ハイスクール・フリート〜風の中の希望〜   作:翔鉄

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皆さんおひさしぶりです。色々投稿できずにごめんなさい…約束とは何だったのか…

汐入のCOASKAの展示を見てきました。なんか本当に凄かったです(語彙力)
艦内の細かい図を見たりして楽しんでました(あれ絶対は他から見たらヤバいやつ)

それでは第30話、どうぞ


#30 赤道祭でハッピー!

─麻侖の宣言から暫くして後部甲板に即席で建てられた“赤道の門”という文字が掲げられた門の前に海の神、ポセイドンに扮した美海とその妻である海の女神、アムピトリーテーに扮した桜良が立っていた

 

「これが、赤道を航る鍵であるぞ〜」

 

と美海が大きな鍵を掲げ、それを明乃に渡す。明乃はそれを大事そうに受け取った

 

「拍手〜」

 

麻侖が周りを促し、周りも拍手を送る

 

「じゃ、次は航海の安全を祈るんでぃ!」

 

麻侖がそう言い、艦内神社へと向かう。そこには巫女装束に着替え、大幣を持った鈴、鶫と同じく巫女装束に着替え、三宝を持った楓の3人が居た。まず始めに艦の長として明乃が鈴と鶫にお祓いを受ける。その時楓が

 

「2人のご実家は神社だったんですね」

 

と言う

 

「そうなの。お諏訪様」

 

と鶫が返したその時

 

「あの…」

 

とましろが申し訳さなさそうに声をかける

 

「副長…?」

 

と鈴が聞き返すと

 

「なにしろ運が悪いもので、いっぱい祓っておいてもらえんだろうか…?」

 

と小声でましろが耳打ちする

 

「あぁ〜」

「はい」

 

と鈴や鶫も納得したように返すのだった。そしてその後の前甲板では

 

『わっしょい。わっしょい。わっしょい。わっしょい。わっしょい』

 

とお神輿を担いでいた。その時艦橋後ろから

 

「「おぉ〜」」

 

と声が響く。それにつられお神輿を担いでいたメンバーが上を見上げると……

 

「はぁっ!」

 

なんと、マチコが縄をマストにくくりつけて見事な軽業をしているじゃありませんか。それを見たお神輿メンバーも

 

「マッチすごいっす〜」

「2000%マジかっこいい〜!!」

 

とその技に大盛り上がり

 

「こっちも負けてらんねーぜ!それ!わっしょい!わっしょい!」

 

マチコの技を見た麻侖がさらに気合を入れて団扇を扇ぐ。その力が強すぎるあまり神輿担ぎどころではなくなってしまったのだった

 


 

─そしてその夕方。後部看板では屋台が開かれ、主計科だけでなく、その他のメンバーも屋台を出店していた

 

「ハムハム……」

 

多聞丸もまた、たこ焼きを食べ上機嫌なご様子

 

「さーらっしゃいらっしゃい!おいしいたこ焼きだよ!」

 

多聞丸が食べているそばでは麗緒が鉢巻きをしながら集客し、その横で美甘がたこ焼きを焼く。また別のところでは

 

「お祭りの匂いぞな〜」

「何食べよう?」

 

聡子やまゆみが周りを見ながら迷い、その後ろでは

 

「ぬっ!」

「あっ!ちょっと五十六!」

 

と五十六がフランクフルトを加えて逃げて行ったのだった。またその後ろでは

 

「うぇ!?これ…梅干し?」

 

慧がほまれとあかねの出店した食べ物を見て疑問を持っていた

 

「横須賀名物、チェリーチーズケーキなの」

「レモン搾って食べてもおいしいよ」

 

と紹介する。慧の横では秀子が食べ

 

「おいしい!」

 

と声を漏らすのであった。またまた場所は移り砲雷科の屋台である射的では…

 

ポンッ

 

と軽い音がして芽依がコルクライフルを撃ち景品を倒す。落として喜ぶ芽依と腕いっぱいに景品を抱える志摩を見た美千留と順子は

 

「ガツンと当てすぎー」

「砲雷科は…禁止だね」

 

となり、その場で砲雷科メンバー出禁が決定したのであった。またその横では…

 

 

楓と鶫が篠笛を吹き、理都子が大太鼓を叩きお囃子を演奏する。そしてマチコが踊る。そのように盛り上がりを見せる祭に上機嫌な麻侖は媛萌と共にカバーをかぶせた第三主砲の上に乗り

 

「皆の衆!7時からは教室で出し物やるでい!」

 

「盛り上がってくからな!」

 

