輪廻の輪の果てで
新宿の某所で辺りが残骸だらけの中で一人顔から下、右半身が消し飛んでいる男が倒れ込んでおり今にもその命が消えようとしていた。
「...あ〜悟のやつ勝てよ〜...ここまでお膳立てしたんだぞ...これで勝たんかったら末代まで呪ってやる...ハハ...あかん、気が遠くなってきた...」
まぁ、あの呪いの王相手を相手しながら俺の奥の手と術式で摩虎羅と顎吐壊せたんだ...じょうできやろ...さきいくわ...悟...お前と硝子は老衰でこっち来いよ...
....
「ん...ん?ここは...空港か?」「お、来たみたいだね」
「あぁ?なんだ傑かよ...」「なんだい、その反応。失礼だな」
「は!お前にはこれで良かろう。闇堕ちサマーオイルめ」
「なっ!?...すぅ...ははっ、再開して早々相変わらず失礼極まりないね」
「フン、お前と悟には負けるがな」
「あ?」「あ?」
「ふ...かはは」「あははは」「お前どうすんだ?悟のやつ待つのか?」
「あぁ、待つとも少なくとも悟と硝子が来るまでは」
「そういうあなたはどうするので?」「お、七海やんけ。おっすおっす」
「んーまぁ、先行くかな。どうせお前らも悟たちが来たらその内来るやろ?先行って待ってるよ。どうせなら今度はこき使ってやらぁ」(´∀`*)ケラケラ
「ふ、そうかい」「あなたならそうするような気はしていましたよ...」
「えーと確か新しい自分を求めるなら北へ、だっけ?」
「!...北へ行くのか」「おう、一足先に新天地でも探してのんびりやってるよ」カツッカツッ
「行くのですね...」「おう、どうせすぐにはこんだろうし先行って悟達来たら煽ってやらぁ」( ˆωˆ )ニヤニヤ
「はぁ...全くこの人は...」「そういう七海の顔笑ってるぞ?」「お?灰原やん。元気そうやな」「どもっす。龍牙先輩!先行くんですよね?お気を付けて!」「まぁ、くれぐれもすぐ死んでこっちに戻ってこないでくれよ?」「は!それは お 前 野 郎 だ ろ ?」「はっ倒すよ?」
ヘイ( 'ω' 三 'ω' )ヘイ ブッコロス! ヤッテミロヤー! ボコスカボコスカ
「...あの人たちは...」「先輩たち変わらないなぁ〜」
「ぜぇぜぇ...コノヤロウ無駄強くなりやがって」
「それはこっちのセリフさ。昔は近接は苦手で術式だった癖に」
「それが通用しなくなったから鍛えたんだよ...」「そうかい...行くんだね」
「...おう」「気をつけて」「そっちこそ」
「「ふっ」」「にしし(*´罒`*)」「アハハ(´∀`)」
「じゃ、またな」カッカッ...
「あぁ、くれぐれもこっちに直ぐに帰ってこないでくれよ?」
「相手が弱いからとすぐに調子に乗って油断晒さないでくださいね。...お気を付けて」
「先輩!お気を付けて!待ってますんで!!」
「おう!じゃあな!」カッカッカッカッ....
そうして空港から一人の男が消えた....
「ふんふん〜♪」1
まさか、また日本で生まれることができるとはな...両親は生まれてすぐ亡くなっちまったが幸い残してくれた遺産のお陰でなんとか暮らせてるわけだが有限だしな〜...あ、自己紹介してねぇ。どうもさしす組と同期で転生した
「バイト...探さんとなぁ....にっしてもこの世界全く呪霊も呪力ねぇなおい。まさか輪廻の輪を超えた先が呪力のない並行世界とはな。」
なのに俺は呪力はあると。
そう言いながら俺が腕に軽く力を込めると青いオーラのようなを纏った。
「まぁ、流石に派手になるから術式は使えんけど」
さて、そろそろ着くかね?高校。
「えーと、今の時間は...7時40ぐらいか。ちょい遅せぇぐらいか」
めんどいのに絡まれそうやな、ハァ....さーて、行きますか...
