ありふれた術師で世界最強   作:蛇弟

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ようやくやる気湧いたんで、書きました。
とんでも期間空いちゃいました...取り敢えず本編どうぞ。


希望転じて厄災と化すか

奈落《ハジメ・龍牙side》

「すみません、間違いました。」

「間違いました。じゃないわ!!?」

 

そう言ってそっと扉を閉めようとするハジメ。それを咄嗟に頭をはたくことで止める。

 

「痛え!?何しやがる!」

「イカれてる自覚ある俺でも流石にそこまでせんぞ!?鬼か!!」ア、アノ

「自覚あるのな...あのな、こんな奈落の底の更に底で、明らかに封印されているような奴を解放するわけないだろう?絶対ヤバイって。見たところ封印以外何もないみたいだし....脱出には役立ちそうもない。という訳で...」

「まぁ待て待て、こんな地獄みたいな場所にいる時点でなんならかの力は持ってるやろうし、出る役に立たないとは限らないだろ?それになんか言おうとしてるやからせめて話だけでも聞いてやろうぜ!?そら話せ話せ」

 

そうやってさっさと扉を閉めようとするハジメを抑え、金髪の少女(仮)に話を促す、が一向に話さないのでハジメが痺れを切らし再び俺を引き連れ扉を閉めようとすると

 

「はぁ...話さないなら行くぞ、龍牙。」

「ちょ!?ん〜まぁ、このままだと話し出しそうにねぇしな。しゃーないか...」

「...!?ちがう!ケホッ...私、悪くない!.....私、裏切られただけ!

 

知らんとばかりに扉を閉めていき、もうわずかで完全に閉じるという時、龍牙はほんの少しだけ目を見開き、ハジメは歯噛みした。もう少し早く閉めていれば聞かずに済んだのにと。

 

もう僅かしか開いていない扉。

しかし、少女の叫びに、閉じられていく扉は止まった。ほんの僅かな光だけが細く暗い部屋に差し込む。

十秒、二十秒と過ぎ、やがて扉は再び開いた。そこには、苦虫を百匹くらい噛み潰した表情のハジメと少し、ほんの少しだけ顔が険しい龍牙が扉を全開にして立っていた。

 

龍牙の予想としてはちょっとめんどくさい力とかそれを理由にここにいるとか思っていたが、裏切られたという言葉が出てくると微塵も思わなかった訳では無いが少し驚いていた。

龍牙が自身高専時代のある任務中に得たものによって上の腐ったミカン共に目をつけられ2級、3級の任務と偽って準1級、1級挙句の果てには特級まで課せられたことがあるため、ほとんど文句も言っていなかったがこれをある種の裏切り行為と捉えていた為、内心少し気分が悪くなっている。

 

(それはそれとしてこの子、顔良いな...やっぱ異世界補正か?)

 

前言撤回、こいつ気分悪くする所良くなっている。

その横で、ハジメは色々考えているのだろう、ため息を付いている。

頭を掻いているハジメの横を歩きながら少女の前まで歩いていく。

(まぁ、油断はしない。いくら可愛いからだとはいえ敵対するなら...殺す)

 

「とりま、話な。どうするかはそれ次第だ。まず、裏切られたと言ったがそれがここにいる理由にはならん。なんでここにいるか、そこから話しな。」

 

2人が戻って来たことに半ば呆然としている少女。

ジッと、豊かだが薄汚れた金髪の間から除く紅眼で話し掛けてきた龍牙を見つめる。そうやって話さない少女に

 

「話さないならもう出るぞ〜?」

「!!まって!」

 

踵を返しそうになる。それに、ハッと我を取り戻し、女の子は慌てて封印された理由を語り始めた。

 

「私、先祖返りの吸血鬼.....すごい力持ってる....だから国の皆のために頑張った。でも...ある日....家臣の皆...お前はもう必要ないって...おじ様...これからは自分が王だって...私....それでもよかった...でも、私、すごい力あるから危険だって....殺せないから....封印するって.....それで、ここに...」

 

枯れた喉で必死にポツリポツリと語る女の子。話を聞きながら2人は呻いた。なんとまぁ波乱万丈な境遇か。しかし、ところどころ気になるワードがあるので、湧き上がるなんとも言えない複雑な気持ちを抑えながら、ハジメは尋ねた。

 

「お前、どっかの国の王族だったのか?」

「......」コクコク

「殺せないってなんだ?」

「...勝手に治る。怪我しても直ぐ治る。首落とされてもその内に治る」

「.......そ、そいつは凄まじいな。......すごい力ってそれか?」

「これもだけど....魔力、直接操れる....陣もいらない」

「ほ〜なるほどねぇ...」

(通りで封印される訳だ。そら、疎まれるわな。要は老化もしないってことだろうしな、見た目がこれなら。力もあっていつまで経っても自分に王位が回らないってことだからな...)

