ゴミ開拓者転生~スタレの主人公に成り代わったから全力で主人公を遂行する!~   作:ひまなめこ

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33話 つかの間休息

「改めまして、セイバーのサーヴァント。真名はアルトリア・ペンドラゴンと申します。この世界とはまた別の世界のキャメロットと言う地で騎士王をしてました。」

 

クーフーリンが消えた後、アルトリアは俺に改めて自己紹介をしてきた。

 

「キャメロットなら、この世界にもあるぞ。友達のグィネビアって奴がそこ出身なんだ。確かお兄ちゃんにランスロットっていう名前の奴がいたな。」

 

「えっ!ランスロットがグィネビアの兄?血が繋がっているのですか?」

 

確か、アーサー王はかつて、妻だったグィネビアにランスロットと浮気されたんだったけ?

そりゃ驚くのも無理はないな。

 

「血が繋がっているなら、浮気の心配はないな。」

 

「ムッ!…今回のマスターは少々デリカシーに欠けているようですね。」

 

おっと、不味い口が滑った。

流石にブラックジョーク過ぎたか…。

明らかに不機嫌に成ってる。

 

「ごめんごめん。謝るから許してくれ。」

 

「別にそこまで怒ってる訳では…『ぐう~!』」

 

アルトリアがそう言い掛けた時、突然彼女の腹から空腹を訴える声が聞こえてきた。

 

「マスター、お腹が空きました。私に申し訳ないと言う気持ちがあるのなら、何かご飯を御馳走してください。」

 

「わっ分かった。…落ち着ける店に案内するよ。」

そう言って俺達は飯を食うためにその場を後にするのだった。

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アベンチュリンside

 

「不運と強運の間に生きているギャンブラーの僕でも今回の引きは流石に…。」

 

僕は自ら召喚したサーヴァントに視線を送りながらそう口にする。

 

「そうか?俺は結構気に入ってるぜ、アンタのサーヴァント。ルールは守るし、きちんとお互いの領分も弁えてる。背中を預ける相手としては、アンタらみてえな腹に一物抱えた連中よりもよっぽど信頼できんだろ。」

 

カンパニーとの確執がある彼が僕のような人間を軽侮する事は今に始まった事では無いので、取り敢えず無視して、僕は目の前にいる僕のサーヴァント、白髪に褐色の肌を持ち赤い外套に身を包む男性に声を掛ける。

 

「君はピノコニーの歴史上の誰…なのかな?」

 

「この摩訶不思議、奇妙奇天烈な世界と私に関連性が有るように見えるのなら、君の頭はそのファッションと同じくらいおめでたいようだな。」

 

「…。」

 

僕の周りはどうしてこうも毒舌な人ばかりなのかな…。

 

「…どうやら、彼も別の世界から来たサーヴァントのようだ。君のランサーみないにね。」

 

「ロリポップが!よそ者二人が揃って別の世界の奴を召喚するとはよ。なんだ?聖杯戦争ってのはよそ者を差別してのか?」

 

「三騎だ。別の世界から来たサーヴァントは三人いる。」

 

この現状に悪態をつくブートヒルの言葉に続くように先程他のマスターの偵察に行っていたランサーがそう口にしながら何処からともなく現れた。

 

「奇遇だな、クーフーリン。返り討ちにでもあってきたのか?」

 

「いきなり会って真名を口にするとは…てめえ、礼儀ってものを知らねえのか?」

 

「別に構わんだろ?この世界に君の事を知る者はいない。無論、エリンの名もクランの猛狗の異名もだ。」

 

「いや、一人だけいたぞ。てめえみたいに俺の事を煽って来たサーヴァントが。」

 

「それが三人目の別の世界のサーヴァントか?」

 

「いや、それとはまた別だ。」

 

二人は同郷のよしみなのか、僕達にはわからない話をしている。

僕も現状を詳しく把握しておきたいので、会話に混ぜて貰いたいのだけど。

 

その様な事を考えながら、会話に割って入るタイミングを見計らっていると、隣のブートヒルが口を開く。

 

「あんちゃんよ、少し偵察に行っただけなのになんでそんなに、ボロボロなんだよ。」

 

「…飛んでもねえ化け物がいやがったんだ。あの時あの灰色頭の坊主がセイバーを召喚してくれなかったら、今頃俺は倒されていただろうよ。」

 

灰色頭…もしかして穹…マイフレンドの事かい?

まさかこの駄狗がマイフレンドを…。

 

「あん?灰色頭?ベイビーが!あんちゃん、そいつ襲ったのか?そいつは味方だ。何してやがる!」

 

「襲ってねえよ、襲おうとしたらあの化け物に邪魔されたんだ。それにオマエがムカつく奴を始末しろって命令したんだろ?」

 

一応襲おうとはしたんだね。

まあ、今回は未遂に終わったからいいけど…。

 

「ランサー、次はない。もしまた、マイフレンドに何かあったら死よりも恐ろしい虚無に君を落とす。」

 

「おっおう…。」

 

取り敢えず"今は"釘を指すのはこのくらいにしておこう。

 

「…で、ランサーの言う三人目の別の世界のサーヴァントて言うのは?」

 

「ああ、それはセイバーだ。あのセイバーは俺達がよく知る奴だ。」

 

「彼女が…?これは予想外の再会だな。」

 

アーチャーとランサーの反応を見るに、そのセイバーは二人と同じ世界の住人のようだね。

それにこの二人は知らない世界に召喚されたと言うのに焦った様子が無い。

こう言うのは日常茶飯事なのかな?

