黎明の星〜施しの英雄と龍殺しは異世界で生きる〜   作:砂門

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このお話は、私がFate/Apocryphaにハマっていた頃から書いているものであり、占いツクールで書いているものに補足したり少しいじったりしたものです。
子どもの頃から書いているものなので、設定が甘い部分があります。以前に書いていた「黎明の光」「黎明の光でありますように」とは内容が違います。

カルナとジークフリート以外がオリジナルのキャラクターになります。

こちらをご容赦の上でご覧ください。よろしくお願いします



序章〜始まりの夜

——まさか、こうなるとは思わなかった

 

 彼は、突然この世界に降り立った。誰かに呼び出されたのか、そうでないのかもわからない。

 

 見覚えのない街、常にどこかから魔力を感じる場所。そんな場所に意味も分からず立っているのは、『ニーベルンゲンの歌』に登場するネーデルランドの王子『竜殺し』のジークフリートと、見知らぬ世界で当たり前のように歩き回っていたインドの叙事詩『マハーバーラタ』の大英雄『施しの英雄』カルナだ。

 

 地球のルーマニアで行われた『聖杯大戦』の際、お互いに黒陣営と赤陣営に分かれて敵対していた。ジークフリートは黒陣営のセイバーとして、カルナは赤陣営のランサーとして召喚された。そんな二人が、全く見知らぬ地球ですらない世界で出会った。ただこのカルナは、見た目も性格も変わらないがこの世界にもいるカルナを依代としてここにいる。

 

 

 「お前さんたち!」

 

 

 突如前方から現れた巨漢に呼びかけられた。

 

 

 「わしはハイリという。巨人族の魔術師だ」

 

 「魔術師?では貴殿が俺たちを呼び出したのか?」

 

 「呼び出した?なんのことかは存じませんが、お前さんたちの姿を捉えたわしの秘書が知らせてくれましてな。もしや、旅の道中でお困りではと思い声をかけたのだ」

 

 

 旅の道中ではないが困っていることは確かである。訳も分からず降り立った地で出会ったカルナと歩いていたらこの街に来ていた。この男は困っている人を見たら放っておけない質なのだろうか。

 

 

 「旅の方々、さぞお疲れだろう。どうぞ我がギルドへ」

 

 「分かった」

 

 「ギルド?ギルドとは?」

 

 「それは到着してから説明させてもらおうか」

 

 

 そして、カルナとジークフリートは彼が言うギルドへと足を運んだ。この日、二人の運命は大きく変わった。

 

 ギルドに到着すると、館の前に人影が見えた。

 

 

 「キリヤくん、ただいま!」

 

 「おかえりなさいませ。旅のお方、どうぞこちらへ」

 

 

 その人は、夜をそのまま映したような不思議な髪色と翡翠色の双眸をした美しい人だった。性別は不明だが、名前からして男なのだろう。

 

 カルナとジークフリートがギルドに足を踏み入れた途端、その場が賑やかになり歓迎ムードに。誰かも分からない二人をギルドは当たり前のように暖かく迎え入れた。思わず笑みを零す。

 

 

 「楽しいギルドなのですよ、ここは」

 

 「ああ、見れば分かる」

 

 「良いところだな」

 

 「ふふっ、ありがとうございます」

 

 

 佳人はニッコリと優しく笑った。

 

 

 「こちらはレストランや酒場だけでなく宿泊もできる施設となっております。騒がしいですが、それさえ気にならなければ是非」

 

 「ああ、泊まらせてもらおう」

 

 「かしこまりました」

 

 

 カルナが一切疑いもせず、宿泊の受付を済ませてしまった。もっとも、このギルドから邪悪なものは感じない。キリヤにそれぞれ案内された部屋で休むことにした。生前のように疲れが出るあたり、サーヴァントの肉体ではないらしい。

 

 翌朝カルナは、ここのオプションに何故かある沐浴をして大広間に向かった。ジークフリートもいた。

 

 

 「おはようございます」

 

 

 眩しいほどのキリヤの笑顔が向けられ、カルナとジークフリートも釣られるように微笑み挨拶を返した。

 