龍牙は内心納得した。

ハジメも魔物を喰ってから、魔力操作が使えるようになった。身体強化に関しては詠唱も魔法陣も必要ない。他の錬成などに関しても詠唱は不要だ。

 

ただ、ハジメの場合、魔法適性がゼロなので魔力を直接操れても巨大な魔法陣は然必要となり、碌に魔法が使えないことに変わりはない。

だが、この女の子のように魔法適性があれば反則的な力を発揮できるのだろう。

 

何せ、周りがチンタラと詠唱やら魔法陣やら準備している間にバカスカ魔法を撃てるのだから、正直、勝負にならない。

しかも、不死身。おそらく絶対的なものではないだろうが、それでも勇者すら凌駕しそうなチートである。

 

ん?龍牙?こいつは別格、比較対象にしちゃいけない。条件付きで時間が掛かるとはいえ五条、宿儺たち天井組と渡り合えるだけのポテンシャルと才能はあるから。五条たちいなかったらこいつが現代最強にはな、おっと脱線した。話を戻そう。

 

「....たすけて....」

ハジメが一人で思索に耽り一人で納得しているのをジッと眺めながら、ポツリと女の子が懇願する。

「.....」

ハジメはジッと女の子を見た。女の子もジッと2人を見つめる。どれくらい見つめ合っていたのか.....

やがてハジメはガリガリと頭を掻き溜息を吐きながら、女の子を捕える立方体に手を置こうとすると

 

「ちょい待ってハジメ。」

「あ?なんだよ」

「ちょいと試したいことがあるから俺にやらせろ」

「あ〜...まぁ、良いが怪我すんなよ」

「誰がするか」

(まぁ、本音はこいつにやらせるとフラグが立ちそうだからなんだよなぁ...そうなるといざ白崎嬢たちと再会する時、お嬢が怖え...まぁ、試したいことがあるのはほんとだが)

「さぁ〜て、やるか...九条の光、愚者の嘆き、敗者の呻き、無常の響き....模造呪法『真贋模造』『贋』『天の逆鉾』...お、でけた。さっすが俺」

 

(あ〜俺がやったことを読者に説明するとだな、やったことは至ってシンプル。普段、術式を模倣をしてるのを呪具に当てはめただけ。ただ、時間制限あり、脳に負担が掛かるや呪力消費が激しい訳じゃなく単純に内側で作ってるのは呪力が霧散しないんだけど、外に出してると霧散しちまうんだよね。例に出すとしたらガス....かな?貯めてる分には良いが外に出すと散ってしまうだろ?まぁ、そんな感じだと思ってくれ。あ、制限は3分とかその辺、まぁ、術式ないやつは20分とか持つんだけどね。)

 

そうやって説明しながら模造した逆鉾を立方体に構える。

女の子がその意味に気がついたのか大きく目を見開く。

 

「一応言っとくが動くなよ〜、もし顔にでも刺さったら後味悪いからな。それじゃ行くぞー、せーの!」ガチィ!

 

そうやって逆鉾が鈍い音を立てながら突き刺さる。

何らかの術が組み込まれてこの状態になっているなら逆鉾の刀身に触れた発動中の術式を強制解除させる効果を呪術とは違うが適応できるはずと検討を付け、行ったがその検討は当たっていたが想定ではドロドロになるか弾き出されるか想定したがその予想を破るかのように突き刺さった逆鉾が弾き出され掛け、崩れるどころか元に戻ろうと反発する。

 

「はぁ!?逆鉾に抗うってどんなとんでもだよ!?チィ!大人しく解かれてろぉ!!」ググッ

 

そうやって押し返し押し付けていると抵抗がなくなり、溶けるように流れ落ち、少女の枷を解いて行った。

それなりに膨らんだ胸部が露わになり、次いで腰、両腕、太ももと彼女を包んでいた立方体が流れ出す。

一糸纏わぬ彼女の裸体はやせ衰えていたが、それでもどこか神性を感じさせるほど美しかった。

そのまま、体の全てが解き放たれ、女の子は地面にペタリと女の子座りで座り込んだ。どうやら立ち上がる力がないらしい。

 

「フー...法則が違うから抵抗されるとは思っていたがまさか押し返されかけるとは...(それなりに呪力使ったな...抵抗が強くて危うく霧散しかけたからな。維持に微量とは追加流したから回復しとくか...)ハジメ〜水くれ〜」

