回って苦にならないほどは回復しきってないしなぁ。ってなるとあやとりが無難か。

 

『トリマ ヘンソウ トケバ?』

「……この姿はやはりお嫌いですか?」

『ベツニ ショクシュ ダシテ』

 

 アトの触手と俺の毛ならあやとりが捗るはず。

 

「わ、わかりました、では本来の姿に──」

 

 何やら腕輪のようなものを触って、ビカーっと光ったかと思えば本来の姿が現れる。

 見た目はヒト成分が7、8割ってとこでポッポ蜂に近いニオイがしてたから結構予想外。

 でも明らかにヒトとは違う頭部の触手に首元や腹にある触手は臓器と一体化しているようで、一目で人外とわかる。

 

『デッカ! フット! ウッニョ! カッケー ナ オマエ!』

 

 そんでもって雑な変装で一番隠しきれていなかった恐ろしいほどの存在感を放っていた右手に凝縮されているっぽい触手がすげー! 太ェ! うにょうにょしててカッケー!

 つーかさすがにやる前からわかっちまった。こりゃあ……勝てねえッ! いやいや、まだわかんねよ。俺も毛並みには自信あるし。ヒトであった頃に公民館のババアども相手に常勝を極めたあやとり名人の神髄を見せてやらあよ!

 

『ジャア ショウブ ナ アヤトリ デ』

「え? あの、アヤトリとは何でしょうか?」

 

 んだよ、素人かよ。しゃーねえ、ふたりあやとりで茶ァ濁してやっか。

 

 ᴥ

 

 アトにあやとり指示厨しつつ、ふと思う。

 

 以前、繁殖を目論む彫刻が馬サイズのメス犬を用意したことがあったけど、当たり前の話であの時のメス犬はどいつもこいつも発情していた。

 普通、己と同種の発情したメスを前にしたらオスはヒトとか畜生とか関係なく刺激される仕組みじゃん? だってのに俺はサイズの違いにばかり意識が向かっていて、交尾したいって欲求がまったく湧いてこなかった。

 じゃあ犬以外、ヒトのメスに性的興奮を覚えるかというと、これも微妙。乳の大きなヒトメスを目で追ってしまうことはあるけど、それってヒトであった頃の残滓に引っ張られているだけっぽくて、乳は見ていてもヒトメスの顔なんてまったく見ていない──これはヒトであった頃も同じかもしれないが、とにかくヒトメスには惹かれないし、交尾したいと思わない。

 

 とはいえ発情したメス犬は犬種が違っていたし、己と同じ犬種とは絶対に交尾したい。それはこの肉体の原始の欲求だったはずで思考のほとんどを占めていた気がする。

 だってのに念ってやつに目覚めて以来、その手の欲求すらいつの間にか消えている。

 

『ソコ チゲェ コウ』

「あっ……こう、ですね?」

『ソウ』

 

 俺はいつの間にか賢者だった。きっと杖も魔道書も使いこなせたはず。

 でも今となっては序盤のお助け銀槍ジジイだ。

 

 そんな指示厨自認銀槍ジジイはふと思い出す。

 ゾルディックさん家は家業が家業なだけに常に進化し続け、かつ社会の情勢に合わせ続けている。

 だからこそ子育ても常に試行錯誤で、その分おおくの失敗を積み重ねている。

 

 子育てとは、あやとりと同じである。

 

『ソウ ソコ トオシテ カエスト ホラ コレデ ナナコ』

「なるほど……反転させるわけですね」

 

 イルミは厳しめに育成した結果、大半のヒトが持つ情緒や機微に疎くなってしまったお人形さんな仕上がりで、★は多いが青特と赤特両方が多い仕上がり。

 反対にヒトに成る前から放任して甘やかして出来上がったのが、変化量に極振りしただけの★少なめかつ赤特盛りだくさんな丸っこいの。

 ペナを回せばイルミは何らかのタイトルは確保するだろうけど、丸っこいのは良くて数年に一度タイトル争い出来るかどうかってとこだろう。

 だから後継たる三男坊なキルアくんは甘やかせずビリビリさせて毒も盛るけど、人形化しないよう遊びや情緒を与えてバランス良く育てる方針なのかもしれない。

 

 そんな折に現れた俺のような人語を介し、妙にヒトっぽい奴は使い捨てても悲しむのは甘栗くらいだし、大変に都合の良い被検体なんだろう。

 

 というような考察を、以前下っ端の見習い執事らが口にしていた。

 

 そりゃそうだろうよ。

 俺は赤の他人どころか所詮は畜生だし。

 ゾルディックの系譜どころかヒトの系譜とすら交わらない異物だ。

 また色々と聞きたいところだけど、ゾルプロ育成についての面白い考察をしていた執事らはいつの間にやら姿を見なくなった。

 

 ところで、アトはあやとりの才能があまりない。

 それでも銀槍ジジイは真摯に教えを説く。それこそが導き手の責務。

 育成って本当に大変。

 

 ᴥ

 

