学生の皆さん、御進学、御進級おめでとうございます
それでは第14話、どうぞ
追記:間違えて中途半端なところに投稿してました。修正しておりますのでご安心ください
「貴方達、晴風の乗員ね」
「「「うぇ!?」」」
真ん中に立つ制服を着た女性が声を上げる
「戦略的撤退〜!」
「待って!みんな〜!!」
晴風メンバーが逃げる中、逃げ遅れる明乃
「待ちなさい!」
逃がしてたまるかとすぐに3人の制服を着た女性─ブルマー隊員が追いかける
「うわぁ!」
「大丈夫!?うわぁ!?」
すれ違う時に避けた反動で少年がコケる。そして明乃が屈んで質問するがすぐに追いついてきたブルマー隊員に取り押さえられる
パーン!
どこからか銃声がし、ブルマー隊員含めその場に居合わせた人の一瞬動きが止まる。その一瞬を逃さず薩摩の主計兵が明乃を救出する
「無駄な抵抗は辞めなさい!」
ブルマー隊員の1人がスタンガンを構えて言う
「そちらも少しは話す相手考えてよね」
柚希がそう言い薩摩の主計兵やモンタナメンバーが拳銃を構える
「しかし晴風に危害を加えようとするならば─」
「おっと申し遅れましたね。私はこういうものでしてよ」
刀を差して上着を着たかと思えばその肩の階級章に嫌でも目がいく
「……!?し、失礼いたしました!少将殿!?わ、私、ブルーマーメイド安全監督室情報調査隊部長の平賀倫子二等監察官です。貴方は…倉本柚希少将ですか?」
「いかにも戦艦薩摩副長、日本國海軍少将の倉本柚希です」
その言葉に周りの空気が一変する
「そちらは晴風メンバーを拘束しに来た。違いますか?」
「……違いますね。私どもは安全監督室情報調査室長の宗谷真霜一等保安監督官から晴風の保護を命令されたので」
「そう。ならばこちらが電話してもいいわね。ちょっと失礼。でもその間動かないでね。動いたら撃つから。ルナ副長もそのように。実弾は許可しないけれど」
「は、はい…」
そう言って電話するという言葉にその間を狙っていたブルマー隊員は固まる
プルルル…カチャ
『はい?』
「あ、“真霜艦長”?久しぶりね」
「「「か、艦長!?」」」
開口一番の柚希の言葉にびっくりするブルマー隊員達
『ええ、久しぶりね柚希副長。もう今は艦長じゃないのに…そしてこんな時に電話なんて…海軍で何かあったの?』
「いや。そっちではなくて…今オーシャンモール四国沖店で平賀二等監察官に会ったのよ。んで晴風メンバーを保護しに来たって言われたけれど…本当に?」
声色を少し低めにして電話する柚希
『え、ええ…確かに私が命令したものよ。それよりその話し方少しよしてくれない?やっぱり慣れないしこちらも警戒してしまうわ…』
「わかりましたよ…それじゃあこちらも情報を提供しますね。現在薩摩はアナポリス女子海洋学校所属のモンタナと共に晴風護衛中です。横女からの通達通り、現在晴風は横須賀女子海洋学校へ向け航行中です。あと特記点と言えば…晴風はさるしま、アドミラル・シュペーとの戦闘を行っておりいずれも退避のため攻撃を行ったってことですかね。伊二〇一号潜水直教艦は薩摩が攻撃して強制的に浮上させました」
『わかったわ。安全監督室情報調査室長としてお願いするのだけれど、これから先、横須賀まで晴風の護衛をお願いできるかしら?』
「兄含めもとよりそのつもりですのでご安心を」
『なら良かったわ。あと海軍省から伝言預かってるわ』
「なんですか?」
『横須賀女子海洋学校所属の間宮、明石、舞風、浜風と共に補給艦ときわ並びに第一駆逐隊を派遣した。とのことよ』
「ならすぐに合流できそうですね。ありがとうございます。では失礼します」
『ええ。平賀達のことも頼んだわ』
「わかりました」
ツーツーツー
「確認は取れました。では晴風へ戻りましょうか、平賀二等監察官」
「え、えぇ…」
そう言うと一行は水上バス乗り場へと向かう。薩摩、モンタナの内火艇はもとより晴風のスキッパーも水上バスの乗り場に置いてきているためだ。そして艦の待つ沖合へと進むのであった
ザザーン、ザッパーン!!
