ハイスクール・フリート〜風の中の希望〜   作:翔鉄

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連続投稿2日目、話数で言うと3話目です

水不足、今年の夏も来るのでしょうか…
主は神奈川県なので宮ヶ瀬ダムが頑張ってくれていますが…この前の貯水率(確か32%)には驚いたし少し危機を感じましたね……

それでは第21話、どうぞ


#21 雷と救助でピンチ!

「あ、あのーもうすぐ霧の中に入りますー」

 

鈴が舵輪を握りながら言う

 

「あ、うん。サトちゃん、探照灯お願い。ココちゃん、霧笛、鳴らして」

 

フォーーー

 

霧の中に入り付近の艦艇とぶつかったりしないよう最大限自艦の位置を示すように指示を出す明乃。そしてその頃薩摩でも

 

「探照灯、照射!絶対にぶつけるなよ!」

 

「了解!」

 

と結城の指示が飛び、モンタナでも

 

「探照灯照射開始。晴風、薩摩には注意して」

 

とユウカが指示を出す。そして雨が振り始めると

 

『薩摩より通信。晴風、モンタナは本艦右舷に移動されたし』

 

と結城から指示が出る。また薩摩でも

 

「艦内男子乗員は右舷上甲板通行を禁止とする。また基本右舷側通路を通行せず左舷側のみを通行するように」

 

と指示が出ていた

 

「それじゃあ柚希、うちは艦長公室にているから何かあれば呼んで」

 

「わかりました」

 

そう言って結城は降りていく。その時右舷側への移動指示がでたモンタナでは

 

「薩摩の艦長もありがたいね〜」

 

とルイスが言っていた。そうして晴風やモンタナの乗員が髪を雨で梳いたり薩摩も含め甲板にバケツを置いて雨水を貯めているとだんだん雨脚が強くなり波が高く荒れてきた

 

「雨水貯めるどころじゃないぞ…!!」

 

艦橋で見ていたましろが言う

 

「大低気圧っすー!!!」

 

と百々も艦内で叫ぶ

 

ピシャッドーン!

 

と雷が落ち始めた時、ユウカと結城は心のなかで

 

「(明乃艦長(ミケちゃん)の雷へのトラウマは…流石に治ってないか……)」

 

と思っており、実際に晴風では

 

「うわぁ!」

 

と明乃が身を屈めていたのだった

 

『『『荒天につき、上甲板の通行を禁止します。繰り返します、荒天につき、上甲板の通行を禁止します』』』

 

と晴風、モンタナ、薩摩では艦内放送が流れた

 

ゴロゴロゴロ

 

「すごい…!?岬さん?どうかしたの?」

 

舵輪を握る鈴の目線の先には双眼鏡を持って震える明乃の姿があった

 

「ううん…ちょっと……ドーン!うわぁ!」

 

何かを言いかけた時に雷が落ち、とっさに身を屈める明乃

 

「ごめん…私もう…当直変わってもらってくる!」

 

そう言って明乃は駆け出すがその間にも容赦なく雷は落ちる。そして

 

ゴロドーン!

 

「うわぁ!!」

 

悲鳴を上げながら近くにいたマチコに抱き寄る明乃。その瞬間を見ていた美海は

 

「わー!私のおマッチに何するんだ!「まぁまぁ落ち着いて…」これが落ち着いていられるか!」

 

と美甘に止められながらも怒り、当のマチコは

 

「かんひょう?」

 

と歯ブラシを咥えながら驚いた表情を見せていた。そして明乃はましろの部屋へと向かった。そこではミーナと幸子が仁侠映画を見ていた

 

『副長、夜分にすみません』

 

明乃がそう部屋の外から言うと

 

ガチャ

 

「なんです?」

 

と扉を開け声を低くしてましろが応答する

 

「あっ…悪いんだけど当直…代わってもらえる?」

 

「どしたんなら」

 

「言うてみぃ」

 

明乃の言った言葉に見ていた映画のノリでミーナと幸子が話す

 

「ちょっと凄くて…」

 

『何がじゃ』

 

『言うてみぃ』

 

明乃の言葉に狙いを済ましたかのように映画の音声が入る

 

「雷…」

 

「ほうか…」

 

「ほいじゃあ行ってくるけぇの。風下には立たんけぇ」

 

ミーナと幸子が広島弁で話をし、幸子が上着を持って艦橋へと向かう。そして少し経ったあと

 

「そろそろ寝たいんですが…」

 

と本を読んでいたましろが痺れを切らしたように言う

 

「そんなに雷が怖いのか?雷はへそを取ったりせんぞ?」

 

ましろの言葉を気にせず、ミーナは明乃へと聞く

 

「雷が怖いって言うか…」

 

