Fateセカンドクラス   作:佐藤夜空

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第41話

「順当に考えれば……百名規模の犠牲者を出した犯人……俺と同じ立場の」

 ……サーヴァントしか有り得ない。

「ああ、更に頭が痛くなって来るわ」

 テーブルに肘を付き、髪を乱雑に乱す。

 ……この頃、問題ばかりが更新されていくせいで、気が休まらないわ。

「ダイジョブデースよ! 力を合わせれば、タオセマース!」

「そうは言っても、肝心な姿とクラスが分からないと……対策のしようが無いわよ」

 勢いで物事を進めるエマを制止させ、独眼竜に視線を向ける。

「……それに。セイバーの真名とクラスは特定されている、というか自らバラした訳だし……」

「ふん! その方が伊達男である俺を相手にする英霊達に……失礼だと思って、な!」

 むしろ、鼻で笑って現状の不利に対していた。

「そうデース! 私もサーヴァントになったら、同じ事をシマース!」

「そうか! 流石は、我が見込んだ相棒!」

 覆っていた不安が太陽の光で焦げ付く。

 ……日陰で休み続けるのも身体が冷えるだけだし、ね。

 深く吐いた息が心臓の震えを少しだけ和らげてくれた。

「ええ、私が間違っていたかもね。エマやセイバーが居るのだから、出来ない事は無いわね……取り敢えず、今は」

 紅茶の渋みをアップルパイの糖分で流し、やるべき内容を整える。

「荷物を家から取りに行きたいわ。当分、お世話になるのだから……足手纏いにはなりたくないの」

肩に差し込む夕立が、ぬるま湯に浸かった世界を沸騰させていく。

「だったら、アイボウが送り……」

「それは遠慮しておきます! 今から外へ出て行けば、ちょうど夜には帰って来られると思っています」

「デスガ……」

 俯く小さな身体が目の前で揺れ動く。

「行きも帰りもタクシーを使うから。丸腰で出入りするなんて、私でもやらないわよ」

「わかりました……しょうがないデース」

 ため息が背後から聞こえ、扉に手を掛ける。

「セイバー」

「なんだ、ランサーのマスター」

「この辺り一帯で、いちばん高い建物を探して欲しいのだけど、頼める?」

 着物の擦れと甲高い声が耳元を鳴らし、握ったドアノブの冷たさが意識を引き締めた。

 

「凄いデース。高いデースよ。アイボウ!」

「ああ! 現状、ココが一番、俺的には派手な場所だな!」

 吹き付ける風が素肌を鋭く削る。

「そうね、確かに……見晴らしは流石ね」

 一瞥した視界がネオンで満たされ、遠くで聳え立つ山々の全体像が伺える。

 足元に広がるコンクリートの硬さが思考を留め――

「それで。何か伊達な作戦でも思い付いたか! ランサーのマスターよ!」

「ええ」

 微かに聞こえる車の流れが、顎に宛がった指を手放していく。

――空中で散布する闇が、右隣の金髪を揺らめかせた。

「コレは一か八かだけど、私を囮に百名規模の人災を起こしたサーヴァントを倒すのは?」

「どうしてデースか? 杏サーンが望むコトデスカ? なら、アサシンを倒してから作戦を決めた方が良いデースよ!」

 ほのかに鼻孔内を満たす薔薇が視界をグラつかせる。

「い、いや……しゃ、喋り……にく、い……って」

 振動が首筋を覆う。

 

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