〜数分後〜
「いまでもあおはーすんでいる〜、と着いた〜」
ガラガラァ
えーとおよ?あいつまだか。いつものかな?
「あ、おはよう。龍牙」「お?おはようさん。ハジメ」
「また手伝いか?ほれモ〇スター」ポイッ
「ワワッとうん。そうだよ。」
「いつもおつかっれさん。で今日もか?」
「ありがとう。うん今日ごめんけどお願い。」
「ほいよーあーらほらさっさー」
こいつは南雲ハジメ。良い奴なのだが、両親の手伝いでよく夜更かしして授業中でも寝てるため問題児扱いされてる悲しいやつ。
「あー!おはよー!ハジメ君!」「お、おはよう白崎さん」
はいでた〜白崎香織。ハジメにある1件で一目惚れしそれ以来ハジメにゾッコンなやつ。尚、ストーカー気質也のための友人が大変な訳で...
「おいおい俺は無視ですか〜白崎嬢」「あ、忘れてないよ!おはよう!龍牙君!」「おう、おはようさん」
「おはよう、龍牙。ハジメ君」
そこに俺とハジメに挨拶してきたのは八重樫雫。白崎嬢の親友で実家の剣道場のため、剣道をやって勉強もできるため文武両道の美少女。
「んん、おはよう八重樫嬢」「おはよう八重樫さん」
「いつも香織がごめんなさいね」「おかまないなく。俺に被害はないんで」「それ、間接的に僕に被害あるみたいな言い方してない!?」
「むぅー...なんか私が悪いみたいな言い方ぁ....」
「「ごめんごめん」」(´▽`*)アハハ
「もうっ!2人とも!」
「おはよう香織、雫。」「おーす、龍牙おはようさん」
そこに入ってきたのは一人が天之河光輝。悟に似た腐れイケメン野郎です。んでもうひとりが坂上龍太郎。人は良いのだが筋肉バカである。
「おう、おはよう」「おはよう、天之河君。坂上君」
「香織、また彼の世話を焼いているのか? 全く、本当に香織は優しいな」
あ、このパターンは...
「? 光輝くん、なに言ってるの?私は、私が南雲くんと話したいから話してるだけだよ?」
その瞬間、黒い殺意がハジメに殺到した。
「( ˙꒳˙ )oh......言ってもうた...」「...うちの香織がごめんなさい...」
「きにすんな...」「俺からも謝っとく...すまん龍牙。こっちでなんとか光輝離しとくわ。ほら行くぞ」「な、龍太郎!?離してくれ!まだハジメに話さないといけないことが...」「はいはい、時間来てるから行くぞ」スッ…
「ん?」スッ...ソッチマカセタ リョウカイ
そうこうしている内に始業のチャイムが鳴り教師が教室に入ってきた。教室の空気のおかしさには慣れてしまったのか何事もないように朝の連絡事項を伝える。そして、いつものように隣でハジメが夢の世界に旅立ち、当然のように授業が開始された。
そんなハジメを見て俺はこいつは...と呆れながら笑い、香織が微笑み、雫はある意味大物ねと苦笑いし、男子達は舌打ちを、女子達は軽蔑の視線を向けるのだった。
教室のざわめきに、ハジメの意識が覚醒していく気配を感じた。居眠り常習犯なので起きるべきタイミングは体が覚えているのか、いつも通り昼休憩に入ったタイミングで目を覚ました様子。
ハジメは、突っ伏していた体を起こし、十秒でチャージできる定番のお昼をゴソゴソと取り出す。
「おう、よう寝れたか?」ングング...「うん、おはよう。これ飲んだらもう一眠りしようかなって」ジュルジュル...「そうかい。あんま寝すぎんなよ?いつも言ってるが体壊すぞ」ちな、俺は自炊してるので弁当持参。ただめんどくさかったので握り飯で今日は済ましてるが。
「うん、いつもごめんね。それじゃおやすみ」「おう、おやすm「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当?よかったら一緒にどうかな?」
oh(´・ω・`)...
