俺の英雄像は間違いだらけだ   作:Mr.J

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戦闘シーンだけ、三人称で行きます。
予定としましては、このタッグトーナメントが終わったら完結となっております。


若獅子タッグマッチトーナメント! 予選の相手は出世街道

 若獅子タッグマッチトーナメントの参加者人数が予想以上にいたため、初日の予選で16枠まで絞るために、予選と言う形で七浜スタジアムに集った。

 全国で募集をするからだよ。まったく、一日で済むと思ったのに面倒くさい。

 

「ごめんごめん。待った?」

「いや、さっき来たところ」

「なんかデートみたいな発言だね」

「まぁさっさと入ろうぜ。ここにいたらむさくるしくて気持ち悪い」

 

 七浜スタジアムの入り口で、相方を待っているのが大勢いたのだろう。その場で精神統一をする者や、軽く汗を流す者が多くいる中で待っていた俺は、本音をぶちまける。

 ぶっちゃけむさくるしすぎるのだ。

 待機室に着いた俺は、持ってきた武器の布を剥ぐと、全身鉄の細長い槍が姿を表す。

 

「へぇ、鷹の獲物は槍なんだ。やっぱりそれも先祖に関連してるの?」

「ああ、もしかしたらこっちのほうも先祖かもしれないってので、親父から叩き込まれた。まぁ槍術は昔からの伝承じゃないから、これでいいかと思ってな」

「あー……たしかにそういう説もあったね。じゃあその槍は」

「親父が試行錯誤を重ねた結果できた、俺専用の槍。学長に頼んでレプリカを作ってもらった」

 

 弁慶との出場が決まった翌日。蔵の中で埃をかぶっていたこの槍をもって学長へレプリカを作ることを頼んだ。いくら刃を潰しているとしても、従来の使い方をした場合、相手がザクロになってしまう可能性が高いからだ。

 

「それで、予選の俺達の相手は……っと──」

「俺だ」

 

 予選の相手を確認するべく対戦表を開く──前に、自称予選相手の男が歩んできた。

 確かこいつは

 

「天神館・西方十勇士。石田だ。前回は油断して源義経に負けたが、今日は勝たせてもらうぞ」

「それがしは、十勇士、島──」

「おいおい、なんでおっさんが制服着てんだ?」

「それがし、立派にそなたと同い年!」

「お……おう」

「出世街道を歩む男であるこの俺が、このような大会に参加してやったんだ。感謝するといい」

「あ、はい。よろしくお願いします」

 

 自分から参加したくせに、何故か上から目線の石田。それにしても主催者じゃないのに、なんで感謝しろって言われなきゃならんのか。適当に受け流し、コツコツと靴を鳴らせながら石田を見終え弁慶のほうへと向く。

 

「弁慶、逃げたな?」

「ああいうのって、面倒じゃん?」

「俺も面倒だったわ。何あれ」

「さぁ、案外かまってちゃんなんじゃないの」

「そうなのかね」

「そうなんじゃないの?」

 

 あの石田が、俺に何を言おうとしたのかを考える。が、検討もつかない。そういうときは忘れるに限るね。本当に。

 ちなみに、観客の安全を確保すべく、リングの四方にはマスタークラスの実力者が配置されていた。

 ずるしようとしたら、あの化け物が一斉にかかってくるのか。いやだね、まったく。

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 予選を3回勝利すれば、本選へと進める。1回2回と難なく勝利を得たチーム・だらけ部だが、ここで大きな障害ともいえるチームへと当たった。

 今朝待機室であった、石田三郎と島右近のチームである。

 

「で、どっちが相手する?」

「弁慶は島な」

「その心は?」

「槍同士だと間合いの読み合いがだるい」

「誘ったのは私だからね。しょうがない」

 

 リングの中央に立った鷹と弁慶は、どちらを相手にするかを話し合っていた。

 

『それでは、試合開始!』

 

 審判の合図で、会場が沸きあがる。それを面倒くさそうに耳を指でほじくりながら、自分の相手である石田のほうへとゆっくりと歩み寄る鷹に、石田は余裕そうな表情をみせる。

 

「なんだ、てっきり弁慶が来ると思っていたが」

「いやぁ、さすがに二人相手にさせるってのはひどいと思ってな」

「まぁいい。ハンデだ。先手は譲ってやろう」

「あ、じゃあ行かせてもらうわ」

「ふん、貴様のような攻撃がこの出世街道を歩むこの俺に……って速!」

 

 構えをするでもなく、欠伸をしながら右手に持っている槍を石田に向かって突く。その動作と裏腹に、残影を残す勢いで連続で突かれて行く槍に対し、石田から先ほどまで見せていた表情が消えた。

 突きを流し、間合いを詰めようとする石田。が、鷹はそうはさせないと言わんばかりに、横薙ぎや叩きによって石田との間合いを保つ。

 

「ほらほら、出世街道を歩む石田さん。間合いを詰めないといけないんじゃないのか?」

「俺を舐めるなよ!」

「嫌だよ。男を舐めるとか趣味じゃないし」

「貴様は阿呆か。まぁいい、貴様のその強さを表し奥義を見せてやろう」

 

 間合いを開けた石田は、東西交流戦で見せた自らの寿命を犠牲にすることで、気を高める技・光龍覚醒をするべく神経を集中させる。

 

「あ、強くなるの面倒なんで倒れてくれ──おらぁ!」

「お逃げ下さい! 御大将!」

 

 しかし鷹は、その技を発動させる前に飛び上がり、空中で石突を全力で蹴り飛ばす。

 目にも止まらぬ速さで飛んでいく槍は、島の発言が終わると同時に石田の胸へと突き刺さり──場外へと飛んでいった。

 

『石田戦闘不能。勝者・だらけ部!』

 

 その言葉を聞いた鷹は、空を見上げながら呟く。

 

「やべ……手加減難しいわ」




まぁ、誰の子孫かはお察しの通りです。
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