自分はチケット手に入れず行けなかった負け犬先生です。
来年こそは行くため根性で頑張って生きていきます。
ヘリはシャーレの建物付近に到着し吠たちはヘリを降りて街の様子を見た。
「な、なにこれ!?」
ユウカの大きな声を容易に掻き消す程に大きな爆音や鳴り響き続ける銃声。
硝煙の香りが漂い嫌でもこの場所が戦場であることがわかる。
「まったく!!なんで私たちが不良と戦わなきゃいけないの!!!」
「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、あの部室の奪還が必要ですから」
「それはそうだけど!私、学校では生徒会に所属しててそれなりの扱いなんだけど!!こういう仕事はC&Cとかに……いっ、痛っ!!痛いってば!!あいつら違法JHP弾を使ってるじゃない!?」
油断しているユウカの腹に複数発の銃弾が命中し痛がる。
「ユウカ!大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫よ、これくらい」
「伏せてください、ユウカ。それにホローポイント弾は違法指定されていません。」
「うちの学校ではこれから違法になるの!傷跡が残るでしょ!」
「今は先生が一緒なので、その点に気を付けましょう。先生を守ることが最優先。あの建物の奪還はその次です」
「どうなってんだこりゃあ‥‥‥‥」
ユウカとハスミのやり取りを見る吠。
生徒達が銃火器を撃ち合い、遮蔽物に隠れて爆弾を投げ合うという戦争をしている様子に唖然している。
さらに驚くべきはキヴォトスの生徒たちは銃弾をその身に受けてもほとんどダメージを受けていなかった。
「ハスミさんの言う通りです。先生はギヴォトスではない所から来た方ですので私たちとは違って弾丸一つでも生命の危機にさらされる可能性があります。改めて、その点ご注意を」
「分かってるわ。先生は戦場に出ないでください!私たちが戦ってる間はこの安全な場所にいてくださいね!」
ユウカにそう言われ吠。しかし……‥‥
「こんなやべぇ状況ただ見ているだけなんてできるわけねぇだろ」
「ちょ、先生!?」
ユウカの静止を無視し前に出る吠。
「危険です!先生!」
「下がってください!」
「下がんねぇよ。要は生身で行かなきゃいいんだろ?」
吠はそう言って右手につけている赤い指輪を外す。すると右手に金色の右手の形をし刃が青い短剣が出現する。
その剣の名は『テガソード』。指輪を持つ者に力を与え、願いを叶えるための剣だ。
「エンゲージ!」
そう叫び指輪をテガソードにセットする。
『クラップ!ユア!ハンズ!』
テンションの高い声が鳴り響き吠はテガソード顔の右横で2回クラップ。軽快な音楽のリズムに合わせて2回ステップをした後に、顔の左でもう1回クラップ。
「な、なにこの音楽?」
「先生は一体何をしようと…‥‥?」
吠の謎の動きに疑問を抱くユウカたち。
吠は彼女たちのことをスルーしてそのまま正面で円を描くようにテガソードを振るったあとに、腰の横でクラップを2回行ったホエルは跳びあがりつつ頭上で円を描くように回転して、最後にクラップを1回すると、その姿は赤い狼のような戦士の姿へと変わる。
『ゴジュウウルフ!』
赤きオオカミの指輪の戦士、その名はゴジュウウルフ。
テガソードとの指輪の契約を果たした吠が変身した戦士の姿である。
「ワオォォォォォォン!」
「わぁ!?」
「遠吠え!?」
変身した直後にいきなり遠吠えを上げるゴジュウウルフに驚く一同。
これは彼なりの戦う前の気合の入れ方である。
「うしっ、行くぞてめぇら!」
「えっ、行くって‥‥‥‥先生も前線に出るんですか!?」
「当たり前だろ?お前らと一緒に出て俺が指示してやるよ!」
「「「「ええっ!?」」」」
いきなりのことに驚く面々。
「指示‥‥‥‥戦術指揮をされるんですか?まあ、先生ですし……」
「分かりました。これより先生の指揮に従います」
「よろしくお願いしますね、先生」
「生徒が先生の言葉に従うのは自然なこと、ですね。よろしくお願いします」
「おう。じゃあ準備はいいか?」
「はい!」
「もちろんです!」
「こちらも」
