ゴミ開拓者転生~スタレの主人公に成り代わったから全力で主人公を遂行する!~ 作:ひまなめこ
「布瑠部」
簡略化された祓詞を唱えて摩虎羅の法陣のみを顕現させる。
摩虎羅は朝に列車修理でコキ使い過ぎて完全顕現は無理だ。
代わりに法陣だけでも出しておけば、帰寂の攻撃に適応する事が出来る。
「また、新しい術か…。今度はどんな大道芸を見せてくれるんだ?」
「言ってろ化け物が。」
俺は帰寂に向かって徒手空拳で飛び掛かる。
今の俺の実力では複数の術式を同時には使えない。
【解】も赤血操術も十種影法術を使っている今は使えない。
だから、近距離で戦うしかないのだ。
「おいおい、さっきの見えない斬撃はどうした?近距離じゃお前は俺に勝てないだろ。」
俺の攻撃が奴に当たる前に奴の拳が俺の顔面に炸裂する。
更に俺の身体がぶっ飛ば無いように帰寂は俺の足を踏んでその場に固定し、何十、何百の拳を打ち込んでくる。
「ぐ…ぐ…んぐ!」
耐えろ!
この際被弾は仕方ない。
だか、気は失うな。
意識をしっかり保て!
ダメージを負った傍から反転術式で回復しろ!
もう少しだ。
もう少しで…。
ガコンッ!
待ちわびた音と共に俺の頭上の法陣が遂に回転する。
それと同時に帰寂の拳を受け止め、奴へのカウンターに拳を放つ。
その瞬間、俺が放った拳と拳に込めた虚数エネルギーの誤差が0.00000001秒に収まり、空間が歪み虚数エネルギーが黒く光る。
「【黒閃】」
「ぐばっ!?」
俺の【黒閃】を諸に食らい後方にぶっ飛ぶ帰寂。
そんな奴を俺は摩虎羅の法陣を出しながら、鵺の帯電能力のみを引き出し、
【赤燐躍動】で上昇した身体能力を鵺の帯電で更に強化した。
元から高い俺のフィジカルに最大出力のエネルギー強化と帯電そして、【赤燐躍動】が加わった事で俺のスピードは音速を遥かに越える。
これに更に貫牛の能力も引き出し出す事で、ぶっ飛んだ帰寂に追い付く頃には今までに無い威力の攻撃を食らわす事が出来る。
やがて、俺の【黒閃】でぶっ飛んだ帰寂に追いつき俺の渾身の拳を奴に叩き込む。
そして、再び黒い火花が散る。
「【黒閃】」
「ごぼぉっ!!」
奴の身体は更にぶっ飛ぶ。
そして、俺は更に奴を追いかけ追いついたと同時に再び拳を放つ。
再び黒い火花が散る。
「【黒閃】」
「…。」
よし!行ける!
完全にパターンに入った。
【黒閃】を決めた事で今まで出来なかった術式の同時使用が出来るようになり、絶大な破壊力の攻撃を絶え間なく放つ事が出来るようになった。
このまま、押し切れば勝てる!
そして、俺は再びぶっ飛んだ帰寂に追いつき、もう一度拳を突き出す。
しかし、その瞬間、ぶっ飛んだのは帰寂の身体ではなく俺の身体だった。
「!?」
何をされたのか理解する間もなく、俺は近くのビルに衝突する。
何が起きた?
俺が拳を放った直後、奴ではなく俺がぶっ飛んだ。
奴の殆んどの攻撃には既に適応を終わらせている。
つまり、さっきの出来事は完全に初見の技によるもの。
理屈も原理も分からないが、今はそう言う事が出来るって事だけ分かれば良い。
今はただ、止まるな!
反転術式を回して、動ける限り動け!
「はぁ、本当はこれ使うつもり無かったんだがな…。お前が悪いんだぜ。お前が俺を本気にさせたから。」
次の瞬間、重力の様な不可視の力が発生し、ビルごと俺を押し潰そうとする。
「っぐ!」
なんつう力だ!
全く身動きが取れない…!
