呪具:一族列伝   作:何処にでもある

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 じゅじゅさんぽ 墓守解答編
 Q.結局なんで一族列伝って名付けたの? もっと良い名前無かった?
 A.人々の生活を見守り、記録する事を列伝と言うと昔聞いたから。ご先祖に見守ってて下さいとお祈りする気持ちを子孫に持って欲しかった。




1945年 雨ニモ風ニモ負ケズ・再訪

 

 

 1945年3月。

 日独伊三国同盟が結ばれてから五年経ち、太平洋戦争が終わりを迎えそうな気配が漂う東京大空襲の真っ只中の事。

 

「ありがとうございます……ありがとうございます……」

「お気になさらず。やるべきだと思っただけです。さ、次の方!」

 

 山から降り出発点である東京に来訪した墓守に待っていたのは、空に走る爆撃機と無数の空爆であった。

 脹相が婚約するまで山籠りし、あらゆる情報から断絶していた墓守はこれに始めこそ戸惑ったものの、直ぐに気を取り直し空襲された現場に直行。

 

 術師を目指すならば目の前の人を助けず去るのは言語道断の持論に従い、日々を崩れた建物から人を助け、或いは簡単な治療を施しては避難誘導をする生活を行っていた。

 術師は呪力が続く限り超人的な力を発揮する。

 例え素が心許ない墓守であろうと、こと救助や治療においては一級相当の働きを行うことが出来ていた。

 

「腹に硝子片が沢山埋まっている。その上内臓がズタズタだ。口に布を当てがって下さい。舌を噛まないように。賭けになるがやらないよりマシだ。二分耐えて下さい」

「ウ…ウ゛ーーーー!!!!!」

 

 子供を、若者を、夫婦を、老人を、老若男女分け隔てなく助け、死体であるが故に昼夜問わず、休みなく動き続ける。

 呪霊が溢れ返り、死に掛けた人間は、困っている人は無数に居る。

 終わりはなく、彼ではなく手伝いを名乗り出た人が先に根を上げる程であった。

 

 墓守はお世辞にも呪力は少ない。それは蘇ろうと同じ事であり、"窓"の域を出ない。

 歴代の様に再現をホイホイ使える訳もなく、自力では出来て薄い布切れが精々。金属なんて以ての外である。

 

 しかし、代わりとして歴代の中で最も一族列伝の呪力を利用出来る。

 直系の息子という立場は一族列伝の力を最大限引き出す権利がある。

 お陰で包帯や刃物には困らず、更に加茂花子から継いだ知識や初代から継いだ"見通す目"は、外科医の真似事も可能にしていた。

 

「出兵ですか」

「そうだ」

「命令ですか」

「当然だ」

()()しました」

 

 そうして四月。助けた数が5千に届こうかと言う時、彼は沖縄へ衛生兵としての出兵を命じられる事となる。

 救助で名を挙げた結果として、彼はこの世の地獄へと送られる事となったのだ。

 

「お願いだよ……俺を本土に帰してくれ……」

「それは命令か?」

「はっ……それで帰れるならな……」

()()した」

 

 そうして呪霊を祓いながらも時に敵軍と戦い、殆どの時間を潜伏し続けて4ヶ月が経った頃。

 8月3日。心の折れた上司の命令に従い本土へと帰還。

 現地解散しそのまま京都へ向かう道中、3日後の広島にて。

 

「‭"神隠"─‬‭─生得領域に逃げなければ死んでたな」

 

『ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!』

 

「すまない、あの一瞬では30人が限界だった」

 

 裁きの涙の直下から生還。付近に居た非術師30名を救出し遠方に転移。

 一族列伝を利用した別位相への生得領域の展開した移動法。呪霊が行う神隠しの一種の再現。

 また、被害領域に帷を展開し縮小。呪霊の拡散防止に成功し……偶然ではあるが、副次的に放射能を含む「毒」の封じ込めに成功。

 

「カハッ、"吸毒"……効果なし、撤退する」

 

