同じく書いている湿度の高い兄似のオリ主が出てくる作品の口直し程度で見てくれると嬉しいです。
※時系列は45話と46話の間です
※時系列を最終回後に変更しました(2/9)
キヴォトス教師ナンバーワン!(その1)
都内某所にある喫茶店「テガソードの里」。
店は営業時間を終え閉店しているが店内のテーブル席の一つに一人座っている人物がいた。
「またクビになっちまったぜ‥‥‥‥」
机の上に伏せているこの男は遠野吠(とおの ほえる)。ゴジュウジャーのゴジュウウルフに変身する指輪の戦士の一人で他の指輪の戦士との指輪争奪戦、ノーワンたちとのナンバーワンバトル、世界を滅ぼす存在である厄災との激戦を繰り広げた吠たちゴジュウジャー。
「また新しいバイト探さねぇとな‥‥‥」
二回目の指輪争奪戦を終えてまたバイトで生計を建てる生活の戻った吠。
そろそろ貯まっている家賃や店のツケを払わないと管理人やこの店の店長でゴジュウジャーのメンバーであるゴジュウティラノ=暴神竜儀に怒られ下手すれば追い出されるかもしれないと危機を覚える吠。
「えーっと次はこのシアターGロッソのスタッフ募集に申し込んでみるか…‥‥」
求人募集の本を見て次のバイト先を決めたそんな時だった。
『‥‥‥‥‥む‥‥…きを‥‥‥‥いる……‥‥を』
「あん?」
どこから声が聞こえ反応する吠。
「誰かいるのか?」
吠は店内を見渡すが誰もいない。
「竜儀か?それとも禽次郎か?」
この店の店長であるゴジュウジャーのメンバーであるゴジュウティラノ=暴神竜儀や同じくここで下宿するしているゴジュウジャーのメンバーであるゴジュウイーグル=猛原禽次郎の名前を呼ぶがそれでも反応はなかった。
「まさか……‥‥お、お、お化けか!?」
ホラーや幽霊が苦手な吠はビクビクと怯え始める。
『‥‥‥‥‥は望む‥‥…嘆きを‥‥我々‥‥いる……‥‥古則を』
「は、はぁ!?」
声がさっきよりも聞こえやすくなったが相変わらず何言っているのか分からなかった。
「お、俺を驚かそうとしてんのか!?趣味わりぃぞお前ら!」
まだゴジュウジャーのメンバーが自分を驚かそうとしていると思っている吠。
しかしその考えは外れていた。
<カァァァァァァァッッ!!>
「うわあああああっ!?」
突然、眩い光が放たれ吠を包み込んだのであった‥‥…‥‥
「吠ゥ~そろそろ寝る時間だよ~?」
ふわふわと宙に浮く黒いオオカミの顔が付いた剣「ガリューデカリバー50」が二階から降りてきた。
この剣、実は吠の兄である遠野久光(とおの ひさみつ)ことクオンが吠を庇ってそのまま息絶えた…と思われていたが、テガソードが生き永らえさせる代わりに、これまでの行いの“罰”としてこの姿へと変化させたのだ。
テガソード曰く「吠の剣となり善き行いを積めば、いつかは元に戻れる」との事でこれからは吠を支えるために剣となることになった。
「眠れないのならお兄ちゃんが子守り歌歌ってあげようか~?‥‥…‥‥って、あれ?」
吠がいないことを見てくるくると店内を見るガリューデカリバー。
「どこに行ったんだ……‥‥?」
声がしていたはずなのを知っていたのにいないことに疑問を抱くガリューデカリバー。
机の上には吠が見ていた求人募集の本だけが残っていた……‥‥
『・・・・・我々は望む、七つの嘆きを・・・我々は覚えている。ジェリコの古則を』
『持続パスワード 承認。『シッテムの箱』へようこそ』
「‥‥‥‥んあ…‥‥‥ここは…‥‥‥?」
吠はいつの間にか電車の中で見知らぬ一人の少女の前にいた。
『……私のミスでした。』
「はぁ‥‥‥?」
少女は口を開く。悲しげだがどこか希望をいだいたような声で喋る。
『私の選択、それによって招かれたこの全ての状況。結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったと悟るだなんて・・・・・今更図々しいですが、お願いします先生」
「先生?何言ってんだお前?」
『きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。何も思い出せなくても、きっとあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから‥‥‥ですから、大事なのは経験ではなく選択。あなたにしかできない選択の数々』
「選択?」
『責任を負う者について、話したことがありましたね。あの時の私には分かりませんでしたが今なら理解できます。大人としての責任と義務、そしてその延長線上にあったあなたの選択。それが意味する心延えも・‥‥』
「!?」
その言葉を聞くと吠の頭に浮かんだのは存在しないはずの記憶が一気にフラッシュバックする。
「今のは一体…‥‥‥?」
『ですから先生、私が信じられる大人であるあなたにならこの捻れて歪んだ先の終着点とはまた別の結果を‥‥‥そこへ繋がる選択肢は‥‥‥必ず見つかるはずです‥‥‥だから先生、どうか…‥‥』