 とろとろ進む飛行船にてアトとあやとりして、寝て、あやとりして、ちょい野球してたら空港に到着。

 アト(ついでに完全にモブに徹しているお付きの2匹も)も同乗する形で車両に乗り込む際、触手をうにょらせるアトの本来の姿と対面したババアがおそろしく速い二度見をしていた。

 それは俺でなきゃ見逃しちゃうほどで、おかしくなってワッフワッフと爆笑していたら鬼のような表情を向けてきた。

 

 そんなことがありつつ別邸へと到着。

 まずは甘栗にアトを紹介しよう。謎に緊張する。つーかお出迎えなんて滅多にしない甘栗が玄関のあるロータリーに既に立っている。ついでにイルミも。

 

 おそろしく速い鬼ババアからか、もしくは彫刻を経由して甘栗へとアトの件が伝わっているのだろう。

 

「そこな女子(おなご)と婚姻するのか?」

『ウン タブン』

「たぶん……か。ふむ」

 

 絶対ェに結婚するって言えないジレンマ。

 

「もういい? 刺すよ」

『ハ? ナンデ? オマ ハリ ヲ?』

「ソイツも……ソッチのヤツらも使えないフリしてるだけで、オマエが操られてるかもしれないだろ」

『…… アー ソレナ』

 

 イルミに指摘されて納得。そもそも今の今までそういう考えを持てなかったことも不自然。これはひょっとして……。

 

『オケ サセ』

 

 疑問を持ち続けることに意味がないので、じゃぶじゃぶ出てくるオーラを【絶】って前脚をくるりと返して肉球を差し出す。

 

「ウン──」

 

 ヒトもどきにされる時のように吐き気なんてものが襲ってくる前に意識がぷつりと途切れ──すぐに意識が戻ってくる。

 

『オハ』

「平気?」

『ヘーキ』

 

 イルミが手にしている俺の肉球に刺していた針──それをよく目を【凝】らして見ると、とっておきっぽく、禍々しいオーラがこもっている。ガチかよ、こいつ。この前盾になってやった貸しはこれでチャラにしておいてやろ。

 んで一方の甘栗は珍しく安堵したような眼差しをこちらへと向けてきていて、お地蔵さんかな? 今度お供え物を甘栗の離れの前に置いておこう。

 

「操られてはおらなんだな」

『ウン ソレジャ ツガイ ニ ナル』

「うむ」

『メシ クウ』

「……うむ」

 

 アトとそのお付きに飯どうするかと聞けば、やることがあるので一度帰宅するとのこと。

 本日は急な訪問云々と甘栗に丁寧に挨拶し、流れを無視して何故か出身を問う甘栗にアトがこの星の外からと答えた時、甘栗は何やら得心した様子で空を見上げ──釣られるようにイルミも空を見上げていた。謎。

 いやいや、ここにいる全員、宇宙人だろ。俺だけだよこの星由来の生物は。

 

 ほんでまあ、アトが去る前、連絡先を交換する際に触角を恐る恐るこちらへと伸ばしてくるので、こちらもハイタッチの要領で尻尾を振るって強めに合わせておいた。

 めちゃくそに驚いた顔をされたし、お付きの護衛っぽい方が初めて少し反応したが、笑顔で触手と手を振って去っていったので、良し。

 

 アトが去り、ぷらんぷらんな脚の治療を行ってもらい、飯食ってクソして寝て、酒が届いていることを知らされガブ飲みして甘栗と久しぶりに夜の散歩してマーキングして、クソして寝るを繰り返して2、3日安静にしていたら、ぷらんぷらんな脚が治っていた。

 そして、彫刻よりイルミの盾になった件の確認が終わったと伝えられた。

 今回の単独での仕事の失敗の件はチャラになった上、報酬という名のお小遣いもしっかりと支払われた。

 

 借金はまだあるが。

 

 あとケミカルからアトを連れて来いという言伝を彫刻から頂戴し──当然、これを無視した。

 この間、恋愛系の作品を問う俺の言伝を無視したツケをここで支払ってもらう。

 つーか本邸にアトを連れていくってのがなんかしっくりと来ない。そこらへんはアトの意思次第つーか、本人が希望するならそうなるよう沿うし、望まないなら連れて行かない──という建前の元、俺の気分が最優先されるので今は連れていく気がしないので連れて行かない。

 

 そもそもアトは今忙しいらしい。

 メールのやり取りから知ったが、アトには才能がないという俺の判断が伝わったのか、それとも自身の判断から不甲斐なさを自覚したからか、お付きの2匹と共に日々あやとりの研鑽に努め、磨いている途上にある。邪魔をするつもりはない。

 

 ᴥ

 

 ゾルディックの家に染まってしまいヒモなことも忘れ、お手伝いだったはずのモノが仕事になりつつあったので、日々研ぎ澄まされていくイルミをよそに別邸に滞在する甘栗とほんわかぐーだら生活サイコ。

 

 サイコだけど勤勉さが芽を出してきて、丁度ひらめきを得たのもあって動き始める。

 

 換毛期によって大量に抜け落ちた毛は日々オーラを浴び続けているので、しっかり俺のダシがしゅんでいる。

 もう体の一部かってくらいしゅんでいるから、抜け落ちた毛を固めた物体の遠隔操作もわりとスムーズに行える。

 