再び不穏な空気が教室を満たし始める中、ハジメは心の裡で悲鳴を上げているのだろう。まぁ...頑張れとしか言えねぇ...。
ハジメは抵抗を試みる。
「あ〜、誘ってくれてありがとう、白崎さん。でも、もう食べ終わったから天之河君達と食べたらどうかな?」
そう言って、ミイラのように中身を吸い取られたお昼のパッケージをヒラヒラと見せる。断るのも「何様だ!」と思われそうだが、お昼休憩の間ずっと針のむしるよりは幾分マシだろうな。
しかし、その程度の抵抗など意味をなさないとばかり香織嬢が追撃をしかけてまう。
「えっ!お昼それだけなの?ダメだよ、ちゃんと食べないと!私のお弁当、分けてあげるね!」
もう勘弁してやれぇ!?もうハジメのライフはゼロよっ!
だんだんと増加していく圧と殺意にハジメが冷や汗をかいているとそこに光輝が
「香織。こっちで一緒に食べよう。南雲はまだ寝足りないみたいだしさ。せっかくの香織の美味しい手料理を寝ぼけたまま食べるなんて俺が許さないよ?」
爽やかに笑いながら気障なセリフを吐く光輝にキョトンとする香織。少々鈍感というか天然が入っている彼女には、光輝のイケメンスマイルやセリフも効果がないようだ。
「え?なんで光輝くんの許しがいるの?」
素で聞き返す香織に思わず雫が「ブフッ」と吹き出した。俺も吹いた。あれを耐えろは無理があるwww光輝は困ったように笑いながらあれこれ話しているが、まぁ、人気者が俺たちの周辺に集まってる時点で圧は弱まることを知らないんだよなぁ...
(もういっそ、こいつら異世界召喚とかされないかな?どう見てもこの四人組、そういう何かに巻き込まれそうな雰囲気ありありだろうに。・・・・・・どこかの世界の神か姫か巫女か誰でもいいので召喚してくれませんか〜
〜)
とでも本人は思ってたりしてな。そう思いながらふと下を見る。
「は?」
俺の足元否、光輝の足元を中心に純白に光り輝く円環と幾何学模様が現れたからだ。その異常事態には直ぐに周りの生徒達も気がついた。
全員が金縛りにでもあったかのように輝く紋様一一俗に言う魔法陣らしきものを注視する。
その魔法陣は徐々に輝きを増していき、一気に教室全体を満たすほどの大きさに拡大した。
自分の足元まで異常が迫って来たことで、ようやく硬直が解け悲鳴を上げる生徒達。未だ教室にいた愛子先生が咄嗟に「皆!教室から出て!」と叫んだのと、魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったのは同時だった。
数秒か、数分か、光によって真っ白に塗りつぶされた教室が再び色を取り戻す頃、そこには既に誰もいなかった。
蹴倒された椅子に、食べかけのまま開かれた弁当、散乱する箸やペットボトル、教室の備品はそのままにそこにいた人間だけが姿を消していた。
この事件は、白昼の高校で起きた集団神隠しとして、大いに世間を騒がせるのだが、それはまた別の話。
ただひとつ言えることがある...俺の飯の邪魔したんだ...ぶっ潰してやる...!
