伯方ノ島天狗   作:タケニシ大佐

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敵と赤と黄色の光 後編

 14:00

 本部隊に残っていた高雄・叢雲は引き続き周囲の警戒をし対空を厳としていた。敵編成は軽空母1重巡2駆逐3の計6隻編成であり、既に艦載機が放たれたと言う情報がありいつ来てもおかしくなかった。

たかの「高雄、レーダーに敵機の反応はないか?」

高雄「未だ反応ありません...」

たかの「..........そうか....引き続き警戒せよ。」

高雄「はい.....」

 高雄がレーダーで監視しつつたかのの異常なまでの圧と言葉では言い表せないような何かに冷や汗を掻く。普段優しくバカなあの司令官とは別人のような気がしてならなかった。ココロの中で問いかける、あなたは一体何者なの?と。その瞬間レーダーに敵機を補足した。

高雄「レーダー反応あり!右舷前方2時の方向!距離3400!」

 たかのは目だけを動かし敵を睨み「総員対空戦闘ヨーイ!」と号令をかけた。数は20機と見た。3隻で相手できる数ではないがこの場を凌ぐため必死で食らいつく。

叢雲「敵雷撃機5!3時の方向!まっすぐ突っ込んでくる!」

たかの「ここは俺がやる。お前らは上の相手に集中せよ。」

 そう言い放った途端、距離1500ですべて叩き落とした。これだけでもすごいのだが、普通何十発と消費する所をこの男は敵と同じ5発つまり各一発で叩き落としたのだ。もちろん高雄・叢雲は見ていない。これが才能なのか技術なのかわからないが奇才のなのは間違いない。第一波が終わり休まぬうちに第二波が来た。3人とも目立った損傷はなくすぐに対抗した。今度は急降下隊であり真上から来るため死角に入られたらただじゃ済まない。左右に舵を切り迫りくる敵機を撃ち落とすがまともに当たらない。

 

 一方本隊が空襲を受けていた頃、別部隊の二人は敵との距離6000まで迫っていた。敵機の連絡はこの二人が教えてくれた。別部隊にも空襲が来るかと思われたが以外にも分裂せずそのまま本部隊に向かった。敵に位置がバレるといけないため敵機は本部隊に丸投げした。だが二人にも下から新たな影が迫っていた。

漣「こちら漣、現在敵にバレず航行中。敵との距離6000」

吹雪「こちら吹雪了解。引き続き対空対潜を厳とす。」

漣「どう?少しは慣れた?」

吹雪「いや、まだちょっと足元が落ち着かないです...]

漣「まぁそのうち慣れるよ!けど、御主人様、今日初めてなのにあんなに乗りこなすとは....さてはコソ練してたな?」

吹雪「さぁ~どうでしょう....?......これは.....!!」

漣「ん?どうした?」

吹雪「漣さん一旦切ります!」

漣「ちょ.....!ふぇ....!吹雪ちゃん!」

 吹雪はソナーに敵潜水艦を捉えた。すぐに取り舵を切り全速でむかった。それに気づいたのか敵潜は魚雷を全問発射し吹雪に向いて魚雷が走る。転けそうになりながらも咄嗟な回避行動を炸裂し華麗に避けていき、敵に近づきありったけの爆雷を投下した。数秒後大きな水柱が立ち、敵の残骸を確認した。吹雪自ら立てた初めての戦果である。

吹雪「吹雪より漣さんへ。すいません、先程潜水艦に狙われて撃沈しました。」

漣「こちら漣、え...まじで!?すごいじゃん!おめでとぉ!」

 吹雪に笑みがこぼれる。

漣「敵との距離はのこり3000だけどそっちは?」

吹雪「えぇ~と....あっ!ルートそれちゃってる...」

漣「あちゃぁ〜しょうがない。少し待つから、ルート戻ったら教えて。」

吹雪「はい...スイマセン」

 

 数十分前に戻る。ようやく敵機からの空襲から難を逃れた本部隊は3人とも小破していて艤装が一部欠けていたりパイプが破裂し応急修理に追われていた。敵部隊との距離は残り7000までと長くまた先の空襲で陣形も崩れ体制を取り直していた。そこに漣から吹雪のルート逸れの報告があり陣形を整え一時停止した。

 本格的に動き始めたのは1時間後の15:00だった。それまでは敵にも動きはなかったが我が方が動いたと同時に敵空母から艦載機約40機が放たれた。今度こそ分裂する、そう判断し全艦に対空戦闘及び第二戦闘配備を命じた。別部隊には新たに敵と反航戦になり次第魚雷をばら撒きつつ砲撃を敢行し即時端に避難させるよう指示し、本部隊は敵が削られて弱っている所を丁字戦を展開し一斉射で轟沈に追い込むことにした。

 ここに南西諸島沖海戦が始まろうとしている。

 

 この時、たかのの体に異変が起きた。心臓の鼓動、圧迫されるような感じ。何よりも、目が赤と黄色になっている。最初は一時的なものかと思ったが明らかにおかしい。体も軽く頭の回転もいつもの三倍早いような気がする。まるで.....天狗になったような体だ。

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