 

 「おはよう。よく休めたか?」

 

 

 大広間にある受け付けの奥の部屋から現れた巨人ハイリ。このギルドのマスターである。ギルドというのは、時に討伐したり、採取したり、危険な場所にいったりなどのさまざまな依頼を受け、遂行する組織のことだ。この世界には国ごとにギルドがあり、それぞれの国の問題の解決は主にギルドが行うことになっている。ただし、警察部隊ではないため逮捕する権限は持たない。そのように、カルナとジークフリートはキリヤから説明を受けた。

 

 

 「ここはなんというギルドなんだ?」

 

 「おや、お伝えしておりませんでしたか。失礼いたしました。こちらは、フレアフルールでございます。・・・この国には初めていらっしゃったのですか?」

 

 「ああ。初めて来た」

 

 「そうでしたか。では軽く説明いたします。この国フルールは、人・鬼・獣・巨人などさまざまな種族が暮らす多様性に富んだ国。戦いを好みません」

 

 

 気候は年中温かく雪を知らない。時々霧が深くなるときもあるが、基本的には温かく穏やかな気候が特徴だ。作物がよく育ち、他国からの評価も高い。フレアフルールの館とは別で宿泊する施設や飲食の場、マーケットなどもある。観光客は常にいて、旅行ガイドにも載るほどには盛んな国だ。

 

 

 「戦わないのか?」

 

 「騎士や兵士はいないと?」

 

 「よく聞いてくれた!」

 

 

 キリヤではなく、となりに控えていたハイリがハイテンションになって立ち上がる。キリヤは苦笑していた。

 

 

 「そんな戦いを好まないこの国の人々のために我々がいるのだ!」

 

 

 常に感嘆符が付くテンションのまま声高らかに言った。さすがの二人も圧倒されていた。キリヤは申し訳なさそうに苦笑しながら控えていた。

 

 

 「そこで、只者ではないと見えるお前さんたちに相談だ!」

 

 「相談?」

 

 「実はこのギルドは人材不足なのです」

 

 「そうなのか」

 

 「はい。昨晩一目見ただけですが、貴方たちは相当な手練れと見えます」

 

 「光栄だ」

 

 

 純粋なキリヤの言葉に謙遜しつつも、自分の強さに自信がある二人は素直に礼をする。

 

 フレアフルールは確かに砦であるといえるほど頼もしい存在だ。しかし、様々な過酷な依頼から辞めた者もいればケガをした者もいた。それとは別で、問題はこのギルドの認知度が上がるほど増えていく依頼の数だ。それ自体は非常にありがたいが、単純に需要と供給が釣り合っていない。依頼は多いのに、依頼を受けられる人が少なすぎる。さらに、場合によっては複数で行う依頼もある。

 

 

 「ここからが本題なのですが・・・」

 

 「フレアフルールに入っていただけないだろうか!」

 

世界は表裏一体だ。光の反対に闇があるように。人の心にも善と悪がある。

彼らは、世界が持つ光と闇も、善と悪も信じようとしていた。歯を食いしばって。

 

ランサーのサーヴァント『施しの英雄』カルナと、セイバーのサーヴァント『竜殺し』ジークフリートは、地球とは全く別の世界に召喚される。

 

彼らの全く知らない世界で生きている大切になっていく仲間たちとの出会いが全てを変えた。

 

 

 巨体がカルナたちの前で土下座で頭を勢いよく下げ頼み込む。それだけでも迫力があるが、ハイリは必死であった。

 

 

 「わかった」

 

 「本当ですか!?」

 

 「はやっ」

 

 

 カルナの即答により、カルナとジークフリートはフレアフルールに属すことになった。この国に異端者はいない。その日ギルドは、昨晩以上に賑やかになりしばらく酒盛りが行われたとかなんとか

 




序章は他のと変わっていない可能性がありますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。
前のやつはせっかくなので残しておきます。違いを見て楽しむのも良いと思います。それでは次回

次回は日常回です。新キャラと、この作品固有の組織などが出てくるかと思います。
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