「メ...目が痛てぇ...直で浴びた....」「目、大丈夫?」
「大丈夫だ、問題ない(`・ω・´)キリッ」「それ、問題あるやつ!」
「さて、握り飯でも食うか...」「食ってる場合か!てか、どっかから出した!?」「ん?咄嗟に取ったのがこれだったw」
「笑い事なの....?」「笑い事です。」
そう茶化しながら周囲を咀嚼しながらと見渡す。
まず目に飛び込んできたのは巨大な壁画だった。縦横十メートルはありそうなその壁画には、後光を背負い長い金髪を靡かせうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物が描かれていた。
背景には草原や湖、山々が描かれ、それらを包み込むかのように、その人物は両手を広げている。美しい壁画だ。素晴らしい壁画だ。
....気味わりぃ。腐ったミカン共見てる気分だ...気分をまぎわらす為によくよく周囲を見てみると、どうやら自分達は巨大な広間にいるらしいということが分かった。
素材は大理石か?美しい光沢を放つ滑らかな白い石造りの建築物のようで、これまた美しい彫刻が膨られた巨大な柱に支えられ、天井はドーム状になっている。大聖堂という言葉が自然と湧き上がるような荘厳な雰囲気の広間である。
あかん...イラつきてきた....。あのクソども思い出してイライラしてきた。
そうこうしてるとつい力を込めすぎて飯を破裂させてしまった。
「「あ」」「...散ってないか、ハジメ」「うん、僕は大丈夫。でも、龍牙君のこそ大丈夫?無理してない?」「大丈夫大丈夫。ちょっとイラついただけや」「ならいいけど....」
この広間にいるのは俺達だけではない。少なくとも三十人近い人々が、俺達の乗っている台座の前にいたのだ。まるで祈りを捧げるように跪き、両手を胸の前で組んだ格好で。
彼等は一様に白地に金の刺繍がなされた法衣のようなものを纏い、傍らに錫杖のような物を置いている。その錫杖は先端が扇状に広がっており、円環の代わりに円盤が数枚吊り下げられていた。
その内の一人、法衣集団の中でも特に豪奢で煌びやかな衣装を纏い、高さ三十センチ位ありそうなこれまた細かい意匠の凝らされた烏帽子のような物を被っている七十代くらいの老人が進み出てきた。
「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」
イ、イシュ...タル....?これが....?あの天の女主人....なのか?
ウソダドンドコドーン!僕を騙そうとしている!!嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ!!!
「ガフッ...」「龍牙君!?」「心配するな....致命傷だ...」「それダメなやつ!」
そして少し時間は経ち...現在、俺たちは場所を移り、十メートル以上ありそうなテーブルが幾つも並んだ大広間に通されていた。
この部屋も例に漏れず煌びやかな作りだ。素人目にも調度品や飾られた絵、壁紙が職人芸の粋を集めたものなのだろうとわかる。
おそらく、晩餐会などをする場所なのではないだろう
か。上座に近い方に畑山愛子先生と光輝達4人組が座り、後はその取り巻き順に適当に座っている。俺とハジメは最後方だ。
ここに案内されるまで、誰も大して騒がなかったのは未だ現実に認識が追いついていないからだろう。イシュタル(偽)が事情を説明すると告げたことや、カリスマレベルMAXの光輝が落ち着かせたことも理由だろうが。
教師より教師らしく生徒達を纏めていると愛子先生が涙目だった。
全員が着席すると、絶妙なタイミングでカートを押しながらメイドさん達が入ってきた。
そう、生メイドである!地球産の某聖地にいるようなエセメイドや外国にいるデップリしたおばさんメイドではない。正真正銘、男子の夢を具現化したような美女・美少女メイドである
黒井さん知ってるから何とも言えん...どうせハニトラやろうし...
まぁ、こんな状況でも思春期男子の飽くなき探究心と欲望は健在でクラス男子の大半がメイドさん達を凝視している。
もっとも、それを見た女子達の視線は、氷河期もかくやという冷たさを宿していたのだが...
ハジメも傍に来て飲み物を給仕してくれたメイドさんを思わず凝視....しそうになってなぜか背筋に悪寒を感じ咄嗟に正面に視線を固定した。
俺まで巻き添え食らったのでチラリと悪寒を感じる方へ視線を向けると、なぜか満面の笑みを浮かべた香織がジッとハジメを見ていた。俺とハジメは見なかったことにした...
