ChatGPT「ファンタジー世界で虎の威を借る狐ポジションのモブに転生したが、どうやら世界は終わるらしい」 作:椎庵亭
それを覚えているのは、たぶん――俺だけだ。
魔物に殺されたことも、勇者に討たれたこともある。逃げ延びた先で飢え死にしたことも、仲間割れの末に刺されたこともあった。だが目を開けると、いつも同じ光景に戻る。産声、泣き声、歓声。祝福されるべき「始まり」の瞬間だ。
何度やり直しても、世界は滅ぶ。 何度足掻いても、英雄にはなれない。
だから俺は知っている。 この物語は、勇者の話ではない。
虎の威を借り、歴史の裏側で生き延びる―― 名もなき狐が、世界の終わりに抗う話だ。
正直に言おう。
俺は、主役じゃない。
剣を振れば岩を砕き、魔物を殴れば肉塊になる――そんな化け物じみた才能は、俺にはなかった。魔法の才能も、血筋も、運命に選ばれた感覚もない。
あるのは、少しばかり頭が回ることと、場の空気を読む嗅覚だけだ。
だから俺は、虎の後ろに立つ。
◆
世界が壊れ始めたのは、空から石が落ちてきてからだ。
隕石。 後に《原初の混沌》と呼ばれるそれは、大地を砕き、空を燃やし、終わりをもたらした――わけではない。
むしろ逆だ。
隕石は、世界を“変えた”。
石から溢れ出した魔力は、大気に溶け、土に染み、生き物を侵食した。適応できなかった生物は死に、耐えたものだけが生き残った。
ただし、生き残ったそれらは、もはや元の姿ではなかった。
角を生やし、牙を伸ばし、炎を吐き、雷を纏う。
――魔物。
人類は、負けたのだ。
剣も、数も、知恵もあったはずなのに、世界そのものが敵に回った。
◆
俺が生まれた村も、最初は踏ん張っていた。
柵を作り、見張りを立て、夜は火を絶やさず、祈った。
だが祈りに意味はない。
魔物は増え、強くなり、数を揃えて襲ってくる。農地は荒らされ、家畜は喰われ、隣村は消えた。
逃げるしかなかった。
荷車に最低限の荷物を積み、老人と子供を乗せ、村を捨てた。
――そして、逃げた先にも、居場所はなかった。
人類の領域は、日々、狭まっている。
受け入れる余裕など、どこにもない。
結果、俺たちは《難民》になり、やがて《野盗》になった。
腹が減る。
子供が泣く。
弱い集団から奪うしかない。
人類同士で争っている場合じゃない? それは正論だ。
だが、正論では腹は満たされない。
世界が悪い。
そう思わなければ、生きていけなかった。
◆
「キツネ。次はどこを襲う」
焚き火の向こうから、低く太い声が飛んでくる。
トラだ。
俺たち難民集団の頭目。
身長は俺より頭一つ分高く、肩幅は二倍近い。腕には不自然な隆起が走り、皮膚には獣毛が混じっている。
半分、魔物。
それが今の彼だった。
「人類領域の端に、小さな研究拠点があります」
俺は地面に広げた獣皮――地図代わりのそれを指差す。
「魔物研究者が一人。護衛は傭兵が二、三人程度。補給物資が届いたばかりです」
「奪えるか?」
「ええ。ただし、研究者は殺さない方がいい。情報と技術は、金より価値があります」
トラは鼻で笑った。
「甘いな。だが、お前がそう言うならそうしよう」
――これが、俺たちの関係だ。
トラは力。
俺は頭。
虎の威を借る狐。
自覚はあるし、恥じてもいない。生き残るためなら、誇りなんて安い。
◆
夜襲は、問題なく成功した。
傭兵は幻術で足止めし、トラが殴り倒す。研究拠点は小さく、逃げ場はなかった。
俺は、研究室らしきテントに踏み込む。
そこで――彼女と出会った。
ミロク。
後に何度も名を呼び、何度も命を預けることになる女性だ。
当時の彼女は、震えていた。
白衣の裾を握りしめ、怯えた目で俺を見る。
当然だ。俺は野盗で、彼女は研究者。
だが、その目に一瞬だけ、別の感情が浮かんだ。
――既視感。
理由はわからない。
ただ、胸の奥がざわついた。
「命までは奪わない」
俺はそう言い、荷物に目をやった。
その中で、一つの首飾りが目に留まる。
石でも金でもない、不思議な素材。
触れた瞬間、ぞくりとした。
理屈じゃない。
俺はそれを、首にかけた。
◆
それが、世界をやり直す引き金だとも知らずに。
数日後。
俺たちは、連合組織の討伐部隊に追いつかれた。
勇者。
戦士。
癒し手。
斥候。
正義の象徴。
完成されたパーティ。
幻術は破られ、策は読まれ、トラは倒れた。
難民たちは逃げ惑い、次々と斬られていく。
最後に俺が見たのは――
剣を構える、癒し手の後ろ姿。
なぜか、ミロクによく似ていた。
剣が胸を貫いた瞬間、俺は思った。
ああ、やっぱりな、と。
主役じゃない俺の物語は、ここで終わる。
――はずだった。
◆
次に目を開けたとき、俺は泣いていた。
赤ん坊の体で。
見慣れた天井。
聞き覚えのある声。
世界が、巻き戻っていた。
首元で、あの首飾りが、静かに熱を帯びていた。
――俺は悟った。
これは、詰みじゃない。
やり直しが、許されている。
虎の後ろの狐でも、世界を変えられるかもしれない。
そう思ったのは、きっと。
彼女の怯えた目が、頭から離れなかったからだ。
この時の俺は、まだそんな甘えた事を考えていた。
改行がめっちゃ多い
おそらくはチャッピーに「Web小説っぽく」と頼んだせいだと思う。
あと「研究者をもっとヒロインぽくしましょう」と提案されたので
※本作はWeb小説向け文体で再構成された長編版です。
※研究者(ミロク)を明確なヒロインとして描写しています。
で長編?小説化されたっぽい。
ーーとか””とかちょっと気になるけどこういうのが流行りなのだろうか?
追記:
ミロクちゃん、プロットでは主人公達に殺されてたのが生き残ってる。
チャッピーにも「ヒロインが主人公に殺されるのはダメ」とかノウハウがあるのかな?
主人公が「モブ」という言葉を使うのも違和感がるので、ちゃんとチャッピーと話し合って主人公が転生者なのか、自認モブなだけで首飾りからループに巻き込まれた一般人なのか決めておいた方が良さそう。