ゴミ開拓者転生~スタレの主人公に成り代わったから全力で主人公を遂行する!~   作:ひまなめこ

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一応補則と言うか、言っておきますと。
本来、姫子が星穹列車を見付けるのは姫子が幼少期の頃で、その時はまだ穹もホタルも生まれて無いです。
ですが、この世界では穹が生まれる前から、星穹列車が二相楽園に墜落するずっと前からアッハが次元の壁を突き破って主人公の魂をスタレ世界に持ち込んだので、その影響でバタフライエフェクトが起きて、こんな展開になっている訳です。

一応、ゲーム本編のストーリーをなぞる上では問題無いように改変していますが、今後どうなるかはアッハすらも知りません。


14話 姫子宅訪問

姫子の誘いにより、彼女の家に泊まる事になった俺達は列車修理の道具の片付けを終えてから、姫子の案内のもと彼女の家に来ていた。

 

「ここが私の家よ。」

 

案内されたのは、大人が一人で住むにしては少し大きすぎるのではと思う程の戸建ての家。

 

「なんか…凄い立派だな。」

 

「…だね。」

 

俺とサムは姫子の家を前にして、そんな感想を抱く。

 

「フフ、本当は前まで小さなアパートに住んでいたのだけど、星間航行動力学で一つ特許を獲得してからここに引っ越してきたのよね。」

 

特許!?

やっぱり、姫子は凄いんだな。

そんな彼女でもヌースの一瞥を受けてないのだから天才クラブは一体何者なんだ?

 

「さあ、あがってちょうだい。お腹空いたでしょ?今日は腕によりをかけて作るわね!」

 

姫子にそう言われて、俺達は姫子の家に上がり、リビングに案内される。

 

…姫子の料理か、楽しみ…。

いや、待てよ。

姫子の料理?これやばくね?

姫子と言ったら飯マズ、飯マズと言ったら姫子、ジャイアン、お妙さんの3大巨頭じゃん。

かなり、やばいんですけど。

 

「ひっ姫子さ~ん、流石にお食事までご馳走になるなんて申し訳ないので、俺が作りましょうか?」

 

「あら、遠慮しなくて良いのよ。飛びっきりのご馳走を作るから待ってなさい。」

 

交渉決裂!

万事休す!

俺死亡!

 

…せめてサムの命のだけは俺が守る!

 

「安心しろサミュエル。お前の事は俺が死んでも守る。」

 

「?ありがとう…ございます?」

 

そうこうしている内に姫子はエプロンを着用して、台所に入って行った。

 

…終わった。

地獄のカウントダウンが始まった。

これぞ正しく終わりの始まり。

俺達の物語はここで終わるんだー!

 

俺はサムの前で滝のような涙を流して膝をつき、絶望を体で表した。

 

「きっ穹さん!?どうしたの?急に泣き出して。」

 

「サミュエル、今は駄洒落を言っている場合では無いんだ…。」

 

「一言も言ってないよ…。」

 

そんなやり取りを十数分程交わしている内に姫子の料理が完成し、テーブルに料理が並べられる。

 

並んだ料理は色とりどりなサラダに温かそうなコンソメスープ、そしてナポリタン。

 

…あれ?

なんか普通だ。

 

「さあ、食べましょう。お代わりもあるわよ。」

 

姫子にそう言われて、俺達は適当に席につき、手を合わせる。

 

「「「いただきます。」」」

 

俺は早速ナポリタンをフォークでくるくるーして取り、口に運ぶ。

 

…うん、普通のナポリタンだ。

普通に旨い。

今日は運良く当たりの日だったのか?

 

姫子は開拓の精神の塊だ。

常に開拓を求める。

それは料理でも例外ではない。

コーヒーを作る時とかはいつも同じ味を作るのではなく、いつも変なアレンジをするのだ。

故に、美味しい時と不味い時でかなりムラっ気がある。

どうやら今日は旨い日らしい。

 

「…旨いな!」

 

「うん、アタシこの味好き。」

 

「本当?口にあって何よりだわ。本当ならあんた達には私渾身の創作料理を振る舞いたかったのだけれど、この星の食材だけではレパートリーが少ないのよね…。そうだわ!列車が直ってこの星を出たらいつかあんた達に珍しい材料を使った創作料理を振る舞って上げるわ。」

 

………どうやら、美味しい料理にありつけたのは、単純な素材不足のお陰だったらしい。

だか、逆にこの星にいる限りは安全と言うことだ。

これは瓢箪から駒だな。

 

「もし良かったら、コーヒーも飲むかしら?」

 

「ああ、貰おう。」

 

「うん、アタシも飲んでみたい。」

 

俺達は姫子が淹れたコーヒーを受け取り、口に流し込む。

その瞬間、食道が張り裂けるような激痛が俺を襲った。

 

「ぐはぁ!」

 

なっなんだこれ…。

不味いとか言う次元じゃない。

劇物や。

このコーヒー、コーヒーや無かったんや。

油断した!

