ハイスクール・フリート〜風の中の希望〜   作:翔鉄

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もう3月も1週間が経ちました。今年卒業の方もいると思います。他の人との思い出をしっかり残してくださいね


というわけで第10話、どうぞ


#10 雷撃でピンチ!

「晴風撃沈許可だと!?」

 

艦橋では結城の怒号が飛んでいた。無論、その他のメンバーも怒りを隠せない様子だった

 

「学生艦を撃沈...?しかも事実確認無し...流石に...許せない...!!」

 

拳をしっかりと握り、今にも殴ろうと思っているような気迫をだす夏美。いつもなら結城も怒るところだが今回ばかりはそうもいかなかった

 

「あの委員会の無能どもが...確たる証拠も集めず撃沈許可?笑わせにくるにも程がある!」

 

柚希も珍しく怒りをあらわにする。薩摩艦橋では委員会にどういった目をあわせてやろうかと皆で考えていた

 


 

─一方その頃モンタナでは

 

「日本の委員会は何を考えているんだ!?」

 

こちらでもまた、ユウカの怒号が響く。CICにいた電信員からの緊急電と聞き、他のクラスメイトも集まっている中、皆が顔に怒りを露わにする

 

「嘘だろ...?」

 

「日本人は自国民を証拠なしに殺すのか!?」

 

ルナやアリスが真っ先に声をあげる。新入生の乗る艦にろくな証拠集めもせずに兵糧攻めをし、さらには撃沈許可を出す。どうやら日本(ここ)の海上安全委員会は相当なバカの集まりらしい。さすがにこんな命令はすぐさま撤回するべきと思うほか無かった

 

「艦長、どうする?」

 

ルナが聞いてくる

 

「どうするも何も決まっているでしょ?アメリカ方面に連れて行ってでも彼女らを守るわ」

 

ユウカははっきりと答える。しかし、その後に続けて

 

「まあでもそれをしなくても倉本艦長がやってくれるんじゃないかしら?横須賀鎮守府か呉鎮守府にでも引きずって守るでしょ」

 

と言った

 

「確かにそうですね」

 

アリスも納得したように声を出す

 

「しかしねぇ〜向こうの様子は穏やかじゃなさそうだな...」

 

そういうユウカの視線の先のディスプレイには晴風が映っていた...

 


 

─場所は戻り晴風

 

「どこの港にも寄れないってこと?」

 

明乃がふと思った疑問を投げかける

 

「そういうことだな...」

 

「私達完璧にお尋ね者になっているよ〜!!」

 

恐る恐る答えるましろに泣き出す鈴

 

「もしかして、武蔵も同じ状況なのかも...だから非常通信を送ってきたのかも...」

 

先程の武蔵からの通信を思い出した明乃が察するが

 

「こっちと違って簡単に沈むような艦じゃない!」

 

とましろに返されてしまう。それもそのはず、武蔵は戦艦であり、それも世界最強と謳われた大和型だ。たとえブルーマーメイド主力兵器の噴進魚雷で攻撃されたとしても注排水機構と水雷防御で少しの間なら持ちこたえられる。しかし晴風は元はといえば駆逐艦。武蔵よりも圧倒的に攻撃に対して弱く、また、武装がほとんど使い物にならないため反撃もしにくい状態だった

 

「でも、助けを求めていた......だから...」

 

「我々のほうが助けが必要だろう!それに実技演習もしてない私達がどうやって助ける気だ...学校へ戻る方針は帰るべきじゃない。武蔵のことは学校に報告して任せよう」

 

色々決めかねている明乃にましろが叫ぶ。晴風には撃沈許可が降りており、今最もまずいのはどれかは一目瞭然だった

 

「分かった。シロちゃんの言う通り学校へ戻ろう」

 

「うい」

 

少し悩んで明乃が言う。志摩もそれに合わせるように反応する

 

「じゃあ私が艦橋にいるからみんなは休んで」

 

「うい...」

 

「今夜の当直は私とリンちゃんです」

 

