ハイスクール・フリート〜風の中の希望〜   作:翔鉄

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今回から数話アニメ本編関係なくなります()
今回めっちゃ長いです

調べたらはいふり世界(2016年想定)ではすでに日本国に名前が変わってたそうで......というわけで海軍の方々の所属は日本國海軍になります(旧字体を残したかったので国は旧字体です)


#2 留学でピンチ!?

時は少し遡り明乃たちが入学する5週間前。

 

アメリカ合衆国メリーランド州、ここにはアナポリス女子海洋学校がある。アメリカ海軍兵学校の一角を借りて創設された海洋学校ながらも、アメリカの女子海洋学校の本校となっているここは、女性の憧れの仕事であるブルーマーメイドへの階段をほぼ確実に登れる学校として、アメリカでも高い人気を有している。そんな中、出港用意をしている艦艇が1隻いた。モンタナ級超大型直接教育艦(直教艦)1番艦モンタナ...元アメリカ海軍所属の戦艦であり日本の大和型への対策として対18インチ防御が施されている。その艦の艦長である私、ユウカ・A・フカマチ・スミスはアナポリス女子海洋学校2年生だ。今日は日本へ留学のため向う準備をしていた...

「艦長。本艦の物資補給完了。出港いつでもいけます」

副長であり親友のルナ・ブラウンが報告に来る。そのまま彼女に向き直し声をかける

「ええ分かった。報告ありがとう」

そのまま艦内電話をとると各部署につなぐ

「出航用意。各員配置につけ」

直後、艦内ではベルが鳴り響き艦橋内も慌ただしく動く。そして艦内電話で各部署からの報告を待つ。日本は伝声管を使うらしいけど電話のほうが場所を取らないから楽だね()

『砲術科、総員配置完了』

『航海科、いつでもいけます』

『機関科、準備完了。罐も十分。いつでもどうぞ!』

「総員配置よし」

ルナが声を上げる。その声に合わせるように私も声を出す

「出航準備、前部員錨鎖詰め方!錨を上げ!!」

その後信号ラッパの音が響く。錨がどんどん上がっていく

「機関圧力一杯」

『機関圧力いっぱーい!』

機関よし。これでもう出航できる

「両舷前進微速、進路240度!モンタナ出航!!航海長操艦」

「いただきました航海長。両舷前進微速、進路240!」

ボォォォォォ!

野太い汽笛を鳴らし直教艦モンタナは離岸しアナポリス女子海洋学校より出港する。4軸のスクリューが回転し速度はゆっくりと上っていく。岸壁を見ると他の生徒が手をふって見送っている

「汽笛吹鳴!甲板作業員は作業中断、手を振れ!」

野太い汽笛をもう一度鳴らし、モンタナはサンディエゴ港湾を抜けていった

 


 

「——航海は極めて順調よ」

ルナがそう報告する

「うん......了解」

出航から2週間後、サンディエゴ女子海洋学校をでた私達は一路ハワイブルーマーメイド本部へと向かっていた。現在舵を取っているのは航海長のカレリア・ジョーンズだ。その他にも艦橋には艦橋の外を眺めている砲術長のルイス・J・ミラー、ルナにタブレットを持っていかれた書記のハル・デイビス、航海員のレミリア・トーマスがいる。主要なメンバーとしてはあと3人、機関長のアリス・アンダーソンと主計長のリリカ・ニコラス、そしてこの船だけの特別科、航空長のメルラン・ムーアだ。航空科はアメリカが総力を上げて開発したヘリコプターを運用するためのもの。このためモンタナだけ定員は41名と他より10名多い。

「このまま行けばあと5日でハワイのブルーマーメイド本部、2週間もすれば横須賀に着くな」

「ええ。そういえば艦長は日本に住んでいたんでしたっけ?」

「えぇ。昔ね...でも住んでいたのは横須賀ではなくて呉なのよ」

「「へぇ~」」

艦橋のみんなが呟く

「まあ楽しみなのには変わらないよ」

「んにゃ〜」

足元に猫が来た。モンタナで飼っている猫、ペリーだ

「ペリーも楽しみか?」

ゴロゴロと声を上げて転がったペリーと遊びながらルナに声をかける

「じゃ私は見回り行ってくるわ。少しの間よろしく」

「OK。任せておいて」

ルナがそう答えるとユウカは艦橋エレベーターから下に降りていった

 


 

エレベーターから降り機関室へ向かう

「やあアリス。調子はどうだい?」

「お、艦長。ばっちりよ」

そういってけたたましい音を立てながら動く機関部を見せながらアリスが迎える

「やっぱりウェスティングハウス式ギアード蒸気タービンは良いなぁ。出力も高いしね」

そういってタービンを愛でるアリスをみて『いつも通りの風景だなぁ』と若干引きつつ異常はないと思いつつ機関室をあとにする。さて次は...医務室か...