はっ反転…反転術式…。

アカン!

ざけんなや!

呪力が練られへん…。

ドブカスが!

 

「穹さん!?どうしたの?」

 

逆に何で君はこんな劇物飲んで大丈夫なの?

 

俺は姫子のコーヒーを飲んでも平気そうなサムに驚愕する。

 

そう言えばこいつもオークロールとか言う木屑の味がする食い物が好物なんだっけ…。

奇跡的に味覚が噛み合ったんだ。

て言うかヤバイ、意識が朦朧として…。

 

俺は姫子のコーヒーによるダメージで意識を保てず気を失ってしまったのだった。

____________________________________________________________

「ん?あれ?俺何でベッドに…。」

 

意識が戻り目を覚ますと、見覚えの無い部屋で見覚えの無いベッドの上で寝ていた。

 

「あっ穹さん起きました?」

 

俺が寝ているベッドの横にはサムが座っており、心配そうに俺の顔を覗き込んで来た。

 

「俺どれくらい寝てた?」

 

「大体十分くらいかな。今姫子さんは台所で洗い物してますよ。」

 

姫子…ああ、そうだ思い出した。

姫子のコーヒーを飲んだら気を失ったんだ。

料理が普通だったから完全に油断した。

 

「あのコーヒーは劇物だろ…。」

 

「そうかな、アタシは好きですよ。」

 

「えー…。」

 

俺はサムに信じられないような目を向ける。

流石オークロールが好物なだけあるな。

意外とサムと姫子は相性良いのかもな。

 

「ふふ、ねえ穹さん…ありがとう。」

 

「ん?何が?」

 

突然のサムの感謝に戸惑いながら俺は当然の疑問をぶつけた。

 

「アタシの我が儘に付き合ってくれた事です。」

 

「フン、そんな事か。別に良いんだよ、お前みたいな可愛い女の子と一緒にいれる時間が増えて俺的にはむしろ特なんだよ。」

 

「…穹さんには敵わないな…。」

 

俺のフォローに少し顔を赤らめてサムは消え入るようにそう呟いた。

 

「ねえ、穹さん。本当はね、アタシが穹さんを映画に誘ったのには打算があったの。」

 

「…打算?」

 

「この前の任務で別人のように変わったカフカさんを見て、穹さんならアタシにも変革をもたらしてくれるんじゃないかって。」

 

そうか…打算。

確かに俺はカフカに変革をもたらした。

だが、それはカフカの心に欠陥があったからだ。

サムにはそんな物無いように見えるが…。

 

「変革って何を変えたいんだ?カフカと違ってお前の心は正常だと思うんだが。」

 

「ううん、心じゃなくて体の方。ロストエントロピー症候群って知ってますか?」

 

…そう言うことか。

サムは心ではなく体、生まれつき患っていた病、ロストエントロピー症候群を治して欲しいんだ。

 

「ロストエントロピー症候群と言うのは物理構造が不可逆的な慢性解離に陥る病気。つまりゆっくり消えるってこと。アタシは普通の女の子として自由に長生きしたいその為にこの病気を治したいの。それがアタシの夢。」

 

「夢。それがお前が姫子の手伝いをしたいと言い出した理由か?」

 

「やっぱり、鋭いね。夢と真摯に向き合って夢の為に一人でも頑張ろうとする姫子さんの姿がどうにも他人事には見えなくて…。」

 

サム…いや、ホタルとはこういう少女だ。

体も心も儚げで、それでいて短い命を簡単に燃やす覚悟がある。

自分の為に生きる、自分の為に戦うと言いながら、他人の為にも戦える優しい少女なのだ。

 

「アハハ、なんか辛気臭い話に成っちゃったね。ごめんなさい今の話は忘れてください。」

 

「敬語。」

 

「え?」

 

「敬語とさん付け外せ。お前俺と話す時所々敬語で話すだろ。タメで良い。それとお前に言われなくても俺は元々お前の体を治すつもりだよ。」

 

こんな優しい少女が苦しんでいるのなら。

やる事は一つだ。

彼女の体を完全に治す。

だが、今じゃない。

まずはエリオと話をしなくては。

今後の脚本にどう影響するか分からないからな。

 

「っ!!ありがとう穹。」

 

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