ハイスクール・フリート〜風の中の希望〜   作:翔鉄

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2話目です。はい。話のつながり的に同日投稿でよかったなぁと思っています

それでは第27話、どうぞ


#27 祝勝会と別れそして祭り!?

「ご飯できました〜」

 

「できました〜!」

 

ほまれとあかねが呼びに来る。そして料理を見たテアは

 

「これはラックスフィレだな?」

 

「そうです艦長。寿司とも言います」

 

とミーナが返す

 

「「我々も手伝いました!」」

 

シュペーの給養員2人がテアへ向けて言う

 

「クネーデルやマチェスも乗せてみました」

 

とシュペー給養員が皿を差し出す

 

「あぁ。スシ、サシミ、カロウシってやつか?」

 

「最後のはなんか違う」

 

「テア艦長、最後のやつはアカン」

 

テアの言葉にあかねと結城が突っ込む。当の本人は別の料理をみて

 

「これはアインドプフだな」

 

と言う

 

「そうです艦長。おでんとも言います」

 

ミーナが補足する。そしてミーナは咳払いをすると

 

「艦長、挨拶を」

 

と進める。そしてテアは訓辞台へと登る

 

「我々の不断の努力により艦と自らの制御を取り戻した。このめでたい日に感謝して薩摩艦長から、乾杯の音頭を頂きたい」

 

「え、うち?」

 

唐突なテアの指名に驚くする結城。しかし驚きながらもすぐに訓辞台へと上がりコップを差し出す

 

「薩摩、モンタナ、晴風の乗員は勿論のこと、シュペーの乗員も誰一人欠けることなくこの場を迎えられたことを嬉しく思う。それでは、乾杯!そしてCheers!、あとProst!」

 

日本語、英語、ドイツ語で結城が乾杯の音頭をとり、それに合わせて薩摩からの主要メンバーなど一部の人や晴風乗員は

 

「乾杯!」

 

と、モンタナの乗員は

 

「Cheers!」

 

と、シュペーの乗員は

 

「Prost!」

 

とそれぞれ言ってグラスを合わせる。そして美波は山盛りに盛られたサワークラウトにドン引きし、テアが持っていったことで安堵していたりシュペー給養員が作った寿司に機関科メンバーが不思議な顔をしていたりと盛り上がっていた。一際目を引いたのはモンタナ給養員の作ったニューヨークスタイルのアメリカンピザと薩摩給養員が作った海軍カレー、横須賀海軍バーガーだった(ちなみに海軍カレーを見た志摩は大喜びで何杯も食べていましたとさ)。そして一角では美波が勇敢に立ち向かったことに対して表彰を受けており、また一角ではシュペー乗員にマチコが囲まれていた

 

「はい艦長、あーん」

 

そう言ってミーナはテアにブルストを食べさせる

 

「それ、ソーセージ?」

 

明乃が指を差しながら聞く

 

「我が艦の特製ブルストじゃ。これがずっと食べたくてなぁ」

 

「はーん…ムグムグ…中々いけますね」

 

ミーナの話を聞いた楓がブルストを食べ、頬を押さえながら言う。そしてそれを見たましろはブルストを取ろうとするが

 

「ヌゥ」

 

とどこからともなく現れた五十六に取られてしまう

 

「やれやれ…相変わらずやな。ほい、これ食べな」

 

その様子を見ていた結城がましろへとブルストを渡しこちらは解決したのだった

 

「艦長、ずっと預かっていたもの…これ…」

 

と言いミーナがシュペー艦長帽を脱ぐと

 

「被せてくれ」

 

とテアがミーナに背を向ける。そしてミーナが被せた後、テアの目からは涙が流れた

 

「艦長さん…」

 

と鈴が言うが

 

「私は泣いてない!」

 

とテアが否定する。そして取ってつけたように明乃へと聞く

 

「しかし…そちらの艦は相当酷い状態だな…」

 

「誰のせいかなぁー。でもナイスパンチだったよ。私達を倒すのにはちょっと足りなかったけど」

 

と芽依が言う。それを聞いたテアは顔を上げ

 

「我々と共にゼーアドラーに行って修理を受けたらどうだ?」

 

と提案するが

 

「いえ。私達は明石と合流するように連絡を受けています」

 

と明乃が学校からの通達を伝える

 