「あぁ、分かった。あと、さっきの短刀出した魔法について説明頼むぞ?」

「サンキュー、あ〜せんとダメかぁ?」

「嫌ならいいが」「良いぞーお前ならね〜」

 

そうやって使った呪力をもらった神水で回復しようと口に付けようとすると、弱々しく、力のない手で女の子がギュッと握った。小さくて、ふるふると震えている。

 

「ん?どした?」

「...ありがとう」

 

突然握られたため警戒しつつ、そう問うと顔は無表情だが、その奥にある紅眼には彼女の気持ちが溢れんばかりに宿っていた。

そして、震える声で小さく、しかしはっきりと女の子は告げた。

その言葉を送られた時、久しく感じていなかった感情を感じた。

(ハハッ...こんな言葉一つで喜ぶような人間だっけなぁ、俺。呪術師なってからそういうのどうでも良くなってたが、どうも心地良いな...うん、悪くない。)

 

繋がった手はギュッと握られたままだ。いったいどれだけの間、ここにいたのだろうか。少なくとも龍牙の学んだ知識にある吸血鬼族は数百年前に滅んだはずだ。この世界の歴史を学んでいる時にそう記載されていたと記憶している。

 

話している間も彼女の表情は動かなかった。それはつまり、声の出し方、表情の出し方を忘れるほど長い間、たった一人、この暗闇で孤独な時間を過ごしたということだ。

 

しかも、話しぶりからして頼していた相手に裏切られて。よく発狂しなかったものである。もしかすると先ほど言っていた自動再生的な力のせいかもしれない。だとすれば、それは逆に拷問だっただろう。狂うことすら許されなかったということなのだから

 

「神水を飲めるのはもう少し後だな」と軽く笑い、腕に軽く力を入れ握り返す。女の子はそれにピクンと反応すると、再びギュギュと握り返してきた。

 

「・・・・・・名前、なに?」

 

女の子が囁くような声で2人に尋ねる。そういえば仕方ないとはいえお互いに名乗ってなかったとハジメと顔を見合せ苦笑いしながら二人で答え、女の子にも聞き返した。

 

「紅神龍牙。よろしく」

「ハジメ、南雲ハジメだ。そっちは?」

 

女の子は「リュウガ、リュウガ...」と、さも大事なものを内に対み込むように繰り返し呟いた。そして、問われた名前を答えようとして、思い直したように2人にどちらかと言うと龍牙にお願いした。

 

「...名前、付けて」

「ンン?名前あるんだろ?」

「まさか、忘れたとか言わねぇだろうな?」

 

長い間幽閉されていたのならあり得ると聞いてみるハジメだったが、女の子はふるふると首を振る。

 

「もう、前の名前はいらない。2人が...リュウガが付けた名前がいい」

「...はぁ、そうは言ってもなぁ....」

 

おそらく、ハジメが、変心したハジメになったのと同じような理由だろう。前の自分を捨てて新しい自分と価値観で生きる。

ハジメは痛みと恐怖、飢餓感の中で半ば強制的に変わったが、この女の子は自分の意志で変わりたいらしい。その一歩が新しい名前なのだろう。

女の子は期待するような目で2人を見る。

2人して唸るなり頬を掻くと少し考える素振りを見せると、仕方ないと言うように新しい名前を言い合う。

 

「ハジメ、そっちなんかあるか。俺、ありきたりのしか思いつかんわ。」

「ん、あるにはある。"ユエ、なんてどうだ?ネーミングセンスないから気に入らないなら別のを考えるが...」

「ユエ?ユエ...ユエ....」

「ああ、ユエって言うのはな、俺達の故郷で"月、を表すんだよ。最初、この部屋に入ったとき、お前のその金色の髪とか紅い眼が夜に浮かぶ月みたいに見えたんでな...どうだ?」

「オー、流石オタク。博識やな」

「やかましい、アホ」バシッ アダッ!?

 

思いのほかきちんとした理由があることに驚いたのか、女の子がパチパチと瞬きする。そして、相変わらず無表情ではあるが、どことなく嬉しそうに瞳を輝かせた。その裏で龍牙が揶揄うと頭を結構強めに叩かれる。

 

「....ん、今日からユエ。2人ともありがとう」

「「おう」」

「とりあえず、あれだな。うん」

「あぁ、そうだな...」

「?」

 

礼を言う女の子改めユエは握っていた手を解き、着ていた外套を脱ぎ出す

2人を見て首を傾げる。

 

「ハジメ、考えてる事は一緒、ぽいな」

「あぁ、ささっとやるぞ」オウ

 

そう言うと脱いだ外套2つを重ねるもハジメが錬成し、穴が空いていたりボロボロに崩れている箇所を補強して合成していく。それが終わると

 