 内部の呪霊を祓う最中に凝縮された被曝作用が発生。

 解毒用の花弁を再現するも、「光の毒」を吸い取る事は叶わずに撤収。

 

「ぐ…心臓が…部分的に再現しても毒に再感染するようだ……丸ごと一気にやる必要がある」

 

 結界に可能な限りの封印処置を施し、全身を一度に健康な肉体に置換する為、療養に専念……。

 

「……長崎にも…だと?……術師ならば最低限…呪霊を封じなければ……"神隠"」

 

 その後の長崎も同様の後処理を行ってから、改めて30年間。

 墓守は山奥でひっそりと暮らす事になる。

 

 何故ここまで時間を必要としたか。

 気軽に人を殺さなくなった世間の成長、定期的な肉体の置換、台風と地震。

 そして定期的に沸く呪霊の妨害……呪力の貯蓄を阻害される要素が幾つも重なったが故であり、ただでさえ少ない呪力を振り絞った"神隠"の連続行使と二つの結界の管理が後を祟り続けたからである。

 

 呪力が無いとは、それだけハンデなのだ。

 

「漸く治ったな。想定外の遠回りとなったが……玉音放送もされたのだ。

 もう邪魔は入るまい。改めて、京都に旅立つとしよう」

 

 1975年。九州長崎の街より再度出発。

 広島長崎の原爆封印結界の要を要所に設置し、天元の結界と繋げ管理を自動化。

 一族列伝から割いていたリソースを取り戻す事となる。

 

「新幹線は凄かったな…金が無いので乗れなかったが。

 街道も随分と歩き易くなっている。コンクリートか……む、ここから先は途切れてるのか」

「お、なんだお前新人か!? なに遅刻してんだ早く現場に入れ!」

「なに?」

 

 山から降りて随分と様変わりした街並みを眺めながら整備された道を歩いていると……不幸にも墓守は国家の大工事に巻き込まれた。

 当時、1970年代は日本列島大改造が行われた時代。

 墓守が歩いていた道は絶賛工事途中の物であり、当時は作業員の扱いは非常に軽んじられる物であった。

 逃亡者が絶えない中強引に進められたものも数知れず。知らない顔が居ても気にしない風土が根付いており、無関係である墓守はその連鎖に組み込まれる事となった。

 

 こうして墓守は全国の国道から各地のダムにトンネル、様々な建設に関わる中ついでに地鎮の儀や呪霊対策もオマケに施して行ったのだが……閑話休題。

 思わぬ所でかつて呪術師でありながら国を治めていた経験が生きるものである。

 おかげで日本全土の結界の質が上がったのがありがたい限りであった。

 

「やー済まないな! ウチの社員じゃねーのに14年も連れ回して! ほら、これまでの給料と戸籍だ。全額しっかり割増で計算してある」

「構わない。戸籍の用意まで感謝する」

「おう、達者でな! けどその流され性根はどうにかした方がいいぞ!」

 

 主に連れ回していた建設会社がヤクザとの繋がりが合ったのが幸いし、墓守は資金と身元を証明する物を手に入れた。

 直後にこの会社は国家が反社殲滅を行った際に潰れたが、この瞬間だけは間違いなく彼にとって有意義な報酬と別れであっただろう。

 

 ピリ‭─‬‭─。

 

「‭この気配は─‬‭─産まれたか。五条家の玉が」

 

 1989年。

 五条悟爆誕の日の出来事であった。

 

 これにより因果の均衡が崩れ、世界は再び波乱に突入する事となる。

 

 

 

 ギューン‭─‬‭─…♫

 

「ちょい時間貰うぜ。広島と長崎の例の封印を施した奴ァ…手前だな?」

 

「原爆の件ならば如何にも。要件は?」

 

 その数日後、新幹線の切符を片手にした墓守を呪術高専京都校校長‭─‬‭─楽厳寺が発見。

 

「なァに大した事じゃねぇ…アンタ、音楽の趣味は?」

 

「受動喫煙だが……とんぼ辺りが好みだな」

 

 ギャーン‭─‬‭─…♫

 