このままでは完全に潰される。
反転術式…回し続けているが、身体の損傷スピードの方が早い。
適応…間に合わない。
無為転変…駄目だ、人間である俺は無理のある形に変形出来ない。
…詰みだ。
抜け出せない。
俺に掛かる力がますます大きさを増して行く。
やがて、周囲の瓦礫が俺を呑み込み、俺は瓦礫の山に生き埋めになる。
何も出来ずただ死を待つ俺の脳に突如走馬灯の様な物が流れてくる。
そこは何処までも広がる荒地。
そこには墓標の様に地面に刺さった無数の剣しかない。
そこには剣以外の物も人もいない。
しかし、何処からともなく声が聞こえてくる。
体は剣で出来ている
I am the bone of my sword.
血潮は鉄で心は硝子
Steel is my body,and fire is my blood.
幾たびの戦場を越えて不敗
I have created over a thousand blades.
ただ一度の敗走もなく、
Unaware of loss.
ただ一度の勝利もなし
Nor aware of gain.
担い手はここに独り、
Withstood pain to create weapons,
剣の丘で鉄を鍛つ。
waiting for one's arrival.
ならば、我が生涯に意味は不要ず、
I have no regrets.This is the only path.
この体は
My whole life was
無限の剣で出来ていた
"unlimited blade works
それがこの荒野を表す全てだった。
だが、長いな。
唱えるならもっと短く簡略化した方が良いんじゃないか?
『君がそうしたいのなら、そうしたまえ。』
っ!?
『いつだって、イメージするのは最強へ至った未来の自分。だが、最強の在り方は人それぞれだ。私が掲げる最強と君が求める最強は似て非なる物。無理に私達の後を負わなくても良い。これらは君の力なのだから、君の自由に解釈を広げたまえ。』
聞き覚えのある声が聞こえて来たかと思った頃には俺の意識は走馬灯から現実に引き戻されていた。
「…なん…だったんだ?」
って考えても答えは出ないか…。
今の俺の状況は瓦礫に埋もれて動けないが、まだ辛うじて生きているって所か。
だが、それも時間の問題。
依然として俺を押し潰そうとする力は強くなり続けている。
このまま何もしなければ、いずれ俺は死ぬ。
だが、たった今俺はこの状況を打破する力を得た。
故に俺は全神経をとある術式に注ぐ。
ずっと勘違いしていた。
俺の無限の剣製は呪術であって魔術じゃない。
俺の意識はずっと無限の剣製を魔術として扱っていた。
しかし、俺が求める最強の形は魔術使いの俺ではなく、呪術師の俺。
なら俺がやるべき事は…。
「鉄心、撃鉄、理想の果て、正義の守護者」
呪詞を唱える事。
五条悟の無制限虚式紫や宿儺の次元斬のように呪詞とは唱える事でその術式の性能を上げる事が出来る。
俺の無限の剣製は領域特化の術式。
応用すれば領域を展開しなくても投影を使えるが、前世で見た宝具や特級呪具を投影するには呪詞を唱えて術式効果を上げる
必要があったのだ。
「投影呪法【熾天
その瞬間、俺と瓦礫の間に巨大な七枚のバリアを展開し、瓦礫を不可視の引力ごとはね除ける。
ローアイアスは全ての攻撃から身を守る概念宝具だ。
この程度の力、屁でもねえ。
そして、俺は瓦礫の山から生還し、帰寂の前に再び立つ。
「よお、久しぶり。」
「…マジか。」
帰寂はさっきの技に相当な自信があったらしく、かなりショックを受けている。
「大マジ!元気ピンピンだよ!」
「この分身で出せる最高火力だったんだがな…。」
「お前の敗因は舐めプして最初からあの技を使わなかった事…。」
「敗因?勝負はここからだろ。」
「そうか?そうだなぁ、そうかもなぁ!」
やべえ、頭がハイに成ってる…。
でも、今はこれで良い!
これが良い!
今はただこの俺が心地良い!
天上天下唯我独尊。
「領域展開【無限の剣製】」
俺は遂に形を成したその領域を展開するのだった。