当直スケジュールを無視して艦橋に残ろうとする明乃に他のメンバーは呆れた反応をする

 

「正しい指揮をするには休むのも重要だ」

 

ましろも同意して話す

 

「私は大丈夫だから...」

 

「いいから休んでください!!」

 

「う、うん。分かったよシロちゃん...」

 

すごい剣幕でよってきたましろに後ろ図去りながら明乃が言う。そして明乃はしょんぼりしながら艦長室へと向かい、そして今までの疲れからかすぅっと眠ってしまったのだった

 


 

「ん?なんで明かりがついてるんだ?」

 

当直で艦橋に居た結城は晴風の艦橋が明かりを付けたままになっていることに疑問を持った

 

「晴風へ発光信号。航海灯と艦橋照明を落とすようにと」

 

「はい」

 

夏美が反応し、晴風へ発光信号を送る。そして晴風では

 

「薩摩から発光信号ですね」

 

「なんだろう?」

 

幸子と鈴が反応していた

 

「ええっと...照明を落とせ?航海灯も?」

 

「なんでだろう...でも海軍さんの言う事なら重要なことだよね」

 

そう言うと艦橋照明や航海灯の電気を切った

 

「うわっ暗い!!」

 

鈴が怖がったように言うが

 

「大丈夫ですよ。すぐに常夜灯がつきます」

 

幸子の言葉通りすぐあとに電気が赤色へと変わりつく。そんなこんなもありながら晴風、薩摩、モンタナの3隻は横須賀へと向かって航行するのだった

 


 

ブーー

 

「艦長、水測の万里小路さんがなにか海中で変な音がするって...艦長、艦長!」

 

その言葉で明乃は飛び起きた。そしてすぐに

 

「配置に付け!」

 

と号令を飛ばす。その直後艦内にはラッパの音が響いていた

 

「ココちゃん、報告して!」

 

階段を駆け上がって艦橋に入った明乃はすぐに幸子に何があったのかを聞く

 

「ええっと方位三〇に2軸の推進機音、感二、現在、音紋照合中です」

 

「水上目標が居ないってことは潜水艦!?」

 

「ふあぁ〜...どーしたのこんなじかんに〜」

 

芽衣があくびをしながら志摩と共に艦橋へと上がってくる。そしてまた別の歩く音がし、その方向を向くとましろが居た

 

「シロちゃんそれ!」

 

「何やってんですか...」

 

明乃と幸子がそれぞれ別の反応をする。その腕に抱えられていたものとは...

 

「う...うぁっ...こ、これはその...///見るな!!」

 

ましろの腕には鮫のぬいぐるみが抱えられていた。ましろは恥ずかしさのあまりそれを投げ捨て頬を赤く染める

 

『主砲、配置よし!』

 

『機関はまだ修理中!巡航以上は出せねぇぜ!』

 

『見張り異常なし!なにも見えませんがね』

 

「か、各部配置につきました」

 

まだ頬を赤く染めているましろが言う。その時

 

『音紋照合致しました。東舞校所属艦、伊201ですわ』

 


 

─その頃薩摩では

 

『水測室より艦橋へ』

 

「こちら艦橋、どうした?」

 

『海中より推進音。艦二。現在音紋照合中』

 

「了解」

 

潜水艦か?ならまずいな

 

「総員戦闘配置。艦内ベルならせ」

 

ジリリリリ!!!

 

艦内ベルがけたたましく鳴り響き、艦内が少し騒がしくなる

 

「兄上!」

 

柚希も艦橋へと飛び込んでくる

 

「対潜戦闘用意。海中より推進音だ」

 

その言葉ですぐになにかを察した柚希は表情を変え、帽子を深く被る

 

『音紋照合完了。東舞校所属潜水直接教育艦伊201です』

 

「東舞校...か」

 

「それって...」

 

「ああ。うちの出身校や」

 

柚希が言い終わる前に結城が返す

 

「まさか後輩とはなぁ」

 

「だとしても兄上、その顔はやる気の顔なんでやめてください」

 

