みなさん、はいふりの再放送の方は録画等々で見る用意できていますか?
それでは第36話、どうぞ
#36 お泊り会でピンチ?
晴風が沈没してしまった後、結城は今回の作戦に参加した全員を集めた。どうしたんだろうという不安が広がる中結城は口を開ける
「えー、みんなに集まってもらったのは一つ。今日の作戦で使ったのは軍機に該当するもの。諸外国や国民にはこれから説明することだから他の人には言わないでもらいたいな。ユウカ艦長とテア艦長はその方頼めるかな?」
話を振られたユウカやテアはもちろんと頷いたあと
「代わりに説明責任は頼みますよ」
「これは様々な物がひっくり返えりません」
と口々に言うのであった
「よろしい。では解散!」
そう言って結城は手を合わせる。そしてその合図を待っていたかのように真雪がその場の全員に告知する
「今回の件は本当にご苦労様でした。心配して駆けつけられた親御さんもいますので、無事なところを見せてあげてください。また既に大型連休に入っています。親御さんとともに家に帰るのもいいでしょう。連休明けにみなさんの元気な顔を見せてください。また結城中将の言ったことはよく守るように」
結城中将、その言葉を聞いたことで思い出したように明乃は「あっ!」と声を上げる
「艦長?どうしたんです?」
「いやね、結城さんの服…いつもと違うなって…」
「あぁ確かにそういえば」
そう明乃とましろが話していると結城もああ。と頷き2人の前へと行く
「2人には“戦艦薩摩艦長”の方で自己紹介してたな。ユウカ艦長も階級が中将ってことに疑問を思ってたはず。これはうちのもう一つの役職が影響してるんだよ。それはね、日本國海軍、聯合艦隊司令長官って役職だよ」
『えぇ……?えぇぇぇ!?』
晴風クラスにモンタナクラス、さらにはその話を聞いていたシュペークラスのみんなが驚く
「れん…ごう…かん…たい……」
「そ、その司令長官だったんですか!?結城兄さんは!」
明乃がゆっくり復唱し、ましろは突然の告白に冷静さを取り戻せない。そして結城の後ろからひょこっと柚希が顔を出すと
「あ、私も聯合艦隊参謀長を拝命しているよ」
「柚希姉さんまで!?」
情報量にましろは目を回し素がでてくる
「詳しい話は今度言おう。今日は家での時間を大切にしんしゃい」
情報量でフリーズしていた明乃はその言葉で我を取り戻す。結城の言葉で他のメンバーは散り散りになり保護者の方へと向かっていく。明乃とましろはその光景を眺めていた
「岬さん、よかったらうちに泊まりませんか?」
「え?」
急に話を切り出したましろに明乃はきょとんとして目をパチクリさせる
「あら、それはいいアイデアね、ましろ」
「か、母さん……」
「宗谷校長……!」
突如として入ってきた真雪に明乃は焦って敬礼する。その様子に真雪は微笑み
「解散したのだから、今は……そうね、ましろの保護者ということでいいわ」
と言う
「でも宗谷校長。先ほど、晴風の艦長と副長は指示があるまで寮舎で待機だって」
「え?」
ポカンとするましろに明乃や真雪の目が向けられる。ましろの反応からするとその言葉を聞いていなかったらしい
「すぐに呼び出しに応じられるところにいてほしいというのが趣旨なので、岬さんがうちに泊まってくれるのなら問題ないわ。事件の処理に当たっては、私か真霜のどちらかと一緒に行動することが多くなるでしょうから。ましろは、それを踏まえた上で岬さんを招こうと思ったわけではなかったのね」
「いえっ、あのっ…………すみません……」
「あはは……」
明乃も苦笑してしまいましろの顔が真っ赤になる
「それでどうかしら、岬さん。と言っても、私も含めてうちの者は今回の件でバタバタしているから、ほとんどましろに任せてしまうことになると思うけど」
「それはもちろん構わないんですけど……本当にいいんでしょうか?」
「ええ、私は大歓迎よ。ね、ましろ」
「わ、わたしは──」
いきなりでドキッとしたましろは息を吸い直すと
「艦長さえ、よろしければ」
と返す
「……さっきは『岬さん』だったのに『艦長』に戻っちゃった」
「そ、それはっ」
明乃が少し残念そうに言いしましろが慌てる。その光景を見ていた柚希は「ふふっ」と笑って近寄り
「まったく照れ屋さんなんですから。ましろちゃんは」
と言いましろの肩に手を置く。ましろはさらに慌てて
