ゴミ開拓者転生~スタレの主人公に成り代わったから全力で主人公を遂行する!~   作:ひまなめこ

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37話未来の(おれ)の成れの果て

過去穹side

 

「それじゃ、始めるか。サイレント・バイオレンス殺戮劇…開演!」

 

その言葉と共に俺は未来の俺との距離を一瞬で詰めて、エネルギーを込めた拳を放つ。

しかし、俺の拳が奴に触れる直前に奴は咄嗟に槍を顕現させてバリアを張って俺の攻撃を防いだ。

 

「建創者の屑石か…。なら、もう少し火力を上げようか!」

 

一度攻撃を防がれた直後、俺は間髪入れずに追撃を放つ。

今度はもっと多くのエネルギーを拳に込めて、思い切り放つ!

 

「【黒閃】」

 

もう一度放たれた俺の拳は建創者の槍のバリアを意図も簡単に貫通し、未来の俺の腹に突き刺さる。

そして、奴の腹に俺の拳が触れた瞬間に拳に込めていたエネルギーが黒く光り、【黒閃】が決まった。

 

「がはっ!」

 

未来の俺は諸に【黒閃】を食らった事により、勢い良く後方をぶっ飛び、壁に激突する。

 

「これで、あいつは暫くはグロッキーだろ。さあ、次は誰が相手だ?」

 

「ベイビーが!いきなりラスボス戦かよ!」

 

恐らく、この中で最高戦力であろう未来の俺が初手からやられたことで、分かりやすく焦りを見せながら銃を構えるブートヒル。

そんな彼に倣って残されたサーヴァントとマスター達も俺と闘うために構えを取る。

 

「アーチャー!同じサーヴァントなんだろ?何か奴の弱点とか分からねえのか!」

 

「無理を言うな。真名も分からんサーヴァントの弱点を知るなどその様な芸当が出来る英霊がいてたまるか。その様な無駄な事を考えている暇があるのなら、その豆鉄砲で奴の注意を引いて見たらどうだ?そうしてくれた方がまだ役に立つと言うものだ。」

 

「チッ!そうかよ!ホーリーベイビー!注意を引くならてめえの孔雀みてえなマスターの方が向いてそうだがな!」

 

そう言ってブートヒルは俺に向かって銃を発砲してくる。

俺はその弾丸を難なく避けて、ブートヒルに肉薄する。

 

「ばっ化け物かてめえ!」

 

「二人目…。」

 

ブートヒルとの距離を詰めて、奴を吹き飛ばそうと手を翳した刹那、突然俺の頭上からアベンチュリンが絶叫を上げながら吹っ飛んできた。

 

「うあああ!アーチャー!」

 

…なにやってんだ?コイツ。

恐らくアーチャーに投げ飛ばされたのだろう。

 

間抜けな顔を晒しながら飛んできたアベンチュリンを避けながら、俺は視界の端で投手フォームのまま固まっているアーチャーを一瞥する。

 

「アーチャー!何で急に僕を投げ飛ばすんだ!」

 

「そこのカウボーイが言っていただろう。孔雀のような見た目をしているマスターは敵の注意を引くのに適していると。…全くもってその通りだと思ってね。」

 

「だからって、何も言わずに投げ飛ばす奴があるか!」

 

敵を前にして全く緊張感が無い…。

コイツら俺を舐めているのか?

 

「真面目にやりやがれ!お前ら死にてえのか!」

 

「いえ、真面目にやっていますよ。」

 

「なっ!」

 

まるで緊張感の無いアベンチュリン達のやり取りに俺が怒りを露にすると、何時の間にか俺の背後に回っていたセイバーが俺の腕を切り落とした。

 

「…いつの間に。あのふざけたやり取りは俺の油断を誘う為の作成だっのか?」

 

「…そうなのかい?アーチャー。」

 

「いや、偶然だ。偶然出来た隙をセイバーが見逃さなかっただけだ。」

 

成る程、偶然…。

しかし、その偶然を利用して俺の腕を切るとは、流石セイバー。

なら、俺ももう少しだけ本気を出そうか。

 

俺はセイバーに切り落とされた腕を瞬時に再生させて、印を結ぶ。

 

「本気でやってやるよ…領域展開」「させるかよ!」

 

俺が印を結んだ直後、漸くダメージから回復した未来の俺が俺の手を切り刻んで、領域展開を咀嚼してきた。

 

「やっと回復したか!」

 

「ああ、魂にもダメージが行ってて治すのに手こずった。でも、これで確信したよ。お前…俺だろ。」

 

「っ!?」

 

 

気づいたか!