「いつでも行けます」
「よし、行くぞ!」
こうしてシャーレの部室がある建物の奪還作戦が今始まったのである。
「オラオラオラオラオラッ!!」
ゴジュウウルフは銃弾を避けテガソードで不良たちをなぎ倒していく。
「う、うわああああ!!」
「な、なんだこいつ!?」
「銃弾が効かねぇぞ!?」
「つええええええ!!」
不良たちの悲鳴が鳴り響く現場。
「す、すごい‥‥‥‥」
「強いですね」
「あの人数たった一人で‥‥‥‥」
「もう先生だけでいいんじゃない‥‥‥?」
そんなことを呟きながら戦闘を続ける四人。
「おい!ユウカ!スズミ!こっち手伝ってくれ!一人でこの人数相手すんのキツいぜ!」
「あっ、は、はい!」
「今向かいます!」
「チナツとハスミは後ろから援護してくれ!!」
「わかりました」
「はい!」
四人に指示するゴジュウウルフ。
なぜ彼がこんなに指示ができるのかというと遡ること元の世界にいた時……‥‥‥
『ぐわああああ!!負けたぁぁぁぁぁぁぁ!!』
吠は禽次郎と一緒にソシャゲをして遊んでいた。
『吠っち~スナイパーライフル持って前線に出るやつがいるか~?』
『んな事言われても俺こういうゲームしたことねぇからよくわかんねぇよ』
銃火器を使って最後の一人になるまで戦うシューティングゲームをプレイしていたが吠は銃の種類などよくわからずとりあえず適当に選んで戦いに出たがすぐに負けてしまったのだ。
『いいか?もし最前に出るならこのサブマシンガンやアサルトライフルとかにしたほうがいいし遠距離で戦うならそのままスナイパーライフルで行くといいし…‥‥‥』
『お、おう‥‥‥‥』
禽次郎からレクチャーを受ける吠。
それから戦術を指揮して遊ぶゲームなども遊んでいきある程度の知識を得た……‥‥
「よし、この辺のやつらは全部片付いたぜ」
「もう、シャーレの部室は目の前よ!」
不良たちを倒していくうちにシャーレの部室のすぐ近くに辿り着いたその時リンから通信が入る。
『今この騒ぎを巻き起こした生徒の正体が判明しました』
「ほんとに!?」
『狐坂ワカモ。百鬼夜行連合学院で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。過去に似たような事件を幾つも起こしていた危険人物なので気を付けてください。』
「わかりました」
「よし、このまま全速前進で行くぜ!」
「「「「はい!」」」」
四人が返事をして共にシャーレの部室を目指す。
「騒動の中心人物らしき人影を発見!対処します!」
シャーレのビルの近くまで来た吠達。ワカモらしき人物の後ろ姿を見つけ銃口を向けるハスミ、チナツ、ユウカ、スズミ。
「‥‥…‥‥くんくん」
「先生?」
「どうかされましたか?」
「この臭い……‥‥」
ゴジュウウルフは指輪の能力で嗅覚が鋭くなっていて匂いだけ特定の人物を見分けたりノーワンたちの出現を察知していた。
「ノーワン・‥‥‥‥いや、ちげぇ。この鼻先を鋭く突くような嫌な臭い今まで嗅いだことねぇ…‥‥」
今までに嗅いだことのない臭いに警戒し始めるゴジュウウルフ。
「お前ら、気をつけろ!」
「えっ、どういうことですか?」
「‥‥‥…‥‥あぶねぇ!!」
「きゃっ!?」
ゴジュウウルフはユウカを押し倒した。
すると後方から黄色の光線が放たれ二人はギリギリに回避したのだ。
「あぶねぇ…‥‥おい、大丈夫か?」
「は、はい……‥‥」
「一体何が……‥‥」
「!!あ、あれは…‥‥‥!」
スズミが誰かを見つけ他のメンバーも同じ方向を見る。
そこにいたのは狐坂ワカモでも不良でもなかった。
「なんだあいつ…‥‥‥!?」
頭部は丸く顔は歪んだVの字をしていて口から牙を向き出し体は赤色で黄色と白のVの字ラインがあり腕や足に白い花とツタのようなものが生えた不気味な怪物がいた。
「ヴ・‥‥ヴ・‥‥ヴヴァァァァッ!!」
怪物は雄叫びを上げる。
「ひっ!?」
「耳が!」
あまりの大声に耳を塞ぐ一同。
「あいつ……‥‥ノーワンじゃねぇ!何もんだ!?」
謎の怪物を前にゴジュウウルフたちはどうなるのか?
最後に出てきたのは一体‥‥‥‥?
あっ、ワカモの出番は一応あるから安心してくださいね。