「なるほど。して感染したと見られる者は大丈夫なのか?」
日が沈むと共に雲が増え波が強く艦に打ち付ける頃、薩摩艦内では結城が紫の報告を聞いていた
「はい。先ほど瞼を上げて目の色を確認しましたが報告にあった紅色の目はしておらず通常の色でした」
「そうか。他には何か特異点があるか?」
「聞いた話だと暴れ始めた時に混乱した他の者が海水入り水鉄砲で撃ち抜いたらしく…それで落ち着いたとのことです」
昼間に起こった事件──柚希が出ていった直後に駆け込んできた兵士からの伝達で判明した事件。突如甲板で兵士が1人、何の変哲もなく凶変し武器を探し始めたとの報告を聞いて結城は紫に調べさせていたのだった
「当該兵士の血液検査は?」
「すでに済んでいます」
「分かった。これは少し一計を案じることになりそうだぞ…」
報告を全て聞き、腕組みをしながら悩む結城
「まぁ悩んでいても始まらんわな。紫先生はそのまま血液を調べておいてくれ」
「わかりました。あと一つ気になることがありまして」
「なんだ?」
結城の言葉を聞いて紫はバインダーから1枚の資料を取り出す
「先ほどの兵士のポケットに入っていたのですが…ネズミというかハムスターというか。でもまた異なるもので…」
「そうか。では関連性についても調べておいてほしい。うちはこの件に関係あるか知らんけど通信障害について調べないとなぁ…」
「ええ。そしてできれば乗員を皆海水風呂へ入るよう指示しておいてもらえますか?」
「そうだな。海水で消毒…というのか分からないができるのだものな。ではそのように指示を出そう。あとは…紫先生のところから数名お願いできるか?」
「またどうしてです?艦長」
不思議そうな目をして聞く紫
「艦内を丸ごと消毒しようと思ってな。水をミスト状
にできる機械に海水を入れてそれを艦内に撒こうかと。まぁこれに関しては衛生に詳しい者にやってもらうのがいいと思ってな」
そう聞くと納得した表情になる紫
「わかったわ。ではそのように指示しておきます。では艦長もなるべく早く海水風呂に入ってくださいね」
「ああ」
そう言うと結城は医務室を離れ艦橋へと向かう。そして艦橋に着くと艦内放送を入れた
『総員に告ぐ。空いている者より順次海水風呂への入浴を命ずる。できれば総員が本日中に入浴完了できるようなるべく早く入ってくれ。以上!』
その言葉に「なぜだろう?」という顔をしている兵士が多かったのはまた別のお話……
─結城が新たな異変に頭を悩ませている頃晴風にて…
「そろそろ艦長が戻ってくる時間だよね…?」
水雷方位盤の近くに立つ芽依が疑問をこぼす
「ここで合流にしたんですけどね〜……」
反対側で海を見ていた幸子もつぶやく
「艦長はまだか!」
ましろが少し怒りながら艦橋へと入る
「まだ見たいですね…」
「なに呑気に買い物してるんだ……」
そう不満をこぼすましろ。そこに
「ヌ」
と声がする。振り返るとそこには1匹の猫─五十六が居た
「ひぃっ!?」
とっさにましろは距離をとる。しかしながらもその口元をよく見ると1匹の小動物を咥えていた
「かわ…いい…!」
カレー以外では珍しく志摩が目を輝かせる。そして五十六が床に置いたそのハムスター見たいな小動物を持ち上げる
「ヌック!ヌック!!」
その姿を見た五十六は前足を必死に振り回して取り返そうとするが
「こら、こ〜ら〜」
と芽依に抑えつけられてしまう
「チチュ、チュチュ!」
「人懐っこいですね〜」
「生き物は持ち込み禁止だろう!」
いくら可愛くても規則は規則。ましろは反対するが
「飼い主が見つかるまで預かっておきましょうか」
と幸子に言いくるめられてしまう
─また少し場所は変わり晴風見張り台