「じゃあなんだ?」

 

「ただ…思い出すから……」

 

そう言ってロケットを取り出す明乃。そうして昔の事を話し始めた……

 

『お客様にお知らせ致します。本船は只今、救難信号を発信中です。間もなく、ブルーマーメイド隊がやってくるまでの間、落ち着いて誘導員の指示に従ってください』

 

「お母さん痛い…」

 

何かがあった船の中で幼い頃の明乃は母親に手を引っ張られていた

 

「明乃、早く海へ飛び込みなさい」

 

「急いで」

 

「お父さんとお母さんは?」

 

「早く!」

 

「うわぁ!」

 

明乃が飛び込む直前、船が大きく揺れ、そして外へと投げ出された。そして明乃が目を覚ますとそこは救助ボートの上だった

 

「お父さん、お母さんは!?なんでいないの!?なんで…お父さーん!お母さーん!」

 

…………

 

「私がもっと早く飛び込んでたらお父さんも…お母さんも…もしかしたら…『艦長!救難信号です!』」

 

ましろの部屋がしんみりとした空気に包まれているころ、幸子から報告が入る

 


 

「どこから信号があった?」

 

艦橋に戻った結城に柚希が答える

 

「しんばし商店街船です。全長135m、総トン数14,000。現状左舷に浸水し傾斜中とのことです」

 

「避難状況並びに現在の付近にいる艦は?」

 

「乗客乗員552名が現在避難中、付近の艦は我々のみです」

 

結城の質問にすべて柚希が答えると…

 

「分かった。ブルマーへ連絡。総員、海難救助よーい!あとモンタナに連絡をつなげ!」

 

『こちらモンタナ艦長ユウカです』

 

「そちらに要請なのだがヘリコプター飛ばしてくれないか?その方が早く救助できる」

 

結城は通信にでたユウカに提案する

 

『…そうですね。わかりました。メルラン!至急発艦用意!』

 

『了解!』

 

「ではこちらも用意する。ありがとう」

 

そう言って結城は通信を切ると

 

「祐介!神桜01発艦用意!ホイスト救助だ!」

 

「了解!」

 

そういうと祐介は走って後方へと向かう

 

「すまん柚希、しんばしへの通信できるか?」

 

「こちらです」

 

すぐに受話器を差し出す柚希。そして結城はそれを受け取ると

 

「こちら日本海軍中将、戦艦薩摩艦長、倉本結城です」

 

とすぐに名乗る

 

『こちらはしんばし。ファロラップ島南方13マイル地点で航行中に暗礁へ乗り上げました。座礁時刻は15分前、現在も船体中央部が触底しています』

 

「怪我人はいますか?」

 

『軽傷者が10名』

 

「火災の有無は」

 

『まだ確認ができていません』

 

「了解しました。海軍とブルマーの新型機がそちらに向かいます。新型機の方はあと10分ほどで到着します。また我々の方はあと50分ほどかかります。先に飛行船での救助を行いますので怪我人を1カ所に集めておいてください」

 

『了解しました!』

 

そう言ってしんばしとの通信も切る。そして再度艦内に伝達する

 

「達する!ウルシー環礁に置いて座礁船発生。これより本艦並びにモンタナ、晴風は救助活動の為、現場へと急行する!総員、海難救助用意!砲雷科はスキッパー隊、内火艇隊にて出動用意!主計科は受け入れ用意!」

 

艦内は慌ただしく動き始める。そしてモンタナや晴風でも同様に砲雷科を中心として救助隊が編成される

 

「柚希、救助隊の指揮は任せた」

 

「承知しました」

 

そういうと柚希も艦橋を降り、内火艇格納庫へと向かう。そしてその頃晴風では

 

「天気晴朗なれども波高し…」

 

「晴れたな」

 

と幸子とましろが話していた

 


 

モンタナと薩摩から発艦したSH-60はしんばし上空に着くとすぐに救助活動を開始した

 

「ハーネス降下用意!」

 

「ハーネス、降下!」

 

メルランが指示を出し航空科の生徒がハーネスを下ろしてホイスト救助を行う。そして回収するとすぐにモンタナへと向かった。この流れを見ていたしんばしの艦長は…

 

「これがブルーマーメイド、海軍の新型飛行船…何という速さと音だ…」

 

と驚いていた

 

 

 

そして晴風達が着く頃、音で救助がもう始まっていることを察した明乃達はすぐに救助活動を開始しようとする

 

「救助準備は完了した?」

 

『準備オッケーでーす』

 

明乃の放送に大きな丸を腕で作って媛萌が言う

 

「それと私もスキッパー…」

 

言いかけた時に明乃はましろの言葉を思い出し言葉を止める

 