どうしようか考えてるだけなのに柚希にそう言われる。ということはつまり今の自分の顔は戦時や演習時の顔と同じということ......かなりまずい

 

「やっといつもの顔に戻りました」

 

呆れた様子で言われる。なんでや。そんな戦時とか演習時の顔ってやばいんか......そんな事を思いながら対策を練る。うーん......とりあえず相手の動向探るか

 

「ヘリコプター発艦準備!」

 

そう言うと後部甲板は騒がしくなるのだった

 


 

─モンタナ艦橋

「艦長、聴音より連絡、海中より推進音、現在音紋照合中とのことです」

 

推進音、つまりは潜水艦。当直をしていたユウカは即座に指示を飛ばす

 

「対潜戦闘よーい!ブザーならせ!」

 

ブーブーブー

 

艦内通路の電灯が赤色へと変わり、外では乗組員(クラスメイト)が走り回っているのが足音から分かる

 

「聴音室より続報、音紋照合の結果、東舞鶴男子海洋学校所属潜水直接教育艦、伊201と判明」

 

伊201、それは潜高大型とも呼ばれる帝國海軍時代の日本が開発した傑作潜水艦であり、艦形は水上航行に適した形であるのに水中速力にも優れているとか言うアメリカからすれば意味が分からない潜水艦なのだ。そんな艦であるから勿論警戒する

 

「相手は学生とは言え潜水艦としては信じられない高性能艦だ.........心してかかるように」

 

そう言って気を引き締める。その時聴音員が声を上げた

 

「晴風よりアクティブソナー発信を確認!」

 


 

「東舞校?」

 

「男子校ですね〜」

 

芽衣が聞き慣れない学校名に疑問を持ち、それに幸子が答える

 

「へぇ〜男子校なんだ〜」

 

「潜水艦は全部男子校ですもんね〜でも狭くて暑くて臭くて...」

 

「わ、私には無理〜」

 

航海科の3人─まゆみ、秀子、鈴は口々に言い出す

 

「絶対に追手だよ!撃っちゃお!」

 

トリガーハッピーと考えられなくもない芽衣が明乃へ迫る

 

「ココちゃん、伊201と通信できないかな?」

 

「普通の電波は海水で減衰するので使えませんね...」

 

確認を取りたいと思ったのか、それとも攻撃の意思がないことを伝えようと思ったのか、どちらにせよ連絡を取りたい明乃は幸子へと聞く

 

「じゃあ普段通信はどうしてるの?」

 

「潜水艦だからっていつも潜っているわけじゃない!」

 

明乃が何も知らなすぎる影響か、ましろが目を丸くしながら突っ込む。それもそのはず伊201は高性能といえど史実でいう第二次世界大戦頃の艦。現代の潜水艦みたいに昼夜潜航ではなく戦闘時潜航が基本のようなものだったのだ

 

「そうだよね〜時々は海上の様子見ないと怖いよ〜」

 

鈴が言う。でもそうではないと思う(ましろ談)潜水艦には潜望鏡があるから外の様子は見れるしね......どちらかといえば空気の入れ替えやバッテリー充電が目的だったりする

 

「シロちゃん、潜っているときは向こうも外の様子をソナーで探っているんだよね?」

 

「当然だ」

 

「じゃあこっちからアクティブソナーをモールスのかわりに使ったら?」

 

『恐らく可能と存じ上げますが......』

 

「そんなことしたら攻撃したと思われる!」

 

「ソナーでも何でもいいから撃っちゃえ!」

 

「馬鹿なこと言うな!」

 

やはりトリガーハッピーなところがある芽衣はとりあえずこの状況を早く打破したいのか急かす

 

「万里小路さん、所属と艦名、戦闘の意思は無いことを伝えて!」

 

「委細、承りました...!」

 


 

『艦長!晴風よりアクティブソナー発信を現認!!』




今回もお読みいただきありがとうございました。残り少ない今年度、しっかり思い出を残せるよう楽しみましょう!


次回、第11話、対潜戦闘よーい!(仮)
明日へ向けて、ヨーソロー!!

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