ハイスクール・フリート〜風の中の希望〜   作:翔鉄

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さて主は公立高校受験が終わりました。まぁ正確には結果が出たということですけれども......(結果は残念ながら不合格)そんな私事は置いておいてもう2月も最終日、最近主は色々やっていなかったことを一気にやっています。もう年度終わりまで1ヶ月、皆さんはやり残したことありますか?

というわけで第9話、スタートです


#9 武蔵と晴風、そしてモンタナと薩摩

「お久しぶりですね。明乃艦長、そして改めましてお久しぶりですユウカ艦長、いえ、深町優花艦長」

 

「「!?」」

 

その瞬間に明乃、ユウカの動きが固まる

 

「倉本...倉本......倉本.........あ!?」

 

「ミケちゃんなんか分かったの?」

 

「艦長なにか分かったんですか?」

 

しきりに名前をなぞっていた明乃が声を上げる

 

「ユカ姐ちゃん!ほらあれだよ!ユカ姐ちゃんがアメリカに行く数日前に食べたモツ鍋を持ってきてくれた人!」

 

「あー!!倉本さんってあのときの!お久しぶりです!!!」

 

この会話にましろは更に頭が混乱し、ポカーンとしている

 

「っと...これ以上昔話をすると晴風の皆を困惑させてしまうな。明乃艦長、どこか話を聞くのにいい場所はないかい?」

 

「それなら食堂でどうだろう?今ならもうみんな食べ終わっているだろうし...」

 

「それじゃあ行こうか。陽炎型は乗ったこと無いから案内よろしく」

 

「わかりました!」

 

明乃を先頭に歩き出す。そして食堂についた明乃たちは美甘から麦茶をもらい、事の顛末をボイスレコーダーで録音しながら聞いていた

 

「ほーか...そりゃ大変やったな」

 

「本当に。お疲れ様よ...」

 

結城とユウカが次々に呟く。それもそのはず2人ともここまでひどいとは微塵も思っていなかったのだ。ズズズッと結城がお茶を啜り、一息つく

 

「そーね、シュペーの乗員にも聞きたいことばあるけん、医務室に行こか!」

 

安定の博多弁で結城が言う。そして明乃の案内で医務室へと移動する。その道中、3人は昔のことを話していた

 

「もうあれから何年経ったんだっけ?」

 

明乃が最初に質問する

 

「「もう9年前だね(たい)」」

 

「そっかぁ...もう9年かぁ」

 

「うちもあの時は海洋大学生だったけど今は海軍で艦長だからねぇ...思えば3人が艦長とは驚きだな...」

 

「もかちゃんも同じ学校だよ!」

 

「もえかさんもか。ちなみに艦は?」

 

「武蔵!」

 

「もかちゃんらしいなぁ」

 

こんなふうに他愛もない話が続く。それを見ていたましろは

 

『仲がいいんだなぁ』

 

と思いつつも、倉本ってどこかで聞いたことがあるとずっと考えていたのだった

 

 

「美波さん、様子はどう?」

 

明乃が扉を開けながら美波に質問する

 

「艦長...と誰だ?」

 

「あ、えっとね、ユカね......アメリカの海洋学校所属の直教艦モンタナのユウカ艦長と日本國海軍所属戦艦薩摩艦長の倉本結城中将だよ」

 

美波の質問に明乃が答える

 

「そうか。ドイツ艦の娘だが...外傷は無いし脳波も正常だ。あとは意識が戻るのを待つしか...」

 

そういうと結城も反応する

 

「まだ起きてない...か。明乃艦長、この娘が起きたらまた呼んでほしい」

 

「わかりました」

 

「それじゃあ私は戻ります。ユウカ艦長も送りますよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「では」

 

そういって結城とユウカはタラップのところまで行く。そして内火艇に乗り、先にモンタナへと行く

 

「そうだユウカ艦長、戻ったら真っ先にモンタナクラスの人たちに晴風を護衛したいことを伝えて同意を取ってほしい」

 

「了解です」

 

「そしたらそっちのヘリでこっちまで来て。航行しながらで申し訳ないけれども。そしてこのあとの陣形について話し合おう」

 

「わかりました」

 

そう言うとユウカはモンタナのタラップをあがり、モンタナ艦橋へと向かう。そして結城は内火艇を降り、艦橋へ行くと薩摩艦内放送を初めた

 

