ゴミ開拓者転生~スタレの主人公に成り代わったから全力で主人公を遂行する!~   作:ひまなめこ

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13話 皆でレッツ列車修理

「一応聞くけれど、この列車はあんた達の物では無いのよね?」

 

「ああ、俺達はこの列車が海に墜落したのを見かけてここに来たんだ。」

 

姫子の質問に俺は簡潔に答えた。

 

「そう。ねえ、この列車の所有者って今ここにいるかしら?」

 

「いや、いないと思うぞ。」

 

ゲーム本編では無人の状態でボロボロのまま放置されていた星穹列車を姫子が直したと言われていた。

つまり、今は列車の所有者は何処にもいないと言う事だ。

 

「なら、私が勝手に修理しても良いわよね。」

 

「えっ、修理ってこの列車を直すの?」

 

姫子の言葉にサムが当然の疑問を口にした。

 

「ええ、そうよ。この列車を直して私は銀河を開拓するナナシビトになるの。それが私の子供の頃からの夢だから。」

 

サムの疑問に姫子は夢見る少女のように目を輝かせて、恥ずかしげもなく真っ直ぐ俺達を見つめながらそう答えた。

 

「…夢。」

 

「早速修理を始めるわ。あんた達のデートの邪魔をする気は無いけど、暫くはこの海を封鎖する予定だから早くここを離れた方が良いわよ。」

 

そう言って、姫子はスーツケースのような物から様々な器具を取り出して列車の修理の準備に取りかかる。

 

「姫子の邪魔をするわけには行かないな。ここを離れよう。」

 

「ごめん、待って…下さい。」

 

「?」

 

俺はサムを連れて海から離れようとするが、それをサムが拒絶した。

 

「ねえ、姫子さん。」

 

「ん?何かしら?」

 

「もし良かったら、アタシ達も列車の修理を手伝っても良いかな?」

 

サムは修理の準備をしている姫子に近付き、列車の修理の手伝いをするとお申し出た。

 

「え?それは願っても無いことだけど、良いの?あんた達デート中だったんでしょ?」

 

「デっデートじゃなくてただのお出掛けだよ。彼とは別にそう言うのじゃないから…。」

 

「ふーん、ならあんたのお言葉に甘えさせて貰おうかしら。」

 

「うん!任せて!」

 

俺を放置して姫子とサムが話し合い、列車の修理を手伝う事になった。

 

「ごめん、穹さん。列車の修理を手伝いたいの。穹さんも手を貸してくれませんか?」

 

姫子との話が終わったサムは申し訳なさそうに俺にそう尋ねてきた。

 

…うーん、流石にこの状況で嫌ですとは言えないな。

しかし、今このタイミングで俺と姫子が関わりを持ってしまうのは如何なものか。

でもな~流石に困ってる人を見過ごすのはな~。

スタレ箱推しの俺は当然ホタルも姫子も大好きだ。

そんな二人のお願いとなると…。

 

「断る理由が無いな。俺も手伝おう。」

 

「本当!?ありがとう穹さん。」

 

「助かるわ。」

 

俺の言葉にサムと姫子がそれぞれ感謝の言葉を述べてきた。

うむ、推し達に感謝されるなんて…もう死んでも良いかも。

原作崩壊とか脚本とかもうどうでも良いわ!

崩壊スターレイルから原作崩壊スターレイルに改名しようぜ。

 

「改めて自己紹介しましょう。私はさっきも名乗ったけど、姫子よ。よろしくね。」

 

「俺は穹だ。」

 

「アタシはサ…「彼女の名前はサミュエルだ。」…え?」

 

俺はサムの自己紹介に被せるように咄嗟に思い付いた偽名を口にした。

 

「ちょっと、穹さ…。」

「しーっ。(今後星核ハンターサムとして活動してその名前が広まったら色々ややこしくなるし、プライベートでも活動しにくくなるだろ。だから偽名を使っとけ。)」

 

「(うっうん、わかったけど。サミュエルってさっきの映画で最初に死んだ人じゃん!)」

 

俺は意義を唱えるサムを小声で説得した。

流石にサムの名前を姫子に名乗るのは不味い。

今はまだサムは星核ハンターになったばかりで名前は知れ渡って無いが、今後彼女はカフカに次ぐ懸賞金が掛けられた賞金首になる。

つまりサムと言う名前が銀河中に知れ渡ると言うことだ。

そして、もしこの場でサムと名乗ったとしよう。

そしたら、俺が今後本編開始時に星穹列車に入る際に姫子に怪しまれてnot開拓者ENDになってしまう。

だから、偽名を使う必要があるのだ。

 

俺は良い。

咄嗟に偽名が思い付かなかったし、星核ハンターとして活動するときは仮面を被って仮面ライダーを名乗るから。

 

「穹にサミュエルね。二人共よろしくね。早速だけど、浅瀬に沈んでいる星穹列車を陸に引き上げたいの。手伝ってくれるかしら。」

 

「任せろ!布瑠部由良由良」

 