 

「君たちは良く自分達の世界以外の場所に召喚させるのかい?」

 

「自分の…?俺達サーヴァントっつうのは、ほとんどの場合、自分のじゃない境遇に身を置くものだ。時代、国、戦争、全部他の誰かのものだろうよ。」

 

「マスターの質問の意図は何故私達があまり取り乱してないのか…と言うものだろう。私達は聖杯によって召喚される時代、世界の知識を与えられる。召喚されたと同時に戦闘態勢に入れるようにな。」

 

僕の質問に二人は各々の言葉ではっきり答えてくれた。

成る程、二人が冷静なのにはそういう理由があるのか。

 

「言っても分からんだろうから説明は省くが、私は元より誤った聖杯戦争に召喚されるサーヴァントだ。他の二騎もきっと似たような理由で召喚されたのだろう。」

 

「成る程、つまり俺達はオマエの巻き沿いを食らった訳だ。」

 

誤った…?

アーチャーは今、この聖杯戦争を誤ったと言ったのかな。

つまり、この聖杯戦争は本来の聖杯戦争とはかけ離れていて、それが原因でアーチャー達が召喚されたと…。

 

「アーチャーの言う誤った聖杯戦争っていうのは、もしかして、君たちが良く知る聖杯戦争とは全く異なる方法で…いや、間違った方法でオーディが行ってしまったと言う意味だろうか?」

 

「マスターの推論通りだ。聖杯とは子供の玩具ではない。魔術のノウハウも無い素人が易々と触れれば火傷してしまう。それに、今回の私達の身体は魔力で構成されていない。恐らく聖杯戦争を行う上で魔力に似た何かを利用して擬似的に儀式を成立させたのだろう。」

 

「それにより、本来の聖杯戦争と根底からかけ離れてしまったと…。」

 

とても、厄介な状況だね。

しかし、それと同時に原因が分かりやすいのは不幸中の幸いと言った所かな。

 

「黒幕は十中八九オーディだろうね。この聖杯戦争を始めたのも彼だし。」

 

「ハッなら、話は簡単じゃねえか。全員でこの聖杯戦争を主催しているラブリーな年寄りを取っ捕まえればいい。」

 

少し、短絡的じゃないかな…。

それが罠だったらどうするんだい?

 

「いや、待て。もしそれが奴らの作戦で、こちらの戦力を誘き寄せて一網打尽にするつもりだったとしたら?」

 

短絡的に話を議決しようとするブートヒルにアーチャーが待ったを掛けて冷静に諭す。

 

「たくっしようがねえ、ここにいる連中でまともな魔術の鍛錬をしていたのは俺だけだ。相手がどう構えているか探ってきてやるよ。」

 

そう言ってランサーは霊体と成って何処かへ消えていった。

それから程なくして、ブートヒルの携帯に穹からの連絡が入る。

 

「んだよ、アイツからメッセージ…?なんだよタイミング悪いなベイビーが。………………なんだよこれ?純美の騎士にでも取りつかれたか?まあ、アイツがこんな調子なのは今に始まった事じゃねえしな。」

 

マイフレンドからの連絡…いいな。

 

「なんだい?お咎めの連絡かい?」

 

「いや、クラークフィルムランドに来いってよ。手を組まないか話がしたいんだと。」

 

そう言ってブートヒルは携帯をしまって先にクラークフィルムランドへと向かう。

僕達も彼に続いて歩きだそうとしたが、そこでアーチャーから待ったが掛かる。

 

「マスター、少しいいかね?」

 

「ん?なんだい?アーチャー。」

 

神妙な顔つきで僕を呼び止めるアーチャーに僕は歩みを止めて彼に向き直る。

 

「いや、何。少し嫌な予感がしてな。あのランサーはああ見えてこちらの世界では知らない者など極少数の大英雄で、例え知名度の恩恵が無くてもこの世界のサーヴァントには遅れは取らないと高を括っていたのだが…。」

 

「彼、かなりボロボロだったよね…。」

 

「ああ、そこでマスターに聞きたい。この世界で、知らない者などいない大英雄…英霊の中の王的な者はいるか?」

 

英霊の中の王…。

僕はその単語を聞いて一人の男性を思い浮かべた。

 

「…一人だけ心当たりがある。」

 

「誰だ?」

 

「穹、さっきランサーが襲いかけたって言う灰色頭の男さ。」

 

「しかし、彼は生きているのだろう?」

 

確かに…彼は生きている。

聖杯戦争とは英雄の魂をサーヴァントとして召喚する儀式。

だが、今さらこの聖杯戦争を常識と言う尺度では推し量れないだろう。

 

「きっと何かのイレギュラーが起きたんだ。君たちがこの聖杯戦争に召喚されたみたいにね。」

 

「成る程、因みにその穹と言う男はこのピノコニーでどのくらい有名なのかね?」

 

「ピノコニーだけじゃない。この銀河中で彼を知らないのは赤子くらいだ。」

 

「…つまり、その分の知名度の恩恵があると言うことか…。マスター、私達に勝ち目があると思うか?」

 

「そうだね…はっきり言うと………………無いね。」

 

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