「そうかい……話は通じそうだな。田舎もん。急な話になるが……先生になる気はねぇか?」

 

「庇護下に入れば危険分子として処刑されたりするのを防ぐと。ありがたい申し出だ」

 

「話が早くて助かるぜ。だったら‭─‬‭─試験‭の始まりだっっぜい!」

 

 エレキギターのロックな響きと共に就職試験が開始され……。

 

「お眼鏡叶ったか」

「……イカしてんな、オイ」

 

 楽厳寺は背後に立たれ、喉笛に匕首(ドス)が添えられた。

 一瞬。決着は誰の眼にも入る事なく終わりを迎えた。

 遅れてやって来た死の気配に、ツゥと冷や汗が首元を伝う。

 目の前に居たはずなのに、呪力の気配を一切感じさせずに背後を取られたのだ、無理もない。

 刃を納められ、首を触れ、それからやっと生きている実感が湧く。

 

「……合格だ。これからよろしく頼む」

「ああ、こちらこそ」

「だがどういうカラクリだ。呪力の気配を感じなかったんだが……」

「簡易領域だ。内部時間の早回しに特化させてある。それを一寸先に展開し続けた」

 

 領域内部の時間は単純な仕組みである程加速する。

 それを一族列伝を利用し、生得領域の再現を簡易領域になるまで単純化。

 有り余ったリソースを内部情報の処理速度に割り当て、肉体に引っ付ける様に前方へ展開。

 

 領域展開中の他者への攻撃禁止、移動のみの利用。移動時の外部の認識不可。

 この三つの縛りを持ってして成立させた低燃費かつ高速移動に長けた簡易領域。

 

「結界術、"暗転"。短距離、戦闘中の位置取り用。多少慣れれば目の前で使っても呪力を感じさせない。が、これは呪力操作を極めれば同じこと。より感じさせ難く術を作ってはいるが……大した特徴ではない」

 

 傀塚式結界術は領域の「境界」と「移動」に重きを置き、一族列伝を利用した物を可能な限り万人が覚えられる様単純化した品物。

 長距離用の"神隠"、短距離用の"暗転"、空中戦用の"六面追従"……様々な移動法を適時使い分け、一方的に奇襲し続ける。

 極めた先にある"影法"すらあらゆる側面に汎用性を持たせた「天才なら万能に使える」枠に過ぎず、その出力結果は一通りの技を覚えた中級者が適切に使った場合と均一。

 

「私が築いた技の思想は「誰でも便利に使える」こと。教員としては結界と式神が専門、それから呪具作りと儀式のやり方も多少出来る……さて」

 

 現代では断絶した結界の運用思想。

 仕組みを知れば又聞きの呪詛師にさえ真似出来る程簡易化され……しかし伝承される程個人の癖が、主観が混ざって複雑化し、途絶える術。

 誰もが使えて、誰もが真の意味で正しく使えない。

 

 そこまで自身の価値を開示し、墓守は問う。

 この凶器を使い熟せるのかと。

 

「命令は"教導"で宜しいか」

 

「ああ、大歓迎だ」

 

「受諾した」

 

 命令は下され、賽は投じられた。

 

 

 

 ▲▽

 

 

 

「今日から結界、式神、呪具作り、儀式の担当となる墓守だ。宜しく頼む」

 

「せんせー、なんで校長も居るんですか? なんかお茶飲んでますよ」

「3年目で随分と急ですね」

「…………」

「ずず…」

 

「校長曰く共に学びたいらしい。基本を叩き込んだら追い出すから無視していいぞ。

 3年目なのは教授するのが高等技術で、これが新たな試みだからだ。

 どれも才能が必要な分野。だが私はこれを無駄な時間にする気はない。

 必ず君達を10枚は皮を剥かせると約束する」

 

「筋肉通り越して骨しか残んなそう」

 

 上層部との交渉を済ませた五月上旬。

 墓守は夜蛾を筆頭とした3名の高専生徒の前に立っていた。

 好奇を向けるもの、面倒な者が来たと思い耽る者、一切眼を向けず本を読む者、茶をしばいてる校長。

 反応は様々であるが、いずれも墓守を舐め腐っているのは違いは無かった。

 

