執筆しようとした時に限って寝てしまったりと色々あって…まぁ言い訳に過ぎませんね
それでは第22話、どうぞ
『副長!副長!聞こえる!?』
明乃が叫び声になりながら連絡する
「は、はい!」
『船体が中央部から裂けたの!このままだと沈没する!早く脱出を!』
「りょ、了解!」
「ましろ副長!危ない!」
柚希が言った途端通気口がとれ、海水が流れてきた
「ミャーオ…」
とっさに逃げ込んだ場所でましろは縮こまり、多聞丸を膝に乗せていた
「ありがとうございま……柚希さん!?大丈夫ですか!」
柚希を見たましろは驚きで目を見開く。そこには頭から血を流した柚希がいたからだ
「だい…じょうぶ……ましろちゃんも…無事…ね?」
「は、はい……」
柚希は顔を起こしてましろをみると
「いい、今から1つ貴方に命令を渡します」
と言った
「命令……?」
「多聞丸を連れて、その通気口を抜け、脱出しなさい」
「え!?」
柚希が命令したのは脱出命令。もちろんましろが了承するはずもなく
「嫌です!柚希ねぇさんを置いていくなんて…」
というが
「早く行きなさい!」
と一喝されてしまう
「まだ貴方は未来があるし何より貴方が外へでたら救助を要請して私を助けることだってできるのだから」
「……わかりました」
柚希に悟られ動き出すましろ。しかし
「あ、開かない……」
通気口が変形した為開かなくなっていた
「ましろちゃん、離れて」
そういうと柚希は拳銃を取り出し
パーーン!!
と発砲した
「行きなさい」
「……はい!」
そうしてましろは通気口の中を匍匐前進で歩いてゆく。そしてその頃外では…
「(待っているってこんなに辛いんだね…でも…シロちゃんと約束したから…!)救助した人に毛布を。それから何か食べもの、温かい飲み物を用意して!」
「「はい!」」
晴風艦橋では明乃が自分を鼓舞するように言い、そして指示を出す。そして海上では
「みんな…いるよね…?」
と光が言ったその時。空から探照灯を照らされ皆が上を見る
「「「「ブルーマーメイドだ!」」」」
そして晴風乗員が乗った救助艇の横を猛スピードで走っていくスキッパー。そしてそのうちの1台が晴風救助艇に近寄る
「ブルーマーメイド保安即応艦隊の岸間です」
「晴風、砲雷科、小笠原光以下救助隊です」
「ご苦労さま。あとは任せて!」
そう言って岸間と名乗った女性はスピードを上げる
「まだ船内に学生1人と軍人1名が!」
「了解!」
それを聞いた岸間は配下の隊員に向けて
「要救助者2名!」
と指示を出した。そして排気口を進むましろは…
「くっ…仕方ない…」
排気口の隙間に挟まったスカートを脱ぎ、また匍匐前進で進む。しかし今度は懐中電灯の電池が切れてしまう
「…やっぱり…ついてない……くっ…ガン!くそっ!」
懐中電灯で排気口の上を叩くましろ。その時
『…っ!?ハンマー用意して!』
と岸間が言った。しかしそれはましろに聞こえるわけもなく、ましろは仰向けになり
「お腹空いたー」
と呟いていた
ガーン!ガン!ガーン!