と告知をした。それに反応するように

 

『おう!』

 

と晴風メンバーも反応するのだった

 


 

そして日も落ちた19時、教室にて

 

「本日の司会を務めさせていただきます。機関科の広田空」

 

「若狭麗緒でーす」 

 

昔のお笑い番組の司会のような服装をした2人がステージで進行を開始する

 

「まずは砲雷科さんによるモノマネです」

 

と最初の出し物が始まる

 

「それでは、小笠原、やります!」

 

ステージに出てきた砲雷科トップバッターは光

 

「ズゴォォン」

 

このモノマネが何のモノマネか分からずみんなが困惑する

 

「何のモノマネ?」

 

鈴はジト目で言い始める始末だった

 

「まぁコアラの鳴き声じゃないですかねー」

 

と幸子も適当に言い始める

 

「今のは、イージス艦、5インチ砲のモノマネでしたー!」

 

と白けた中でも光が正解を発表すると

 

「おー似てる」

「うまっ!」

 

と芽依や志摩は分かった様子。この反応に幸子や鈴は思わず振り向いていた

 

「武田やります」

 

セカンドバッターとしめ美千留が出る

 

「ドン!」

 

「長10cm砲!長10cm砲!」

「うぃ!」

 

周りは分からない中芽依が即答し、志摩も同意する

 

「日置、やります!」

 

順子がサードバッターとして一歩前に出る

 

「ドォォン!」

 

「今のは52口径11インチ砲ぞな!」

 

今度は聡子が即答する。そして教室の最後尾で…

 

「あっはははは〜なにそれぜんっぜんわっかんねーぞ!」

 

と美海が呑んでいるわけでもないのに酔っ払いっぽくなる

 

「ごめんごめん。美海、マッチ酔いで…」

 

と媛萌がフォローを入れるのであった

 

「そっ、それでは次に参りましょうー」

 

一連の動きで若干引いた麗緒が気まずそうに言いながら次へと進める

 

「航海科です!」

 

空が手を前にだし、航海科の面々がステージへとぞろぞろ出てくる。そして陽気なラップが流れ始めると

 

「航海科、航海ラップやります!」

 

と秀子が真ん中で腰に手を当てて宣言する。そして航海科メンバーが一歩前に出ると

 

「「「「「私航海後悔公開中貴方の後悔なんですか♪」」」」」

 

とビートに乗り始めまゆみを指さす

 

「私の航海知ってるかい♪ついついしちゃった日焼けだよ!」

 

「「「「そりゃするねぇ!後悔するねぇ!しちゃうよねぇ♪」」」」

「「「「「私航海後悔公開中貴方の後悔なんですか♪」」」」」

 

今度は美甘を指差して聞く

 

「えぇ〜あたし!?えーっと…えーっと…見たいドラマの録画をね、忘れてきちゃったことかしら」

 

「「「「「貴方の後悔なんですか♪」」」」」

 

今度はあかねを指して聞く

 

「えーっと…えと…航海中に四百二十五グラム体重が増えたこと!はわわっ言っちゃった……」

 

「「「「「おっと後悔2倍だね!」」」」」

 

指でピースサインを作り航海科の面々がいう。そして幸子も

 

「流石主計科、細かいですね!」

 

と感嘆する

 

「「「「「貴方の後悔なんですか♪」」」」」

 

次はほまれを指す

 

「えっやだ〜…あの〜その、実習に来る前幼馴染に告られたんだけど、返事せずに逃げちゃったこと…」

 

『ええー!?』

 

これには教室中から驚きの声が上がる

 

「聞いてない聞いてない!」

「誰!?誰!?」

 

双子の妹であるあかねや入学前から一緒だった美甘が詰め寄る

 

「ちょっと今しなよー」

「そうでいそうでい!」

 

美千留や麻侖も声をかける

 

「「「「「してみな!してみな!やってみな!」」」」」

 

航海科メンバーも勧めたことでほまれは連絡をした

 

「ということでメールしたら返事が来ました…」

 

「「「「「返事は返事は何なのよ!」」」」」

 

「『ごめん。他に好きな子ができた』って…」

 

すごく気まずそうにほまれが返信を読む

 

『えぇ〜!』

 

「ご、ごめん…」

「私たちが後悔してるよ…」

「「「「「私達、航海後悔公開中……」」」」」

 

すごく申し訳ないように手を合わせて話す航海科メンバーなのでした…

 

「えー、では、次は砲術長、水雷長による漫才です!」

「どうぞー!」

 

気を取り直すように麗緒と空が次へと進める

 