「これ着とけ。いつまでも素っ裸じゃあなあ」

(´ー`*)ウンウン

「........」

 

そう言われて差し出された服を反射的に受け取りながら自分を見下ろすユエ。確かに、すっぽんぽんだった。

大事な所とか丸見えである。ユエは一瞬で真っ赤になるとハジメの繋ぎ合わせた外套をギュッと抱き寄せ上目遣いでポツリと呟いた。

 

「2人の、リュウガのエッチ」

「「.......」」

 

何を言っても墓穴を掘りそうなのでノーコメントで通す二人を尻目にユエはいそいそと外套を羽織る。。ユエの身長は百四十センチ位しかないのでぶかぶかだ。一生懸命裾を折っている姿が微笑ましい

 

龍牙が神水をその間に飲んで回復する。活力が戻り、脳が回転を始める。そして"気配感知、を使い、目を見開く。それもそう、龍牙にとってはそうでもないがハジメたちにとってはとんでもない気配を持つ魔物がすぐ側に居るのに気づいた。それも自分達の真上にだ。

 

「ハジメッ!!真上だ!!!」

「ッ!!」

 

咄嗟に龍牙が近くにいたユエを片手で抱え、二人、ハジメは全力で縮地を使い一瞬でその場を移動する。

移動した龍牙たちが後ろを振り返ると直前までいた場所にズドンッと地響きを立てながらソレが姿を現した。

 

その魔物は体長五メートル程、四本の長い腕に巨大なハサミを持ち、八本の足をわしゃわしゃと動かしている。そして二本の尻尾の先端には鋭い針がついていた。

一番分かりやすいたとえをするならサソリだろう。二本の尻尾は持ちと考えた方が賢明だ。明らかに今までの魔物とは一線を画した強者の気配を感じる。自然とハジメの額に汗が流れる。等級で言えば1級の上の上、もしくは特級に入るか入らないかぐらいだろうと予想。

 

(気配に関しては一切手を抜かず探ってた。なのにこいつ急に現れやがった。そういうスキルか?だとしても変だ。どんなに隠しても魔力の気配や残滓は隠せない。なのにユエの封印が解かれる時まで一切感じなかった。解いた後に出てきたことを推定するとこいつはユエを逃さないための最後の仕掛け...ってところか?)

 

腕の中のユエをチラリと見る。彼女は、サソリモドキになど目もくれず一心に龍牙を見ていた。凪いだ水面のように静かな、覚悟を決めた瞳。その瞳が何よりも雄弁に彼女の意思を伝えていた。ユエは自分の運命を2人に、龍牙に委ねたのだ。

 

その瞳を見た瞬間、思わず龍牙の顔に笑みが浮かぶ。

仲間に、家族に裏切られて尚、人を信じようとするユエに少し驚きを隠せないでいる。そしてそれでも尚この少女が、今一度、その身を託すというのだ。これに答えられなければ男が廃る。

 

「ハハッ!!おもしれぇ!やってやる....ハジメ!」

「おう、分かってる!」

 

龍牙がユエを肩に担ぎ直すとハジメが近づき、口に神水を突っ込む。

 

「うむっ!?」

 

試験管型の容器から神水がユエの体内に流れ込む。ユエは異物を口に突っ込まれて涙目になっているが、衰え切った体に活力が戻ってくる感覚に驚いたように目を見開いた。

 

ユエが飲み切るのを確認すると片手で背中に背負う。衰弱しきった今の彼女は正直足でまといだが、置いていけば先に始末されかねない。できると言えばできるが流石に守りながらサソリモドキと戦うのは勘弁だ。

 

「しっかり掴まってる! ユエ!」

 

全開には程遠いが、手足に力が戻ってきたユエはギュっと龍牙の背中にしがみついた。

ギチギチと音を立てながらにじり寄ってくるサソリモドキ。龍牙は背中にユエを感じつつ、不敵な笑みを浮かべながら二人で宜言した。

 

「邪魔するってんなら....殺して喰ってやる」

「俺をテメェごときに殺れると思ってんならその思い上がり、叩き潰してやらぁ!」

 

to be continued....




はい、皆さんお久しぶりです。蛇弟です
最終投稿から何ヶ月空いたんですかねぇ...やる気なかったのはあるんですけどどうにも書く気が湧かなかったんですねぇ...はい。
ゲームに夢中になってたってのもあるんですけどねぇ?
という訳で、もし良ければこの駄作読んでくださいな。
ではまた次回、サラダバー

ハジメくんのヒロインから2人引き抜こうとおもってます。ユエちゃんと雫嬢です。

  • 2人まとめて引き抜き
  • ユエのみ
  • 雫のみ
  • どっちもダメ
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