「おい!どういう意味‥‥‥!」
吠は少女に尋ねようとするが突然視界が真っ暗になった……‥‥
「‥‥‥‥い‥‥‥‥先生、起きてください…‥‥‥先生!!」
「っ!?」
聞き覚えのない女性の声で吠は目を覚ました。
「少し待っていてくださいと言いましたのにお疲れだったようですね。まさかここまで熟睡されるとは。…‥‥‥夢でも見られていたようですね。ちゃんと目を覚まして集中してください」
「どういうことだ?それに‥‥‥‥」
吠は周囲を見回す。
そこはさっきまでいたテガソードの里の店内ではなく見知らぬ場所だった。
「ここは……‥‥テガソードの里じゃねぇ!?」
「先生?」
先程の声の主である頭上に浮輪っかのような物体浮いていて長い青髪で鋭く伸びたエルフ耳の制服姿の女性が吠を見つめている。
「お前は…‥‥?」
「私は、七神リン。学園都市、「キヴォトス」の連邦生徒会所属の幹部です」
七神リンと名乗る女性が自己紹介しそのまま話を続けた。
「そしてあなたはおそらく、私たちがこの場に呼び出した先生…‥‥‥のようですが」
「あっ?なんで推測形なんだ?」
「すみません、推測形なのは私も先生がここに来た経緯を詳しく知らないからです」
「はぁ?」
七神リンも知らないというとなると自分がここまで来た経緯が完全にわからなくなった。
「混乱されてますよね、分かります。こんな状況になってしまったこと遺憾に思います。でも今はとりあえず、私についてきてください。どうしても先生にやっていただかないといけない事があります」
「やんなきゃいけないこと?」
「それは学園都市の命運を分けた大切なこと‥‥‥ということにしておきましょう」
「命運を分けたこと?」
「続きは移動しながら話ましょう。こちらへ」
吠はリンについていきエレベーターに向かいそれに乗った。
エレベーターの窓には広大なキヴォトスの学園都市が広がっていた。
「キヴォトスへようこそ。先生」
「すげぇ……‥‥」
街並みが自分の世界と似たような感じがするがどこか違うように見え新鮮さを感じながら見つめている吠。
「キヴォトスは数千の学園が集まってできている巨大な学園都市です。このキヴォトスは、これからあなたが働く場でもあります」
「俺が?ここで?」
「ご心配なく、我々もできる限りのサポートは致しますので」
「そうか?助かるぜ」
未だにわけがわからずとりあえず礼を言う。
「きっと先生がいらっしゃったところとは色々な事が違っていて、最初は慣れるのに苦労するかもしれませんが‥‥‥でも先生ならそれほど心配しなくてもいいでしょう。あの連邦生徒会長がお選びになった方ですからね」
「連邦生徒会長‥‥‥?」
「まぁ、それは後でゆっくり話すとします」
そうこうしている間にエレベーターが目的の階に着きリンと吠はエレベーターを降りた。
すると……‥‥
「あっ!代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!」
「…‥‥うん?隣の大人の方は?」
青髪の女生徒がリンの姿を見つけるとこちらに近付いて来た。
さらに吠の姿を見て一人、また一人と、二人の元へ歩いてくる。
「首席行政官。お待ちしておりました」
「あなたたちはなんでここに?」
「連邦生徒会長に会いに来ました。風紀委員長が今の状況について納得のいく回答を要求されています」
「あぁ‥‥‥面倒な人たちに捕まってしまいましたね」
めんどくさそうに呟くリン。
「こんにちは、各学園からわざわざここまで訪問してくださった生徒会、風紀委員会、その他時間を持て余している皆さん。こんな暇そ‥‥‥・大事な方々がここを訪ねてきた理由はよくわかっています。今、学園都市に起きている混乱の責任を問うために‥‥‥でしょう?」
「そこまで分かってるなら何とかしなさいよ!!連邦生徒会なんでしょ!!」
青髪の女生徒が声を上げる。
それからその場の生徒たちが風力発電所のダウンや停学中の不良生徒の脱走、不良たちが登校中の生徒を襲ったり戦車やヘリコプターなどの出所不明の武器や乗り物が不法流通しているなどの物騒な問題を口に出していく。
「こんな状況で、連邦生徒会長は何をしているの?どうして何週間も姿を見せないの?今すぐ会わせて!」
「‥‥‥連邦生徒会長は今、席におりません。正直に言いますと、連邦生徒会長は現在、行方不明になりました。」
「え!?」
「‥‥‥!!」
「やはりあの噂は…‥‥」
「結論から言うと「サンクトゥムタワー」の最終管理者が居なくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。認証を迂回できる方法を探していましたが、先ほどまでそのような方法は見つかっていませんでした」
「…‥‥それでは、今は方法があるということですか?」
「はい。この先生こそが、フィクサーになってくれるはずです」