 


 

「入るぞー」

元が戦艦であり、自動化によって航空を除けば30人で運用できるように改装されている分、医務室はすごく広い。こう言ったら縁起が悪いが仮にこの船の全員が風邪を引いてここで寝込んでもまだ足りるベット容量だ。そして患者用ベットでなぜか寝ているのがここの責任者、ティナ・コトー。彼女はその医学の才から“テキサスの奇術師”と呼ばれている。とりあえず起こさなければ...

「ティナ。起きなさい」

「うーん...あと10分...」

「いつもそれで30分以上は寝るじゃない。流石に今起きて」

「ふぁーい...さて、まだ事務も残ってるしやりますか。艦長、ハワイまであと何日?」

「ざっと5日ってところ」

「了解。んじゃそれまでに医務室の不足物資はまとめてハルのタブレットに送るわ」

「ありがと。んじゃ私は別のところの見回りに行くわ」

「はいよー」

「あと白衣変えなさい。よれてるわよ」

「ういー」

そういって廊下へ出る。さてと...次は食堂ね

 


 

「なんかいい匂いがするわね」

食堂についた瞬間、美味しそうな匂いが漂ってきた

「あ、艦長!見回りですか?」

「ええそうよ」

炊事員のエミリー・ホワイトから声をかけられ向くとその手には小鉢が握られていた

「これ...試作のカレーなんですがどうですか?」

「またなんでカレー?」

「ほら...日本の金曜日ってカレーが出るらしいじゃないですか」

「あ、そういうこと。でもあれ海軍やブルーマーメイドとかの海に関わるところだけよ?」

「そうなんですか。あ、そうそう。それで艦長には少し味見をしてほしいのです」

「ありがとう。いただくわ」

一口食べてみる。ゴロッとした大きめの具材に少し辛めのルー、そしてコクがあって美味しい

「これはいいね。美味しいわ」

「ありがとうございます」

小鉢を返しながら感想を言い、感謝するとそのまま食堂をあとにした

「あとは...1つか」

そういうとユウカは廊下を歩き、後部甲板へ歩いていくのだった

 


 

そのままたどり着いたのは後部甲板。昔は水素やヘリウムを使う飛行船の作業甲板だったが今はヘリ用に改装されている。国内唯一の航空科があるアナポリス女子海洋学校所属艦専用の装備だ

「お、艦長来てくれましたか」

「あったりまえよ。んでどう?例の機体は」

声をかけてきたリリカに返す

「とりあえずここの2つはハワイで降ろすわ」

そういってリリカはMH-60を指す。本国では主力のヘリコプターだ

「じゃあ少しは広くなるわね」

「ええ。これでやっとバスケができるからみんなも喜ぶわ」

「うーん...この荷物が誰のか分かってんのにそんな事言ってるのか」

「まあバスケできるだけで気持ちみんな変わってますからね」

「あとこの船がどこの持ち物かも考えてくれよ......」

「まあアイオワ級とモンタナ級はね...」

そんなことを話しながら甲板に並ぶ機体を眺めていた...

 


 

「艦長!第一機関室より緊急入電!火災発生!」

「何!?」

当直でコーラを飲んでくつろいでいたら緊急入電が届いた

「その他は?」

「影響なしです!」

「よし、艦内非常ベルならせ。手空きの者は至急ホースを持って機関室へ!」

「了解!」

ジリリリリリリリリ!!

艦内通路の電灯が赤色に変わり、非常ベルが鳴り響き艦内が一気に騒がしくなる

「総員に通達。現在機関室にて火災が発生!至急消火作業に入れ!これは訓練ではない、繰り返す、これは訓練ではない!」

「艦長!」

ルナが飛び込んでくる

「レミリア、カレリア、ここは任せた。操艦等も」

「「了解!!」」

ルナといっしょに艦橋を飛び出し急いで降りる。途中で消化器を拾い、機関室へ

「アリス!大丈夫か!?」

「艦長!一人喉の痛みを訴えてる!とりあえず消火は5割程度完了!」

けが人がでたか...兎にも角にも今は消火と救助優先!