「早速表に出よう。全員同時に相手にする」

 

 そうして喧嘩をしに校庭に出た5人は、墓守を囲うように配置に付いた。

 

「開始」

 

 ボコボコにする気満々の陣形。

 それをボコボコにする気満々の開始宣言。

 両者、精神面では互角である。

 

「せんせー、今謝れば大口叩いたの許すよ。その呪力量じゃどうやったって無理ッ!!?」

 

 どさりと調子こいた発言をした女子がアイアンクローを叩き込まれ倒れ伏す。

 

「起きろ」

「あで!?」

 

 蹴り起こした反撃に雷がばら撒かれるも、攻撃が始まる頃には何事も無く墓守は中心に戻っていた。

 

「「!!?」」

「……やはり見えないな…俺ももう老眼か」

 

 唖然、それから警戒。慢心の破棄。

 学びの姿勢を取る。

 

「開始の宣言は行っている。隙は突くのでよくよく考えて攻撃するように」

 

 校長を除いた全員が一斉に走り出し‭─‬‭─次に瞬きをした瞬間には、全員仲良く肺から空気を吐き出して動けなくなった。

 息が出来ず、視界に霧が掛かる。

 

「気絶させたのはただの投石と当身だ。"暗転"は視界を得るために都度立ち止まる必要があるが、移動している最中(さなか)でも物を投げるなり…色々出来る。

 当たるか本人の視点では見えないからだ。未確定ならば縛りの効果を減衰させずに速度を載せられる。これを利用すればご覧の通りな訳だな。全員起床」

 

 こうして墓守による高専デビューは全員に恨まれる形で始まる事となり。

 

 

「見て見て影分身!」

「「おー」」

「反応薄くね?」

「「だって俺/私も出来るし」」

「正論いってぇ!!」

 

「それが"暗転"。この結界術は分類で言えば帳に近い。結界の内側全体に意味を持たせる領域では無く境界に意味を持たせる結界。

 寧ろ、これは内部がなんの術式効果も付与されていない只の空間である事が重要だ。

 なので、相手の領域内などでは使えない欠点があるが……そんなもの、使われる前に倒せばいいし、使われたなら離れて巻き込まれないようにすればいい。後は解除されて術式が焼き切れてる間にドン。

 それがこの術を使った基本の戦い方となる」

 

 

 始めに習得させたのは傀塚式結界術。

 暗転、神隠、追従六面の機動能力。

 

 

「ほ…本当に出来た…一魂単独の自律型呪骸…」

 

「魂の安定に必要なのは波長の合った者同士の観測か、魂に合う肉体を用意するかだ。

 夜蛾ならどちらの方法でも安定化は可能だろうが、簡単にやるなら魂に合わせた肉体を作る事。

 難しい話じゃない。

 器と自我、それから初期投資として十分な呪力があれば魂は勝手に住み心地をよくする。つまり最適化する。

 大事なのは肉体に入れる前に魂を目覚めさせ、元の肉体を想起させる事。それから一時的に相手の魂に自分の術式を貸すイメージ。よくぞ核心を掴み取った。追加点を与える」

 

「…ありがとうございます!」

 

「せんせー、ウチらはなにすりゃいいですかー?」

「…………」

 

「獲物に呪力を馴染ませる。すると自分に合った呪具となる。

 なるほど面白い、そこから一歩踏み出してみようか。

 二人の術式効果は蓄電と詩の具現化だったな。ならば専用の呪具があれば手っ取り早く強くなる。

 此処から本題。

 丑の刻参りに釘と藁人形が定番である様に、術式には相性の良い獲物がある。君達の術式が形成された……謂わば()()()と言えばいいか。

 さて、この相性の良さとは取っ掛かりだ。なんの取っ掛かり‭か─‬‭─「拡張術式」。

 術式の世界に問いかけろ、無理なら縛りを結べ。

 仮に一時的に何かを具現化してるなら同じ物を持ってきて、無いなら作って名付け呪力を馴染ませろ。消耗が激しいならより沢山作れ。

 最後に領域に取り込めば完成だ。この感覚学習は私が手伝おう」

 