 んで、俺はゲームが上手い。

 頭を使ったプレイングは出来ないけど、この畜生スペックを土台にした動体視力や肉体操作、あとチートな耳がヤバい。複数の銃声や足音から瞬時にそれぞれの正確な方角と距離までわかるのは自分でも引く。

 んなもんで実際チートを疑われて何度もBANされているほど。

 

 そんなわけで、もうヒトもどきにされて吐き散らかすのは嫌だし、毛をヒト風に固めて動かし、イルミの相手をする方法を思い付いた。

 多少の調整と練習に甘栗に付き合ってもらいたいところだったが、間の悪いことに甘栗にヘルプが入って別邸での滞在が終了したので、一匹で黙々と調整した。

 

 結果。イルミとの差しでの組手は俺が操る毛ヒトがイルミをわりと翻弄していた。

 

 つーか一人称視点じゃないってだけで強ェわ。

 それに思考と視覚、聴覚に嗅覚を俯瞰で使えるから、文字どおりゲーム感覚でイルミの動きに付随する視線や体重移動、予備動作、癖なんかが手に取るようにわかるし、わかり辛い動きをされても都度対策していけるのは強みだ。

 もう毛を本体にしたら良くない? 俺は毛が本体でイルミは針が本体じゃない? 操作系ってそういう宿命? といった思考になってくるが──それは間違っていた。

 

 イルミに何でもありでやってもらったら毛ヒトは秒殺された。

 

「オマエがよく言ってる決定力に欠けるし、脆いね」

 

 そう。攻撃手段がメレーしかないってのに毛だから自重が小さく、こちらの攻撃に合わせてダメージ覚悟の反撃をされてしまうと、オーラを纏った丸めただけの毛は簡単に吹き飛ばされる。

 

『デモ ネバッタ ホウ ダロ』

 

 三人称視点に近いラジコン視点で周りがよく見える点、それにOPな畜生ですら負担となるような強引な高速変態機動が取れるので、イルミの針や隠し玉にしていたくさい髪を伸ばして巻き付けてくる拘束技を初見で何度か躱せたのはすごいと思うが、やっぱり弱点が多い。

 

「無駄にね。そもそも武器そのものを操作すればいいだろ」

『ムダ ジャ ネーシ コレ ドダイ ダシ』

 

 あくまでもこれは土台で、自動車でいうところの車体。

 ここにエンジンを積めば化けるし、エンジンの候補は既にある。

 

 丸っこいのはゲームでのゴリラ力は俺に遠く及ばないがヒトというカテゴリー内では頂点に近いし、ゲーム的な頭はすこぶる良い。

 対人ゲーなんかだとそれが更に発揮されるし、俺が動かす宿主たる毛ヒトにあいつがユーミ的な寄生虫をやってドッキングさせる。そして、俺が毛ヒトで回避と高機動で相手を翻弄して、丸っこいネコがサポートする……。

 

 これでイケる。丸っこいのにネコになれってメールしとこ。

 

 ᴥ

 

 車体となる毛ヒトでヒマしている執事らと遊ぶ日々を送っていたら、いつの間にかイルミがしれっとフロアマスターになっていた──決定戦の前に教えてくれりゃあ応援しにいってやったものを、シャイボーイめ。

 そんなわけで天空闘技場での要件は完了……てか俺は単独での殺しの手伝い終わったんだし帰って良かったのでは? とも今更ながらに思うが、とにかく別邸から本邸のあるククルーマウンテンへ。

 

 久しぶりの山全体が敷地の本邸にて完了させるまでに3日を要したが、秋の景観を見物しつつ、甘栗を乗せつつのマーキングは楽しめた。

 

 最優先事項を終えたので、次は丸っこいのに寄生ネコをやらせるべくからくり屋敷へ、いざ。

 つってももう屋敷内のからくりの大半は俺が破壊を繰り返すので撤去されており、化学兵器的なものしか残されておらず、全体的に廊下の幅や部屋の出入り口が大きくなっていて快適になっている。

 

『コレ ニ ノレ』

「は? オレが? こ、この毛むくじゃらの人形? に、乗んのかよ」

 

 またお人形さんが増えた様子の部屋。きゅるきゅるした乳房の大きな少女ばかりなラインナップについては何も言うまい。

 部屋の中は整理整頓されおり、以前のように食べ残しや包装紙なんかが散乱していないので、良し。変態であるならば清潔たれとの俺の教えは守られている様子。

 

『ノレ ナ?』

「チッ……乗りゃいいんだろ、乗りゃ」

 

 丸っこいのを部屋から引きずり出し、敷地内にいくらでもある開けた場所へ。

 毛ヒトによって丸っこいのを背負い、様子見も兼ねてとりあえず一通りの機動を試──うん、辞めよう。

 歩いたり走ったりは大丈夫でも立体的な機動を行った途端、丸っこいのがただの重りになっている。

 

 そういやこいつも操作系だし、丸っこいのも俺と同じく操作する側にしよう。

 

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