「照れ屋ではありません!柚希姉さんも茶化さないでください!」
と叫ぶ。それを見て気が緩んだのか明乃も微笑み
「ありがとう、シロちゃん」
とましろに向き直って言う
「艦長……」
「それではお世話になります、宗谷校長。よろしくお願いします」
明乃は丁寧に真雪にお辞儀する
「お母さん、それなら副長…いえ柚希少将も呼んでもいいかしら」
真霜も真雪に提案する
「え?いいのですか?」
「あら。久しぶりにそれもいいんじゃない?でも柚希少将もお仕事が…」
「それはやっとくけんよかよ。行ってきんさい」
真雪の心配をよそに結城が言う
「なら…行こうかしら?艦長と宗谷校長もそれでいいのですか?」
「ええ」
「あまり話せないかもしれないけれど」
その時ましろの足元に「にゃー」と鳴いて一匹の猫が来る
「おっと、そういえばお前もいたな。母さん、伝えていたと思うけどこの仔が多聞丸。この仔も家に連れて行くことになるんだけど……」
「その仔が報告書にあった多聞丸ね。もちろん構わないわ。猫の世話については今さら私が言うべきこともないわね、ましろ」
その言葉にましろはしっかりと頷くのだった
「宗谷校長ってとっても優しそうなお母さんって感じだね。あ、こんな風に言っちゃうのは失礼にあたるのかな……」
「解散した後は保護者だとかなんとか言っていたからいいんじゃないんでしょうか……」
辺りもすっかり暗くなった宗谷家への帰り道、柚希達はまだ開いていたスーパーやコンビニで必要物を購入していく。まさか下船後すぐに沈没してしまうとは誰も思っておらず、晴風に置いてきたものが多々あるからだ
「あ、お泊りするんだから歯ブラシくらいは買っていかないとね」
「そ、そうですね」
「そうだ、シロちゃん」
「なんでしょう」
明乃は周りを少し確認した後ましろにこそっと耳打ちする
「下着、どうしよう」
「しっ、したっ──」
「コンビニにならあると思ったんだけど、見当たらなくて……。わたし、店員さんに聞いてくるね」
「ま、待ってください!艦長!」
明乃が聞きに行ったのは男性の店員。そしてもう一人いた店員も運悪く男性だった
「家に未使用のものがあるはずなのでそれを使ってください」
「ホント?ありがとう、シロちゃん。本当に助かるよ」
「い、いえ。当たり前のことですから」
そうして一行は再び宗谷家へと歩み始める。そして家の前に着いた時
「ここがシロちゃんの家!?ふわぁ、おっきいねー」
明乃が目を丸くして驚く
「いえ、それほどでは……。柚希姉さんと艦長もお疲れでしょう。まずはあがってくつろいでください」
「ありがとう。シロちゃんっ。お邪魔しまーす」
「ありがとうね。お邪魔します」
ましろが玄関の鍵を開け、柚希と明乃が入る
「にゃー」
「ああ、多聞丸。ここがわたしの家だ。おまえの家にもなるわけだが、これからしばらくは寮舎や艦での生活の方が多くなるだろうな」
「艦……」
「ちょっとましろちゃん!」
「あっ、す、すみませんっ」
“艦”という言葉に反応して明乃の顔が暗くなる。
「ううん。それよりシロちゃん、どっちに行けばいい?」
「こちらがリビングになります。どうぞ」
ましろが明乃を案内する。そしてましろは麦茶をついで明乃へと差し出す
「ありがとう、いただきます。……はぁ、冷たくておいしい」
「買い置きがあって助かりました。ちょっと失礼して多聞丸用のものを設置してしまいますね」
ましろはそう言うと多聞丸用のトイレや餌入れを設置する。多聞丸もすっかりお腹を空かせていたようだったのでましろはキャットフードを開ける
「ふふふ、一食べっぷりだね、多聞丸」
「我々も何か食べることにしましょう。母さんからは店屋物でも取る夜うに言われていますが、艦長は何かありますか?」
「う〜ん、なにがあるんだろう?お腹は空いているから、早く食べられるのがいいな」
「そうですね……わかりました。カレーはいかがです?」
「うんっ、カレー!いいと思う!さっすがシロちゃん!」
「い、いえ。柚希姉さんもカレーでいいですか?」
「ええ。大丈夫よ。注文はお願いしちゃっていいかしら?」
「もちろんです」
そう言うとましろはスマホで近所の店にカレーを3つ注文する。その間も明乃は落ち着かない様子で周りをキョロキョロと見回していた