「アリスは喉の痛みを訴えてる子を医務室につれていって!」

「了解!」

「その他のメンバーは消火急げ!」

 


 

「ふぅ......」

「艦長!助かりました」

アリスが声をかける

「それで容態はどう?」

「喉に軽いやけどをしているけれど後遺症が残る程ではないって」

「よかった...ちなみに第一機関室はやられたけどその他は大丈夫?」

「なんとか。それでも第二機関室だけでもたせるから航行速度は半分。14ノットが限界ね」

「分かった。それじゃ艦橋で最短経路を作ってもらおう」

そういって艦橋に戻った

「ハル、ハワイへの最短経路を。14ノットしかでないからその考慮もお願い」

「わかりました」

そのあいだにユウカは通信をとった

「こちらサンディエゴ女子海洋学校所属、大型直接教育艦モンタナ艦長、ユウカ・A・フカマチ・スミスです。先程本艦第一機関室にて火災が発生し、速度が半分の14ノットしか出ない状況です。ついてはそちらへの到着が遅れること、及び機関修理の準備をよろしくお願いします」

『こちらハワイ真珠湾、ブルーマーメイド本部。そちらの現状について了解した。こちらからも改インディペンデンス級沿海域戦闘艦5隻を派遣する』

「ありがとうございます」

ふぅ...いつもの速度ならあと1時間で着く位置だったから1時間40分ぐらいかな?かかる時間は。そう思い艦長席に戻る。このあと異常が無いことを願いながらモンタナは進むのだった

 


ーそれからしばらくして

 

「艦長。前方より改インディペンデンス級沿海域戦闘艦5隻見えました。そして先頭のホノルルより通信です」

「分かった。繋いで」

「承知しました」

CICのディスプレイに一人のブルーマーメイド隊員の顔が映る

「モンタナ艦長のユウカ・フカマチです」

名前が長いので基本的に日本にいた頃の名前で話す

『ホノルル艦長兼今回の司令を務めるアメリア・ホール一等監査官です』

「急でしたが来ていただきありがとうございます」

『いえいえ。とりあえずこちらの艦艇3隻で曳行します。曳航索をつなぐ用意をお願いします』

「承知致しました」

さて全艦に知らせるか

「総員に告ぐ。これより本艦はブルーマーメイド艦隊に曳行してもらう。甲板作業員は曳航索をつなぐ用意を」

改インディペンデンス級沿海域戦闘艦が近づき、隊員が曳航索を投げる。それを受け取り艦種につける。これでハワイまでは曳行での移動だな

 


 

あれから機関の修理に2日を費やし補給を済ませたユウカ達モンタナは日本へ向け出港した。

「流石に覚悟していたけどまさか2日もかかるとはねぇ」

「色々監査も入りましたし仕方ないですよ」

「だね〜」

そんなこんなでルナと話しながら外を見る

「まぁなんとか…こうして出港できましたね。とにかく私達は日本へしっかり進みましょう」

「そうね」

何はともあれ機関が直ったのは本当に良かった。機関室火災の原因もブレードに見えないヒビが入っててそれが限界を迎えて壊れたことによるものだったし…テロの可能性は無かったからよかったよかった

「とりあえず横須賀女子海洋学校には2日遅れる予定の旨を伝えてあるね?」

「はい。出港前にハワイ本部から送らせてもらいました」

「よし、これでまずはひと安心だね」

「はい」

「航海長、急いで行く必要は無いから。機関とかもう壊さないようにお願い」

「分かりました」

もうあと1週間ちょっとで日本か〜。ミケちゃん…モカちゃん…やっと会えるね…でも、2人は覚えているかなぁ……

『私が2人の姐になる!』

「……ふふっ…懐かしいなぁ」

「艦長?どうされました?」

「いや〜昔のことを思い出しててさ〜」

「呉でのことですか?」

「そうそう。私はその時児童養護施設にいたんだけど…仲の良い2人の一緒にいた子とよく話しててさ、2人とも慌てがちで心配だったから『私が姐になって2人を見る!』って言ってたのよ」

「はえ〜ところで艦長のブルーマーメイドを目指した理由は?そういえば聞いていなかったなと…」

「あれ話してなかったっけ?」

「ええ。聞いたことないです」

「そっか…」

そう言って話し始めた...




深町優花あらためユウカ・A・フカマチ・スミスの登場回でした。アナポリスからわざわざパナマ運河を通ってハワイ経由とは...なかなか根気いるな(特にパナマ運河通過時は)

原稿から書き写して...ってやってるけど普通に長過ぎたの反省

次回、第3話、荷物はどこへ(仮)

会話文の前後の行間を1行空けるかどうするか

  • 見にくいから空けるべき
  • このままでいい
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