「これより本艦は横須賀鎮守府へ帰投する。なお、帰投しながら晴風の護衛を行う。護衛対象は駆逐艦なれど乗員は31名かつ学生である。総員、心してかかるように」

 

そう言うと今度は電信員に命令を出す

 

「第一駆逐隊旗艦島風に伝達、これより本艦は晴風の護衛を行うため、ビーコンを切る。第一駆逐隊は本艦の指揮下を離れ、できる限り早く横須賀に戻り、このことを鎮守府に“直接”連絡してもらいたい。なお、海上安全委員会には絶対に連絡をしないように」

 

「承知致しました。宛第一駆逐隊旗艦島風、発戦艦薩摩...」

 

電信員が島風に連絡をしているとまた別の電信員が報告をあげる

 

「モンタナより通信、『クラス全員の合意が取れたため、本艦も貴艦の任務に同行する。なお本艦はこれより貴艦の指揮下に入る』とのことです」

 

「承知した。よし、晴風にも第一戦速を下令、抜錨せよ」

 


 

─そのころモンタナでは

 

「おかえり、ユウカ」

 

「ただいま、ルナ。悪いけど至急全員を教室に集めて」

 

「分かったわ」

 

そう言うとルナは艦内放送をかける。ユウカも艦橋メンバーと一緒に艦橋を降り、教室へと向かう

 

「...で艦長的にはこれから晴風の護衛をしたいと」

 

「そういうこと。でもこれはもしかしたらみんなに危害が加わるかも知れない。だからみんなには事前に聞いてちゃんと同意を得たいのよ」

 

そう言ってユウカはみんなを見る

 

「上級生が下級生を守るのは基本でしょ?私は賛成よ」

 

ルナがそう話す

 

「これって常時警戒ってことでしょ?腕がなるじゃん」

 

ルイスも話す

 

「わたしも賛成。流石に下級生は見捨てられないよ」

 

カレリアも言う

 

「うーん私は反対かな」

 

その声の主はアリスだった

 

「またどうして?下級生を見捨てるの?」

 

若干怒り気味になりながらルナが即答する

 

「いや。そういうわけじゃない。だけど仮にも反乱艦でしょ?大丈夫なの?」

 

「それは大丈夫。さるしまもシュペーも晴風には“なんの警告も無く”砲撃していたらしいから」

 

「それ信憑性は?」

 

ユウカの返答に更にアリスが質問する

 

「向こうの艦長の目ってのもあるけど...一番大きいのは日本海軍のヘリが捉えた音だね。一方的に“15cm”砲と“28cm”砲の音がなっているだけ。12.7cm砲の音は2回だけ。これが何を意味するか分かる?」

 

教室にいる全員が一瞬で感づく。そう、晴風は自衛で2発のみしか撃ってないことの決定打だったのだ

 

「それならシロってことか。なら私も賛成」

 

「それにアリス、忘れてないと思うけどこの艦はアメリカ船籍...正確には軍籍よ?向こうが撃ったら国際問題になるわ」

 

「そう言われればそうでした。それなら大丈夫そうだな」

 

アリスも承諾し、艦全員も頷く。それをみたユウカは薩摩へと通信をつなぐのであった

 


 

─その後の夕方

 

ビーービーー

 

「ん?通信...?」

 

突如として鳴り響いた通信音。艦橋に居た結城はすぐに受話器を取り耳に当てる。この音はもれなく他艦にも繋がっていた

 

『こちら武蔵...!こちら武蔵...!非常事態発生...!至急救援を!現在、アスンシオン島北西、アスンシオン島北西、至急救援を!至急救援を...!!』

 

どこか聞いたことある声ながらもうまく思い出せない。しかし結城はそれどころではなかった

 

「...非常通信回線......!?武蔵!?」

 

「兄上?今なんと...?」

 

「柚希、これはまずいことになった。武蔵からの非常通信回線や...少し晴風に行ってくる。整備班も一緒に連れて行く。とりあえず内火艇を出してくれ。柚希はモンタナ艦長に連絡して晴風に呼び寄せておいてくれ」

 

「は、はい!わかりました!」

 

結城の表情から余裕がなくなっていることを察した柚希はすぐに電信員へと指示を飛ばす

 

「モンタナへ打電、モンタナ艦長は至急晴風に来られたし」

 

 

─そして晴風

 