「注文しました。30分程度で来るんじゃないかと。……なにか興味深いものでもありましたか?」
「あはは……。やっぱりいいお家だなーって思って。あそこにある賞状とかトロフィーって見せてもらっていい?」
「どうぞ。あれらは姉の真霜や真冬が学生時代にいただいたものですね」
「艦長とか真冬ちゃんはすごいもんねぇ…真冬ちゃんのあの変態具合はどうかならないかと思うけど」
ましろの言葉に柚希が反応する
「あはは……でもやっぱりシロちゃんのお姉さんたちってすごいんだねぇ。シロちゃんのは?」
「うっ……。わ、わたしはあまり、こういうのの縁がなくて……」
「そうなんだ?シロちゃんもすごいのに」
「えっ」
明乃の言葉に衝撃を受けたようにましろが目をパチクリさせる。そして
「艦長、わたしは──」
と言いかけたとき、玄関のチャイムが鳴る
「あっ、カレー、もう来たのかな?」
「……そうですね、受けとってきますので艦長は待っていてください」
ましろは玄関へと向かいまだ温かいカレーを受け取ると代金を払う
「まだ熱々ですので冷めないうちに食べてしまいましょう」
リビングに入りながらましろが言うと明乃が財布を出す
「いくらだった?」
「やめてください、艦長。家に招いておいて夕食代を払わせたなんてことになったら、わたしが母さんに叱られてしまいます」
「そ、そういうもの?でも、なんか悪いかなって……」
「そういうものです。夕食代もちゃんと母さんから受け取っていますので、艦長もうちにいる限り食事代なんて気にしないでください」
「えっと、あの、じゃあ……ありがとう、シロちゃん」
「わたしに感謝されても……」
気まずそうにましろが顔を反らしテーブルにカレーを置く。そしてその横に柚希が千円札を置いた
「ゆ、柚希姉さんも大丈夫ですって……」
「ごめん。流石に払わせて。じゃないと兄上に怒られちゃうの。流石にいい大人だし食事代ぐらいはちゃんと払いなさいって……」
「わ、わかりました…」
柚希の気迫に負けて千円札を受け取る
「あのね、シロちゃん」
「なんです?」
「わたし実は、あんまり友達の家とか行ったことなくて……だから、なんかヘンなことしちゃってたら今みたいに言ってくれると嬉しいな」
「あ……」
明乃の境遇を思い出したましろが言葉を失う
「えっとね、初めてで知らないからっていうより、嬉しくってワクワクしちゃってるみたいで、さっきからそわそわしてなんか落ち着かないの、ごめんね、シロちゃん」
「い、いえ、大丈夫です。喜んでもらえてるなら……こちらも嬉しい、です」
明乃のフォローにましろはカチコチになりながら返す
「えへへ……。でも、シロちゃん。もうお家なんだし、艦長呼びは止めにしない?それに言葉遣いもちょっと堅苦しいかな」
「確かにね。ましろちゃん、オンとオフの切り替えは大切よ」
明乃と柚希の言葉にハッとしたましろは
「じゃ、じゃあ……み、み……」
となんとか「岬さん」と呼ぼうとする
「うんっ、うんっ」
明乃が期待の眼差しをましろに向ける
「……カレーが冷める前に食べましょう」
「あれぇ!?」
「いただきます」
「も〜。シロちゃん」
「全くそういうところもましろちゃんらしいわね」
眼差しに耐えられなくなったましろが誤魔化すように「あむっ、あむっ」と食べすすめる
「むむぅ……。でも、わたしももうお腹ペコペコ。いただきま〜す。あむっ」
「そうね。それじゃあ、いただきます」
明乃と柚希も続けて食べ始める。食べ進めながら明乃は自分に向いたましろの目が気になって仕方なくなる
「ん?なぁに?シロちゃん」
「い、いえ……艦長は……結構、カレーお好きですよね?」
「うんっ、カレーは大好きだよ。このカレーもおいしいけど、美甘ちゃんたちが作った晴風カレーも本当に美味しかったよねー」
「そうですね。わたしもあれは好きでした」
「いいね〜そこまで言う晴風カレー、今度兄上と一緒に食べに行こうかしら」
そんな話をしながら3人は夕食を食べすすめるのだった
今回もお読みくださりありがとうございました!
読んでくださる方に最大級の感謝を
あらいばるの方も中々面白い話が詰まっているのでぜひ御一読を。こっちでは第三者視点ですが本話の部分はあらいばるの方だとましろ視点になってます
次回、第37話、お泊り会でハッピー(仮)
明日へ向かって、ヨーソロー!