 

俺は列車を陸に引き上げるために巨大かつ、剛力な摩虎羅を召還した。

 

こいつなら、沈んでいる列車を引き上げるのも造作もないだろ。

 

「「ばっ化け物!?」」

 

「よーし、摩虎羅。あの列車を陸に引き上げてくれ。」

 

俺は驚く二人を無視して、摩虎羅に指示を出した。

摩虎羅は俺の指示に従い海に入って列車に近付く。

そして、列車を陸に引き上げるために持ち上げようとするが、列車が大き過ぎて持ち上がらなかった。

 

「うーん、流石の摩虎羅も()の状態では列車を持ち上げられないか…。」

 

「…べっ別の方法を探しましょうか…。」

 

「いや、うちの摩虎羅はここからが本番なんだよ。」

 

列車を持ち上げられなかった摩虎羅を見て別の方法で列車を陸まで上げようとする姫子。

そんな彼女を俺は引き留めた。

 

そして、その直後ガコンっ!と言う音と共に摩虎羅の頭上の法陣が回転し、摩虎羅が巨大化した。

 

「「ええええええええ!?」」

 

「摩虎羅の能力はありとあらゆる事象への適応。大き過ぎて持ち上がらなかった列車に適応して巨大化したんだ。」

 

「「適応しすぎいいい!!」」

 

そのまま、巨大化した摩虎羅は丁寧に列車を運び、無事に陸に上げる事に成功した。

 

「よーし!気を取り直して早速修理していこう!」

 

「「おっオー…。」」

 

こうして俺達の列車修理が本格的に始まった。

まず最初に開始したのは水抜きである。

浅瀬とは言え水没していたので、列車内の水を抜く必要があるのだが…。

 

「満象」

 

「パオーン!!」

 

満象に全て吸いとって貰いました。

 

「…もう穹一人で良くないかしら?」

 

「うん、アタシもそう思う。」

 

水抜きが終わったら、次は列車の内部点検、修理、破損部員の補強だ。

この手の知識は俺達には無いのでここからは姫子の指示に従って黙々と作業をする。

 

「あら?いけない、ネジを切らしてしまったわ。ごめんなさい二人とも、ちょっとネジを買い足してくるわね。」

 

「いや、その必要は無い。」

 

俺は買い出しに行こうとする姫子を止めて、彼女の前で大量のネジを無限の剣製の応用で投影する。

 

「ほら、小道具なら俺が作れるから買いに行く必要は無い。」

 

「………………ありがとう。」

 

そうして、再び俺達は作業を開始する。

時間にして5システム時間が経過した頃。

辺りはもうすっかり暗くなってしまっていた。

 

「もうこんな時間ね。二人とも、今日の所はお開きにしましょう。」

 

「そうだな。」

 

「うん、アタシももうへとへとだよ…。」

 

姫子の言葉に俺とサムはそれぞれ了承し、小道具の片付けをする。

しかし、そこでふと俺は思った。

姫子は()()()お開きにしようと言った。

つまり明日もあるのだ。

それは良い。

元々完成まで手伝う気でいたし、早く修理が終わるように積極的に術式を使っていたのだから。

しかし、問題なのは俺達が二相楽園に来たのはサムが見たい映画を観に行くためであって、宿泊目的では無いということ。

故に、俺達には今泊まる宛が無いのだ。

 

「サミュエルさんや~。」

 

「どうしたの?穹さん。」

 

「俺達、何処に泊まるんです?」

 

「あっ…。」

 

こいつも完全に忘れていたな。

どうするか…。

今から宿を探しても間に合うのか?

呆然と固まるサムの顔を見ながら俺は必死に頭を回す。

しかし、良い案が思い付かない。

 

「何?あんた達ここら辺住みじゃないの?」

 

「ああ、と言うかこの星の住人じゃない。」

 

「え?と言うことは…ナナシビト!?」

 

宿をどうするかで悩んでいると姫子から突然質問を投げ掛けられたので、それに答えたら、何やら信じられないような目で驚かれた。

 

…ナナシビト。

まあ、正確には違うが、似たような物か。

 

「ああ、色んな星々を旅している。」

 

「凄いわ!本当に実在するなんて。」

 

俺達がナナシビトだと知り子供用にはしゃぐ姫子。

 

ナナシビトになるのは彼女の子供の頃からの夢だと言ってたから、はしゃぐのも無理はないか。

 

「ねえ、あんた達が良ければなんだけど、列車が直るまで私の家に泊まらない?」

 

「え?良いのか?」

 

「ええ、勿論よ。手伝って貰ったお礼もしたいし、あんた達の旅の話を詳しく聞きたいもの。」

 

正直大助かりだ。

今からホテルを探しても見つかる保障は無いし、家に泊めて貰えるのなら、宿代は浮く。

願ってもない申し出だな。

断る理由が無い。

 

「なら、お言葉に甘えさせて貰おうかな。」

 

「フフ、決まりね。」

 

こうして俺達は姫子の家に泊まる事になったのだった。

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