その音が聞こえたましろはガンガンガン!と懐中電灯でめいいっぱい排気口の上を叩く。叩く音を聞いた岸間は
『聞こえる?そのまま動かないで!じっとしてて!』
とましろへ伝える。そしてましろは
「(助かった…!!)」
と思っていた。そして救助されたましろは
「まだ排気口の奥にある商店の中に柚希ねぇさんが!」
と叫び、ブルーマーメイド隊が柚希も救助する。その後ひっくり返った船体の上でましろはブルーマーメイド隊員におぶわれ、柚希は担架に乗せられていた
「副長!」
「怪我はない?」
と晴風メンバーが聞きながらましろの周辺へと集まる
「大丈夫だ」
と答え、ミーナに
「よう生きとったのわれ」
と言われる。ましろの胸元にいた多聞丸が
「ミャーオ」
と嬉しそうに鳴くと
「助かったにゃ、よかったにゃ〜」
とましろが顔をすり合わせながら言う
「なんで…猫言葉になっとる?」
とミーナに引かれながら……
晴風、薩摩、モンタナに横付けした改インディペンデンス級へしんばしの人々を移す中、ましろは多聞丸の飼い主に向き合って
「多聞丸、無事救助しました」
と言って胸元から多聞丸を渡す
「ありがとうございます」
そう言って飼い主も引き取ろうとするがましろの手が離れた瞬間に飼い主の手を使って飛び、ましろの足元へと行ってしまう
「多聞丸…行かないと…」
とましろは困惑した表情を見せるが
「随分懐いてるなぁ」
「あの!よかったら」
「面倒、見てもらえますか?」
「ご迷惑でなければですが」
と飼い主に多聞丸の懐き度合いから言われてしまう。その頃紫と美波は
「お手数ですがそれを横須賀女子海洋学校まで届けてください」
容器の中に入れられていたネズミもどきを岸間に渡し、美波が言う
「了解しました」
「それと…これも」
「これは?」
美波が取り出した封筒を見て疑問をこぼす岸間。それに紫が補足する
「私と美波の共同報告書とワクチンだ。紛失することなく届けて欲しい」
「確かに受け取りました。確実に届けます」
岸間は頷き、しっかりと受け取る。そしてましろの戻った艦橋では…
「ただいま」
「シロちゃん!!」
ましろの声を聞いてすぐに振り返り駆け寄って抱きつく明乃
「良かった無事で!私、待っている間ずっと苦しかった!シロちゃんもずっとこんな……ごめんね!!ごめんねぇ!!」
泣きながらましろの肩を掴んで謝る明乃。そしてその時
「ミャーオ」
とましろの胸元から鳴き声がする
「え?」
驚きで少し下がる明乃。そしてましろの胸元がモゾモゾと動き
「ミャーオ!」
と鳴いて多聞丸が顔を出す。その光景に艦橋メンバーは驚き誰1人として言葉を出さなかった
「もう1匹…乗せてもいいだろうか?艦長…?」
ましろが恐る恐る聞くと
「もちろん!」
と手を合わせて明乃が即答する。それに合わせて艦橋メンバーがましろへと近寄り、多聞丸のことを聞いていた。その頃薩摩では…
「兄上、柚希、只今戻りました」
頭を包帯でぐるぐる巻きにされた柚希が松葉杖をつきながら敬礼する
「あのな、なぜ今敬礼をする。怪我をしている時は無理する必要ないと言っとるやろ……まあええ。おかえりなさい。お疲れ様や」
そう言って結城も出迎える
「晴風もようやるわ。まあブルーマーメイドには感謝だな」
「ええ」
そういうと柚希は艦橋からおり、自室へと向かうのだった
「本職のブルマーは流石だったな」
ホットココアを飲みながらミーナが話す
「私も遭難した時、助けてもらったから。ブルーマーメイドになろうと思ったんだ。それに艦に乗れば家族ができると思って…」
「だからあんなに海の仲間は家族だと」
明乃の言葉にましろは納得したように話す
「それに、海の仲間は家族と教えてくれたのは結城さんやモカちゃんだから!」
明るい声で明乃が付け足す。一方少し暗い顔のミーナは
「わしもうちの艦長、テアとは中学からずっと一緒だった。ウイルスの抗体もできたことじゃしな。早く助けに行きたい」