双眼鏡を覗いていたマチコは海面に映る9つの影とそのうちの1つから発せられた光を見て双眼鏡を下ろした。そして少し不思議に思いもう一度深く見るとすぐに報告を流した
『間宮、明石及び護衛の航洋艦2隻、海軍駆逐艦3隻、補給艦2隻、右60度、二〇〇、こちらに向かう!』
「また攻撃されちゃうのー!?」
「嫌な予感が当たった…!!」
この報告に鈴やましろはすぐに反応し、また艦内は困惑した雰囲気にのまれていったのだった。そして志摩が持っている小動物の目が怪しげに光っていた。しかしそれは誰も気がつくことがなかったのだった…
この事は薩摩やモンタナでも確認していた
─薩摩にて
「艦長!艦艇見ゆ!第一駆逐隊、補給艦とわだ、ミリノケット、給糧支援教育艦間宮、工作支援教育艦明石並びに航洋艦浜風、舞風です!」
「補給部隊だな。よし、全艦補給用意!」
─モンタナでも
「艦長!補給艦ミリノケット以下多数艦艇見えました!」
「補給部隊来たわね。よし、みんな、もう一仕事よ!準備して!」
「「「「「はい!」」」」」
「にしても何か忘れてるような……」
「艦長?どうかしましたか?」
「あ、ううん。なんでもない。急ぎましょう!」
誰も晴風について伝えることをしていなかったのだった……
─少し時が経ち第一駆逐隊や補給艦、護衛として来た航洋艦が探照灯を照らしながら迫ってくる頃
「囲まれた!?」
晴風は綺麗に間宮以下横須賀女子海洋学校の所属艦に囲まれていた
「逃げられないよ〜!!」
艦橋では鈴が悲鳴を上げる
「ド間抜け共が何やっている!艦長はどうした!?」
「まだ戻ってきていません!」
「何!?」
ミーナも慌てて艦橋に駆け込みすぐさま指揮の手伝いにはいる
『艦長たちが戻ってきました!…!?ブルーマーメイドの哨戒艇もいます!』
「何!?」
「ブルーマーメイドって私たちを捕まえに来たの!?」
ましろや鈴がマチコからの報告にいち早く反応する。その時
「カレーなんか食っている場合じゃねぇ!!」
「「「「!?」」」」
艦橋にいたメンバーが声の方を見るとそこには「ゔぅ゙〜」とうめき声を上げ、目を紅くしたいつもと違う志摩の姿が
「た、立石さん…!?」
「なんだカレーって…」
「それより逃げないと…」
幸子が心配するように声を上げ、ミーナは突っ込み、鈴は別の提案をする
「何言ってんだ逃げてたまるかこの野郎!攻撃だー!」
「お、おお、撃つか?撃つのか!?」
「やめろ!戦闘禁止だ!」
いつもと違い気性が荒くなった志摩に困惑しつつもいつもの調子で聞く芽依とましろ
「黙れ!」
「タマちゃんどうしちゃったの、急に〜!!」
そんな言葉を一喝する志摩に不安と恐怖で叫び出す鈴
「モウ逃ゲルノハ嫌!」
「ソウヨネ、逃ゲチャダメ」
「私、戦ウ!」
「いいからやめろ!」
幸子の劇をスルーして止めに入るましろと芽依
「離せ〜!!」
しかしいつもより凶暴化した志摩を抑えつけられるわけもなく振りほどかれ、飛ばされる。そして、四足歩行のように駆け出し、魚雷発射管に飛び乗りまた跳んで探照灯で照らされた機銃座へと滑り込む
「ほんとに撃つきだ!」
艦橋から見ていた芽依が声を上げる
「明石、間宮!おめーらにやられるタマじゃねぇんだこっちはー!!」
今回も読んでいただきありがとうございました!
いつも読んでくださっている方に最大級の感謝を
また次回をお楽しみに!
次回、第15話、タマちゃん戦闘でピンチ(仮)
明日へ向けて、ヨーソロー!
会話文の前後の行間の空け方はこれで大丈夫か
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大丈夫
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もう少し空けろ