六ヶ月後、教育を受けて無事伯方島に帰ってきた。この期間は長く短いような感覚だった。何より良かったのは、提督同士の繋がりができ話しやすかったことであろう。以外にも女性だらけではなく教育隊の3〜4割は男子が占めていた。
鎮守府の皆が優しく手を振り笑顔で出迎えてくれた。下士官が左右に整列している。なんだか改めて地獄を乗り切り解放されたような気がした。その感覚を味わってたのを蹴るかのように金剛が頭にバーニングダイブをかましてきた。まるで主人を久しぶりに見た懐き猫のようだった。けど、なぜだか無性に嬉しかった。
改めて司令室に入り、ようやく溜まっていた力を抜いた。
西部「いやぁー無事帰ってきたぁ〜。」
金剛「テートク!おかえりデース!」
大淀「改めまして、教育隊での訓練お疲れ様でした。」
西部「もう二度とやりたくねぇ〜w、けど、おかげで泣き虫で弱い俺から変われたような気がするよ。村上も代理提督としてよくやってくれたね。ありがとう。」
村上「ま..まぁ....特には大きなこともなかったので安心でしたし....ミンナ優秀だったし....」
西部「ハハッ、相変わらず照れ屋だな!」
村上「いじらないでください!」
からかいながらも平謝りする。ここで金剛があることに気づく。
金剛「それはそうとテートクゥ、前より型位が良くなってるようなぁ」
大淀「確かに、前はあんなに太ってたのに、なんか、筋肉質になってますね。」
すると、老いぼれたような声で答えた。
西部「あぁ、教育隊で徹底的に絞られた☆何なら吐くのが日課だったからねぇ....」
一同は絶句と引きに満ちた。その上どうやってこの泣き虫がこの地獄を耐え抜いたのかは3人は知る余地もないだろう。
(この話は別で小説作りますのでお楽しみに!)
3日後、西部は提督に戻り、村上航海長こと村上隼佐(むらかみ しゅんすけ)は提督補となった。
2週間後、新艦娘が4人着任した。鎮守府内は出迎えの用意でドタバタしていた。一人は教官で残りは西部と同じ期生の子たちである。二人は荷物を駆け足で運んでいる途中で噂話をしていた。
村上「司令、この鎮守府に新たな部隊が創設されるって本当ですか!?」
西部「あぁ、本当だ。俺も詳しくは知らないけど、すげぇ部隊になるってのは聞いてる。」
村上「となると......」
西部「前よりも忙しくなる。そして村上、本格的に提督になる日が来るぞ。」
村上「え....d...ど..どういう―」
西部「とりあえず話しは後だ。ほら、運ぶぞ!」
この時、二人が島天狗と海軍神と後々言われる前兆だとまだ知らない......。
一段落がつき正午となった。一斉に食堂に押しかけ列ができる。今日のメニューはカツカレーである。日本は旧海軍時代から続いている伝統が一部だが残っている。その中でカレーは特に有名であろう。この伝統は航海時、曜日感覚が狂わないように毎週金曜日にカレーが振る舞われていた。栄養も多く取れなおかつ手間がかからないのが選ばれた理由である。
料理は第四術科学校卒のエリートたちが作っている。
西部「っかぁぁ〜!仕事終わりのカレーは体にしみるわぁ〜」
村上「ですね!」
西部「早くも金曜日だね。早いのか遅いのか」
村上「僕は早かったですよ。今週は色々忙しかったからですからねー。」
西部「そうかぁ?」
熱々のカレーを頬張りながら確かにと振り返る。
14:30、隊員及び艦娘はグラウンドに整列し午後の式典に臨んだ。呉擬人艦総司令部長官 廣野 浩一(ひろのこういち)が車で到着し観閲台に上がる。
「これより、新部隊発表及び配属式を行います。国旗、入場。部隊、付け剣」
士官の号令で一斉に銃に付けた。次に国旗が入場し各部隊が一斉に敬礼をした。観閲官が巡閲した後、いよいよ部隊発表だ。全員がソワソワしながら発表を待っている。
「新部隊発表。観閲官登壇。」
廣野「まず初めに、ここに、新部隊創設を宣言するとともに今日のことを嬉しく思う。諸君の活躍は日々国民の支えとなっており我が国の資源財産を守り今日まで安泰して暮らせているのも諸君のおかげである。では発表する。」
一斉に場が静まり返り息を呑む。
廣野「ここ伯方鎮守府に、【特務遊撃水上隊】を創設する!」
その場にいた全員が嬉しながらも驚いていた。この遊撃部隊が創設されたということはその府の判断で部隊を動かせることができ、上の判断を通さずロスタイムがなくなるのだ。
廣野「そしてこの場を預かり旗艦を発表する。旗艦は今日配属され、伯方鎮守府司令長官。西部宗真」
観閲台に座っていた。西部はニヤリと笑った。