「そうか。モンタナや薩摩は?」

 

テアは他の艦のことも聞くが

 

「私達は米海軍のグアム基地によるって言われてるのよね。そこで色々やるんだってさ」

 

とユウカが言い、

 

「うちらは呉鎮守府に戻れと。他艦と合流して近々ある作戦に備えよ…との事で」

 

と結城が言う。そして明乃は

 

「そっか…もう行っちゃうのか…ユカ姐ちゃん、結城さん、ありがとうございました!」

 

といい、ましろも

 

「結城兄さん…ユウカ艦長、重ね重ねありがとうございました」

 

と言う。そしてテア、明乃、結城、ユウカはそれぞれ握手をする。その様子を見ていたミーナはさっきから見られなくなった人を探していた

 


 

すっかり夜も更け、祝勝会も終わったあと、シュペーの舷側にてミーナとテアは立っていた

 

「どうしたんだ?」

 

テアが聞くと

 

「ココ…あ、いえ。何でもありません」

 

と少し歯切れが悪いようにミーナが答える。そしてシュペーはゆっくりと動き出す。そのマストにはUW1─ご協力に感謝する、ご安航を祈ると信号旗が掲げられており、晴風、薩摩、モンタナのマストにもUW─貴船の御安航を祈ると信号旗が掲げられていた

 

「楽しかったぞ〜!」

 

とミーナが言い

 

「私達もです!良い航海を!」

 

とましろが返す

 

「Gute Reise!」

 

とミーナが手を振りながら言う

 

ブォォー

 

とシュペーの汽笛が鳴るのに合わせ

 

♪〜

 

とどこからともなく音楽が流れる

 

「Muss i denn…」

 

と曲を聞いたミーナは呟き、他のシュペーのメンバーは口ずさむ者もいた

 

「別れの曲ってわけだが…まぁまた会える気がするな。すぐに別れるけどシュペーにも、モンタナにも、そして晴風にも」

 

曲を流した元の艦、薩摩では結城が相当言う

 

「ええ本当に。何か特別な縁を感じます」

 

と柚希も言う。そしてシュペーの汽笛を聞いた幸子は部屋から出て走り出す。その時、ミーナは幸子がいないことについて少し暗い顔をしていたが、幸子が走ってくるのを見て柵から軽く身を乗り出す

 

「わしゃ、旅行ってくるけん!」

 

「体を鍛えよ〜!」

 

「ありがと〜!!」

 

と最後まで任侠風にするミーナと幸子。それを見ていたましろは幸子の肩に手をかけ

 

「間尺に合わん仕事したの」

 

といつも聞いていたからか広島弁のような形で言う。それを聞いた幸子は

 

「もう、一文無しや」

 

と言ってシュペーが行った方向へと向く。そしてその後

 

「ミケちゃん、体には気をつけてね!」

 

「ユカ姐ちゃんもありがとう!」

 

とモンタナとの別れをしていた

 

「そうだ!ましろ副長!」

 

「なんですか?」

 

「ミケちゃんにあまり抱え込ませないようにね!貴方が頼りだから!」

 

ユウカは最後の最後にましろへ向けて言葉を残す。ましろがその理由を聞く直前にユウカは艦内へ戻ってしまった。そしてその時

 

ブォー!

 

と別の方向から汽笛がして薩摩が走り出す

 

「明乃艦長、ましろ副長、短い間だったが2人ともしっかり成長しとる!これからも自信持っていいきんしゃい!」

 

と結城は別れの直前に言い、柚希も

 

「ごめんね。もう少し一緒にいてあげたかったんだけど…時間いっぱいなの。かわりと言っては何だけどプレゼント用意してるから受け取ってね!」

 

と言う

 

「プレゼント…?」

 

と明乃が頭を傾げる間にも薩摩は進んでいく。気がつけばもう結城達は見えず、その巨大な艦影が見えているだけだった

 


 

翌日、明石以下補給隊と合流した晴風は明石に横付けをして補給を受けていた

 

「なんとかうまくいきましたね。艦長」

 

とましろが明乃に声をかける

 

「でも…晴風がこんなにボロボロに……」

 

明乃は自分の家同然の晴風がここまで損害を受けたことにショックを受けていた

 

「あ、晴風艦長、薩摩艦長と副長名義で海軍からこれをって渡されたぞ」

 

