演習も無事終わり、`たかの`こと西部及び高雄・漣を除く09艦隊と天龍が愛媛県伊方町で一休みすることになった。既に天龍があらかじめ入港する事を宇和島地本に知らせていたため広報がてら一般公開することとなった。
天龍「山本本部長、ありがとうな。急な伝令だったのに開いてくれて。ほら、例のブツだ。」
そう言って運んできたのは災害糧食や日用品の数々だった。一時休憩する代わりに本部にある災害糧食の消費期限が近かっ為、補充と入れ替えを要求していたのだ。それだけで休ませてくれるなら易いものである。
山本「とんでもない。一人でも多く理解してもらえるよう広報する事が我々の責務ですからね。物資もありがとうございます。これでいつでも対応に当たれます。にしても、新鋭艦が来ると言ってましたが、まだ来てないのですか?」
天龍「ン?何いってんだぁ?隣にいる中破じみたガタイの良い提督がいるじゃないかぁ」
山本は隣にいる西部を見つめて黙り込んだ。ようやく理解したのか、驚愕し天龍に問いかけた。
天龍「あぁ。なんか分からんが、建造に手間取って本当は4日前に就役予定だったんだが遅れてんだとよ。」
山本「はぁ...なるほどぉ。それで旧式の艤装を借りで付けて出撃したと?」
西部「まぁ、そんなところです。」
天龍ら一行は三机湾に移動し須賀公園の九軍神慰霊碑を訪れた。太平洋戦争時、この地は真珠湾と地形が似ていたため、旧海軍の特殊潜航艇(艦これで言う甲標的)の極秘訓練場として利用していた過去がある。真珠湾に出撃して十人中一人は捕虜、九人が戦死した。後に戦意高揚の為、軍神として崇められた。現在ではこの須賀公園に慰霊碑があり、幹部候補生が遠洋航海で来ている。
一行は献花をし、儀礼曲「国のしずめ」をラッパ演奏し、英霊に対して敬礼をした。
伊方町に戻った後、一日休み次の日に09:00から一般公開を実施した。地本部門ではVR体験や制服試着体験、説明ブースなどが設けられ、演習艦隊部門は艤装試着体験、射的ブース、装備展示などを設けた。どちらも高評でその中でも動作展示は人々を魅了した。金剛と電が動作展示をしているのを遠目で天龍と見ていた。
西部「皆成長したなぁ。まだ俺が着任したばかりは戦艦を大破しながらボコして俺の心が心配で破裂しそうな日々だったよ。けど、今では精鋭部隊の証をもらいこの国を守っている。俺は、いつからかそういうのに憧れてたのかもな。」
天龍「ふーん。そうか。まぁ確かにアイツラは稀に見る(強能力)てやつだな。練度を上げていくとMAXになりそれ以上は能力値が上がらないんだが、アイツラはそれを壊しさらに上げてさらなる力を手に入れることができる。それがいつになるかは分からないが急に来たり来なかったりする。要するに運だな」
西部「なるほどね。」
二人は少し沈黙した後、天龍が話しかけてきた。
天龍「提督、提督業はどうするんだ?今のままだと多分死ぬぞ」
西部「!?」
西部は天龍の言葉に驚き飲んでいたお茶を吹いて咳込んだ。
西部「k...きゅ....急に何いってんだよ!.......まぁ今のままだと正直業務も’ままならない’。そこでここにつくまでに色々考えてたんだけど、09および伯方鎮守府司令長官を辞めて、”特遊隊”の司令官に席を置こうと思う。」
天龍「でも、次の席は誰が座るんだよ?」
西部は不貞な笑みを浮かべて
「いるじゃねぇか。うちの若ケェ"提督補佐"がよぉ。」
伯方鎮守府・会議室
村上「演習は終了いたしました。これ以上の滞在は許しません。どうか、お引き取りを」
曽山「まぁまぁえぇ~やないの。用が済んだらそそくさ帰るからな。だから、”奴”が帰ってくるまで待ってくれ。」
村上は演習指揮が終わった後、中々帰らない曽山総司令の対応に追われていた。
村上「ここにいても何も出てきませんよ。何にこだわっているんです?」
曽山「何って、きまっとるやろ。ここの提督さんにようがあるんだよ。もうすぐ帰ってくるんやろ?」
村上「残念ながら我が司令官は、当分の間帰ってきません。ここにいても無駄足を食うだけです。」
曽山「じゃぁ、そこに向かうから場所を教えろ。」
村上「防衛機密の為、申し上げられません。」
二人の睨み合いが続く中、扉からノックが響いた。
大淀「村上さん。西部司令からお電話が来ています。
村上「わかった。すぐ行く。」
すると、後ろから曽山が言った。
「私に変われ。」
村上「恐れながら、機密情報の可能性もあります。自分事なら他でやってくだsー」
曽山「私に変われ!!」
村上は痺れを切らし、舌打ちした後、嫌々変わった。」
西部「おっ!村上!元気かい?すまんな忙しいのに、ちょっとはなしがあんだk.....」
曽山「こんにちは、伯方の島天狗。」
その言葉を聞いた瞬間、西部の形相が睨みに変わった。
西部「誰だ、悪いが俺はあなたに要はない。今すぐ村上に変わってください。」
曽山「すまんがぁ、それはできない。奴は今眠ってしまったからなぁ」
西部は受話器を壊してしまいそうなほど強く握り、怒りの余り震えていた。
曽山「安心しろ。命は取りはしない。君の帰りを待ってるぞ。」
西部は受話器を叩きつけ、鬼の形相で埠頭に走った。
金剛「おっ!テートクゥ!電話繋がりましたか?って、えぇ~!?」
西部「総員集合!!急げ!」
天龍「おいおい、どしたぁ?そんな顔して」
西部「黙って聞けぇ!」
天龍「っんだとぉゴラァ!おぉん?!」
電 「皆さん、落ち着いてなのです。司令官さん、一体何があったのです?」
西部「鎮守府が、乗っ取られた」
一同は唖然とし固まった。
西部「これより、機関最大で伯方まで向かい、鎮守府を救出及び奪還を行う。地本の皆さん、山本本部長、申し訳ありません。緊急により帰投します!」
山本「わかりました。お気をつけて。武運を!」
一行は出航準備を整え、港に高らかに出港ラッパが響き渡り、地本及び地域の方々に見送られ出港した。
西部「金剛!演習部隊はまだ帰投してなかったよな?」
金剛「はい!まだ島のドックに入渠中です!」
西部「よかった。演習部隊を先に帰らせていたらどうなっていたか。とにかく急ぐぞ!」
「「了!!」」
一行は、伯方に向かって足を進ませた。