「何ですか?」

 

見つめられたましろが聞く

 

「こういう時、艦長ってどうしたらいいのかな?」

 

「私に聞かないでください」

 

そういうとましろは望遠鏡を覗くが…

 

「わかんなくなっちゃって…」

 

という明乃の声に

 

「艦長は艦に居てください」

 

と少しキレ気味に言う

 

「救助隊の指揮は?」

 

「私がやります!」

 

堪忍袋の緒が切れたましろが言い、それに合わせて

 

「わしも行こう」

 

とミーナが言う

 

「分かった。私はここから指示を送るね」

 

と明乃は言った

 


 

「私とミーナさん、砲雷科3名で船内に入る。ダイバー隊は海に潜って船体の損傷を確認、航海科と応急員は救命ボートに乗っている乗員を晴風、薩摩、モンタナへ誘導」

 

「「「はい!」」」

 

ましろの指示に救助隊全員が反応する

 

「救助訓練は中学で散々やったけど…実戦は始めてぞな〜」

 

「ちゃんとできるかなぁ」

 

「大丈夫だ」

 

「平気平気」

 

とお互いで励まし合う晴風メンバー

 

「私は運が悪いんだけど…大丈夫だろうか…」

 

その言葉にミーナを除く全員が顔を暗くする

 

「空気読め…」

 

とミーナは小さく突っ込むのであった

 

「探照灯、照射始め!」

 

その言葉に合わせ、理都子、果代子が探照灯をしんばしへと照射する

 

「副長、副長!」

 

ミーナに促されましろは慌てて通信を晴風に入れる

 

「現場に到着しました。甲板は人で溢れています」

 

『甲板は応急員に任せて艦内の生存者を、確認して!救助、開始!』

 

明乃が指示を出すと応急員の2人は甲板で作業を始めるが…

 

「まずは人数の確認よね…」

 

「リストバンドリストバンド…」

 

「マニュアル持ってくれば良かったー!」

 

と叫んでいた。その頃ブリッジで

 

「晴風副長、宗谷ましろです」

 

「モンタナ副長、ルナ・ブラウンです」

 

「日本國海軍少将、薩摩副長、倉本柚希です。只今より船内確認に入ります」

 

と自己紹介と今後の作業についてしんばし船長へと話していた

 

「居住区はまだ乗員が残っている模様です。よろしくお願いします」

 

船長からもお願いされ、柚希、ルナ、ましろ、ミーナと晴風砲術員3人は船内へと入る

 

「スプリンクラーが作動していない…」

 

ましろが天井を照らしそう言うと

 

「不味いなこれは…非常用システムがダウンしてる」

 

と柚希もいう

 

「てことは…」

 

「この船って…」

 

順子や美千留の顔がどんどん曇っていくのだった

 

「こちら宗谷!しんばしの非常用システムが動作不良を起こしている!」

 

『何かあったんですか!』

 

ましろの報告に幸子が驚いた声で聞く

 

「わからない…でも…」

 

『しんばしに急いで!』

 

『了解!』

 

そうして晴風はしんばしへと急ぐのだった。そしてしんばしの中では

 

「早く上へ!急いで!」

 

とミーナが船内の人々を誘導していた

 

「乗員、間もなく避難を終えます」

 

とましろが無線で報告をした時

 

「あの!多聞丸がいないんです!」

 

と1人の女性が話しかける

 

「気がついたらそばにいなくて」

 

「まだ小さい子ですか?」

 

「「はい」」

 

「捜索していないのは第五区画飲食店街部分だ」

 

「よし、行こう!」

 

「私も行く。とりあえずルナ副長は上へ誘導して!」

 

柚希が指示を出しミーナやましろと一緒に走り出す

 

「私はこっちを探してみる」

 

「私はましろ副長と一緒に行く」

 

「分かった。わしはあっちを!」

 

そう言って2方向に分かれるましろ達

 

「多聞丸ー!」

 

「ミャーン」

 

その鳴き声でましろと柚希は止まる。そこには自動ドアの前で座っている1匹の猫の姿が

 

「小さい子って…」

 

「子猫だったのね」

 

その時船体に亀裂が入り船が一気に傾き始めた。晴風はもやいを解いて急速に離脱していく。そしてミーナは

 

「えらいこっちゃえらいこっちゃ!」

 

と言いながら走り、海へ飛び込んで晴風の救助艇に乗る。そしてましろと柚希は…




今回もお読みくださりありがとうごぞいました!
読んでくださった方に最大級の感謝を

作中のあのしんばし最高って書いてある銅像、ちょっとキニナル

次回、第20話、大型艦でピンチ(仮)
明日へ向かって、ヨーソロー!
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