目の前にある、父上だった肉の塊を見る。
警察が事情聴取をしてくる。
私はただ、父上が本気でかかって来いと言ったから行っただけです。
そう警察に応える。が、警察は眉をひそめるばかりだ。
当然だろう。わずか13歳腕力で人間の頭が割れることなど、考えられないのだから。
金髪だからといって、血反吐を吐くほどの鍛錬を幼少時代から始めてきた。元々ついていた名前から、"鷹"という名前になった。
これは、私のご先祖様から取った名前とのことだ。それを、役所は笑顔で受け取っていた。
英雄だから、皆の手本になるような力を手に入れなければならない。父上の口癖だ。
英雄の子孫だから、朝から晩まで鍛錬を続ける必要があるのだろうか。
心の中に、父上の言葉と共に今まで思ってきたことが悶々と出てくる。
英雄とは、なんだ?
英雄とは、ヒーローだ。
英雄とは、どういう風にあるべきか?
英雄とは、武術をやっている人達の手本になるべきだ。
英雄とは、なんだ? 英雄とは、どうあるべきか? 英雄とは?
そして、俺の中で英雄の結論が出た。
英雄なんてクソ食らえ、と。
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川神市の工場地帯に爆音と共に、目の前に花火らしきものが迫ってくる。直江の情報では、天神館の十勇士の一人である大友焔の大砲らしい。
スローモーションで見えるその大砲の弾を、俺はわざと受け止める。
コゲつく服に対して、熱くも何もない。これは、俺の体質だ。熱を持っている攻撃は、一切攻撃を受け付けない。
しかし、俺はわざとその爆風に飛ばされる。面倒くさいからだ。何故俺が戦わなければならない。
弧を描いて飛ぶ最中に、偶然目の前に月が見え、俺はこう思った。
空に浮かぶ月が綺麗だな。
俺が、この東西交流戦に参加したのは偶然に過ぎなかった。
福岡の『天神館』が、週末に修学旅行で川神に来ることから、学校ぐるみの決闘を申し込まれた。それを川神学園の学園長である川神鉄心が承諾したことによって、この戦いが始まった。夜中に各学校ごとに、200人を出し合い集団戦。敵の大将を討ち取れば勝利。これを各学年ごとで行う。
当然、俺は不参加を表明したのだが、2年生の立候補者の人数が足りないと言うことから、学園長がその残りを決めるということだったのだが、何故か俺が選ばれたというわけだ。
正直この戦いの勝敗なんてどうでもいい。戦いなんて、憎しみや悲しみしか生まない。
だからこそ、俺は目に映る月を眺めながら──眠ったのだった。
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「……はぁ」
翌朝、広げた新聞紙を見た俺は無意識に大きな溜息を吐く。
目の前の新聞の一面にはこう書かれていた。
『壇ノ浦の興奮再び!』
源義経・武蔵坊弁慶・那須与一。これらの過去の英雄を現世に転生。即ちクローンとして生み出した九鬼財閥は、これらのことを『武士道プラン』と呼んでおり、彼女らはどうも俺の通っている川神学園へと編入するとのことだ。
英雄が嫌いな俺は、彼女達とはかかわりを持つつもりはない。
何故ならば、俺は英雄の子孫としては違う道を進んでいるからだ。もしも英雄像を共有してきたのならば、意見が食い違うことで、疲れる展開になる。
正直学校へ行きたくはない。しかし、学校へ行かなければならない。
折れそうな自分の心に鞭をうち、鞄を肩に担ぎながら、自分の学校へと足を運んでいく。
こういうのが最初の主人公の過去のトラウマ+思考の予定でした。
しかし、少し重過ぎるからやめちゃった。軽いほうがいいじゃない!
次の没にした場所も投稿の予定です。予定としては今週末あたりかな?