と自分のやりたいことを珍しく言う
「うん!」
と明乃も強く答える。新たな決意が晴風の中で生まれる中、薩摩、モンタナ、晴風は霧の中を進んでいくのだった。すぐ近くまで黒い影が迫っていることも知らずに…
霧がだんだんと晴れる中、モンタナではレーダーが不信艦を探知しており、見張員が霧が晴れ、確認できるのはまだかと双眼鏡を持って待ち構えていた
『……見えました!あれは…艦橋形状から武蔵と思われます!!』
「む、武蔵!?」
「晴風に通達、至急退避せよ!横須賀女子海洋にも連絡!」
モンタナ艦橋内が慌ただしくなる中、電測員が
『目標まで、距離13マイル!』
と報告する
『13マイル!?そんなはずは…』
見張員が驚き、再度確認すると……
『捉えました!連装主砲です!』
「連装主砲…
ユウカが推測する。赤線の金剛型といえば…
「「「
ましろ、ユウカ、結城が言う。そう、目の前に現れたのは大和型艦橋のテストヘッドにもなった金剛型戦艦2番艦の比叡だったのだ
「遠くから見ると武蔵そっくりですねぇ。でも大きさが全然違いますし野間さんもそのせいで距離感が狂ったんでしょう」
晴風では幸子がタブレットを見ながら言う
「行方不明になっていた比叡がこんなところにいたとは…」
双眼鏡を覗きながらましろが呟く
『比叡発砲!』
マチコからの報告で艦橋はさらに慌ただしくなる
「最大全速!取り舵一杯!」
明乃がすぐに指示を出し鈴が応答する。その間にも比叡の35.6cm砲弾が雨のように降り注ぐ
「学校からの連絡は?」
「ブルーマーメイドの派遣要請をしてくれました。到着は4時間後、可能な限り比叡を捕捉し続けよ。ただし晴風の安全を最優先にです!」
幸子が学校からの報告を読み上げる
「リンちゃん、距離をとって大きく回り込んで比叡の後ろについて」
明乃は落ち着きながら指示を出す
「はい!」
「撃ってきたということは…比叡も例のウイルスに」
「うん。感染しているんだと思う。武蔵と同じように」
ましろの推測に明乃も合わせる
「!?待ってください!比叡がこのままの進路、速度で航行すると3時間後にはトラック諸島に到達します!」
タブレットでこの先の地図を見ていた幸子が血相を変えて言う
「トラックって…確か…」
「はい。居住人口は1万を超えます。おまけに海上交通の要所なので1日平均1000隻の船が出入りします」
「ブルマーの到着は4時間後、間に合う可能性は低い…」
「感染が広がったら大変なことになる。私達で阻止しないと!」
「具体的には?」
明乃の決意にましろが聞く
「…晴風に引きつけてトラックへの航路から話せば…」
そう明乃が答えると
「追尾と比べると被弾の危険性が上がりますが…それでもやりますか?」
真剣な眼差しでましろが言う
「うん。足はこっちの方が速いし…なんとかなると思う」
ましろの問いにそう明乃が言うとましろも頷く
「リンちゃん、前に出して蛇行して」
「わかりました…!」
鈴が舵を切り、艦が比叡の後ろへと突き、追い抜く姿勢に入る。比叡はついてくる艦影を見過ごすはずもなく砲撃をする。そして薩摩では
「晴風にも何か考えがあるんだな。主砲牽制射用意!射撃タイミングは砲雷長に一任。副砲は最悪当たってもいいが出来る限り当てにように!射撃開始!」
「了解!」
と結城の指示が飛び、モンタナでも
「ミケちゃんを援護する、薩摩と反対側に展開。主砲撃ち方始め!絶対に当てるな!副砲も撃ち方始め!」
とユウカの指示が飛んでいたのだった
今回もお読みくださりありがとうございました!
読んでくださる方に最大級の感謝を
比叡の艦種には武蔵のようなブルーマーメイドの紋章無いんですね…日本海軍だと軽巡洋艦以上は菊花紋章が付けられていたのでてっきりついているものとばかり思ってました…なんで艦種の紋章がない日本戦艦ってなんか不思議な感覚でしたと言うお話です
次回、第21話、珊瑚礁でピンチ!(仮)
明日へ向かって、ヨーソロー!