ゴミ開拓者転生~スタレの主人公に成り代わったから全力で主人公を遂行する!~   作:ひまなめこ

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32話圧倒的

俺はその槍を片手で受け止める為に手をかざす。

【刺()穿()()()()の槍】必殺必中の呪いの槍。

避けることは不可能。

なら自ら当たるしかないだろう。

だが、ただでは当たらない。

槍が俺に接触する寸前に魔虚羅の法陣を展開し、適応の準備を整える。

 

やがて、ゲイボルグは俺の片腕を完全に潰し、俺の心臓を貫いた。

ガコンッ!

 

「フンッ!生身のガキをいたぶって粋がる雑魚が口程にもねえ。」

 

ゲイボルグの持ち主、青い長髪を後ろに纏めた青年クーフーリンは意図も簡単に心臓を貫かれた俺を見て悪態をつく。

 

「おい、そこの坊主大丈夫か?」

 

「あ…ああ、問題ない。この程度の傷なら直ぐに治る。」

 

そう言って、未来の俺は反転術式で全ての傷を完全に癒す。

 

「こりゃたまげたぜ、回復持ちか…。坊主おめえ中々の手練れと見たぜ。」

 

「そんな大した事はない。それよりも危ない所を助けてくれてありがとうな。」

 

「なあに、礼は要らねえ…。多勢に無勢で自分より弱い奴をいたぶるのが気に食わなかっただけだ。それに…勝つためとは言え…俺も今から似たような事をするからな。」

 

そう言ってクーフーリンはさっき投擲した槍を俺の心臓から不思議な力で手繰り寄せて未来の俺に矛先を向ける。

 

「わりぃな、これは戦争なんだ勝つためだったらなんだってする。奇襲も漁夫の利もな。」

 

そう言い終えてクーフーリンは音速を超えた速度で未来の俺に肉薄し、その心臓を穿とうと槍を突きだす。

しかし、クーフーリンの槍が未来の俺に接触する寸前、血の縄が奴を拘束する。

 

「なっ!?坊主…なかなか面白い術を使うじゃねえか。」

 

「…俺の術じゃない。」

 

「何?なら、これは…!」

 

その瞬間、俺の拳がクーフーリンの顔面に炸裂する。

 

「ぐがっ!…てめえ!生きてやがったのか!」

 

「誰も死んでるなんで言ってねえだろ。」

 

俺は潰された腕と貫かれた心臓を反転術式で治す。

不可避の攻撃とは言え、真っ正面から受けたのは流石に危ない橋を渡ったな。

 

「普通、心臓を貫かれれば死ぬだろ!」

 

「お前の物差しで計るな駄狗。お前の鋭く速いだけの槍でいったい何が殺せる?羽虫も殺せないだろ…その棒切れじゃ。」

 

俺はクーフーリンを煽りながら、これ見よがしに投影呪法で【干将】と【莫耶】を投影する。

 

「てめえ…、俺のだいっ嫌いな奴とそっくりだ。楽に死ねると思うなよ。」

 

クーフーリンは眼光を鋭くし、青筋を立てた状態で超高速で俺に襲いかかってくる。

 

いくら音速を超えようとも、その速度は既に適応済みだ。

以前の帰寂との戦闘で俺は【赤燐躍動】やエネルギー強化、帯電を駆使して、音速を遥かに超えた速度に達した。

 

その上さっき俺に投擲してきたゲイボルグに対しての適応。

魔虚羅の適応は一度適応して終わりじゃない。

適応してからもあらゆる視点からの適応を進める。

それは刺突と言う攻撃そのものだったり、ゲイボルグが持つ呪いだったり、ゲイボルグが投擲された時の速度だったりそしてゲイボルグの持ち主本人だったり、あらゆる観点から適応が進む。

 

故に、もう俺にクーフーリンと言う英霊は通用しない。

 

俺はクーフーリンの動きを完全に見切り、奴の隙をついて軽く百を超える()()を叩き込む。

 

「あがっ…!?」

 

クーフーリンは俺が食らわせた攻撃の衝撃で後方に大きく吹き飛ぶ。

 

「なあ、お前。さっき俺の事を口程にもない雑魚って言ったよな?その言葉そのままお前に返すぜ、お前は口程にもねえ。」

 

「ぐっ、てめえ、舐めやがって…!わざとその剣を使わなかったな!」

 

「ああ、当たり前だろ。ぶっちゃけダサいと思ってんだよ英霊が獲物使うのは。それが無いと勝てねえって事をだろ?」

 

俺は煽る、クーフーリンを煽って煽って煽りまくる。

これは戦略の内だ。

いくらクーフーリンと言う大英雄でも頭に血がのぼったら冷静な判断が出来なくなるだろ。

相手の心をかき乱し、隙を作る。

勝つためなら何だってやる。

そう言って来たのはあいつの方だ。

 