「……うわ、呪力効率も蓄電量も爆上がった。キメェ」

「……栞、筆、紙…本……そっか、私足りない物だらけだったんだ…」

 

「仕組みとして。呪力を一時的に物質化する逆手順。

 物質を一時的に呪力に取り込み術式の負担を減らした。荷物が無い方が動き易いしな。

 呪具は元来その為の専用武器。これは呪具が完成するまでの手順を見れば理解出来るだろう。

 自身の術とは別の力を持った呪具を持つのも良いが、基本は倍々。つまり()()だ。

 とはいえ物質は物質。この使い方だと呪具は消耗するし直ぐに壊れる。

 だが迅速な呪力の馴染ませ方、領域への取り込み方を君達は覚えた。

 次を用意出来るなら、それは気軽に使える手札として機能し、使い所を選べば危機を生き延びられたりする事もだろう。

 おめでとう、汎用拡張術式「人具一体」だ。両名妥当点とする」

 

 

 次に習得させたのは呪具の作り方と使い方。

 呪具の作成、体内領域への収納、取り出す事による並列行使(負担軽減)及び直列行使(火力倍増)の運用手順。

 呪具を常に持つのでは無く、必要に応じて取り出す平安に置ける呪具使いの真髄。

 

 

「あの先生やばくね?」

「判断が遅い」

「……先生の話の時に私が本を読まなくなった時点で気付け、アホ」

「正論ティーが酸っぱいぜ…」

 

 

 最初にボコされた怨みは授業と共に何処かに消え失せた。

 今、生徒に残ったのは畏敬と、何者であるという疑念のみ。

 伊達に平安で一地方を納め、その上で呪術衆を創ってはないということか。

 強さの手に入れ方という物を熟知してなければ出ない物が次々とお出しされる光景に、3人はぶるりと身を震わせた。

 

「でもねこれは言わせて。あれで特級じゃないは嘘」

「だが本人は四級だと」

「嘘付けぇ! 呪力以外の全てがやべー奴だろうが! せめて一級じゃい!」

「……私からも一言いい?」

「どうぞ!」

「実践で十全に活用出来る気がしない。急に手札が増え過ぎ」

「そうだな…使わない選択肢はない以上、これまでの戦い方を一新する必要があるだろう」

 

 生徒が揃ってため息を吐く。

 仕方ない事だった。これまで殴る、蹴る、敵の術式を見破り攻略するものが、急に三次元の戦闘すら可能になったのだ。

 如何に術師が呪力で思考速度を早められるとしても、これではワンテンポ遅れが出かねない。

 だが……3人のこの考えは杞憂に終わる事となる。

 

「生徒達、仕事兼中間試験の時間だ。この中の依頼を一人三つ選び、今日中に終わらせろ。終わったら遊んでよし。それだけの力は与えた、以上」

 

 ピシャリと扉が閉まる。

 急に訪れた急な問題であった。

 直後、罵声。渋々といった面構えで3人依頼を選び、それぞれ"神隠"で現地に赴く。

 

「……なんか、世界が止まってたよな」

「……一時間しか経ってないな」

「……これが先生の視点ってことかな」

 

 果たして、久々の除祓は如何様な結果で終わったか。

 一時間後、3人は狐に摘まれたような顔持ちで教室に集合し、その後大阪に遊びに行く事になった。

 

 傀塚式結界術。

 それは平安の時代、厳しい道なりと情報不足、極限まで足りない人手不足を解消する為に産まれた究極の簡略化。

 

 程度の低い(一級以下の)呪霊祓いにおいて、無類の強さを放つ確殺札である。

 

 






 生徒三人衆
 原作だと東京高専校長である夜蛾とオマケ二人。3年生。
 この代の貴重な術師の卵。夜蛾には悪いが男生徒一人という居心地最悪空間にいて貰う事にした。
 既に2名が死亡し、1名が退学した経験がある。

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