「はい、えーはじめましてメイタマでーす」

「すー」

 

不思議…な格好をした2人がステージへと上がる

 

「待ってましたメイタマでい!」

 

マッチ酔い(?)がまだ覚めてない美海が野次を飛ばす。それを見た百々は

 

「酔い冷ましに水でもぶっかけるっすかねぇ…」

 

と腕を組みながらつぶやいていた

 

「「五十一音マンボウ、はっ!」」

 

ステージ上では芽依と志摩の漫才が始まる

 

「「ちゃっちゃちゃっちゃっちゃあかさたな!はまやらわ!う!」」

 

観客席では笑いが巻き起こる

 

「びっくりのあ行」

 

「あっこんなところにケーキが。食べちゃお。ムシャムシャムシャ、ごっくん」

 

「それ腐ってるよ」

 

「いっ!?」

 

「お腹壊すよ」

 

「うっ!」

 

「トイレ一杯だったよ」

 

「えっ!」

 

「間に合わないかもね…」

 

「oh………」

 

芽依と志摩の漫才で笑いが巻き起こる一方、砲術員組では…

 

「ガツンと来たね」

「私たちの砲術長が人前であんなに堂々と…」

「バキュンと感動したー」

 

と涙を流しながら感動していた

 

「あかさたな、はまやらわ」

「うっ!」

 

「ヒステリックか行」

 

「あなた、おかえりなさい」

「ただいまー」

 

「かぁー!肩に女の髪の毛が!」

「電車でツイタンダヨー」

 

「きぃー女の口紅がー」

「電車でツイタンダヨー」

 

「くぅーパンツが裏返ってるー」

「電車でウラガエッタンダヨー」

 

「もう。けっこう」

 

まだまだ漫才は続いていく中、明乃は教室を見渡す。そしてクラスのみんなが笑いに包まれるのを見て、明乃も喜ぶのだった。そして漫才が終わり、電気が消されると

 

「それでは次は艦橋メンバーによる劇!」

「“仁義ある晴風”です!」

 

紹介の後、スポットライトが照らされる。そして照らされたところにいたのは腕を組む鈴と鈴に跪く明乃だった

 

「くっくっく……これで…晴風もワシらのシマだ」

 

「上手くいきましたね。親分」

 

その時

 

「待てや!」

「待てや!」

 

と言い、幸子とましろが舞台へと上がる

 

「おぉ〜ん?なんだ、晴風のイモか」

 

「晴風乗員はイモかもしれんがのぉ…相手の風下に立ったことは一度もないんじゃあ!」

「ないんじゃあ!」

 

鈴の挑発に乗るような形で幸子とましろが言い返す

 

「ほぉ…来るなら来いや!」

「来いや!」

 

「根性注入しちゃる!」

 

そう言い鈴が刀に手をかける

 

「頭ぁ!ぐぁっ!」

 

咄嗟にましろが前に出て庇い、そして鈴に切られる

 

「しろ坊…しっかりせんかい!」

 

その場に倒れたましろを幸子が抱える

 

「頭…頼むけん、敵討ってくんさい…」

「こんぐらいで何弱気のことを言っとるんじゃ!」

 

迫真の演技でましろが弱ってきた体を演じ、幸子がそれを励ます。そして…

 

「出し物最後は飛び入りですがこの方です!」

 

空がプロジェクターを取り出し、タブレットを繋ぐ。そこに映っていたのは…

 

『あーあー。聞こえとるんかな。晴風で赤道祭をやるって聞いたんでなにか出来んかなっと思ったんよ。それで急遽やけど録画しました〜』

 

『く、倉本さん!?』

 

教室の全員が驚く。それもそのはず、映し出された画面には結城、柚希、夏美、佳代が映っていたのだから

 

『それじゃあ…行くよ!』

 

『ワン、ツー!』

 

佳代がドラムを叩く

 

♪〜

 

「これって…」

 

明乃が先に気づく

 

『I wanna fly so high. Yeah, I know my wings are dried. 「翼仰げば」って人は云う♪』

 

結城が歌う

 

「ワタリドリ!?」

 

ましろも反応する

 

『向こうにあるは無情。 飛べる者 落ちる者。誰も見てない。気にも留めない。それでも飛び続けた♪』

『傷ついたあなたを笑わせたいから♪』

 

柚希も歌い始め、曲はサビへと向かう

 

『『追いかけ届くよう♪僕等一心に羽ばたいて♪問いかけて嘆いた夜♪故郷(まち)は一層輝いて♪ワタリドリの様に今、旅に発つよ♪ありもしないストーリーを、描いてみせるよ♪』』

