ゴミ開拓者転生~スタレの主人公に成り代わったから全力で主人公を遂行する!~ 作:ひまなめこ
人生初の動画投稿を始め、音楽活動にも手を出して順調に数字が伸びに伸びバズりまくっている今日この頃。
今日も今日とて俺は前世の曲の楽譜起こしに勤しんでいた。
因みに、新しいゲームを買うお金はとっくに貯まっていたのだが、まだ買ってない。
て言うか買うつもりがもう無くなってしまった。
俺気付いたんだよ。
俺が求めていたのは新しいゲームでは無くて暇を潰す何かだって。
正直、暇を潰せればゲームじゃなくても良いのだ。
寧ろ、今の音楽活動の方が面白い。
だって、頑張った分だけ結果が出るのだから。
それは銀狼も同じ気持ちらしく、最近は全くゲームをせずに作曲や編集をして俺のサポートをしてくれている。
…なんか俺達真っ当にクリエイターしてんだよな。
もう、星核ハンターから足洗おうかな。
「ねえ、穹。そろそろ頃合いだと思うんだけど。」
「ん?何がだ?」
編集を終えた銀狼がパソコンから俺に視線を向けて何やら意味深な言葉を投げ掛けてきた。
「ライブだよ。ファンの皆もやってって声が大いし、そろそろやっても良いと思うんだけど。」
ライブか…。
成る程、確かに頃合いか。
俺は音楽活動を開始してたったの数ヶ月で銀河中を虜にし、今では銀河の歌プリンスとまで呼ばれている。
だが、そんなプリンスがまだライブをしたことが無いだなんて名前負けも良いところ…いや、プリンスの名が泣くな。
「そうだな、そろそろライブをしよう。何処でやろうか?」
「それならもう決まってる。」
流石銀狼。
もう既に初ライブの開催地に目星をつけていたとは。
「初ライブは宴の星ピノコニーで開催するよ。」
「え?」
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そして現在、俺はあのピノコニーで初ライブするべくライブ会場の控室に来ていた。
「やッべえ~マジで来ちゃったよ…。」
「何?緊張してるの?」
「当たり前だろ!」
何でよりにもよって初ライブがピノコニーなんだよ。
ピノコニーって言ったら銀河中のVIPが集う星じゃん。
普通もうちょいグレードの下の所でやらない?
こんなん初手から東京ドームでライブしてるようなもんだぞ!
過程すっ飛ばし過ぎだろ。
「何故、初ライブがピノコニーなんだよ…。」
「そんな事言ってもセッティングしたの私じゃないし。」
「は?どういう事だ?」
「何かオーディって言う結構偉そうなピピシ人から穹宛にオファーが来てたの。ピノコニーでライブしないかって。二つ返事でOKしちゃった。」
オーディってもしかしてルーサン家当主のオーディ・アルファルファか?
…ヤバい奴に目をつけられちまった…。
まさかあいつが俺の歌を聞いていたとは。
「はあ…。」
「ほら、シャキッとして!本番はこれからなんだから。あなたの歌声でピノコニーを盛大に沸かすの。いい?失敗は許されないからね。」
いかにもマネージャーみたいな事を言ってくる銀狼。
こいつこの状況楽しんでないか?
こっちは緊張で死にそうなのに。
まあ、でも元より失敗するつもりはない。
何故ならこの体、滅茶苦茶スペックが良いのだ。
ゲームでも主人公は何の知識も経験も無しに博物館のオーナーをしたり、潰れかけだった羅浮の金人商会を建て直したり等、スペックの高さを遺憾無く発揮していた。
そして、今世で主人公に転生して改めてわかった。
この体のスペックの高さを。
スタレの主人公はゴミ箱が好きな事を除いて欠点の無い完璧超人だったのだ。
俺が前世の世界の曲を再現する際、歌声は当然俺が担当したのだが、どの曲も完璧に歌う事が出来ていた。
故に、俺は絶対に失敗しない自信がある。
でも、緊張はする。
だって初めてのライブだもん。
「銀狼…膝枕してくれ…。」
「フンッ!」
「グヘッ!!」
どうにか緊張を和らげる為に銀狼に膝枕を要求するが、返ってきたのは容赦ない拳だった。
「…何するんだよ。」
「それはこっちの台詞。ふざけてないでさっさとステージに行ったら?もう本番まで五分も無いよ。」
「マジか!」
俺は急いで控室を出てステージへと向かう。
さっきも言ったが、失敗する気は毛頭ない。
それでも初めての体験な為やはり緊張はするが、何処かこの状況を楽しんでいる自分もいる。
せっかくの初ライブだ。
俺のやりたいように暴れてやろう!