全員に飲み物が行き渡るのを確認するとイシュタル(偽)が話し始めた。
「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしよう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」
そう言って始めたイシュタルの話は実にファンタジーでテンプレで、どうしようもないくらい勝手なものだった。
要約するとこうだ。
まず、この世界はトータスと呼ばれている。そして、トータスには大きく分けて三つの種族がある。人間族、魔人族、亜人族である。
人間族は北一帯、魔人族は南一帯を支配しており、亜人族は東の巨大な勘海の中でひっそりと生きているらしい。
この内、人間族と魔人族が何百年も戦争を続けている。
魔人族は、数は人間に及ばないものの個人の持つ力が大きいらしく、その力の差に人間族は数で対抗していたそうだ。戦力は拮抗し大規模な戦争はここ数十年起きていないらしいが、最近、異常事態が多発しているという。
それが、魔人族による魔物の使役だ。
魔物とは、通常の野生動物が魔力を取り入れ変質した異形のことだ、と言われている。この世界の人々も正確な魔物の生態は分かっていないらしい。それぞれ強力な種族固有の魔法が使えるらしく強力で悪な害獣とのことだ。
今まで本能のままに活動する彼等を使役できる者はほとんど居なかった。使役できても、せいぜいー、二匹程度だという。その常識が覆されたのである。
これの意味するところは、人間族側の“数、というアドバンテージが崩れたということ。つまり、人間族は滅びの危機を迎えているのだ。
「あなた方を召喚したのは“エヒト様、です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。
おそらく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族は滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。
あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っています。
召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という"救い、を送ると。あなた方には是非その力を発揮し、“エヒト様、の意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」
イシュタルはどこか恍惚とした表情を浮かべている。
おそらく神託を聞いた時のことでも思い出しているのだろう。
イシュタルによれば人間族の九割以上が創世神エヒトを崇める聖教教会の徒らしく、度々降りる神託を聞いた者は例外なく聖教教会の高位の地位につくらしい。
(きめぇ...じじいのんな顔に需要なんかねェての...)
俺とハジメが、“神の意思、を疑いなく、それどころか嬉々として従うのであろうこの世界の歪さに言い知れぬ危機感を覚えていると、突然立ち上がり猛然と抗議する人が現れた。愛子センセーだ。
「ふざけないで下さい!結局、この子達に戦争させようってことでしょ!そんなの許しません!ええ、先生は絶対に許しませんよ!私達を早く帰して下さい!きっと、ご家族も心配しているはずです!あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」ぷりぷりと怒る愛子センセー。
彼女は今年二十五歳になる社会科の教師で非常に人気がある。百五十センチ程の低身長に童顔、ボブカットの髪を跳ねさせながら、生徒のためにとあくせく走り回る姿はなんとも微笑ましく、そのいつでも一生命な姿と大抵空回ってしまう残念さのギャップに庇護欲を掻き立てられる生徒は少なくない。
"愛ちゃん、と愛称で呼ばれ親しまれているのだが、本人はそう呼ばれると直ぐに怒る。なんでも威厳ある教師を目指しているのだとか。
今回も理不尽な召喚理由に怒り、ウガーと立ち上がったのだ。「ああ、また愛ちゃんが頑張ってる...」と、ほんわかした気持ちでイシュタルに食ってかかる愛子先生を眺めていた生徒達だったが、次のイシュタルの言葉に凍りついた。
「お気持ちはお察しします。しかし....あなた方の帰還は現状では不可能です」
(まぁ、そう来るわな...)
場に静寂が満ちる。重く冷たい空気が全身に押しかかっているようだ。誰もが何を言われたのか分からないという表情でイシュタルを見やる。
「ふ、不可能って.....ど、どういうことですか!?喚べたのなら帰せるでしょう!?」
愛子センセーが叫ぶと
「先ほど言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間に異世界に干渉するような魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意思次第ということですな」
「そ、そんな...」
愛子先生が脱力したようにストンと椅子に腰を落とす。周りの生徒達も口々に騒ぎ始めた。
「うそだろ?帰れないってなんだよ!」「ちくわ大明神」「いやよ!なんでもいいから帰してよ!」「おい誰だ、今の!?」「戦争なんて冗談じゃねえ!ふざけんなよ!」「なんで、なんで、なんで....」
パニックになる生徒達。
「ハジメ...」「ん?何」「これ、お前の中だとまだマシか?」
「うん...最悪なのは奴隷扱いされるのだから」
俺は前世でこういうのに似た経験あるのと年の功があるからええけど
存外、ハジメは慣れていた。まぁ、そういう系を嗜んでるからだろうけどな。
誰もが狼狽える中、イシュタルは特に口を挟むでもなく静かにその様子を眺めていた。
(...ほかの目は誤魔化せても俺の目は誤魔化せん。侮篾が見えてんぞ...もっとやるなら上手くやれ。多方「エヒト様に選ばれておいてなぜ喜べないのか」とでも思っているのかもしれない。)
未だパニックが収まらない中、光輝が立ち上がりテーブルをバンッと叩いた。その音にビクッとなり注目する生徒達。光輝は全員の注目が集まったのを確認するとおもむろに話し始めた。
何する気だ...?
