伯方ノ島天狗   作:タケニシ大佐

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南西諸島沖海戦

17:00

 冬の夜はくれるのが早いため絶好の機会であるこの時に作戦は決行された。

 まず初めに漣率いる別部隊に全速力で敵の左右に出て魚雷をばらまく。この時攻撃を仕掛ける前にわざと敵にバラすため探照灯を照らしていた。この行動は愚かで馬鹿げているがこうすることによってステルス効果を利用しレーダーに映らず目測で当てなければならない事を逆手に取り、囮にして本部隊を近づけさせて一気に叩く作戦である。

 漣・吹雪が敵艦との距離1850まで近づいた。

漣「別動隊より本部隊へ。これより作戦を決行ス!」

たかの「了解。各艦、戦闘開始!」

 全艦艇が動き出す。別動隊が一斉に探照灯を空へ照らしわざと敵機を探すふりをする。その光を敵空母を発見し、砲撃命令を下す。だが当たるはずもないが当たったふりをしてライトを時間差で消す。その瞬間漣は面舵、吹雪は取舵を急ぎ取り敵を挟むように音を消すように忍び寄る。残り1000に近づいた瞬間別動隊の主砲から砲撃を開始した。敵は突然の砲撃で混乱を招き陣形が崩れた。この気を逃さず別動隊は魚雷を一声発射。次々に水しぶきを上げ敵の艤装に火が付き倒れ始める。残存艦が砲撃を開始し始めるが既に時が遅かった。

漣「よし、このくらいでいいでしょう。たかの!お願い....します!」

 

たかの「二人とも、よう危ない任務に耐えてくれた!二人は隅で待機。後は任せい....!」

 たかのは本部隊に突撃命令を下し一斉射を命じた

たかの「これより残存艦隊を殲滅する敵に攻撃させることは絶対に許さん!いいな!」

 二人はニヤつきながら返事する。本部隊は取舵を取り丁字戦を展開した。

たかの「全艦、砲撃ヨーイ!目標各ターゲット!距離1400以内!主砲!うちーかた始めぇ!」

 その瞬間各艦艇から一斉に火蓋が切られ砲撃を開始した。毎分16発のペースで繰り出し次々に命中していきどんどん轟沈していく。だが今だ軽空母は健在でかすり傷を負っていなかった。本部隊は夜のため夜間発進はないと思っていたが予想は外れ敵機の集中攻撃にさらされた。別動隊も敵機に追い回されて手一杯になり損傷もしていた。

 この予想外の展開にどう対処しようか考えている所に周りの急かす声で冷静さを欠いてしまった。こうなったらといい「二人ともそのまま砲撃を続けろ!目標、敵空母ただ一人に絞れ!対空は妖精さんに任せろ!」と言葉を残し隊を離れ単身で敵空母めがけて走った。二人は思わず「はぁ~!?」と言葉を漏らしてしまった。

 全速で機関を回し道中の敵を投げ飛ばし砲撃して道をこじ開け目の前に敵空母が見えた。この時気が狂ったのか突然と笑い始めた。それを後ろから見ていた敵駆逐艦が情の一発をたかのの煙突付近に命中させ爆沈した。一瞬足が怯んだが止まるどころか左右に舵を切り軸ザク航行をして敵機が来ることを予測していたと言わんばかりに避け始めた。

 そして機銃の弾丸が頭に命中し額から血が流れ始める。だが止まらず足を動かし敵空母との距離900まで迫った。その時後方からの援護射撃の砲弾が敵空母に3発命中しその間に見失ってしまった。探しているとたかのは目を赤と黄色に光らせ右真横立っていた。既に魚雷発射管が向けられ抵抗しようにも手遅れだった。

 たかのは凛々しい顔で「じゃぁ〜な」とだけつぶやき魚雷5発を一斉に発射させ爆沈させた。

 19:06敵旗艦撃破により、ついに勝敗は決した。2時間以上の海戦はたかのの采配によって幕を閉じたのだった。

 

 伯方鎮守府 CIC

 「これが、新型艦予定の能力者...か...実に良いものだ。」

村上「失礼ですが、今は戦闘中です。お引き取りを。」

 「ん?きみぃ...まさか私を知らないとは言わないよなぁ。」

村上「はい、みみにタコができるほど聞いております【曽山総司令】」

曽山「なら....えぇな?」

村上「本来なら突き返しているところですが、あなた様のような方を突き返すような権限は持っていない故もうし出ているのです。」

曽山「そんなこと言わんでもえぇやん新人ルーキさん?。しかし【提督】で多彩な指揮能力を持ち、潜在能力であらゆる敵を倒していくこの振る舞い...はて、見覚えがぁ〜...」

 顎に親指と人差し指をおいて撫で下ろしながら脳裏でボーイッシュの女性提督をふと思い出た。その娘はかつて提督も兼用しつつ艦娘として活躍していた。だが、ある日突然と職を辞任し忽然と姿を消してしまい今も何処かでひっそりと暮らしているらしい。お気づきだろうか、少し前細田整備長が話していた娘こそ、この伯方鎮守府第一二代司令長官【速水 碧】(はやみ あおい)、人々は困ったら手を差し伸べ敵から守ってくれる存在の彼女を「碧い龍神」として慕っていた。

曽山「調べた所...どうやらこの男、天狗の末裔らしい。」

 村上と大淀は電流が走ったかの如く驚いた。

曽山「今背負ってるのは、碧い龍神と呼ばれていた彼女の艤装だろう。あいつ、能力を隠し入れてたなぁ〜?ーまぁいい、これはこれで面白い!天狗の末裔に龍神の力が加わったか、はたまた龍真の力はおまけ程度の力で天狗の力が騒いでいるのか.....これから忙しくなるぞぉ?【伯方の島天狗】」

 

 

翌日、隠れ宿の様な島々を転々とし、途中潜水艦や駆逐艦に遭遇しながらもあたりを警戒しつつようやくの思いで目的地の島に入港した。そこには09艦隊と天龍が手を振って出迎えてくれた。余りの緊張感から解放され5人は涙をこぼし喜びを分かち合った。

金剛「テートク!!良かった...無事で.....ヨカッタ」

たかの「おぉ、金剛汚れていて今汚いぞぉ。」

 だが心配と不安が勝って中々離れない、けどこれも一種のご褒美かなと思いそっと「ただいま」と「おかえりを返した。

天龍「よぉ、よくやったな。」

たかの「天さん!...いや、天龍教官。ただいま帰港しました!」

天龍「相変わらずの戦い方だなぁ〜全く。ーけど、よくここまで耐えてやったな!おめでとう」

 たかのは感情が極まったがぐっとこらえ返事をした。

天龍「さて、帰ってきた所悪いんだが少し休んだら物資運ぶぞぉー....って、まぁそれじゃぁ無理だよな。」

 たかのだけはキリッとして顔が行けるといっていたが、他の娘は損傷や疲労で顔が死んでいて訴えも激しかった。

天龍「ったくしょうがねぇなぁ!お前ら、行けるか?」

 09艦隊は威勢よく返事し任務を引き継いだ。

天龍「あ、後たかの以外は全員ドックにいけー」

たかの「えっ!?俺は?!」

天龍「お前顔が行けるって言ってるんだ。補給したらすぐ支度しろぉー嫁さん(金剛)にいいところ見せるんだろ?」

 たかのはため息を突いたが、「ほんと、人使いが荒いんだから」と言って後を追った。

 

       伯方の島天狗 第二章 END

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