そんな決意を胸に俺は覚悟を決めてステージへ上がるのだった。
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無事初ライブが終わり、俺は今控室でぐったりしている。
「お疲れ様、中々良い感じだったよ。客も凄い盛り上がってた。」
「そりゃどーも。」
今回の初ライブの手応えは上々と言って差し支えないだろう。
中々手応えも悪くない。
誰がどう見ても大成功と言えるものだった。
「よーし!今日は初ライブ大成功を祝ってピノコニーの美味しいお店で打ち上げしよう。」
「さんせー。」
そうと決まれば早速お店を予約せねば。
俺は疲弊している体を起き上がらせてスマホを取り、良い感じのお店を探す。
そんな時、突然俺の控室の扉をノックする音が響き渡る。
「ん?誰だ?」
「さあ?」
俺は一旦スマホを適当な所に置いて控室の扉をあける。
するとそこには頭上にヘイローが浮いていて、耳の下から翼が生えている白銀色の髪を持つ少女と少年がいた。
兄妹か?
何かこの二人見覚えがあるような…。
「何か俺にようですか?」
「あっえっと…。」
「すみません、うちの妹がどうしてもあなたに会いたいと言って聞かなくて。」
俺が突然の来訪者である目の前の兄妹に用件を尋ねると少女の方は何やら緊張しているように口ごもり、代わりに少年が口を開いた。
「俺のファンか?」
「はい!僕も妹もあなたの大ファンなんです!」
凄くキラキラした目で見てくるこの子。
やめて、俺ただの盗作犯だから、そんなに純粋な目を向けられると死んじゃう。
「あっ!すみません僕としたことが自己紹介がまだでした。僕はサンデーと言います以後お見知り置きの程よろしくの願いします。」
凄く礼儀正しい子だな。
育ちが良いんだろうな。
サンデー君か~。
ん?サンデー?
サンデーってあのデーさん?
…うわあ、よく見たらそうだ。
デーさんだ。
デーさんの面影がある。
何かゲーム本編よりもかなり幼かったから気付かなかった。
今現在の時代が本編から何年前かは分からないが、エリオは確か本来俺は子供の姿で生まれる筈だったと言っていた。
そして、本編では主人公はかなり大きくなっている。
エリオが言う子供の姿が赤ん坊では無く幼児(6歳)くらいと仮定し本編開始時の主人公の肉体年齢を大体18歳くらいと仮定するとこの時代は本編開始時の約12年前くらいになるのか?
いや、本来の時空ではホタルのロストエントロピー症候群が治って無くて短命なのを考慮すると、そんなに昔ではないか…。
となると行って7、8年前くらい。
となると今のサンデーは何歳だ?中学3年くらい?
「ほら、ロビン。自己紹介しなさい。」
「むっ無理だよ~、お兄ちゃん…。」
ロビンと呼ばれた少女はサンデーの後ろに隠れながら、恥ずかしそうに俺をチラチラと見てくる。
この子がロビンか…。
確かに面影がある。
しかし、やっぱり幼いな。
「穹さんに失礼だろう。お忙しい中わざわざお時間を取って貰っているのに。」
「でっでも~。」
今のロビンはゲーム本編とは違ってかなり及び腰と言うか、内気だな。
まあ、このくらいの年齢の子供は皆そんな物か。
ここは俺が大人として大スターとして神対応を見せないとな。
「ハハハ、ロビンちゃんは緊張しているのか?しょうがない、君達この後暇か?実はこの後初ライブの打ち上げに行こうとしていたんだ。良かったらそこで君たちの話を聞いて上げよう。」
「「え?」」