珊瑚が画面を差し出す

 

「「こ、これは!?」」

 

と明乃とましろは驚くのであった

 


 

少し日も上がった頃──

 

「てぇへんだてぇへんだ!てぇへんでい!」

 

と麻侖が艦橋へと駆け込んでくる

 

「なにごとだ!?」

 

「機関部もどこか壊れてたの?」

 

ましろが身構え、明乃は落ち着いて麻侖へと聞く

 

「違う!」

 

「じゃあ、機関科の誰が体調が?」

「みんな元気でい!」

 

「だったら何!?」

 

麻侖のただ事では無い雰囲気に芽依が聞く

 

「もう晴風は赤道越えてるじゃねぇか!」

 

「赤道?」

 

麻侖の言葉にポカンとした表情で見つめる明乃達

 

「確かに…そうですね」

 

タブレットの“明石”、“晴風”、“間宮”と書かれた地図画面をみて幸子が言う

 

「赤道祭だぁ!」

 

と麻侖が盛り上がったように言う

 

「「「「赤道祭?」」」」

 

「祭りだ祭りでぃ!」

 

艦橋メンバーは相変わらずポカンとしている中、麻侖だけはとてつもなく盛り上がった状態なのだった。そして晴風クラスを艦橋に集め、明乃が説明する

 

「本艦は補修中でもありますし赤道祭を行いたいと思います!」

 

教卓に立った明乃がクラス全員に告知する

 

「赤道祭?」

 

「また適当に名前つけたっすね…」

 

媛萌や百々が少し呆れたような疑問を言う

 

「何言ってんでい!赤道祭は由緒正しい祭りでい!」

 

と麻侖が反論するが

 

「どこが由緒正しいのですか?」

 

と言う楓の疑問に

 

「そりゃな…クロちゃん説明してくれい!」

 

と洋美へ丸投げする

 

「風が吹かないと航海ができなかった大航海時代、赤道近くの無風地帯を無事に通過できるよう、海の神に祈りを捧げたのが始まりだったそうよ。赤道通過の時に乗員達が仮装したり寸劇を演じたり、まさにお祭り騒ぎをした記録が残ってるわ」

 

「ふーん」

「へー」

「そーなんだー」

 

洋美の説明に棒術組3人は興味なさげに答える

 

「実行委員には機関長の柳原さんが立候補してくれました」

 

「やっぱり」

「まじか…」

 

明乃の言葉に麗緒と瑠奈が引きつった顔で答える

 

「皆の衆!盛り上がってくれよなぁ!それぞれ出し物を考えておいてくれよ!祭りは明日の明日だからなぁ!」

 

「めんどくさいっす…」

 

麻侖の言葉に百々はげんなりと答えるのだった…

 


 

──教室での臨時学活後

 

「そっち、大丈夫?」

「うーん大丈夫」

 

新しい射撃指揮所が取り付けられるのを明乃は珊瑚や優衣と共に見ていた

 

「必要なものは補充しておいたわ」

 

「主砲の換装はあと2日ぐらいかかるけど…」

 

優衣と珊瑚が明乃へと言う

 

「ありがとう。また手間かけちゃったね」

 

少し申し訳なさそうに明乃がお礼を言う

 

「ううん。晴風の奮闘ぶりは私達も聞いてるから!比叡を座礁させたりシュペーの乗り込み作戦を成功させたり

!」

 

「変わり者を寄せ集めたって印象だったけど、すごいねぇ!」

 

「アッハハ…ありがとう……でも今まではモンタナや薩摩がいたからなんとかなったんだよ。これからは単独だしどうなるかな…」

 

優衣や珊瑚が褒めるが明乃は苦笑いする。そしてサポートがあったからだとも言う

 

「でもさ、晴風も参加してちゃんとできてるんだからいいじゃん!その場にいて何もできてないことよりましだよ!」

 

と珊瑚が明乃に勇気を出すよう言うのだった




今回もお読みくださりありがとうございました!
読んでくださる方に最大級の感謝を

赤道祭…説明時のアニメーションめっちゃ可愛かったなぁ(ただそれだけです)
2話連続投稿、お付き合いありがとうございました!

次回、第28話、赤道祭でピンチ!?(仮)
明日へ向かって、ヨーソロー!
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