ChatGPT「ファンタジー世界で虎の威を借る狐ポジションのモブに転生したが、どうやら世界は終わるらしい」   作:椎庵亭

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第二話 首飾りと研究者

 ――既視感。

 

 

 

 

 研究拠点を襲う。

 

 それは、俺にとって数え切れないほど繰り返してきた“仕事”の一つだった。

 

 だが、この夜だけは違った。

 

 理由ははっきりしている。

 

 ――彼女が、そこにいたからだ。

 

 ◆

 

 ――既視感がある。

 

 

 

 

 人類領域の端。

 

 そこは、魔物の濃度が高まり始める境界線だった。

 

 大地には魔力が染み込み、草木は異様に太く、歪な形で育つ。夜になれば、遠くで魔物の咆哮が響き、眠りは浅くなる。

 

 そんな場所に、研究拠点はあった。

 

 粗末な柵。  仮設のテント。  最低限の結界。

 

「随分と、心細い場所だな」

 

 俺は小声で呟いた。

 

「だからこそ、研究になるんだろうがな」

 

 背後でトラが肩を鳴らす。

 

 彼の体から漂う魔力は、周囲の空気を歪ませていた。半分魔物になった人間の威圧感は、並の傭兵なら立っているだけで震え上がるほどだ。

 

「傭兵は三人。見張りは二交代。結界は簡易式だが、研究者本人が触媒型の魔法使いだ」

 

「面倒か?」

 

「いや。問題……ない」

 

 頭に張り付いた既視感を振り払い、自分に言い聞かせるように、そう答えた。

 

 

 

 

 ◆

 

 夜襲は、完璧だった。

 

 幻術で視界を歪め、傭兵同士を誤認させる。その隙にトラが突っ込み、殴る。

 

 魔力強化された拳は、盾ごと骨を砕いた。

 

 悲鳴は短く、抵抗はほとんどなかった。

 

 俺は、研究用テントへと向かう。

 

 その中で、白衣の女性が立ち尽くしていた。

 

 ミロク。

 

 ――この時点では、まだ名前も知らなかったが。

 

 彼女は痩せていて、目の下には濃い隈があり、長い髪は無造作に束ねられている。研究に没頭するあまり、身なりに構う余裕がないのだろう。

 

 だが、その瞳は澄んでいた。

 

 恐怖に揺れながらも、逃げずに俺を見ていた。

 

「……殺すなら、早く」

 

 か細い声。

 

 それを聞いた瞬間、俺は確信した。

 

 ――この人は、善人だ。

 

「殺さない」

 

 短く答えた。

 

「物資と資料をもらう。それだけだ」

 

 彼女は、驚いたように目を瞬かせた。

 

「……野盗、ですよね?」

 

「ええ」

 

「でも……」

 

 言葉に詰まる彼女を残し、俺は荷物を漁る。

 

 薬品。  記録帳。  魔物のサンプル。

 

 そして――首飾り。

 

 それは、明らかに異質だった。

 

 魔力反応が、異常に静か。

 

 まるで、世界から切り離されているような感覚。

 

 俺は、迷わずそれを手に取った。

 

「それは……!」

 

 ミロクが、一歩踏み出す。

 

 その瞬間、彼女の表情が凍りついた。

 

 俺と、目が合ったからだ。

 

 ――既視感。

 

 はっきりと、彼女の瞳に浮かんでいた。

 

 俺自身も、胸がざわつく。

 

 理由はわからない。

 

 ただ、この首飾りを、離してはいけない気がした。

 

 ◆

 

 拠点を離脱した後、トラは上機嫌だった。

 

「いい収穫だ。薬も食料も手に入った」

 

「研究資料もあります。魔物の生態に関するものが多い」

 

「ふん。役に立つかは知らんがな」

 

 トラは笑い、難民たちも久々の満腹に安堵していた。

 

 俺は、その輪の外で、首飾りを指で弄ぶ。

 

 なぜか、外せなかった。

 

 重くもない。

 

 魔力も、ほとんど感じない。

 

 それなのに、確かな存在感があった。

 

 ――嫌な予感がした。

 

 ◆

 

 数日後。

 

 予感は、現実になった。

 

 連合組織の討伐部隊。

 

 正規装備。  統率の取れた動き。

 

 そして――勇者。

 

「投降しろ。これ以上の犠牲は、望まない」

 

 若い男が、剣を構えて言った。

 

 その声には、迷いがなかった。

 

 正義を疑っていない声だ。

 

 俺は、内心で舌打ちした。

 

 相性が、最悪だ。

 

 善人ほど、手強い敵はいない。

 

 ◆

 

 戦闘は、一方的だった。

 

 幻術は見破られ、罠は読まれ、トラですら押し切られる。

 

 勇者の剣は、迷いなく人を斬った。

 

 それでも、そこに悪意はなかった。

 

 だからこそ、救いがない。

 

 逃げ惑う難民。

 

 泣き叫ぶ子供。

 

 俺は、歯を食いしばりながら、後退した。

 

 ――その時だ。

 

 首元が、熱を帯びた。

 

 嫌な、予感。

 

 ◆

 

 剣が、俺の胸を貫いた。

 

 痛みは、ほとんど感じなかった。

 

 視界の端で、癒し手の女性が、こちらを見ていた。

 

 ――ミロク。

 

 なぜ、彼女がここにいる?

 

 疑問が浮かぶ前に、意識が闇に沈む。

 

 ◆

 

 次に目を開けたとき、俺は泣いていた。

 

 赤ん坊の体で。

 

 世界が、やり直されている。

 

 首元には、あの首飾り。

 

 ――理解した。

 

 これは、偶然じゃない。

 

 彼女も、きっと。

 

 何かを、知っている。

 

 そう確信した瞬間、俺の中で、彼女はただの研究者ではなくなった。

 

 世界の謎であり、

 

 そして――守るべき相手になった。




たぶん1~2話でヒロインの名前出さないっていう選択肢がチャッピーに無いのか
主人公が知らないはずのヒロイン名バンバン出されて宇宙猫みたいな顔で読んでる。

ハーメルン的には、まだ主人公が知りえない情報はボカシ入れるとかケイ線入れるとかすればセーフだと思う。でもチャッピーの投稿オススメ先にハーメルン入ってないんだよね。

追記:チャッピーで最初に出力してもらった時に1話と2話で内容の重複が多かったから、
「折角ループモノなんだしここ実は上手くやり直せなかった2周目って事にしよう」
とチャッピーと相談したのを思い出した。
でも全体を通して可笑しな所は修正した方が良いと思います。
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