 

ここで曲は止まる。そして教室内は自然と拍手に巻き込まれた

 

『即興だったからここまでしか練習できなかったけど…どうだったかな?』

 

『晴風のみんながこれで喜んでくれると嬉しいな』

 

『みんなよく出来る後輩、頑張って!』

 

『応援してるよ!』

 

結城、柚希、佳代、夏美の順にメッセージを送って映像は止まる

 

「すっ…すごかったっす…」

 

百々が驚きのあまり呟く。そして麻侖がみんなを後甲板へと連れて行くと……

 

「最後は相撲大会で決めるんでい!」

 

と簡易的な土俵の上でどこで作ったのか分からない軍配を持って行司になる

 

「ひがぁし〜まりこぉまぁる〜。にぃし〜くろぉの〜ふ〜じ〜」

 

「これはまりこーの勝ちだよねぇ〜」

 

理都子が取り組みをみて呟く

 

「いやいや〜」

 

と瑠奈は横で首を振った

 

「はっけよぉ〜い…のこった!」

 

麻侖が軍配を高く上げると2人がお互いに組み合う

 

「はぁっ!」

 

楓の廻しを洋美が掴むと一気に持ち投げる

 

「黒の富士の勝ち!」

 

「大逆手…すごい技使うなぁ……」

「詳しいね。かよちゃん」

「おじいちゃんが相撲好きで…」

 

決まり手を即座に出した果代子に理都子が聞く

 

「クロちゃん…地元の女相撲大会で優勝したんだって…」

 

と瑠奈が囁く。その言葉の通り、洋美は対戦相手を掛け反りや二枚蹴りといった決まり手で次々と倒していく

 

「さぁいよいよ決勝戦です。類まれなる技のオンパレードで順調に勝ち抜いた機関科黒木洋美とラッキーラッキーで決勝戦に進んだ艦長岬明乃!」

 

(「ふっ…艦長の相手は弱そうな相手が来るよう組んだんでい…」)

 

悪い顔をする麻侖の頭には一回戦の美甘、二回戦のあかね、三回戦のほまれの顔が浮かんでいた

 

「さぁ…いくでい!はっけよぉ〜い…のこったぁ!」

 

その声で洋美は駆け、左手と左足を掴んで投げた

 

「でーたー!10年に一度出るか出ないかと言われる外無双ー!!」

 

「優勝、黒の富士!」

 

かつてないほどの盛り上がりを見せるなか、洋美は目を回す明乃に近づき手を貸す

 

「ありがとう」

 

向かい合って握手する2人を見て麻侖は満足そうに頷くと

 

「よーし。じゃあこれで終了!」

 

と声をかける。その時、群衆の中で手を挙げる人が一人いた

 

「おっ…どうしたんでい美波さん」

 

麻侖がすぐに手を挙げた美波へと振る

 

「私だけまだ何もやってない…」

 

少し不満そうな声で言う。その言葉に周りは何か実験をやるのかと少し引く

 

「えっと…美波さん、何かする気?」

 

「ちゅ、注射とか…」

 

空と麗緒が少し怖気ながらも聞く

 

「最後にみんなで歌いたい。“我は海の子”を」

 

「なんでいずいぶん可愛い歌歌うじゃねえか」

 

「民謡とか演歌じゃないんだ」

 

「もしかして、自分の子供に聞かせてたとか?」

 

美波の提案に麻侖や空、麗緒が反応する

 

「私はまだ12歳だ」

 

『え、えぇ〜!?!?』

 

美波の突然の告白に晴風クラスのメンバーは目を白くして驚く

 

「12歳!?」

「まじ!?」

「うそだ!」

「うそ!」

「てっきり年上だと…」

 

次々と自分の思っていることをみんなが口にする中、美波は

 

「飛び級して大学に入ったからな。とにかく歌うぞ!みなさんもご唱和ください!」

 

そうして美波は一息つくと

 

「わーれはうーみの子、しーらなみのー♪」

 

と歌い始める

 

『さーわぐいーそべの松ばーらにー♪けーむりたーなびく苫屋こそー♪わーがなつかーしき住処ーなれー♪』

 

元気な歌声は星が光る夜空へと消えていくのでした




今回もお読みくださりありがとうございました!
読んでくださる方に最大級の感謝を

あ、神の名前は多分この神様だろうなと勝手に予想して当てました。航海ラップ、すごい好きなんですけどわかる人います?

次回、第31話、明乃ともえか(仮)
明日へ向かって、ヨーソロー!
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