「てめえ…!」

 

「さっきから『てめえ』って言ってばかりだな。アイルランドの狗は『てめえ』の一単語しか覚えられ無い程におつむが小さいのか?それともアイルランドの辞書には『てめえ』しか載ってないのか?」

 

そろそろ、煽るのも飽きたな。

クーフーリンは放っておいても暫くは動けないだろ。

今のうちに俺は俺の野暮用を済ませようか。

 

「さて、邪魔者は暫く動かなそうだし、これで俺たち二人きりで話せそうだな。」

 

俺はさっき投影した【干将】と【莫耶】をエネルギーに還して、ゆっくり未来の俺に近付く。

 

「お前はなんなんだ!」

 

「それを今からお前の魂に教えてやるよ!」

 

やがて、俺は未来の俺に肉薄し、その身体に触れ、術式を発動しようとする

 

「【無為転ぺ…」

 

しかし、その刹那、何処からともなく金髪の少女が現れて未来の俺に触れている俺の腕を切り落とした。

 

「っ!セイバーか!」

 

ついに出たなこの聖杯戦争の花形!

俺はたった今俺の腕を切り落とした可憐な少女に視線を飛ばす。

 

そこには尻餅をついた未来の俺を見下ろすセイバーの姿があった。

 

「問おう、あなたが私のマスターか?」

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未来穹side

 

妙な仮面を被ったサーヴァントアヴェンジャーが俺に何かしようとした瞬間、金色の髪を後ろに纏めて青いドレスを身に纏った可憐な少女が現れて、アヴェンジャーから俺を救出してくれた。

 

そして、アヴェンジャーから解放された俺はバランスを崩し、少女の前で、尻餅をついてしまう。

そんな俺の前に立ち、少女はこう告げた。

 

「問おう、あなたが私のマスターか?」

 

幾度と無く、前世で聞いたその台詞を。

 

「たった今契約はここに完了した。これより我が身はあなたの剣であり矛となることを誓おう。」

 

ゲーム知識で来ると分かっていても、いざお目に掛かると言葉を失ってしまうな…。

 

しかし、今は呆けている場合ではない。

今目の前には原作に無かったイレギュラーであるアヴェンジャーがいる。

あのクーフーリンでも手も足も出なかった奴だ。

セイバーが来たとしても油断は出来ない。

 

「敵サーヴァントは3人。マスター指示を。」

 

目の前にはアサシン、アヴェンジャー、クーフーリンがいる。

クーフーリンは後で見方になるので除外するとして、アサシンは後でクラークフィルムランドで皆と合流して倒すから優先順位は低い。

なら、今一番対象すべきは…。

 

「あの仮面のサーヴァントアヴェンジャーを優先的に倒せ!」

 

「了解です!マスター!」

 

俺が指示を出すと同時にセイバーは目にも止まらない速度でアヴェンジャーに接近し、アヴェンジャーに斬りかかる。

しかし、アヴェンジャーはセイバーのスピードに難なく対応し、セイバーの聖剣にカウンターを返す。

一進一退の攻防を繰り広げ、先に声を挙げたのはアヴェンジャーだった。

 

「ちと、たんま。流石にこんな最序盤で三騎士の内二人を潰すのは速すぎるよな。ありがたく思え。今回は見逃してやるよ。」

 

そう言ってアヴェンジャーはスコートとアサシンを連れて超高て何処かへ消えてしまった。

 

「くっ!速い…!すみませんマスター、不覚を取りました。」

 

「いや、良い。寧ろこれは幸運だ。あいつがその気になれば俺達はあっという間に潰されていただろう。」

 

謝罪してくるセイバーに俺は冷静に彼女を諭す。

実際、あいつには一人で全てのサーヴァントを相手に出きる程の力があった。

あいつの気紛れのお陰で俺達は命拾いしたのだ。

 

「そこの坊主の言う通りだぜセイバー。アイツの力はそんじょそこらの英霊が持って良い物じゃねえ。あのまま戦いが続いていれば死んでいたのはおめえだったろうよ。」

 

「そんなことは…!いえ、あなたの言う通りですランサー。彼を斬ったとき不思議なことに斬った感触がしなかった。何か飛んでもない力を隠しているのは確かです。」

 

あのクーフーリンとアルトリアがここまで戦慄する程の英雄だ。

きっとギルガメッシュやソロモン並みの大物に違いないな。

 

「所でランサー、私達も敵同士ですが、やりますか?」

 

「いや、止めとくわ。敗けが見えてる戦いはしない主義なんでね。潔く引かせて貰う。喜べ坊主、お前は特賞を引いた。」

 

そう言って、クーフーリンは霊体になって消えていった。

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