「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。......俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない。それに、人間を救うために召喚されたのなら、救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。....イシユタルさん?どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
「俺達には大きな力があるんですよね?ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」
「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数一倍の力を持っていると考えていいでしょうな」
「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」
( ゚д゚)オ…マイガー…やりやがった...
ギュッと握り拳を作りそう宣言する光輝。無駄に歯がキラリと光る。
同時に、彼のカリスマは遺憾なく効果を発揮した。絶望の表情だった生徒達が活気と冷静さを取り戻し始めたのだ。光輝を見る目はキラキラと輝いており、まさに希望を見つけたという表情だ。女子生徒の半数以上は熱っぽい視線を送っている。
「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。...俺もやるぜ?」「龍太郎....」
「今のところ、それしかないわよね。.....気に食わないけど....私もやるわ」
「雫....」
「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」
「香織...」
いつものメンバーが光輝に賛同する。後は然の流れというようにクラスメイト達が賛同していく。愛子先生はオロオロと「ダメですよ〜」と涙目で訴えているが光輝の作った流れの前では無力だった。
結局、全員で戦争に参加することになってしまった。
おそらく、クラスメイト達は本当の意味で戦争をするということがどういうことか理解してはいないだろう。
れそうな精神を守るための一種の現実逃避とも言えるかもしれない。
「ハァ〜...ちょっといいか。イシュタル殿」
「ん?どうかしましたかな?」「いや何、戦うのはいいだが条件付けさせてくれないか?」「おい!龍牙!」「今は引っ込んでろ」ドスッ「ふむ....内容を教えて貰ってもよろしいか?」
「はぁ...まずひとつは参加の任意化させること。こっちは戦いなんぞとは無縁の暮らしだったもんでね。もちろんそっちから参加を促すなんなりしてもらっても構わない。」「ふむ、まぁ良いでしょう」
「んじゃ次だ。2つ目は宿泊や飯の準備をして貰いたいんだが...」
「そちらは元よりこちらも用意するつもりです。」「ならこの話は終わりだ」(下手に突っ込んでもええことないしな。まだ反意買うには早すぎるしな...にしても)
正義感の強い光輝が人間族の悲劇を語られた時の反応は実に分かりやすかった。その後は、ことさら魔人族の冷酷非情さ、残酷さを強調するように話していた。おそらく、イシュタルは見抜いていたのだろう。この集団の中で誰が一番影響力を持っているのか。
世界的宗教のトップなら然なのだろうが、油断ならない人物だと。
「警戒しておくことに越したことはない...か....」
a few hours later...
あれから時間経ち夜。
(あれから魔法で聖堂から降りて王宮でパーティーやって部屋振り分けられたがハジメが同室だ良かったわ。全く関わりないと大変なんだよなぁあ....)
色々と試さないといけんことが山積みになってもうた...ハァ...術式使えるか確認しとかないと。
to be continued...
はい、ありふれ×呪術廻戦です。呪術要素ほぼ皆無ですけどね。
こっち並行してやっていく所存なんでよろしくお願いします。
ではまた次回で。サラダバー
ハジメくんのヒロインから2人引き抜こうとおもってます。ユエちゃんと雫嬢です。
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2人まとめて引き抜き
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ユエのみ
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雫のみ
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どっちもダメ