ゴミ開拓者転生~スタレの主人公に成り代わったから全力で主人公を遂行する!~   作:ひまなめこ

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35話 ザ・サイレントホラー・ショー

『親愛なるマスターの皆様

拝啓

アスデナの夜風が夏の香りを運ぶ季節に成ってきました。

皆様に措かれましても、ますますのご健勝のこととお慶び申し上げます。

さて、この度、指名手配犯でありながら聖杯を巡る戦いをご一緒出来た事を喜ばしく思います。

付きましてはクラークフィルムランドにて、皆様と大事なお話をしたく思います。

今後の聖杯戦争についてです。

宜しければクラークフィルムランドまでお越し下さい。

ブートヒルより。』

 

と言うメールが俺のスマホに届いた。

本来ならこのメールがくる前に夢境レストランを出てクラークフィストランドに行って先手を打ちたかったのだが、少し後手に回ってしまった。

 

「何かしら?このメール。ブートヒルからだわ。」

 

どうやらロビンのスマホにも送られてきたらしい。

 

「…ブートヒルってこんな丁寧な文を書けるのね…。」

 

「絶対に成り済ましだろ。恐らく敵の罠だ。」

 

「でしたら、このメールに記載されているクラークフィルムランドには行かないのが懸命な判断でしょうか?」

 

俺とロビンの会話に割って入ってきたノーツガールはその様な言葉を口にした。

 

「いや、寧ろ逆だ。行くべきだろう。」

 

「それは…何故?」

 

「このメールがマスター全員に送信されている物だからだ。恐らく、名前を代えてブートヒルにも似たようなメールが送られている。このメールの差出人は他のマスターを一ヶ所に集めて一斉に片付ける気なのだろう。なら、逆に俺達はブートヒル達と合流して敵を袋叩きにしてやれば良い。」

 

「それでも、行くべきでは無いのでは?一斉に片付ける気なら、それが出来る宝具があっちにはあると言う事です。」

 

まあ、普通はそう言うよな。

俺は必死にクラークフィルムランドへの移動を拒否するノーツガールを見て、内心でため息を付く。

 

「この際だから、行っておこう。俺達の敵サーヴァントはそう多くない。アサシンとアヴェンジャーだ。それ以外のサーヴァントは皆俺達の味方のサーヴァントだ。アヴェンジャー相手は勝算はないが、アサシン程度なら例え宝具を使われても俺一人で完封出来る。」

 

「…凄い自信ですね。」

 

「まあな。」

 

今後の展開はゲーム知識で大体分かるからな。

このメールを送ってきたのはスコートであり。

敵はアサシンだ。

アサシンが相手なら例え天地が引っくり返っても俺には勝てない。

問題はアヴェンジャーだ。

あいつは原作には無かったイレギュラー。

クラークフィルムランドに出てくる可能性は十分にあるし、出てきたら、恐らく100%全滅する。

しかし、アヴェンジャーを恐れて俺達がクラークフィルムランドに行かなければブートヒルとアベンチュリンはアサシンに敗れて脱落してしまうだろう。

流石にそれは避けたい。

 

「何かあればお前達は俺が守る。だから頼む。クラークフィルムランドに一緒に来てくれ。」

 

「ノーツガール、私からもお願いよ。他の仲間もそこに来ているかもしれないなら、私は彼らを見捨てたくないわ。」

 

「…分かりました。ただし、マスターにもしものことがあれば承知しませんからね。」

 

こうして、俺達は送られてきたメールに従ってクラークフィルムランドへ向かうのだった。

____________________________________________________________

アベンチュリンside

僕達は穹から送られてきたメールに従ってクラークフィルムランドに来ていた。

 

「マイフレンドは…まだ来てないようだね。」

 

「ったく、あいつ何処ほっつき歩いてんだ?…もしかして他の奴に殺られたなんて事はねえだろうな?」

 

マイフレンドに限ってそれは無いと思いたいけど、ランサーが言っていたサーヴァントもいるし、少し心配だね。

 

「率直に言ってあのセイバーに勝てる相手がいるのなら私達には太刀打ちできないだろう。」

 

「つまり…何が言いたいのかな?」

 