まあ、そりゃ気付くよな。

使ってる術式も声も体格も同じだからな。

寧ろ、気付くのが遅いくらいだ。

でも、ここは敢えて…。

 

「キッショ!…何で分かるんだよ」

 

俺は反転で手を治して被っていた仮面を外してその台詞を口にした。

これ言ってみたかったんだよな…。

 

「ウソ…でしょ。」

 

「マジかよ…。」

 

「まさか本当に…。」

 

仮面を外した俺を見て、ロビン、ブートヒル、アベンチュリンはそれぞれの反応を見せる。

 

 

「…お前、その台詞言いたいだけだろ。」

 

「まあな、それよりも俺からもお前に聞きたい事がある。」

 

「なんだ?」

 

「お前、記憶が無いんだよな?」

 

「ああ、前世の記憶は有るけど…この世界に転生してから宇宙ステーションヘルタで目覚めるまでの記憶は全く無い。」

 

「…記憶を失ったお前を見て、姫子、ホタル、ロビン、サンデーはどんな反応をしていた?」

 

「…皆…泣いてたよ…。」

 

「っ!」

 

やっぱり、忘れるべきじゃなかった!

自分が犯した罪を忘れて、自分が人殺しであることを忘れて、大切な仲間や友人、俺をお兄ちゃんとしたって憧れてくれた子達のことも忘れて、皆を悲しませた。

 

皆悲しんでるのに…お前のせいで、俺のせいで、悲しんでいるのに…お前はのうのうと生きて、俺は過去から逃げていた。

許さねえ!

許さねえぞ!穹!

 

「【百斂】!!」

 

俺は腹の底から込み上げてくる怒りを込めて、掌で血液を極限まで固める。

 

そして、その一撃を放つ。

 

「【穿血】」

 

音速を超えたその一撃を未来の俺に放った。

 

「ぐっ!?」

 

避ける事も叶わず、未来の俺は俺の【穿血】を諸に食らう。

 

「安心しろ。人間である俺の血は毒じゃねえから、食らって何にもならん。まあ、そもそも自分の血だから、たとえ俺が人間じゃなくても無害だろうけど…。」

 

「お゛え゛え゛!!…。」

 

吐血!?

俺の血を俺が食らっただけなのにそこまでのダメージになるのか?

今の俺がサーヴァントだからか?

いや、今の俺はサーヴァントであっても、英霊ではない。

肉体の組成は人間と同じだ。

だとすると、肉体の組成が人間離れしているのは未来の俺の方…。

 

「調べて見る必要がありそうだな。」

 

俺は踞りながら吐血する未来の俺に近づいて術式を発動する。

 

「【無為転変】」

 

これで、何故未来の俺が記憶を失ったのか、何故俺の血が未来の俺に取って有毒なのかが分かるかもしれない。

 

そうして、俺は【無為転変】を使って未来の俺の精神世界へと入り込む。

 

入り込んだ先は何も無い真っ暗な空間だった。

地面は一面浅い水面が広がっており、水平線の先には巨大なブラックホールがあった。

 

「ここは何処だ?」

 

「ここは【虚無】の内側。あなたの精神世界であり、もうあなたではなくなった者の精神世界。」

 

「っ!?誰だ!」

 

突然聞こえてきた声に驚き、声がした方に振り向くと、そこには体のラインを強調する紫色の衣服と頭に紫色の布地を被った妖艶な雰囲気の美女が立っていた。

 

「お前は…?」

 

「あなたと交わした縛りに基づき、あなたの記憶の漏洩を防ぐあなた専属の記憶の番人。ブラックスワンよ。」

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