妖怪ウォッチシャドウサイド~継がれる絆の物語~   作:あとか

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怪魔と妖怪探偵団

 妖怪探偵団は、怪魔に関する調査を町中で始めていた。調査するにつれて、”時間移動する少年”が先回りしていることを知ることになる。

 

「まさか、最後の方で”時間移動する少年”に先回りされてるなんて……。」

「……もしかして、彼にも妖怪が見えているんじゃ?いくつかの証言だと、”誰も居ないところで誰かと喋っているようだった”らしいし。」

「そんなことはあり得るわけが……。現存する妖怪ウォッチは、皆様がされている3台のみ。他のウォッチは大王様の命により破棄されたはずです。」

 

 後回しにしていた少年のことが、こう返ってくることに頭を抱えるアキノリ。トウマは少し気になったことがあって呟くが、それを聞いたウィスパーが反論する。伊達に大王様の元でウォッチに関わる業務をしていただけある。

 

「けれど、彼は時間移動-タイムスリップしている可能性が高いのよ?ウォッチが破棄される前から来てるってこともあり得るじゃない。如何にも昭和っぽい恰好をしているなら、もう50年は優に経っているはず。」

「ウォッチが破棄されたのはいつ?」

 

 天野姉弟から問い詰められタジタジになっていたウィスパーだったが、その返事をする前に男性の叫び声が響き渡った。

 

 

 悲鳴がした方に駆け寄ると、亡霊番長の時に現れたのとよく似たバケモノ‐怪魔が数体輪になって一人の人間をいたぶっていた。

 

「召喚!私の友達、出てこいジバニャン、コマさん!」

「憑依!剣武魔人・不動明王!我に力を!」

「降臨!幻獣・朱雀!」

 

 ナツメ・トウマ・アキノリが一斉に戦闘態勢に入る。ナツメが呼び出したジバニャンとコマさんは動き回る怪魔相手に奮闘し、朱雀と玄武は宙から攻撃を試みる。しかし、力が拮抗しているだけで優勢にも劣勢にも転じない。

 

 戦闘の光景が未だに怖いケースケだが、仲間たちのために何かしたい。その思いは強くあった。その思いに反応したのか、妖怪ウォッチエルダはナツメから離れケースケにくっついた。ナツメもケースケも驚いたが、お互いにあいづちをするとケースケはウィスパーを呼んだ。

 

「ウィスパー!アーク!」

「はいでウィッス!」

 

 ケースケはアークリングから一つのアークを取ると、決意を決めた声で言った。その声は思ったより周りに響いた。

「召喚!俺の友達、出てこい亡霊番長!」

 

 ケースケが出した、凛としたその言葉に皆思わず振り返る。左手を天高く上げ亡き親友を喚よぶその姿は、幽霊やUFOなどを怖いから認めたくないと怯えている普段とは違いとても堂々としていた。

 

 

 決められた所作によって現れた亡霊番長は、ジバニャンとコマさんの助太刀に入り次から次へと襲ってくる怪魔をなぎ倒す。憑依が限界に来たトウマは憑依を解き、新たな剣武魔人の力を借りようとした。その時だった。ケースケと同い年くらいで、時代を感じさせる少年が彼の前に降りてきた。マントに仮面、手作り感満載の棍棒にランニング&短パン。如何にもヒーローぶった昭和少年らしかった。

 

「き、君!危ないよ!」

 混戦状態に突っ込んでいこうとする少年を止めようとトウマは声を掛けるが、少年は振り返って言った。

 

「仲間が困ってるのを放置できないだろ!世界は友達、全部守るぜ!!行くぞ、フユニャン!」

 その顔はケースケに似ていてナツメにも似ていて、けれど決意の固さは人一倍だと感じさせる。トウマの制止も空しく、傍に浮いている青い猫と共に混戦状態の場所に突っ込んでいった。

 

「百猫烈弾」

「落下犬岩石」

 ジバニャンやコマさんが技を繰り出す中、少年は怪魔の攻撃をひらりと躱し持っていた棍棒で思いっ切り殴り倒した。その次の瞬間には青い猫が右手を光らせながら怪魔にぶつける。

 

「ド根性ストレート肉球!」

 たった二人(?)で今まで苦戦していた全ての怪魔を倒し終えると、何とも言い難い決めポーズを決めてその場を去っていった。

 

「彼は一体……」

 途中から戦線離脱していたトウマだけその光景を目にしており、場違いなポーズに硬直してしまっていた。

 

 

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