「ランサーが言っていた例のサーヴァントとセイバーが再び遭遇して殺られていない限り、このメールの送り主であるセイバーのマスターが私達より先に待ち合わせ場所に来ていないのは不自然だと言う事だ。つまり…。」

 

「罠…って事かい?」

 

状況を冷静に分析するアーチャーに続く形で僕はそう言葉を発する。

 

「チッ!ベイビーが!通りであのメールの文が可笑しい訳だ。成り済ましで嘘のメールを送られていやがったんだな。」

 

そう悪態をついて、ブートヒルは銃を構えて再び口を開く。

 

「出てこい!ホーリーベイビーが!つまんねえ罠使いやがって!早く出てこないと生まれ変わった時に後悔するぞ!」

 

ブートヒルがそう怒鳴ると何処からともなく二人の男性が目の前に現れた。

 

「聞いたか?アサシン。流石カンパニーに懸賞金を掛けられた犯罪者だ。口を開くなり悪人オーラ全開だな。」

 

出てくるなり嫌みたらしくブートヒルを煽るこの男性は真っ黒なサングラスにカンパニーの制服を着た男性。

…名前は何だったかな?

 

開口一番にブートヒルを煽る彼も大概悪役オーラ全開だね。

 

「っ!?貴方は十の石心のアベンチュリンさん!?何故犯罪者と一緒に?…もしや二人は友人なのか?だとしたらこれは大きなスキャンダルだ!アサシン!このシーンをしっかりカメラに収めろ!」

 

「私のカメラのフィルムは文春の為ではなく、映画撮影の為にあるのだがね。」

 

「ドキュメンタリー映画にすれば良いだろ!」

 

名前も知らないカンパニー社員にアサシンと呼ばれたサーヴァントは…見た目はMr.レックに似ているが、雰囲気が違う。

どうやら、別のようだね。

 

「文春とかスキャンダルとかウーウーボみてえな事言ってんじゃねえぞ!俺達をあんなふざけたメールでここに誘き寄せたっつう事をはよぉ。この場でおっ始める気なんだろ!だったらさっさっとやり合おうぜ!アーチャー!戦闘準備だ!」

 

「何故、そんなに嬉々としているのだ?」

 

興奮気味に笑いながら銃を構えるブートヒルにアーチャーは困惑しながらも言われた通りに自身の武器を出して戦闘準備をする。

 

かく言う僕も戦闘の為に構える。

正直、マイフレンドの名前を騙って僕達を罠に嵌めた彼らには怒りを感じているからね。

ブートヒル程ではないけど少し暴れたい気分なんだ。

 

「さあ、アサシン!お前の宝具で私を勝利へ導いてくれ!」

 

「了解したプロデューサー。では始めようか!【ザ・サイレントホラー・ショー】…アクション!」

 

その瞬間、僕達の世界から色と音が無くなった。

それと同時にアサシンとそのマスターの姿も消えてしまった。

 

「ふむ、姿を消したか。だが、霊体化した訳ではないらしい。あのサーヴァントの気配遮断は相当厄介な代物____いや、待て…これはどういうことだ?」

 

アーチャーが何か話しているが、声が全く出ていない。

これがアサシンの力なのか?

 

「ああ?何だこれ!ロリポップ!ホーリーベイビー!ホーリーウーウーボ!」

 

「よせ、体力の無駄だ。この空間内を解析してみたが、音を封じる仕組みに成っている。おまけに…何か危険な物が迫ってきているようだ。」

 

「声が聞こえねえのに何で俺の言ってることが分かるんだよ?」

 

普通に話し掛けてくるアーチャーにブートヒルは当然の疑問を口する。

 

「ブートヒル、忘れないかい?これが小説だってことを。元から音なんて無いよ。」

 

「…。」

 

僕の言葉に何とも言えない顔をするブートヒル。

今まで気づかなかったのかな?

 

「はは!その間抜け面が見たかった!これよりお前達はアサシンの固有結界の中で耳をつんざくような悲鳴をあげることになる。…いや、今のお前達は悲鳴をあげることが出来ないんだったな。」

 

唯一この空間内で声を発することが出来る彼の言葉だけがこの場に響き渡るのだった。

 

 

 

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