残念だったな。それは嘘だ。
すみません。短い内容ですが、これが最終話です。
若獅子タッグトーナメントが終わって1ヶ月経った。
現在、俺には悩み事がある。それは、
「皐月鷹だな! 俺の名前はムチャ。勝負だ!」
「三十六計逃げるに如かず」
「待て! 武道家としての誇りはないのか!」
「誇りで飯が食えたら、誇りを持ってやるよ。さらばだ」
登校時にもかかわらず、俺に挑んでくる武道家が毎日いることだ。
全ての登校ルートに潜む脅威。武道家は脳筋が多いイメージなのだが、何故こうもルートを絞れたのかが不思議に思えてくる。ストーカーも毎日ルートを模索してるんだろうな。
ちなみに、その都度逃げる俺にあだ名がついた。その名も、臆病騎士様。ちなみに一人からは、怠惰騎士と呼ばれている。
やめろよそんなあだ名。照れるだろ。
そう自分のあだ名に照れながら逃げる毎日。これはこれで楽しいかもしれない。
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放課後。教室で決闘決闘とうるさい2人から、無事逃亡することに成功した俺は、あいも変わらずだらけ部へと足を運んだ。
「怠惰騎士じゃないか」
「怠惰僧兵さんもダラけてますね」
「そりゃそういう部活だからね」
そこには副部長である弁慶が俺を待っていた。
いつも通り川神水を飲む彼女。俺も平常通りに部屋にあるポテチの袋を漁る。今日はコンソメ味か。
静黙な部屋に、ビニールの開ける音が響き渡る。
「ぷはーっ。聞いたよ。今日もまた挑戦者を撒いたんだって?」
「そりゃそうだろ。何で疲れることをせにゃならんのだ。お金を持ってきたら考えてやるのにな」
「どうやらうちの部の部長は、お金にがめつい様子で」
「時は金なり。金が世の中を支配してるのさ」
「たまには英雄の子孫らしく戦ってみたら?」
「今日の英雄さんは有給休暇かもしれないなぁ」
「なら仕方ないね」
英雄さんは今忙しいの。多分買い物に行ってるかな? 帰ったらご飯を作って。で、眠って起きたら洗濯しないといけないスケジュールが入ってるの。
「そういえば、あれから川神百代に挑戦が来てないみたいだね」
「あー……そのことか。事情を話して、戦わないようにしてもらったんだよ」
「どういう事情?」
「そりゃ、こう。あれですよ」
「なるほどね」
何がなるほどかはよくわからないが、弁慶はこれ以上追及をしてこなかった。
ちなみに、川神先輩は未だに決闘を挑んでくる。が、毎度のごとく学長の後ろに逃げる俺。
最初は嫌がっていた学長だが、今では呆れながら対応してくれる。やはり持つべきものは理解者だね。まったく。
「で、毎度学長の後ろに逃げている英雄ガウェインの子孫の皐月さん家の鷹さんや」
「何だね? 武蔵坊さん家の弁慶さん」
「その行為は、英雄としてどうなの?」
「そりゃ、あれですよ」
英雄とは、才知武勇に優れ常人にできないことを成し遂げた人物で、一般的には悪い奴を倒すヒーローのことを指す言葉である。
九鬼財閥では、歴史上の偉人達のクローン。英雄を誕生させることで、編入させた学園内で競い合わせようとしている。
しかし、そのプランの中の一人と英雄の血を受け継いでいる俺と弁慶は、いつも通りだらけ部でダラける。その行為は、英雄として間違っているかもしれない。
だが、英雄の子孫である俺の行動を決めるのは、俺自身だ。
──だからこそ
「"俺の英雄像は間違いだらけ"だからな」
「間違いないね」
二人は笑う。自分達の行為が、英雄として間違いだらけだから。
それを、二人は直さないだろう。
なぜなら、二人はだらけることが好きだから。
二人の英雄像は、一般の英雄像とは真逆なのだから。
これにて、『俺の英雄像は間違いだらけだ』の幕を閉じさせていただきます。
短い間でしたが、このような駄作に付き合っていただきありがとうございます。
続編はありません。
ある人物とのイチャイチャな話も投稿いたしません。
だって、話が続きに続いてエタるからです。
では、皆様がよい作品に会うことを祈っております。