リンはそう言いながら吠を指差した。
「!?」
「…‥‥!」
「この方が・‥‥?」
一同はチンピラみたいな恰好をした無愛想な男が先生になるなんて言われたら困惑した。
「ちょっと待って・そういえばこの先生はいったいどなた?どうしてここにいるの?」
「キヴォトスではないところから来た方のようですが‥‥‥先生だったのですね。」
「はい、こちらの‥‥‥‥」
「遠野吠だ」
吠は自身の名をみんなに名乗った。
「遠野吠先生は、これからキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です」
「行方不明になったはずの連邦生徒会長が指名・‥‥?ますますこんがらがってきたじゃないの‥‥‥!」
「んな事言われてもなぁ‥‥‥‥それよりお前らは何なんだ?」
「あっ、え、えっと、こ、こんにちわ先生。私はミレニアムサイエンススクールの‥‥」
「そのうるさい方は気にしなくていいです。続けますと‥‥‥」
青髪の女子生徒の自己紹介を遮るリン。
「誰がうるさいって!?わ、私は早瀬ユウカ。覚えておいてください、先生!」
青髪の女生徒改め早瀬ユウカはそう名乗る。
「ああ、覚えておくぜ」
ユウカに続き眼鏡の女生徒はゲヘナ学園という学校の生徒は『火宮チナツ』、黒い制服の羽が生えた生徒は『羽川ハスミ』、白髪の生徒は『守月スズミ』と他の生徒も名乗っていく。
自己紹介も終えたタイミングで話を戻そうとするリン。
「‥‥‥先生がここに来ることになった経緯は連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の担当顧問として活動をしてもらうためです」
「なんだよその活動って?」
「連邦捜査部『シャーレ』。単なる部活ではなく、一種の超法規的機関。連邦組織のため、キヴォトスに存在するすべての学園の生徒たちを制限なく加入させることすら可能で各学園の自治区で制約鳴無しに戦闘活動を行うことも可能です」
リンからのシャーレの説明を受ける吠。
さらにリンの話は続いた。
「何故ここまでの権限を持つ機関を連邦生徒会長が作ったのかはわかりませんが、シャーレの部室はここから約30km離れた外郭地区にあります。今はほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会長の命令で地下に『とある物』を持ち込んでいます。先生をそこにお連れしなければなりません」
リンはそこまで言うと携帯を取り出してどこかに電話を掛け始めた。
「モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど‥‥‥」
『シャーレの部室?ああ、外郭地区の?そこ今大騒ぎだけど?』
「大騒ぎ……?」
『矯正局を脱出した停学中の生徒が騒ぎを起こしたの。そこは今戦場になってるよ』
「・‥‥うん?」
『連邦生徒会に恨みを抱いて、地域の不良たちを先頭に、周りを焼け野原にしているみたいなの。巡航戦車までどっかから手に入れてきたみたいだよ?』
「戦車まで・・・・・・・」
『それで、どうやら連邦生徒会所有のシャーレの建物を占拠しようとしているらしいの。まるでそこに何か大事な物でもあるみたいな動きだけど?』
「‥‥‥‥」
モモカの話を聞いていく内に、リンの顔はどんどん俯いていく。
『まあでも、もうとっくにめちゃくちゃな場所なんだから別に対した事な……あっ先輩!!お昼ご飯のデリバリーが来たからまた連絡するね!』
「‥‥‥‥」
「おい、大丈夫か?」
一連のやり取りを見て少し心配する吠。
「‥‥‥‥大丈夫です。少々問題が発生しましたが、大したことではありません。」
リンは震えた手で眼鏡の位置を戻し頭の中で状況を整理する。
少ししてリンはユウカたちをジーッと見つめた。
「な、何?どうして私たちを見つめてるの?」
「‥‥‥ちょうどここに各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので私は心強いです。」
「えっ・‥‥?」
「ギヴォトスの正常化のために、暇を持て余した皆さんの力が今切実に必要です。行きましょう。」
「ちょ、ちょっと待って!?どこに行くのよ!?」
リンはヘリのある屋上へと向かい。事情もよくわからないユウカたちは止めに入るがリンは構わずに歩いていってしまい仕方なく着いていくことにした。
「お、おい!待てよお前ら!!」
吠も彼女たちの後をついてくことにしシャーレの部室があるD.U.外郭地区へと向かったのであった。
「(あ~!もう訳わかんねぇよ!!)」
見知らぬ場所に来て面識のない女子に先生になれと言われ今度はヘリで別の場所に向かうことになったがなんか暴動が起きてるらしく困惑する吠だった。
吠が先生か~
てか、吠って幼少期にノーワンワールドに迷い込んだから小学校もまともにいけてないけど大丈夫か?むしろ生徒側な気が……‥‥‥