「明乃艦長、まずいことになってきたな」

 

急遽晴風に来た結城とユウカ、そして晴風の艦橋メンバーと話す

 

「ミケちゃん、一つ聞きたいんだけど、あの武蔵からの声って...」

 

「ユカ姐ちゃんあってる。もかちゃんの声」

 

「つまり武蔵にも異変か...そういえばさっきビーコンを切る前に調べたがもえかさんは武蔵艦長やったんやな」

 

「え!?」

 

ユウカの驚きの声が溢れる。確かにもえからしいとは思ったが、まさか艦長にまでなっているとは思わなかったのだ

 

「つまりもえか艦長はもえか艦長で自艦に異変が発生したということ。まあ明乃艦長なら助けに行きたいと思ってるんやろうけど」

 

「!?」

 

自分の心の中を見透かされた明乃は驚く

 

「さすがに行ったらあかんけんな」

 

そういって結城も話すのをやめる

 

パー、パパパパパパパパー

 

外では日没を見て国旗降納の時間を知らせるラッパが響いていた

 


 

「武田さーん、主砲の状況はどうですか?」

 

幸子が第一主砲の近くにいた砲術員の武田美千留に声をかける

 

「見ての通り点検中、海軍の人も手伝ってくれて入るけど大部分が自動化されているから点検が大変だよ〜。どう〜ヒカリ〜?」

 

「まだなんかぐずってるんだよね〜この子」

 

頭に懐中電灯を付けた光が答える

 

「あとどれぐらいかかりますか〜」

 

「日没までにはなんとかする予定です」

 

主砲内からでてきた海軍の砲術員が声を上げる

 

「よろしくお願いします〜」

 

その声に答えるように幸子も答えていた

 

 

「損傷の確認できました」

 

艦橋に戻ってきた幸子はタブレットを見ながら話す

 

「状況は?」

 

舵を握りながらましろが質問をする

 

「現在、機関修理中、三番主砲使用不能、魚雷残弾無し、爆雷残弾一発、戦術航法装置並びに水上レーダー損傷、通信は受信のみできますが...」

 

「満身創痍に近い状況じゃないかよ...よくこの状態で安定航行できるな」

 

「本当にそうですよ...ミケちゃんの運もあるのかなぁ...」

 

幸子の報告に結城やユウカは感心の声を上げる

 

「航行に必要なところの修理最優先でどれぐらいかかる?」

 

「機関だけならあと6時間ほどかと。海軍方の応援もありますし...」

 

「まずはそこからだな...機関長!動きながらで大丈夫か!?」

 

ましろが機関室へと質問する

 

「なんとかする!でも巡航以上は出せねぇぜ!」

 

「分かった!巡航で学校に戻る最短コースでいいですね?艦長...艦長...?艦長!!」

 

「え?シロちゃんなに?」

 

ましろに怒鳴られた明乃ははっと我に返って返す

 

「それじゃあうちらは戻るね。しっかりな!」

 

そう言うと結城とユウカは戻っていった

 


 

─その夜

 

「ん?海上安全委員会...」

 

鼻歌を歌っていた晴風電信員の八木鶫は通信が来たことを確認するとオセロゲームを閉じてメモを開いた

 

「八木さんが緊急電を傍受したそうです!」

 

「どこから!?」「どこからだ!?」

 

明乃とましろはほぼ同時に返す

 

「海上安全委員会の広域通信ですね...」

 

「広域通信...?どれどれ...現在、横須賀女子海洋学校の艦艇が逸脱行為をしており、同校すべての艦艇の機構を一切認めないよう通達する...また、以下の艦は抵抗するなら撃沈しても構わない...航洋艦晴風!?」

 

「げ、げき...」

 

「撃つのは好きだけど....撃たれるのはいや〜!」




だんだん文量が安定してきたかなと思う今日この頃。アニメではやっと2話終わったあたり。まぁ少し漫画版も含めながら進めてるので進むペースは遅くなりますね...

今回も呼んでいただきありがとうございました。多分このままいくとアニメ本編だけで100話いく可能性ありますね(コレハマズイ)
なんとかならないものかなぁ......

長くなりましたが第9話、読んでいただきありがとうございました

追記:ラッパの音ってどう表現するんでしょう?

次回、第10話、海の中からピンチ!(仮)

会話文の前後の行間の空け方はこれで大丈夫か

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